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結婚からの
二十五
しおりを挟む神殿内には祭壇が有るだけで他には何も無いように見えるが、実際は分からない。
3人で祭壇前に来ると祈りを捧げる様に跪く。この国の祈りの捧げ方は他の国とは違うとされているが、他国に行った事のない私には分からない。
数日呼びかけるように祈りを捧げていれば、頭の中に声が響いた。
『ごめんね?貴女の願いは聞き入れられないの』
喧嘩を売っているのだろうか?元々は君の気紛れで私が被害を被っているのに
『あら、でも貴女も楽しんでたんじゃなくて』
誰が楽しむか、離縁した元夫となんかと
『えっ?』
えっ?
『離縁って、いつ別れたの?』
前に私が護衛で王太子に着いてきた一年前
『何それ聞いてない。それより貴女と離縁なんてしたらあの子に掛かっている呪い、また発動しちゃうじゃない』
知らんがな。呪い?そんなもん私に押し付けるな、全部アイツが悪いんだろ
『あー、んー、折角上手くいくと思ってたのに馬鹿な子ね。
でも、貴女もう彼の子を産んでるからどうしたって彼から逃げる事は出来ないわよ?』
は?国境に張ってある変なの解除してくれればそれでいいけど?
『はぁ、それは構わないけど、彼の執着凄いから隣国とか周辺国に戦争ふっかけて貴女を取り戻そうとするけどそれでも良い?』
貴女が別の女を彼に充がえばいいじゃない?
『・・・・(わかってないわねこの子)まあ、良いわ。結界は解いてあげる。でもそこから先は私は関与しない。だから貴女達がどうなろうと私の知った事では無い。それだけ覚えといて。
もう私貴女には関与しないから』
分かりました、これ以上貴女を愚弄するの辞めにします
逃げ切りますから、色々ありがとうございました
『(逃げ切れると良いわね?彼の事だからもう目星つけてそこまで来てそうだけど。
まあ、私は彼等の血筋を幸福にさせないといけないから、時間を巻き戻すのも厭わ無いわ。
精々私を楽しませてね?)』
?何かを話されたように思ったが気の所為だと思い神殿を後にする。
これで他国に行くことが出来ると意気込み、森の建屋で休憩し終日掛けて森を後にした。
隣国との境にある街で、ウハウハで用意をしていると街中で何処かで見かけた事のある顔を視界の端に捉えた。
その時は気の所為だと思い宿に帰り、そこから冒険者として活動していたが、隣国に入る手続きをしに役場に来ていたら声をかけられた。
そう件の元夫
笑顔で対応していたら、“ラン”と呼ばれた。
?が頭の上で飛び交っているそんな表情をしていたのだろう、戸惑われた。
「えっと、その様な名ではありませんよ私。こう言う者です」
と身分証を渡す。辺境伯の平民の書類なので特別な物では無い。
苗字はなく名前だけ。リーズラントと。
爺様曰く平民まで調べたそうなので漏れがあるはずないと思っているだろう。
実際調べられたのでどうとは思わ無い。
訝し気に見られたが人違いならどうしようもない。その場はそれで終わったのだが、夕食を宿に併設されている食事処では無く、街でも美味しいと評判のお店に子供達と行ってみた。
育ち盛りなので沢山食べれて味も美味しくとても満足のいく物だった。
まさかそれを元夫が見ていたとは露にも知らず宿に帰った。
その晩は珍しく子供達が別で寝たいと言ったので、久しぶりの一人寝。
勿論部屋は大きいのを借りていたので寝室は別。
その深夜、彼が入り込んできて襲われるなんて誰が思うだろうか
しかも媚薬迄使った確信犯
やっっぱり前の時にヤツのブツを潰しておけばよかった
防犯の高い宿に泊まれば良かった
とっとと街を出れば良かった
どれもこれも後悔後に立たず。意識はあるのに散々な目に遭わされました。
そして最後にアイツが言った言葉
「結婚しましょう、リーズラント」
思わず叫んだがな
「君とはもう離縁してる。二度と私に関わるな」
何とか奴を撒いて隣国を跨ぎ違う国に逃亡しました。
やれやれ
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