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アンチノック・スターチスの誤算
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単純に計算をすれば、それは都合四十分のロスと言えた。
煉瓦で造られた段差には、歪な凹凸がある。本来人の歩く場所として造られていないのだから、その歪みが人間の足元を狂わせても仕方がない。城脇鳴海は注意深く踏みしめながら、それでもそこを「道」とするのを止めなかった。
だって意地悪な想い人が、わざと歩道の内側に居るのだから仕方がないのだ。
〝……ちゃんと歩けよ〟
呆れたような声で、一之進が咎める。鳴海はしっかり歩いていた。何なら両手がその反動で動いてしまうくらい元気よく足を前に出している。この場合の「ちゃんと」とはその所作ではなく、踏みしめるべき地面となりうる箇所の選択だった。
鳴海はゆっくりと瞬きをした。綺麗なカールを描く睫毛が、見せつけるみたいに上下に動く。ふわふわと揺れているウォームブラウンの髪も、透き通るような肌色も、まるで宗教画に描かれるような天使そのものだった。腹立たしいほどに一之進好みのその顔が、心底不思議そうにこちらを覗き込んでくる。
上半身だけが、歩道に傾いた。バランス感覚が常人のそれより優れている鳴海でなければ、転倒してもおかしくない程の危うい姿勢だった。
「鳴海さん、危ないです」
すかさず拓真が口を添える。彼の人の良さが全面に出ている適切なアドバイスだった。
「だって」
鳴海とて、テトラポットの上を歩くようなテンションで民家の壁の上などを歩きたくはなかったが、こうでもしないと一之進の隣りにいられないのだから仕方がない。まるで鳴海を避けるようにして、歩道の内側、拓真の丁度右隣に浮いている彼を恨めしげに見遣る。彼の左隣には拓真、右隣には民家の壁という鉄壁のディフェンスを取られてしまっては、その上を軽やかに歩くこと以外の選択肢など存在しなかった。
「君が好きなんだもの」
鳴海は改めて口にした。一之進のささやかな意地悪は、とても好意を受け取ったばかりの人がとる態度じゃないと判断してのことだった。
あの日鳴海がぶつけた決死の告白は、文字通り死との隣り合わせだった。そんな非常事態に溢した言葉が混乱と混沌に紛れてしまったのかもしれないし、その信憑性を疑われている可能性もある。鳴海としては想い人に気持ちを何度も伝えること自体は手間でも何でもなかったので、躊躇わず再度言葉にして愛を告げる。鳴海にしてみればこの逢瀬が原因で通学に掛かる時間が四十分増になることだとか、中国雑技団のように壁を伝い歩く羽目になることだとかは全てにおいて些事であり、取るに足りないことであった。
一之進は、露骨に顔を顰めた。その日に使うつもりだった野菜が冷蔵庫で腐っていたのを見つけた瞬間に似た、どうしようもないものを見た時のような顔だった。
〝幽霊相手に、馬鹿なこと言ってんな〟
「馬鹿なことだなんて思ってないよ」
〝どう考えたって、生きている人間と付き合った方が良い〟
「いち君はそう言うけど、俺はどう考えてもその結論に至れないんだよね。一体どういう思考回路を辿ったらいち君以外の人と付き合う方が良いって思えるのか、教えてくれないかな?」
〝お前な……〟
本当にご教授を願い出ているとは欠片も思えないような言い方で、鳴海が自身を説き伏せてくれと請い願う。それは中身なんてない、マザーグースの童謡に出てくる言葉遊びに近かった。
一之進は途方に暮れた声でそう返すに止める。暖簾に腕押しに近い説得を続ける気は、少なくとも今日のところはなくなった。
「もう、観念して頷いたら良いのに」
〝良い訳あるか!〟
「だって好きでしょ、俺の顔……あれ」
とりあえず自信があるその部分だけは念押しのように確認しているうちに、拓真の通学路はそろそろ終わりを告げる場所にまで到達していた。手すりの錆びた陸橋の前で、手を振って来た道を戻るのが鳴海の日常になりつつあったが、その陸橋の登り口――同時に降り口でもあるのだが――に踞っている女性がいた。
「大丈夫ですか?」
聡い鳴海は、通学時間を単純に四十分前倒しにすることをしなかった。有事のための余裕のつもりでもなかったが、逆算の面倒臭さやバスの時間が丁度良いものがなかったことも相まって、それなりに時間に余裕があるように家を出ることにしていたのだ。つまり明らかに調子の悪そうな女性が、アッシュグレーの髪を背中に滑らせたまましゃがみこんでいるという有事に遭遇しても、声を掛けるくらいのゆとりはあったということである。
〝鳴海〟
「なぁに?」
〝死んでる〟
端的に、一之進が言った。はた、と一度瞬きをして、鳴海は縮こまっている拓真に問い掛ける。
「見える?」
どうして彼が縮こまっているのかというと、鳴海が臆面もなく一之進相手に愛を告げていたからであり、限りなくお邪魔虫であろう自分の気配を限りなくゼロに近い状態まで消そうと努力していたためであったが、まさにその最中に急に話を振られ、拓真は漸く呼吸を思い出したかのようにヒッと息を飲んだ。
大きな目をパチパチとさせながら親切にも鳴海が指差してくれている場所に改めて視線を向けてみたが、陸橋から落下した錆の欠片と、「路」という漢字の塗料が剥がれかけている「歩行者専用道路」という文字しか見当たらない。
この見慣れた風景のことを指しているのでなければ、鳴海への返答はひとつしかなかった。
「いえ……誰も」
鳴海は伏せ目がちに足元を見遣った。それは、彼と一之進にしか見えていないだろう何かを思案するような眼差しだった。
〝あの……私が見えるんですか?〟
か細い声で、女性が恐る恐る問う。
失敗した、と正直に思った。
鳴海にできることは、「見る」以外に他ならない。その存在を認識できるからといって、恭介達のように浄霊の方法など知らないのだから、うまく成仏できるよう導いてあげることはできない。
ただ単に見えるだけ、感じるだけだ。余計な期待を持たせてしまったことが心苦しかった。
「……生きてる人だと思った。普段は、こんなにくっきり見えないのに」
〝意志が強いんだろ〟
「意志?」
子供のように言葉を復唱して聞き返す鳴海の頭をポンポンと撫でながら一之進が言った。
〝言い換えりゃ未練だな。稀にそういうこともある〟
気持ちに答えてくれないのに、時々泣きたくなる程一之進は優しい。鳴海が今途方にくれていることを、誰よりも先に気づいてくれるのだから。
柔らかく肩を押され、一之進が鳴海の前に出る。毛先の傷んだ髪を繰り返し触りながらその女性の霊は、惑うように一之進を見上げた。
〝悪いな、俺らはあんたを楽にしてやれる方法を知らねェ。だが知り合いに、そういうのを専門にしてるやつがいる〟
一之進がバス停の地図を指差した。恭介の神社に近い地名を指し示しながら、穏やかな声で女性に声を掛ける。それは言い含めるような、いつまでも聞いていたいと思えるくらいの優しい声だった。
〝どうにかしたいと思うんだったら、ここに行け。土屋恭介という人間がいる。子供だが、お祓い業を営んでいて、俺らよりかは頼りになるから〟
ポン、と一之進の大きな手のひらが女性の頭に置かれた。撫でるというより粗雑で、叩いたというにはあまりにも柔らかい。
驚いたような顔をした彼女が、漸く一之進を見上げた。安心させるように、一之進が笑う。薄暗い感情が溢れそうになって、鳴海は目を細めた。
一之進は、誰にでも優しい。頭を撫でられる回数の多い鳴海だけが、特別に優しくされている訳ではないのだ。
一之進の大きな手は、継承問題に巻き込まれた友人にも伸ばされるし、道端で途方にくれている浮遊霊の頭さえ躊躇わずに撫でる。それこそ迷子の子猫にだって、ゴミをあさっている野良犬にだって、一之進がそのようにしたいと思えば同じ優しさでその掌が載せられるのだ。
(この子の特別になるには、どうしたら良いんだろう)
そんなふうに触るのは俺だけにしてよだとか、世界中の人間が一之進を好きになってしまうんじゃないかと思えるくらいの可愛い顔で笑わないでだとか、わがままを言っても許してもらえる存在になるには、あと何が足りないんだろう。
〝じゃあな〟
一之進は、しゃがみこんだままの霊に軽く手を振った。きっとこの後鳴海と別れる時も、まったく同じ声で同じ言葉を言うのだ。それは最寄りのコンビニで自動ドアをくぐった時に掛けられる「いらっしゃいませ」のように、平等で均一的な声だった。
煉瓦で造られた段差には、歪な凹凸がある。本来人の歩く場所として造られていないのだから、その歪みが人間の足元を狂わせても仕方がない。城脇鳴海は注意深く踏みしめながら、それでもそこを「道」とするのを止めなかった。
だって意地悪な想い人が、わざと歩道の内側に居るのだから仕方がないのだ。
〝……ちゃんと歩けよ〟
呆れたような声で、一之進が咎める。鳴海はしっかり歩いていた。何なら両手がその反動で動いてしまうくらい元気よく足を前に出している。この場合の「ちゃんと」とはその所作ではなく、踏みしめるべき地面となりうる箇所の選択だった。
鳴海はゆっくりと瞬きをした。綺麗なカールを描く睫毛が、見せつけるみたいに上下に動く。ふわふわと揺れているウォームブラウンの髪も、透き通るような肌色も、まるで宗教画に描かれるような天使そのものだった。腹立たしいほどに一之進好みのその顔が、心底不思議そうにこちらを覗き込んでくる。
上半身だけが、歩道に傾いた。バランス感覚が常人のそれより優れている鳴海でなければ、転倒してもおかしくない程の危うい姿勢だった。
「鳴海さん、危ないです」
すかさず拓真が口を添える。彼の人の良さが全面に出ている適切なアドバイスだった。
「だって」
鳴海とて、テトラポットの上を歩くようなテンションで民家の壁の上などを歩きたくはなかったが、こうでもしないと一之進の隣りにいられないのだから仕方がない。まるで鳴海を避けるようにして、歩道の内側、拓真の丁度右隣に浮いている彼を恨めしげに見遣る。彼の左隣には拓真、右隣には民家の壁という鉄壁のディフェンスを取られてしまっては、その上を軽やかに歩くこと以外の選択肢など存在しなかった。
「君が好きなんだもの」
鳴海は改めて口にした。一之進のささやかな意地悪は、とても好意を受け取ったばかりの人がとる態度じゃないと判断してのことだった。
あの日鳴海がぶつけた決死の告白は、文字通り死との隣り合わせだった。そんな非常事態に溢した言葉が混乱と混沌に紛れてしまったのかもしれないし、その信憑性を疑われている可能性もある。鳴海としては想い人に気持ちを何度も伝えること自体は手間でも何でもなかったので、躊躇わず再度言葉にして愛を告げる。鳴海にしてみればこの逢瀬が原因で通学に掛かる時間が四十分増になることだとか、中国雑技団のように壁を伝い歩く羽目になることだとかは全てにおいて些事であり、取るに足りないことであった。
一之進は、露骨に顔を顰めた。その日に使うつもりだった野菜が冷蔵庫で腐っていたのを見つけた瞬間に似た、どうしようもないものを見た時のような顔だった。
〝幽霊相手に、馬鹿なこと言ってんな〟
「馬鹿なことだなんて思ってないよ」
〝どう考えたって、生きている人間と付き合った方が良い〟
「いち君はそう言うけど、俺はどう考えてもその結論に至れないんだよね。一体どういう思考回路を辿ったらいち君以外の人と付き合う方が良いって思えるのか、教えてくれないかな?」
〝お前な……〟
本当にご教授を願い出ているとは欠片も思えないような言い方で、鳴海が自身を説き伏せてくれと請い願う。それは中身なんてない、マザーグースの童謡に出てくる言葉遊びに近かった。
一之進は途方に暮れた声でそう返すに止める。暖簾に腕押しに近い説得を続ける気は、少なくとも今日のところはなくなった。
「もう、観念して頷いたら良いのに」
〝良い訳あるか!〟
「だって好きでしょ、俺の顔……あれ」
とりあえず自信があるその部分だけは念押しのように確認しているうちに、拓真の通学路はそろそろ終わりを告げる場所にまで到達していた。手すりの錆びた陸橋の前で、手を振って来た道を戻るのが鳴海の日常になりつつあったが、その陸橋の登り口――同時に降り口でもあるのだが――に踞っている女性がいた。
「大丈夫ですか?」
聡い鳴海は、通学時間を単純に四十分前倒しにすることをしなかった。有事のための余裕のつもりでもなかったが、逆算の面倒臭さやバスの時間が丁度良いものがなかったことも相まって、それなりに時間に余裕があるように家を出ることにしていたのだ。つまり明らかに調子の悪そうな女性が、アッシュグレーの髪を背中に滑らせたまましゃがみこんでいるという有事に遭遇しても、声を掛けるくらいのゆとりはあったということである。
〝鳴海〟
「なぁに?」
〝死んでる〟
端的に、一之進が言った。はた、と一度瞬きをして、鳴海は縮こまっている拓真に問い掛ける。
「見える?」
どうして彼が縮こまっているのかというと、鳴海が臆面もなく一之進相手に愛を告げていたからであり、限りなくお邪魔虫であろう自分の気配を限りなくゼロに近い状態まで消そうと努力していたためであったが、まさにその最中に急に話を振られ、拓真は漸く呼吸を思い出したかのようにヒッと息を飲んだ。
大きな目をパチパチとさせながら親切にも鳴海が指差してくれている場所に改めて視線を向けてみたが、陸橋から落下した錆の欠片と、「路」という漢字の塗料が剥がれかけている「歩行者専用道路」という文字しか見当たらない。
この見慣れた風景のことを指しているのでなければ、鳴海への返答はひとつしかなかった。
「いえ……誰も」
鳴海は伏せ目がちに足元を見遣った。それは、彼と一之進にしか見えていないだろう何かを思案するような眼差しだった。
〝あの……私が見えるんですか?〟
か細い声で、女性が恐る恐る問う。
失敗した、と正直に思った。
鳴海にできることは、「見る」以外に他ならない。その存在を認識できるからといって、恭介達のように浄霊の方法など知らないのだから、うまく成仏できるよう導いてあげることはできない。
ただ単に見えるだけ、感じるだけだ。余計な期待を持たせてしまったことが心苦しかった。
「……生きてる人だと思った。普段は、こんなにくっきり見えないのに」
〝意志が強いんだろ〟
「意志?」
子供のように言葉を復唱して聞き返す鳴海の頭をポンポンと撫でながら一之進が言った。
〝言い換えりゃ未練だな。稀にそういうこともある〟
気持ちに答えてくれないのに、時々泣きたくなる程一之進は優しい。鳴海が今途方にくれていることを、誰よりも先に気づいてくれるのだから。
柔らかく肩を押され、一之進が鳴海の前に出る。毛先の傷んだ髪を繰り返し触りながらその女性の霊は、惑うように一之進を見上げた。
〝悪いな、俺らはあんたを楽にしてやれる方法を知らねェ。だが知り合いに、そういうのを専門にしてるやつがいる〟
一之進がバス停の地図を指差した。恭介の神社に近い地名を指し示しながら、穏やかな声で女性に声を掛ける。それは言い含めるような、いつまでも聞いていたいと思えるくらいの優しい声だった。
〝どうにかしたいと思うんだったら、ここに行け。土屋恭介という人間がいる。子供だが、お祓い業を営んでいて、俺らよりかは頼りになるから〟
ポン、と一之進の大きな手のひらが女性の頭に置かれた。撫でるというより粗雑で、叩いたというにはあまりにも柔らかい。
驚いたような顔をした彼女が、漸く一之進を見上げた。安心させるように、一之進が笑う。薄暗い感情が溢れそうになって、鳴海は目を細めた。
一之進は、誰にでも優しい。頭を撫でられる回数の多い鳴海だけが、特別に優しくされている訳ではないのだ。
一之進の大きな手は、継承問題に巻き込まれた友人にも伸ばされるし、道端で途方にくれている浮遊霊の頭さえ躊躇わずに撫でる。それこそ迷子の子猫にだって、ゴミをあさっている野良犬にだって、一之進がそのようにしたいと思えば同じ優しさでその掌が載せられるのだ。
(この子の特別になるには、どうしたら良いんだろう)
そんなふうに触るのは俺だけにしてよだとか、世界中の人間が一之進を好きになってしまうんじゃないかと思えるくらいの可愛い顔で笑わないでだとか、わがままを言っても許してもらえる存在になるには、あと何が足りないんだろう。
〝じゃあな〟
一之進は、しゃがみこんだままの霊に軽く手を振った。きっとこの後鳴海と別れる時も、まったく同じ声で同じ言葉を言うのだ。それは最寄りのコンビニで自動ドアをくぐった時に掛けられる「いらっしゃいませ」のように、平等で均一的な声だった。
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