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しおりを挟むいつの間にかリヴァル様に抱きしめられてベッドで寝ていたので、もぞもぞ抜け出し窓の外を確認すると茜色だった。
「ん」とリヴァル様が身動ぎされたと思ったら、直ぐ胸元に抱き締めたれた。
温かくてまた泣きそうになったけど、リヴァル様に抱き付き頭をゴリゴリ擦り付けたらクスクス笑われた。
コンコン
扉がノックされリヴァル様がどうぞと言うと、レイが入ってきた。
「お二人とも目覚められましたね。夕食前にお茶でもいかがですか?」
「ええ、いただくとしましょう。リリム、起きれますか?」
「はい、大丈夫です」
ベッドから起き上がった私を見てリヴァル様は、綺麗にしてから行きましょう、と乱れた髪を直して服も綺麗にしてくれた。
サロンでお茶を飲んでいると、リヴァル様に聞きたいことはありませんか?と言われたので、あの女の人に言われた言葉の意味を教えてもらおうと訊ねてみた
。
「ええっとですね。多分ですけど、仕事で着ている服が、いやらしいと言われました。そして商売女。後はえっと、男のものを咥え込んで喜んでいる?で、アバズレ、で男を誑し込んでいる。
よくわからない言葉ばかりなのですが、どんな意味があるのですか?
あっ、貧相な身体はヴィ様に教えて貰ったので大丈夫ですよ」
いつの間にかサロンに居た影も含め、3人が固まった。
リリムがあれ?と首を傾げると、レイがいち早く反応してくれる。
「リリム様、仕事で着ている服は全てこちらで用意しているので、いやらしいなどあり得ません。実際レストランのお客様からは衣裳をどこで作っているのか問い合わせが来る位なんですから。
貴族ともなると目新しいものに行きますから、あの服は斬新且つ夜会などできても問題ないと思われているのですよ」
「そんなに凄かったんですね。あの衣裳。じゃあ、何を見ていやらしいと言われたんでしょう?」
「多分、リリム様の衣裳がズタズタにされた時に代わりに着ていたああいう服がいやらしいのです。実際肌の露出がおおかったでしょう?」
「えっ?じゃあ無理矢理着せられていたのにいやらしいって言われたんですか?」
「ええ、まあ、そう言うことになりますね」
呆気に取られる私。好きで着ていたわけじゃないし、・・・あの人店にいなかったよね?でも私があの服を着ていたのを知っている。ああ、つまりあの人が用意して私に着せたのか。
やっと納得がいくと共に、自分が用意しといて、と思う気持ちが大きかった。
「で、次に商売女ですが、これは客を相手にする女性を指します。ですので、舞を披露しお金を貰うと言う意味では違いありません。更に言えば客をもてなす、話をしたり、食事相手をすると言う方もこれに当たります。ただ、その女性の言う商売女はこの事を指すのではなく、身体を売ってお金を稼ぐ方を言っているのだと思われます。」
「?舞を披露するのも身体を売る、と言うことではないのですか?」
「舞は披露する。要は見て楽しんでもらうもの。それを評価した金額を受け取っています。ですが、身体を売るのは、自身の身体を相手に触らせ好きにして構わない、その代わりに高額を貰う。そういう事です。その中には性欲を満たす行為も含まれます。まあ、その行為についてはヴィ様がちゃんと教えてくださいますよ。分かりやすくね」
そう言われヴィ様を見ると、にっこり微笑んで頭を撫でられた。やっぱりヴィ様に頭を撫でられるのは気持ち良い。
「こほん。で次に男のものを咥え込んでいる、でしたか。それについてもヴィ様が教えてくださいますよ。それが“閨”の事になります」
「閨の事って覚えることが多いんですね」
「そうですね、いきなり本番では怖いでしょう。心の準備はしておいた方がいいですよ」
レイはニコニコしながら話してくれているけど、壁の側に控えている影の人はどこか胡散臭そうな顔でレイを見ている。
ヴィ様は私の額に口付けを落として、痛い事は何もしませんからね、と言ってくれる。
まあ、痛くないなら良いのかな?
「アバズレは常識のに人を指します。ですのでリリム様には当てはまりません。何をとってその女がアバズレと言ったのか、ですが、その女ヴィ様に気がある様なのです。ですのでリリム様にヴィ様を横から取られたと思って言ったのだと推測されます」
その話を聞いてヴィ様を見てレイを見る。
「じゃあ私がヴィ様の側から離れたらいいの?きゃ」
言い終わると同時に、ヴィ様の膝にのせられ目が合うように顔を上に向かされた。
「リリム、貴女は僕の意志を無視していませんか?」
「え?」
「僕が側にいて欲しいのはリリムであってあの女ではないのです。ですからリリムが此処を出ていく必要はありません。そして、僕がリリムに“閨”の事を教えるのは貴女のお祖父様からも了承を得ています。ですので問題ありません。問題が有ればリリムの面倒は一生僕が見ます。それは、そこに居るレイや影も了承している事です」
分かりましたね。とチュッと唇に口付けされた。
人に見られては初めてで恥ずかしくてリヴァル様胸に顔を埋めた。
リヴァル様はクスクス笑いながら頭を撫でてくれる。それを見ていたレイが、
「仲が良いのは良い事ですが、リリム様には言葉で分かりやすく伝えた方が良さそうですね。
それに、リリム様。ヴィ様の居る場所に入れる人間は限られています。確かにリリム様は皆さんから愛される人誑しかもしれませんが、その様な人間はこちらには入れません。リリム様だからここにいれるのです。その事を是非お忘れなきようお願いしますね。」
途中からレイを見て話を聞いていたから、お願いされた時は圧倒されてしまって「はい」と答えた。その後僕も嬉しいですよと、ヴィ様に抱き締められたからよかったのだと思う。
この場所は誰にもあげたくないなと我儘な事を考えてしまったのはみんなには内緒だ。
クスクス、可愛い事を考えていますね。今晩は寝かせてあげられませんね。
黒い笑みのリヴァルに、レイと影がげんなりしたのは言うまでもない。
閨ってほんとに何するんだろ?でもあの女の人詳しいってことは経験があるってことだよね?
私より、いろんな男の人に身体を触らせているあの人の方が綺麗では無いよね?3人にも嫌われてそうだったなぁ。
自覚あるのかな?
リヴァルに頭をポンポンされまたリヴァルに抱き付いた。
うん、安心する。
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