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 夕の舞を披露し、お客様の処に向かう。人数や接客に向かうのは私の自由にしてもらっているので、調子が悪いと伝えれば無理強いはされない。
 だけど今回は勝手が違った。オーナーや支配人が居ない時はリーダーを頼るのだが今回このリーダーが問題だった。
 はっきり言って仕事が出来ない為、勤続年数だけでサブリーダーを任されている状態。職員もそれを理解しているため、指示に従う者は新人くらいである。
 かく言う私もオーナーから忠告されているため、彼に従う事はない。従って今回も数席回って、もう一度舞台で舞を披露して帰ろうとした。

 其処で彼、サブリーダーが声をかけてきた。「お得意様の席に挨拶に行ってくれないか」と。
 勿論お断りした。今夜の仕事は終わっている。それにレイの気配もするから、帰っても問題ないと判断した。
 
 こんな露出の多い服を早く脱ぎたくて、更衣室に向かおうとしたら、腕を掴まれ客席まで引き摺って行かれた。残念ながら小娘の私では腕力でこのサブリーダーには敵わなかった。
 サブリーダーを睨み付ければ、踵を返して去って行った。

 お客様にお見苦しいところを見せたと謝罪をし、席を離れようとすると、お付きのものに席に座らされ、いきなり隣に座っていた小太りのおじ様に肩に手を回された。
 触れられたと思った瞬間チクッとした痛みを感じた。直ぐに離れるも、身体が重く感じ、思考が思う様に動かない。

 内心マズイ。と冷や汗をかきつつ対処を考える。が、良い考えが浮かばず、段々意識が遠のいていきそうになる


『頑張って化粧室まで行けますか?』

 風に乗って聞こえてきたレイの声に嬉しくなり、断りを入れてバックヤードの化粧室に向かう。
 身体が重く思うように足が動かない。でも、裏に入って仕舞えばもう大丈夫。化粧室目前で私は意識を無くした。




 「注意が足りません」とレイに怒られるかな?


※※※※※※



美丈夫視点

 可愛い私のリリム。君に手を出す輩には僕が全て消してあげる。
 君が何の憂いも無く僕の側に笑顔で居てくれたら私は何も言わないし、君の自由を制限しないよ。
 いつでも私という鳥籠に帰って来てくれるのならね。

 今回は本当に馬鹿げた事で呼び出されてしまった。
 リリムの集めた情報を精査して帝国有利に事を進めていたのだけど、何処ぞの馬鹿が戦争の文字をチラつかせたようだ。
 帝国内の裏切り者には忠告を、アーバイン国と隣接する多民族国家セイルには王族に警告及び、叛逆者の情報を、そしてアーバイン国には内通者の密告文を送っておいた。

 セイルの王族には知り合いがいるし、信頼しているから問題視していない。
だが、帝国ウチの者は駄目だ。全く信頼出来ない。今までも何度も裏切ってくれた者だ。爵位や領地取上げでは生ぬるかったようだ。
 我が国に奴隷制度はない。では、過酷な環境で働いてもらい、其処でどれだけ立ち回れるか確認してから処分しよう。
勿論家族も一緒にな。

 アーバイン国には思い入れは無いが、まだ今はリリムの住んでいる国だ。安全であったもらわねば困る。万が一にも他に嫁がされることのないように。

 その日はレイもリリムの側を離れることになった。誰の仕業かは分かっていた事なので、影の中でもそんざいさえしられていないをリリムに付けた。

 結果は良好。夕の仕事に入るまでは問題なかった。
 
 リリムの衣装は僕がデザインして作らせている。似合うのは勿論、私以外に肌を見せるなどあってはならない。
 その衣装がズタズタにされ、リリムに露出の高い衣装をきせるはこの世にもう要らない。

 リリムの舞はいつ見ても見事としか言いようがない。誰でもその姿に見惚れる。だが、身体を狙うのは駄目だ。あの子に快楽を仕込むのは僕だけだ。

 最後に接客した者にをされリリムの調子がおかしい。
 気力で頑張っている様だが、明らかに媚薬入りの飲み物を飲まされたようだ。

 側にいたレイが「頑張って化粧室まで行けますか?」と声を風に乗せてリリムに送る。

 何とかバッグヤードの化粧室迄辿り着く手前で身体が傾く。
 床に倒れ込む前に受け止め、上着を掛け横抱きにする。

 自分の黒い部分が全面に出ていたようで、レイと影は理解したと言う様に、その場をさった。
 
 私もリリムを連れて、この都市にある自分の邸に戻った。
敏感になり過ぎた身体に今の状態はキツいだろう。
 直ぐに僕が収めてあげるからね。





 あー早く犯したい。


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