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アンリミテッド・スノーマンの情景
10.
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心臓破りの階段を一気に駆け降りて、辺りを見回すが人影がない。肩を負傷している鳴海の手当てを優先したのであれば、安定した姿勢で座らせることのできる場所を確保するだろうとあたりをつけ、比較的距離の近い公園へと急ぐ。案の定ベンチの近くで蹲る姿を発見し、圭吾と犬神は慌てて駆け寄った。
〝鳴海……!?〟
「クソが!」
〝鳴海じゃないな、すまなかった〟
とりあえず鳴海であるなら開口一番に「くそ」は言わない。それは一同の共通認識だった。犬神は何に対してなのか自分でもわからないまま反射的に謝った。
〝っつーかお前……〟
瞬時に別人とは判断したものの、鳴海でなければ誰だという疑問が単純に湧く。けれどこの人形のような顔が、悪徳商社の幹部か何かのように歪んでいるさまを見ること自体は初めてではなかった。
〝いち君か〟
「いち君ですね」
「いち君ゆうな」
鳴海の中に入ることが可能な存在で、且つ開口一番クソだとかおっしゃる人物に唯一心当たりはあって、最早お決まりの挨拶のように一通りそのあだ名を口にする。案の定圭吾と犬神は、まとめてバッサリと突っ込まれた。
〝お前が中に入ってるってことは……鳴海に何かあったのか?〟
「連れてかれた」
〝は!?〟
軟体動物のようにずるずると体を引きずって、一之進は寄りかかっていたベンチに肘を載せる。まるで下半身が別の生き物であるかのように不自由に動かすそのさまを見て、推測できることは少なからずあった。
「毒でも盛られたんです?」
圭吾が淡々と聞いた。総合病院の当直医のように静かな声だった。それは正解だったが、時系列順に説明するには、そのカテゴリーは最新であり、つまり最下位だ。一之進は自由が戻った両手を軸にして、ベンチに体を押し上げる。
「……あの細目野郎と戦うには、死んでいる俺の霊力じゃあ干渉できなかったんだ」
それは犬神も思い知っていたことだったので、神妙に頷く。一之進のそれも、ジャンルで分ければ犬神と同一だ。智也のやろうとすることを阻止するには、有機物であれ無機物であれ、物質的な何かを介入させる必要があった。
「それなら、鳴海の体を借りて、生きている人間の霊力とドッキングさせたらどうかって……拓真が」
〝素人の浅知恵にしちゃあ、的を得てるな〟
そうだ。つまりそれは、素人の浅知恵などではなかった。玄人が後ろにいてあれこれ指図している可能性を、考える必要性はは確かにあった。
「だとしても、一旦城脇の魂を、体から抜く必要があるでしょう? 意識のある人間を、どうやって……」
圭吾が人差し指で唇をなぞりながら言った。いい質問だな、と一之進は皮肉めいたことを思った。
「烏丸の薬を持ってた」
「都合よく?」
「ああ……都合よく」
圭吾の率直な問いは、お膳立てされていた現状を既に悟ったような言い方だった。都合よく、のところを殊更強調して、一之進はオウム返しに言葉を投げ遣る。
改めて振り返っても、要所要所でシックスセンスを働かせるべき不審はあった。けれどお目出度い自分は、ほんのひと欠片もそんな可能性など思い付きもしなかった。
「もっと、疑うべきだったな……」
〝疑うって、誰をだよ〟
「この場合は、拓真さんをでしょう……ただ、その場合疑問がふたつ残ります」
胸臆をまるで悟らせない冷静な顔で、人差し指と中指を立たせた圭吾がぼそりと呟いた。
「ふたつ?」
一之進が聞き返す。それは、子供が習いたての漢数字を口にした時のような、どこかあどけない声だった。
「わざわざあの妙薬を飲まさずとも、一之進さんに干渉されない安全圏で、手負いの城脇ひとりを連れ去ることはそれ程難しくなかった筈です。わざわざ拓真さんを使ってまで、霊魂の姿でもいいと妥協した理由がわからないんですよ」
「……妥協じゃなくて、それがベストだったのかもしれねーぞ」
「どういうことです?」
ベンチに座ることを諦めた一之新が、本来腰掛けのつもりで作られただろうそれを肘置きにして深いため息をついた。
「最初から、鳴海の魂を抜き取るのが目的だったってことさ」
圭吾が口をつぐんだ。一之進のそれは、当てずっぽうでもひとりよがりの推理でもなく、何らかの根拠に基づいた発言だと思われた。
「鳴海の魂を、金魚の中に閉じ込めやがった。直前まで死骸だった金魚にだ。あの糸目野郎が、鳴海の魂を吸い込んだ手を死骸の金魚に翳した瞬間、跳ねるように泳いだから間違いねェ」
「と言うと?」
圭吾が、端的に促した。
「細目野郎はもしかしたら……魂を別の体へ移し替える術、或いはそれに似た力を使えるのかも知れねェ」
「……つまり逆に言えば、魂の状態になっていないと対象物の捕獲さえできない。だから、生身の体から魂魄を引き出すよう、誘導する人物が必要だった……?」
「……まだ、わかんねぇけどな」
前髪を掻きあげるようにして、一之新はそのまま項垂れた。既に、心も体もへとへとだった。
〝もうひとつの、疑問ってのは?〟
うちひしがれた一之新に問いを重ねるのを止め、犬神は圭吾に話を振る。
「拓真さんが、いつから僕たちを裏切っていたのかということです」
〝……もしかして、最初からそのつもりで近づいたのか……?〟
「いや」
片目を掌で覆うようにして俯いていた一之新が、弱々しい声で口を挟む。
「……身内だから、庇う訳じゃねェけど」
言い訳のように枕詞を添えて、溜め息混じりに切り出した。証憑も何もない話だ。それでも、信じてもらいたかった。
「あいつは、どこにもいけなかった和真をお前らが助けてくれたこと、本当に感謝してたんだ……それに、金魚鉢の中には、もう一匹金魚がいた」
〝……!〟
犬神が目を見開いた。どうやら現状は、思っていたよりも最悪だったらしい。
「……和真さんを同じやり方で人質にとられて、そのようにしか動けなかった可能性もありますね」
犬神が言いよどんだ現状を、圭吾がすらすらと口にした。一之進は、唇を噛んだまま答えない。
――確かに拓真は鳴海を裏切った。
けれど、どこまでが演技で、どこまでが本当かなんて、現時点では知りようもない。事実と事実を繋げても、その先に事実が導き出されないこともある。
追及を止め、圭吾は一之新の隣にしゃがみ込んだ。
「とにかく、態勢を整える必要があります。一旦神社に戻りましょう……立てますか?」
「手、借りれば多分……」
長時間正座をした後のような、血液の通わない痺れは半分程抜けていた。ぐらぐらと傾く体を圭吾に支えて貰いながら、どうにか立ち上がる。
〝そもそも、どうして今頃になって恭介が土屋に呼び戻されるんだよ〟
一番わからないその部分を指摘して、犬神ががしがしと頭を掻いた。
「最近、先輩に何か隠しごとをしている様子はありませんでした?」
〝隠しごとって言われてもなぁ……お前らも知ってるような、ちらし寿司の一件くらいだぞ〟
「ちらし寿司……」
〝ふふ……前にな、買い物帰りの恭介が、ついでに郵便物をポストから回収して、適当に買い物袋に入れてから戻って来たことがったんだよ。何買ったんだ? って覗き込んだら、あいつ慌てて、ちらし寿司の素を郵便物に隠すようにして、戸棚に仕舞い込んでてさ〟
「……」
くつくつとのどで笑いながら犬神が、当時の恭介を鮮明に思い出しているのだろう。気の抜けた顔で僅かに笑った。
〝その後すぐお前ら、修学旅行の件で揉め始めたろ。いつだったか圭吾が話にならねェっつって出てって、暫く神社に来なくなってよォ。多分な、あの日恭介は、ちらし寿司の夕飯にお前を誘うつもりだったんだ。その日朝、圭吾が来る前からずっと、戸棚を見つめてそわそわしてたからよ。ンでも本題に入る前に帰らせちまったみたいで……「本来の目的はどうしたんだよ」って揶揄ったら、「もっと怒らせる確率の高ェことなんか、言える訳ねーだろ」って反論されたけどな〟
やれやれと言った口調で、犬神は恭介の奇行を如実に語った。場を和ます世間話のつもりだったが、圭吾は真顔で聞いていた。
「……それって、おかしくないですか?」
〝何がだよ〟
「普通、一緒にちらし寿司を食べたいって誘う程度のことを『怒らせる確率の高いこと』だなんて言います?」
パチリ。疑問系で口にしながら、圭吾は頭の中で、ひとつのピースがはまったような感覚がしていた。
基本的に単純だし、分かりやすい恭介だけど。彼には存外敏いところがあった。九尾との盟約のことだってそうだ。本当に隠したいことは、命懸けで徹底的に隠すところがある。そしてそれは、命懸けであるが故に気づけないまま終わってしまうことも多い。
ちらし寿司の素を郵便物の後ろに隠すことが、彼の仕掛けたミスリードだったとしたら――おそらく、本当に隠したかったのは。
「手紙の方だ」
〝は?〟
唐突に謎めいた一人言を口にした圭吾は、遠慮の欠片もなく一之新の肩を投げ捨てて神社に走り出した。滑り込むようにして問答無用に放り捨てられた彼の脇に潜り込みながら、あいつああいうところがあるよなと犬神は思った。
〝……何かすまん〟
「お前も大概苦労するよな」
とりあえず謝らなければならないと耳を伏せて詫び口上を述べる犬神に、その上で頬杖をついた一之新は、同情じみた声でしみじみと彼の心労を慮った。
「……開けても?」
勝手知ったるだなんて言葉が可愛いげがあるとさえ思える程の我が物顔で神社の中に飛び込んでいった圭吾を追って、遅れて居間に到着した犬神と一之新が息を飲む。一人と一匹を振り返らないままに、ちらし寿司の素から手紙の保管場所まで、勝手以上のものを何もかも知り尽くしたその男が問い掛けた。
名指しではないが、犬神にであるとその場の全員が悟了している。烏丸の居ない今、恭介の身の回りのものに関するプライバシーを含めた人権について、問うべき存在が他に見当たらないからだ。既に親指を封筒の糊口に引っ掻けながらお伺いを立てられてもいまいち許可を申し出られている気にはなれなかったが、圭吾がどのような態度であれ、いついかなる時でも質問に答えは必要だ。
〝駄目っつっても開けンだろーが〟
「そうですね。でも形式上、犬神さんの許可が必要です」
〝好きにしろ〟
ビリッ。
「うわ、ほぼほぼ破りやがった」
存外常識人であるところの一之新が、粗雑な扱いをされている他人の郵便物を目の当たりにして引いている。一度糊の剥がされた痕跡のあった封筒は、ゆっくりひっぱるなどうまくすれば持ち主の許可なく開封したことを隠蔽できる可能性はあったが、そんな気などまるでない彼の手によってその手口をとる選択肢もたった今霧散した。
罪悪感がコンマの単位でさえなさそうな顔でどこまでもマイペースなその男は、躊躇いの一切ない指を動かし綺麗な三つ折りになっていた便箋を開いている。
「……」
〝……何て書いてあンだよ〟
そわそわと犬神が質問したが、潔いほど綺麗に無視された。
〝なぁ、なぁって〟
食い下がる犬神を一瞥し、ややあってから圭吾は手にしていた便箋をグシャグシャに丸めて放り投げた。一之新はいよいよ、あれお前宛の某かじゃねェよなと再三確認したくなった。少なくとも自分は、人に宛てられた文を躊躇いなく丸めてゴミ箱へ放り投げたことはない。
〝え、何してんの!? お前、マジで何してんの!?〟
「……妹さんの、体調が思わしくないようです」
〝そう書いてあったんだ!〟
犬神が、叫ぶように言った。一之進は、その横で静かに首を傾ける。
「先輩は双子で、妹がいるそうです。土屋一家のご親族であらせられる方々がよってたかって霊力と神力がやや強い妹さんを是非跡継ぎにと仕立てあげ、先輩のことは家からあっさりと追い出したんです。けれどここへ来て、その妹さんが病床についたからって、跡継ぎとして先輩のことを再び土屋の家に招き入れたいとのことですよ」
事情を知らない一之新にもわかるよう、簡略的な土屋のお家事情を添えて圭吾が手紙の概要を伝達した。波のない口調に反し、その瞳はひどく冷たい。掃除を終わらせたと胸を張った恭介の後ろでテレビ台の後ろに丸まっているホコリを見つけた時に見せた在りし日のそれのような、体温さえもまるで感じさせない双眸だった。
〝恭介のこと捨てたのはてめェらの癖して、虫のいいことを……!〟
「そうですね」
苛立ちまかせに怒鳴った犬神には全く同感だったので、圭吾はサーキットカーがコースにタイヤを滑り込ませる瞬間のように素早く頷いた。
「虫がいい上に、虫酸が走りました。文面はもっと胸糞悪い書き方をしています。気になるのであれば今捨てたゴミを広げて中身を確認していただいても構いませんが、その後に塵ひとつ残らない程の高温で燃やして貰えませんか。もう二度と視界には入れたくないですし土屋先輩の視界にも入れさせたくはないので」
「なぁ、やっぱあれお前宛の手紙じゃねーよな」
今更なように思えたが、人様に宛てられた手紙をゴミ扱いするばかりか大気圏焼却レベルの方法で燃やしてくれと誰かに命じた経験のなかった一之新は、念のためもう一度誰の所有物か問い掛ける。
犬神がその横でふるふると首を振っていた。聞くまでもないことだったと一之新は悟った。
〝つまり……跡目にさせられるために、恭介は連れ去られたって訳か……?〟
「だろうな。そしてその恭介が、連れ去られた先から逃げ出さないよう、保険に鳴海を人質に取った」
犬神が手紙の概要から察せられることを確認し、一之新が苦い顔で頷いた。
〝確かに気の進む話じゃあねェし、恭介に承諾されないケースも考えたのかもしれねェが……〟
(跡目にするためだけに、人質までとる用心深さは何だ……?)
まるで、跡継ぎにさせられることに対し、死ぬもの狂いで恭介が反発することを想定しているような周到さだ。手紙を送っておきながら、最初から話し合いを放棄したともとれる武力行使に違和感を覚える。
「……とにかく今は、恭介がどこに連れ去られたのかを調べるべきだろ。おそらく、鳴海もその近くにいるはずた」
「それなら、心当たりがあります」
圭吾が携帯をテーブルに置いた。見やすいように傾け、その後ろから手を回し、人差し指で操作する。マップのアプリを起動して、立ち上がり直前のスリープを二秒弱待ってから、検索バーをタップ。履歴の中から一番上、直近に閲覧した地図を復元する。
「犬神さん、この場所に見覚えありませんか?」
烏丸の用意した札によって転送された場所から、丁度振り返った時に見た建物が伺い見える位置情報を、人差し指と中指でピンチアウト。やがて立体的な建物が見えるようになってから、犬神が驚いたように息を飲んだ。
〝ここ……どうしてお前が……〟
「んだよ、見たことあんのか?」
一之新が眉を寄せて問い掛ける。犬神は、一瞬迷いを見せてから呟いた。
〝……恭介が小さい頃に、軟禁されていた場所だ〟
その一言を口にする前の犬神が、何に対して迷いを見せたのか圭吾は静かに理解した。すべてを奪って閉じ込めるようなことはしていないものの、まだ幼かった恭介からだいたいのものを取り上げて、その細い手足を上から抑え込むようにして育てるには、成程人目のつかない場所が必要だったのだろう。たった今圭吾が握り潰した家族からの手紙とやらに書かれていることが彼らの本意であるなら、それ程酷な仕打ちくらい平気でやりそうだと個人的見解を抱く。
「今回もここに、軟禁されてるって訳かよ」
「可能性は高いでしょうね。ただ……」
「ただ?」
「罠である可能性も、同じくらいあると思います」
含みのある顔で、嫌なことを圭吾が言った。
〝罠?〟
「この情報を、僕に掲示してくれたのは烏丸さんですから」
犬神は、奥歯を強く噛んだ。やりきれない葛藤を言葉にしないよう、喉をついて出てきそうなそれらを殺しておく必要があった。
「それがどうして罠なんだよ?」
「……あらゆる最悪のパターンを、想定しているだけですよ」
その恭介を連れ去った人物が誰だったのかを知らない一之新に、多くは説明せず圭吾が濁す。烏丸の逆心を知らせないままなのが良いのか悪いのか、わからなくなった犬神は圭吾の判断に従った。
誰に足をとられるのかわからない現状で、手元にある、ごく僅かな情報を頼りに動かねばならない。どちらが真実だったにせよ、いずれは目の当たりにしなければならない現実になる。どうせ嫌でも、その時に思い知るのだ。拓真の動向も不確かな現状で、更に烏丸に対する不審を抱かせるのも、無意味なストレスを与えるだけのような気がした。
〝……罠を覚悟で、行くしかねェだろ。他に手掛かりもないしな〟
「わかりました。ただ、その前にひとつだけ」
「お、おう……何だ?」
圭吾は真顔だった。ここへ来て、また新たな報告があるのかと一堂身構える。
「けんちん汁、食べていっても構いませんか?」
〝お前すげーけんちん汁のことねちねち言うのな!〟
犬神はさすがに吠えた。その声に乗せられた感情は、いっそ哀愁といっても良かった。
反対するつもりもさらさらなかったが誰一人どうぞと答えてもいないこのタイミングで、圭吾は百点をあげたくなるほどスマートな仕草で、ガス台の前に移動しコンロのつまみに手を添えていた。こいつ、温めなおす気だと犬神は悟った。万全においしい状態を整えてから食べるつもりでいやがる。さすがに眩暈がした犬神の肩に、一之進が優しく手を載せた。その生暖かい笑顔を仰ぎ見て、けんちん汁を今すぐ食べることにおいての反対派は全滅させられたのだと悟った。
――戦の前の腹ごしらえだ。今のうちに鋭気を養うのも悪くないかもしれない。
犬神は尻尾を丸めて、ゆっくりとそこへ頭を沈める。カチカチと、着火を試みる古いコンロの音が、少しだけ口元を綻ばせている圭吾に寄り添うように響いていた。
〝鳴海……!?〟
「クソが!」
〝鳴海じゃないな、すまなかった〟
とりあえず鳴海であるなら開口一番に「くそ」は言わない。それは一同の共通認識だった。犬神は何に対してなのか自分でもわからないまま反射的に謝った。
〝っつーかお前……〟
瞬時に別人とは判断したものの、鳴海でなければ誰だという疑問が単純に湧く。けれどこの人形のような顔が、悪徳商社の幹部か何かのように歪んでいるさまを見ること自体は初めてではなかった。
〝いち君か〟
「いち君ですね」
「いち君ゆうな」
鳴海の中に入ることが可能な存在で、且つ開口一番クソだとかおっしゃる人物に唯一心当たりはあって、最早お決まりの挨拶のように一通りそのあだ名を口にする。案の定圭吾と犬神は、まとめてバッサリと突っ込まれた。
〝お前が中に入ってるってことは……鳴海に何かあったのか?〟
「連れてかれた」
〝は!?〟
軟体動物のようにずるずると体を引きずって、一之進は寄りかかっていたベンチに肘を載せる。まるで下半身が別の生き物であるかのように不自由に動かすそのさまを見て、推測できることは少なからずあった。
「毒でも盛られたんです?」
圭吾が淡々と聞いた。総合病院の当直医のように静かな声だった。それは正解だったが、時系列順に説明するには、そのカテゴリーは最新であり、つまり最下位だ。一之進は自由が戻った両手を軸にして、ベンチに体を押し上げる。
「……あの細目野郎と戦うには、死んでいる俺の霊力じゃあ干渉できなかったんだ」
それは犬神も思い知っていたことだったので、神妙に頷く。一之進のそれも、ジャンルで分ければ犬神と同一だ。智也のやろうとすることを阻止するには、有機物であれ無機物であれ、物質的な何かを介入させる必要があった。
「それなら、鳴海の体を借りて、生きている人間の霊力とドッキングさせたらどうかって……拓真が」
〝素人の浅知恵にしちゃあ、的を得てるな〟
そうだ。つまりそれは、素人の浅知恵などではなかった。玄人が後ろにいてあれこれ指図している可能性を、考える必要性はは確かにあった。
「だとしても、一旦城脇の魂を、体から抜く必要があるでしょう? 意識のある人間を、どうやって……」
圭吾が人差し指で唇をなぞりながら言った。いい質問だな、と一之進は皮肉めいたことを思った。
「烏丸の薬を持ってた」
「都合よく?」
「ああ……都合よく」
圭吾の率直な問いは、お膳立てされていた現状を既に悟ったような言い方だった。都合よく、のところを殊更強調して、一之進はオウム返しに言葉を投げ遣る。
改めて振り返っても、要所要所でシックスセンスを働かせるべき不審はあった。けれどお目出度い自分は、ほんのひと欠片もそんな可能性など思い付きもしなかった。
「もっと、疑うべきだったな……」
〝疑うって、誰をだよ〟
「この場合は、拓真さんをでしょう……ただ、その場合疑問がふたつ残ります」
胸臆をまるで悟らせない冷静な顔で、人差し指と中指を立たせた圭吾がぼそりと呟いた。
「ふたつ?」
一之進が聞き返す。それは、子供が習いたての漢数字を口にした時のような、どこかあどけない声だった。
「わざわざあの妙薬を飲まさずとも、一之進さんに干渉されない安全圏で、手負いの城脇ひとりを連れ去ることはそれ程難しくなかった筈です。わざわざ拓真さんを使ってまで、霊魂の姿でもいいと妥協した理由がわからないんですよ」
「……妥協じゃなくて、それがベストだったのかもしれねーぞ」
「どういうことです?」
ベンチに座ることを諦めた一之新が、本来腰掛けのつもりで作られただろうそれを肘置きにして深いため息をついた。
「最初から、鳴海の魂を抜き取るのが目的だったってことさ」
圭吾が口をつぐんだ。一之進のそれは、当てずっぽうでもひとりよがりの推理でもなく、何らかの根拠に基づいた発言だと思われた。
「鳴海の魂を、金魚の中に閉じ込めやがった。直前まで死骸だった金魚にだ。あの糸目野郎が、鳴海の魂を吸い込んだ手を死骸の金魚に翳した瞬間、跳ねるように泳いだから間違いねェ」
「と言うと?」
圭吾が、端的に促した。
「細目野郎はもしかしたら……魂を別の体へ移し替える術、或いはそれに似た力を使えるのかも知れねェ」
「……つまり逆に言えば、魂の状態になっていないと対象物の捕獲さえできない。だから、生身の体から魂魄を引き出すよう、誘導する人物が必要だった……?」
「……まだ、わかんねぇけどな」
前髪を掻きあげるようにして、一之新はそのまま項垂れた。既に、心も体もへとへとだった。
〝もうひとつの、疑問ってのは?〟
うちひしがれた一之新に問いを重ねるのを止め、犬神は圭吾に話を振る。
「拓真さんが、いつから僕たちを裏切っていたのかということです」
〝……もしかして、最初からそのつもりで近づいたのか……?〟
「いや」
片目を掌で覆うようにして俯いていた一之新が、弱々しい声で口を挟む。
「……身内だから、庇う訳じゃねェけど」
言い訳のように枕詞を添えて、溜め息混じりに切り出した。証憑も何もない話だ。それでも、信じてもらいたかった。
「あいつは、どこにもいけなかった和真をお前らが助けてくれたこと、本当に感謝してたんだ……それに、金魚鉢の中には、もう一匹金魚がいた」
〝……!〟
犬神が目を見開いた。どうやら現状は、思っていたよりも最悪だったらしい。
「……和真さんを同じやり方で人質にとられて、そのようにしか動けなかった可能性もありますね」
犬神が言いよどんだ現状を、圭吾がすらすらと口にした。一之進は、唇を噛んだまま答えない。
――確かに拓真は鳴海を裏切った。
けれど、どこまでが演技で、どこまでが本当かなんて、現時点では知りようもない。事実と事実を繋げても、その先に事実が導き出されないこともある。
追及を止め、圭吾は一之新の隣にしゃがみ込んだ。
「とにかく、態勢を整える必要があります。一旦神社に戻りましょう……立てますか?」
「手、借りれば多分……」
長時間正座をした後のような、血液の通わない痺れは半分程抜けていた。ぐらぐらと傾く体を圭吾に支えて貰いながら、どうにか立ち上がる。
〝そもそも、どうして今頃になって恭介が土屋に呼び戻されるんだよ〟
一番わからないその部分を指摘して、犬神ががしがしと頭を掻いた。
「最近、先輩に何か隠しごとをしている様子はありませんでした?」
〝隠しごとって言われてもなぁ……お前らも知ってるような、ちらし寿司の一件くらいだぞ〟
「ちらし寿司……」
〝ふふ……前にな、買い物帰りの恭介が、ついでに郵便物をポストから回収して、適当に買い物袋に入れてから戻って来たことがったんだよ。何買ったんだ? って覗き込んだら、あいつ慌てて、ちらし寿司の素を郵便物に隠すようにして、戸棚に仕舞い込んでてさ〟
「……」
くつくつとのどで笑いながら犬神が、当時の恭介を鮮明に思い出しているのだろう。気の抜けた顔で僅かに笑った。
〝その後すぐお前ら、修学旅行の件で揉め始めたろ。いつだったか圭吾が話にならねェっつって出てって、暫く神社に来なくなってよォ。多分な、あの日恭介は、ちらし寿司の夕飯にお前を誘うつもりだったんだ。その日朝、圭吾が来る前からずっと、戸棚を見つめてそわそわしてたからよ。ンでも本題に入る前に帰らせちまったみたいで……「本来の目的はどうしたんだよ」って揶揄ったら、「もっと怒らせる確率の高ェことなんか、言える訳ねーだろ」って反論されたけどな〟
やれやれと言った口調で、犬神は恭介の奇行を如実に語った。場を和ます世間話のつもりだったが、圭吾は真顔で聞いていた。
「……それって、おかしくないですか?」
〝何がだよ〟
「普通、一緒にちらし寿司を食べたいって誘う程度のことを『怒らせる確率の高いこと』だなんて言います?」
パチリ。疑問系で口にしながら、圭吾は頭の中で、ひとつのピースがはまったような感覚がしていた。
基本的に単純だし、分かりやすい恭介だけど。彼には存外敏いところがあった。九尾との盟約のことだってそうだ。本当に隠したいことは、命懸けで徹底的に隠すところがある。そしてそれは、命懸けであるが故に気づけないまま終わってしまうことも多い。
ちらし寿司の素を郵便物の後ろに隠すことが、彼の仕掛けたミスリードだったとしたら――おそらく、本当に隠したかったのは。
「手紙の方だ」
〝は?〟
唐突に謎めいた一人言を口にした圭吾は、遠慮の欠片もなく一之新の肩を投げ捨てて神社に走り出した。滑り込むようにして問答無用に放り捨てられた彼の脇に潜り込みながら、あいつああいうところがあるよなと犬神は思った。
〝……何かすまん〟
「お前も大概苦労するよな」
とりあえず謝らなければならないと耳を伏せて詫び口上を述べる犬神に、その上で頬杖をついた一之新は、同情じみた声でしみじみと彼の心労を慮った。
「……開けても?」
勝手知ったるだなんて言葉が可愛いげがあるとさえ思える程の我が物顔で神社の中に飛び込んでいった圭吾を追って、遅れて居間に到着した犬神と一之新が息を飲む。一人と一匹を振り返らないままに、ちらし寿司の素から手紙の保管場所まで、勝手以上のものを何もかも知り尽くしたその男が問い掛けた。
名指しではないが、犬神にであるとその場の全員が悟了している。烏丸の居ない今、恭介の身の回りのものに関するプライバシーを含めた人権について、問うべき存在が他に見当たらないからだ。既に親指を封筒の糊口に引っ掻けながらお伺いを立てられてもいまいち許可を申し出られている気にはなれなかったが、圭吾がどのような態度であれ、いついかなる時でも質問に答えは必要だ。
〝駄目っつっても開けンだろーが〟
「そうですね。でも形式上、犬神さんの許可が必要です」
〝好きにしろ〟
ビリッ。
「うわ、ほぼほぼ破りやがった」
存外常識人であるところの一之新が、粗雑な扱いをされている他人の郵便物を目の当たりにして引いている。一度糊の剥がされた痕跡のあった封筒は、ゆっくりひっぱるなどうまくすれば持ち主の許可なく開封したことを隠蔽できる可能性はあったが、そんな気などまるでない彼の手によってその手口をとる選択肢もたった今霧散した。
罪悪感がコンマの単位でさえなさそうな顔でどこまでもマイペースなその男は、躊躇いの一切ない指を動かし綺麗な三つ折りになっていた便箋を開いている。
「……」
〝……何て書いてあンだよ〟
そわそわと犬神が質問したが、潔いほど綺麗に無視された。
〝なぁ、なぁって〟
食い下がる犬神を一瞥し、ややあってから圭吾は手にしていた便箋をグシャグシャに丸めて放り投げた。一之新はいよいよ、あれお前宛の某かじゃねェよなと再三確認したくなった。少なくとも自分は、人に宛てられた文を躊躇いなく丸めてゴミ箱へ放り投げたことはない。
〝え、何してんの!? お前、マジで何してんの!?〟
「……妹さんの、体調が思わしくないようです」
〝そう書いてあったんだ!〟
犬神が、叫ぶように言った。一之進は、その横で静かに首を傾ける。
「先輩は双子で、妹がいるそうです。土屋一家のご親族であらせられる方々がよってたかって霊力と神力がやや強い妹さんを是非跡継ぎにと仕立てあげ、先輩のことは家からあっさりと追い出したんです。けれどここへ来て、その妹さんが病床についたからって、跡継ぎとして先輩のことを再び土屋の家に招き入れたいとのことですよ」
事情を知らない一之新にもわかるよう、簡略的な土屋のお家事情を添えて圭吾が手紙の概要を伝達した。波のない口調に反し、その瞳はひどく冷たい。掃除を終わらせたと胸を張った恭介の後ろでテレビ台の後ろに丸まっているホコリを見つけた時に見せた在りし日のそれのような、体温さえもまるで感じさせない双眸だった。
〝恭介のこと捨てたのはてめェらの癖して、虫のいいことを……!〟
「そうですね」
苛立ちまかせに怒鳴った犬神には全く同感だったので、圭吾はサーキットカーがコースにタイヤを滑り込ませる瞬間のように素早く頷いた。
「虫がいい上に、虫酸が走りました。文面はもっと胸糞悪い書き方をしています。気になるのであれば今捨てたゴミを広げて中身を確認していただいても構いませんが、その後に塵ひとつ残らない程の高温で燃やして貰えませんか。もう二度と視界には入れたくないですし土屋先輩の視界にも入れさせたくはないので」
「なぁ、やっぱあれお前宛の手紙じゃねーよな」
今更なように思えたが、人様に宛てられた手紙をゴミ扱いするばかりか大気圏焼却レベルの方法で燃やしてくれと誰かに命じた経験のなかった一之新は、念のためもう一度誰の所有物か問い掛ける。
犬神がその横でふるふると首を振っていた。聞くまでもないことだったと一之新は悟った。
〝つまり……跡目にさせられるために、恭介は連れ去られたって訳か……?〟
「だろうな。そしてその恭介が、連れ去られた先から逃げ出さないよう、保険に鳴海を人質に取った」
犬神が手紙の概要から察せられることを確認し、一之新が苦い顔で頷いた。
〝確かに気の進む話じゃあねェし、恭介に承諾されないケースも考えたのかもしれねェが……〟
(跡目にするためだけに、人質までとる用心深さは何だ……?)
まるで、跡継ぎにさせられることに対し、死ぬもの狂いで恭介が反発することを想定しているような周到さだ。手紙を送っておきながら、最初から話し合いを放棄したともとれる武力行使に違和感を覚える。
「……とにかく今は、恭介がどこに連れ去られたのかを調べるべきだろ。おそらく、鳴海もその近くにいるはずた」
「それなら、心当たりがあります」
圭吾が携帯をテーブルに置いた。見やすいように傾け、その後ろから手を回し、人差し指で操作する。マップのアプリを起動して、立ち上がり直前のスリープを二秒弱待ってから、検索バーをタップ。履歴の中から一番上、直近に閲覧した地図を復元する。
「犬神さん、この場所に見覚えありませんか?」
烏丸の用意した札によって転送された場所から、丁度振り返った時に見た建物が伺い見える位置情報を、人差し指と中指でピンチアウト。やがて立体的な建物が見えるようになってから、犬神が驚いたように息を飲んだ。
〝ここ……どうしてお前が……〟
「んだよ、見たことあんのか?」
一之新が眉を寄せて問い掛ける。犬神は、一瞬迷いを見せてから呟いた。
〝……恭介が小さい頃に、軟禁されていた場所だ〟
その一言を口にする前の犬神が、何に対して迷いを見せたのか圭吾は静かに理解した。すべてを奪って閉じ込めるようなことはしていないものの、まだ幼かった恭介からだいたいのものを取り上げて、その細い手足を上から抑え込むようにして育てるには、成程人目のつかない場所が必要だったのだろう。たった今圭吾が握り潰した家族からの手紙とやらに書かれていることが彼らの本意であるなら、それ程酷な仕打ちくらい平気でやりそうだと個人的見解を抱く。
「今回もここに、軟禁されてるって訳かよ」
「可能性は高いでしょうね。ただ……」
「ただ?」
「罠である可能性も、同じくらいあると思います」
含みのある顔で、嫌なことを圭吾が言った。
〝罠?〟
「この情報を、僕に掲示してくれたのは烏丸さんですから」
犬神は、奥歯を強く噛んだ。やりきれない葛藤を言葉にしないよう、喉をついて出てきそうなそれらを殺しておく必要があった。
「それがどうして罠なんだよ?」
「……あらゆる最悪のパターンを、想定しているだけですよ」
その恭介を連れ去った人物が誰だったのかを知らない一之新に、多くは説明せず圭吾が濁す。烏丸の逆心を知らせないままなのが良いのか悪いのか、わからなくなった犬神は圭吾の判断に従った。
誰に足をとられるのかわからない現状で、手元にある、ごく僅かな情報を頼りに動かねばならない。どちらが真実だったにせよ、いずれは目の当たりにしなければならない現実になる。どうせ嫌でも、その時に思い知るのだ。拓真の動向も不確かな現状で、更に烏丸に対する不審を抱かせるのも、無意味なストレスを与えるだけのような気がした。
〝……罠を覚悟で、行くしかねェだろ。他に手掛かりもないしな〟
「わかりました。ただ、その前にひとつだけ」
「お、おう……何だ?」
圭吾は真顔だった。ここへ来て、また新たな報告があるのかと一堂身構える。
「けんちん汁、食べていっても構いませんか?」
〝お前すげーけんちん汁のことねちねち言うのな!〟
犬神はさすがに吠えた。その声に乗せられた感情は、いっそ哀愁といっても良かった。
反対するつもりもさらさらなかったが誰一人どうぞと答えてもいないこのタイミングで、圭吾は百点をあげたくなるほどスマートな仕草で、ガス台の前に移動しコンロのつまみに手を添えていた。こいつ、温めなおす気だと犬神は悟った。万全においしい状態を整えてから食べるつもりでいやがる。さすがに眩暈がした犬神の肩に、一之進が優しく手を載せた。その生暖かい笑顔を仰ぎ見て、けんちん汁を今すぐ食べることにおいての反対派は全滅させられたのだと悟った。
――戦の前の腹ごしらえだ。今のうちに鋭気を養うのも悪くないかもしれない。
犬神は尻尾を丸めて、ゆっくりとそこへ頭を沈める。カチカチと、着火を試みる古いコンロの音が、少しだけ口元を綻ばせている圭吾に寄り添うように響いていた。
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