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13 微✳︎
しおりを挟むガチャリとドアが開き美丈夫が入ってくる。
リヴァル
彼の顔を見た瞬間頭に声が響いた。声に出して呼ぼうとするも、声が出ない。喉に手を当て声を出そうとするもヒューヒューと息が出るだけ。頑張ってみても「あ」の音も出ない。喋れないと分かり涙がこぼれた。
ギシリ、リヴァルがベッドに腰掛けて涙を拭ってくれる。リヴァルと名前を呼んでも音にならない。そんな私に優しく口付けを落として、顔を上げ首筋に吸い付いてくる。ペロリと舐めながら違う場所を何度も吸いつかれ、ベッドに倒れそうになると優しく寝かされ、首筋が真っ赤になっているんじゃないかと言うほどその行為は続いた。
首筋から顔を離されると、唾液が糸を引いていて恥ずかしくなり顔をそっぽ向けてしまった。
直ぐリヴァルの方を向かされ、そのまま深く口付けられる。今までは口を合わせた状態で舌を絡め合うだけだったのに、口を離した状態でも舌を出して吸いつかれ、ぴちゃぴちゃと音を立て唾液の交換迄されると恥ずかしくて顔を真っ赤にしてしまう。その上足の付け根辺りがムズムズする。
リヴァルが出ていった後に確認しようと着替える事を伝えると、耳を舐められ「ひゃあ」と声を出してしまった。そう、声が出たのだ。嬉しくてリヴァルに抱きつき「ありがとう」とお礼を言う。「いいえ、どう致しまして」とクスクス笑いながら言われ思わず頬を膨らます。
頬をちょんちょんと指で啄かれ、「あんまり可愛いことをしていると身体中を食べますよ?」と、私の足の間に入り込み私の足の付け根、黒い手にに指を入れられた所を撫でられた。
ビクンと身体が跳ね「やっ」と声が出て「キスだけで濡れたんですね。可愛いですよリリム」と嬉しそうに耳元で囁かれ耳を舐めらカプリと食まれ吸いつかれた。
顔を固定され耳にぬちゃぬちゃと音が響きその上あろう事か耳の中に舌を差し込んできた。
下の穴に指を差し込まれたみたいな感覚に落ち入り、リヴァルに縋り「もうやだぁ」と訴えた。
舌を抜き優しく頭を撫でて抱きしめてくれるリヴァル。
「今日は抱き締めて寝るだけに留めますが、明日からはリリムに閨の事を教えていきますね」
そう言われて何のことかわからなかった。「閨って何?」リヴァルは笑顔のまま固まった。
しばらく待っても全く動く気配がなくどうしようか考えていたら、ノックの音が鳴りレイが入ってきた。
ベッドの上で動かないリヴァルを見て私を見たので説明すると、「問題ありませんね、ベッドから落としましょう」と力を入れずに引き飛ばした。
「えっ」という間に綺麗に着地してレイに笑顔で迫るリヴァル。
「初心なリリム様に変なこと言うからそんな返しが来るんですよ?ちゃんと言葉を選んで話さないといけませんよ?」
会話を聞いいてて思ったのは、リヴァルの名前をレイが口にしない事。疑問に思って聞こうとしたら、また声が出ない。
それに気づいたレイが、「彼の名前は特殊で彼が認めた人でないと呼ぶことも聞くこともできないのですよ。なのでリリム様が呼びやすい名を付けて頂ければ宜しいかと」
そう言われてリヴァルを見ると頷かれた。変な風に呼びたく無かったのと、リヴァル様の名前から付けたかったので、「ヴィ様」と呼ぶと、背後に花が舞いキラキラと輝きまで見えた。
えっ?幻視?え?
目を擦ってもう一度リヴァル様を見ると、背後にはもう何も見えなかった。
?が頭の上で揺れているけど、2人は着替えと身体を拭くタオルを持ってきてくれた。湯浴みはご飯の後でリヴァル様と一緒にと言われ、恥ずかしい場所も拭かれた。
2日間眠っていたのだからと、スープから始まり、固形物は柔らかく煮た野菜だけだった。
物足りなさを感じたものの、無理をすると胃腸が慣れていないから戻す可能性があることを聞かされ我慢した。
私が倒れた後のお店のことなど聞くと、仕事の出来ない、私に無理矢理接客させようとしたサブリーダーはクビになったそうだ。店の規約を守れない者は雇えないとの事。オーナーと支配人が謝罪に来てくれたそうだけど、私の意識が回復していなかったこともありまた後日になったそうだ。
あの店で仕事を続けてもいいかレイに聞くと、「そうですね、もうしばらくは良いでしょう」と返事を貰えた。
客席でリヴァル様を見た事が無かったので、見にきて欲しいと伝えると、頭を撫でながら「勿論行きます」と返事を貰えた。その日のために身体を元に戻しておかなくちゃと、走りに行こうとしたら、影の人を含めた3人止められた。
「「「病み上がりで無理をしてはいけません(よ)」」」
あれ?
その日はリヴァルさんのお膝の上で経済学の本を数冊読んで、自分の見解を纏めレイに提出。これは何時もバーナードさんとしていた事。
久しぶりだったので時間がかかってしまったけど、見やすく出来たと思う。
リヴァル様には「偉いですよ」と頭を撫でられ、影の人には「素晴らしいですね」と褒められレイには・・・うん、「時間を無駄にしてはいけませんよ」と厳しいお言葉を頂いた。
リヴァル様の胸にしがみつくと、抱き締められ「あれでも褒めているんですよ」と言われた。「ヴィ様」と涙目で見上げると、可愛い顔しないでください、と訳の分からないことを言われた。
それから数日は穏やかな日が続き、1人でお買い物にも行ける様になった。
まさかそこで女の人に絡まれる?文句を言われる?とは思いもしなかったけど。
※※※※※※※
レイ視点
リリム様が起きられたのを感じ取り彼が寝室に向かう。
起きてこられるまでに、お腹に優しいものを作る。なんせ2日間眠ったままなのだから。
まあ本人は「お腹空いた」と言われるでしょうがここは我慢していただきましょう。
料理も出来上がり後は2人を待つのみなのですが、中々出て来られない。
不審に思いノックしてドアを開けると、ベッドの上で彼が固まって動かないそうで、どうしたらいいのか分からないと、焦るリリム様。
とりあえず彼をベッドから下ろし、あ、投げ飛ばしたの間違いですね。ああ見えて鍛えているので重いんですよ。華奢な優男にみられがちですが、結構筋肉質ですしね。私も人の事言えませんが。
で、何の話をしていたのか聞きますと、閨とは。
・・・・・・・・・父よ、流石に14にもなるのだから知識くらいは教えておいて欲しかったです。
まあ彼が教える気満々でいらっしゃるので問題は無いでしょう。16までは純潔を守ると言っていましたし。護衛に着くものが大変ですがね。
さあリリム様も着替えて食事にしましょう。鈍った身体は動かさないと行けませんからね。
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