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おまけ

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 リリム魂


 此処はとても温かい、それに自由に色々なところに行ける。

 いつからこの姿なのかは覚えていないけど、いつも私を大事に包み込んでくれるこの人に撫でられるととても安心する。

 どの位の時間この人の手の中で落ち着いていたのかは分からない。

 此処は真っ暗で何も見えないけれど、空気は暖かく何時迄も居ていたい気分になる。


 今日は何だか外に出てみたくなった。この人から離れるのは嫌だけどちょっと冒険。

 ふわふわと外に出て森や川でひたすら遊び倒した。
 ちょっと疲れたら木の上で休憩。

 時間が経つのも忘れてそろそろあの人の所に帰ろうと思ったら、よくわからない変な人達に囲まれてしまった。
 
 捕まらないように色んな所を経由してあの人のいる場所まで戻る。
 でもこの辺りと思う場所に来ても何処にあの人がいるのか分からない。
 
 あたふたしていたらさっきの人達が倍以上の集団になって追いかけてきた。

 怖くて早くあの人の手の中に戻りたくてピーピー鳴いていると、強い光が追い掛けてきた人達を一掃してくれた。

 ほっとしたのも束の間、網が上から降って来て捕まると思った瞬間、地面から触手が伸びてきて私を優しく包み込んでくれた。

 気がついた時にはあの人の手の中に居た。

 温かくてすり寄っていたらギュッと握り締められて、思わず形を変えてあの人の手を包み込んだ。

 ゆっくり手が開かれ優しく撫でられる。気持ち良くてうとうとし始め眠りについた。

 次に目が覚めた時少しだけ寒さを感じたのであの人の服の中に潜り込んだ。
 胸の辺りでぐりぐりと落ち着くように身体を動かしていたら、服の上から優しく撫でられた。
 包み込むような優しい光が放たれ私はそのまま眠りに落ちた。

 夢の中で子供の声を聞いた。

『もう少しちゃんと彼女の魂を守ってくださいね。僕では限界があるんですから。お願いしますよ?リーヴァイス』

 何処かで聞いたことのある声。リーヴァイス、この人の名前はリーヴァイスなんだ。誰かの名前に似ている。誰だろう?とっても大切な人だったように思うのに顔も名前も思い出せない。
 
 早く起きてくれないかな?そしたら2人で色々な所に行けるのに。
 1人よりもきっと2人の方が楽しいと思うから。

 私を温かく包み込んでくれる人。この人が幸せになれるのなら私はこの人に食べられても構わない。


 私は何処までも自由だよ。



※※※※※※※

 エス視点


 母さんが亡くなってしばらくするとレイの奥さんが身籠った。
 だからレイに、女の子だったら僕のお嫁さんにくださいとお願いした。

 どうやらそれがいけなかったらしい。最大限レイに警戒されてしまい、中々生まれた子と合わせてもらうことが出来なかった。

 それから2年後またレイの奥さんが身籠った。
 僕としては本命はこっちの子。僕なしでは生きていけないように仕込もうと思う。
 年齢差?そんな物は関係ない。僕が望んだ。それだけで充分だ。

 上の子供は男女の双子で、皆んなで手分けして育てた。レイの教育方針には誰も口を出さなかった。僕もそうやって育ててもらっていたからそれが普通なんだと思っていた。

 3人目が生まれた時、僕に子育てを任せてくれた。上2人が思った以上にお転婆と言うか、手がつけられない状態になっていたから。

 奥さんは産後の肥立ちが悪く中々ベッドから出る事が出来なかったのも、そうなった原因の一つ。

 双子と赤子の面倒を見ながら、レイの教育方針通りの子育てを行う。
 知力武力共問題なく学んでくれているのは有り難いが、僕を撒くのに罠を仕掛けるのはどうにかしてほしいとレイに苦言を呈した。

 流石に邸内に罠を張ったのは不味かったらしく、双子はこっぴどく叱られていた。
 ついでに私は巻き添いを喰らって怒られた。解せない。

 

 時が経ち僕も三十路に近くなり、レイの3番目が18になると同時に彼女を襲った。
 もともとレイには内緒で身体に悪戯していたので、彼女はその延長線だと思っていたみたいだけど僕としてはそうでは無い。

 初めての行為を終えた後、彼女に僕の子供が出来たらすぐに言うのだよと優しく囁けば驚いた顔をされた。
 多分行為の意味をわかっていなかったのだろう。まだ僕自身を彼女の中に入れたまま求婚し、承諾を得るまで犯し続けた。

 翌朝レイが不審に思って部屋を訪ねるまで行為は続けられ、存分に彼女を快楽漬けにした。もう僕から逃れられないようにしっかりと身体に教えこんでおいた。

 レイは僕から彼女を離したがった様だけど、僕がそれを拒み昼夜彼女を囲い込んだ。そうしたらあっさり身籠ってくれて結婚する事が決まった。

 彼女には今だに遊びだと思われている様なので、彼女の体調が悪い時以外は視察にも連れて行った。

 贈り物や気遣いなども忘れず子供が産まれるまでには僕に信頼を寄せてくれる様になった。

 問題は双子。親に似なくてはっきり言って遊びまくっている。


 そんな双子が妹に子供ができたと知れば何をするかわからない。
 子供が生まれてから連絡したものの、案の定姉の方がちょっとした嫌がらせをしたらしく、彼女は産後鬱になってしまった。

 面倒になったので、四六時中奥さんと子供と一緒に居たら流石にそれ以上はしてこなかった。
 レイと僕からの仕置きが怖いと思ったのかも知れない。最も、裏で手を回していた分に関しては全て処理済だからなんの問題もない。
 
 彼女を社交に出す気はないので、このまま自由にしてもらおうと考えていたら、双子の姉がちょっかいを出してきた。

 レイと2人で鉄槌を下し冒険者になる様仕向ける。本人もそれを喜び、兄共々冒険者として世界中を飛び回ることになった。

 何はともあれ僕は彼女を奥さんに迎えられて子供も作れたのだから何も言わない。

 お祖父様は亡くなったけど、領地は私が引き継ぐことになったからより一層豊かにして母さんを蔑ろにした事を後悔してもらわないと。

 母さんを育てたお祖父様が守った土地は僕がしっかり引き継ぐから、いつでも此処に父さんと戻ってきてくださいね?母さん。
 
 待っていますよ。







 
 
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