8 / 45
8
しおりを挟む夕の舞を披露し、お客様の処に向かう。人数や接客に向かうのは私の自由にしてもらっているので、調子が悪いと伝えれば無理強いはされない。
だけど今回は勝手が違った。オーナーや支配人が居ない時はリーダーを頼るのだが今回このリーダーが問題だった。
はっきり言って仕事が出来ない為、勤続年数だけでサブリーダーを任されている状態。職員もそれを理解しているため、指示に従う者は新人くらいである。
かく言う私もオーナーから忠告されているため、彼に従う事はない。従って今回も数席回って、もう一度舞台で舞を披露して帰ろうとした。
其処で彼、サブリーダーが声をかけてきた。「お得意様の席に挨拶に行ってくれないか」と。
勿論お断りした。今夜の仕事は終わっている。それにレイの気配もするから、帰っても問題ないと判断した。
こんな露出の多い服を早く脱ぎたくて、更衣室に向かおうとしたら、腕を掴まれ客席まで引き摺って行かれた。残念ながら小娘の私では腕力でこのサブリーダーには敵わなかった。
サブリーダーを睨み付ければ、踵を返して去って行った。
お客様にお見苦しいところを見せたと謝罪をし、席を離れようとすると、お付きのものに席に座らされ、いきなり隣に座っていた小太りのおじ様に肩に手を回された。
触れられたと思った瞬間チクッとした痛みを感じた。直ぐに離れるも、身体が重く感じ、思考が思う様に動かない。
内心マズイ。と冷や汗をかきつつ対処を考える。が、良い考えが浮かばず、段々意識が遠のいていきそうになる
。
『頑張って化粧室まで行けますか?』
風に乗って聞こえてきたレイの声に嬉しくなり、断りを入れてバックヤードの化粧室に向かう。
身体が重く思うように足が動かない。でも、裏に入って仕舞えばもう大丈夫。化粧室目前で私は意識を無くした。
「注意が足りません」とレイに怒られるかな?
※※※※※※
美丈夫視点
可愛い私のリリム。君に手を出す輩には僕が全て消してあげる。
君が何の憂いも無く僕の側に笑顔で居てくれたら私は何も言わないし、君の自由を制限しないよ。
いつでも私という鳥籠に帰って来てくれるのならね。
今回は本当に馬鹿げた事で呼び出されてしまった。
リリムの集めた情報を精査して帝国有利に事を進めていたのだけど、何処ぞの馬鹿が戦争の文字をチラつかせたようだ。
帝国内の裏切り者には忠告を、アーバイン国と隣接する多民族国家セイルには王族に警告及び、叛逆者の情報を、そしてアーバイン国には内通者の密告文を送っておいた。
セイルの王族には知り合いがいるし、信頼しているから問題視していない。
だが、帝国の者は駄目だ。全く信頼出来ない。今までも何度も裏切ってくれた者だ。爵位や領地取上げでは生ぬるかったようだ。
我が国に奴隷制度はない。では、過酷な環境で働いてもらい、其処でどれだけ立ち回れるか確認してから処分しよう。
勿論家族も一緒にな。
アーバイン国には思い入れは無いが、まだ今はリリムの住んでいる国だ。安全であったもらわねば困る。万が一にも他に嫁がされることのないように。
その日はレイもリリムの側を離れることになった。誰の仕業かは分かっていた事なので、影の中でもそんざいさえしられていないアレをリリムに付けた。
結果は良好。夕の仕事に入るまでは問題なかった。
リリムの衣装は僕がデザインして作らせている。似合うのは勿論、私以外に肌を見せるなどあってはならない。
その衣装がズタズタにされ、リリムに露出の高い衣装をきせるあいつはこの世にもう要らない。
リリムの舞はいつ見ても見事としか言いようがない。誰でもその姿に見惚れる。だが、身体を狙うのは駄目だ。あの子に快楽を仕込むのは僕だけだ。
最後に接客した者に何かをされリリムの調子がおかしい。
気力で頑張っている様だが、明らかに媚薬入りの飲み物を飲まされたようだ。
側にいたレイが「頑張って化粧室まで行けますか?」と声を風に乗せてリリムに送る。
何とかバッグヤードの化粧室迄辿り着く手前で身体が傾く。
床に倒れ込む前に受け止め、上着を掛け横抱きにする。
自分の黒い部分が全面に出ていたようで、レイと影は理解したと言う様に、その場をさった。
私もリリムを連れて、この都市にある自分の邸に戻った。
敏感になり過ぎた身体に今の状態はキツいだろう。
直ぐに僕が収めてあげるからね。
あー早く犯したい。
1
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結・R18】下々を玩具にした姫の末路
ハリエニシダ・レン
ファンタジー
身分が高い者は何をしてもいいと、やりたい放題やってきた高慢なお姫様。クーデターが起きて、王家に怨みを持つ兵士達に肉体的にも精神的にも滅茶苦茶にされてしまいます。
1〜3話は陵辱→気持ちよくなっちゃう
4話はそれ+百合テイストで、最初から気持ちよくなってる
話です。
※かなりガチな陵辱なのでご注意ください。
◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
完結済みの「姫様に玩具にされたメイドと騎士」のif です。ちょっと力を入れ過ぎたのでこちらに隔離してあります。
以下を知ってれば本編読んでなくてもエロを楽しむ分には支障ありません。
解説: ミリアとリチャードは、本編にて姫様の退屈しのぎに姫様の目の前でエッチさせられてたメイドと騎士です。
本編を読んだ方への解説: 二人がまだ姫様のオモチャだった頃に起きた話です。
※初期から何度も修正入れてたら、とうとう一話が一万文字近くなりました。流石に一気には読みにくそうなので分割しました。
◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
【R18】偽りの騎士〜鎧の下の身体〜
サディスティックヘヴン
ファンタジー
聖堂騎士団に所属するブラッドは同室の分隊長シルバーの正体が、実は女であることを知ってしまった。
常々シルバーの活躍に嫉妬し、恨みを抱いていたブラッドは、その秘密を盾にし、シルバーを無理やり犯したのだった。
【R18】絶望の枷〜壊される少女〜
サディスティックヘヴン
ファンタジー
★Caution★
この作品は暴力的な性行為が描写されています。胸糞悪い結末を許せる方向け。
“災厄”の魔女と呼ばれる千年を生きる少女が、変態王子に捕えられ弟子の少年の前で強姦、救われない結末に至るまでの話。三分割。最後の★がついている部分が本番行為です。
壁尻刑のある街で
樋川カイト
ファンタジー
旅の冒険者であるエマは、女性の地位がかなり低い街で揉め事を起こして逮捕されてしまう。
その街では、男性に逆らった女性に対してのみ行われる独自の刑罰があった。
※この作品はノクターンノベルズ、pixivのも掲載しています。
皇妃は寵愛を求めるのを止めて離宮に引き篭ることにしました。
鍋
恋愛
ネルネ皇国の后妃ケイトは、陰謀渦巻く後宮で毒を盛られ生死の境を彷徨った。
そこで思い出した前世の記憶。
進んだ文明の中で自ら働き、 一人暮らししていた前世の自分。
そこには確かに自由があった。
後宮には何人もの側室が暮らし、日々皇帝の寵愛を得ようと水面下で醜い争いを繰り広げていた。
皇帝の寵愛を一身に受けるために。
ケイトはそんな日々にも心を痛めることなく、ただ皇帝陛下を信じて生きてきた。
しかし、前世の記憶を思い出したケイトには耐えられない。命を狙われる生活も、夫が他の女性と閨を共にするのを笑顔で容認する事も。
危険のあるこんな場所で子供を産むのも不安。
療養のため離宮に引き篭るが、皇帝陛下は戻ってきて欲しいようで……?
設定はゆるゆるなので、見逃してください。
※ヒロインやヒーローのキャラがイライラする方はバックでお願いします。
※溺愛目指します
※R18は保険です
※本編18話で完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる