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第3話 第一側妃の暗殺未遂と侍女の死(3)
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「まだ、何か?」
「君はその、閨房のことに詳しいのか?」
「はい?」
「実は、国王陛下より側妃暗殺未遂について内々に調べるように命令されたのだが、普段、男だらけの世界で生きているから女性のことがよくわからないのだ。内情を教えてもらえると助かるのだが」
現国王のアーサー2世には、正妻である王妃カミラ、第一側妃のグレース、第二側妃のソフィアと3人の妻がいる。
国の政治や軍事の中心である王宮とは違い、この建物は後宮と呼ばれる、国王陛下とその妻たちのプライベートなスペースだ。当然、外部の人間には事情はわからないだろう。
「申し訳ございませんが、私の一存ではお返事できません。ソフィア様の許可がもらえればお力になりたいと思います」
私は一礼すると、サロンを後にした。
ふーとため息をつく。
尋問など久しぶりだ。
最も私はする側の人間で、されるのは初めての経験だけど。
殺人事件か。確かに前世の記憶が活かせるかな。
私は前世では刑事だった。
大学で心理学を学んだ後、国家公務員試験に合格。警察学校を卒業した後は渡米し2年間FBIでプロファイリングを学んだ。
帰国してからは警視庁刑事部捜査第一課に配属された。
自分で言うのもなんだが、一流のプロファイラーとして高く評価されていたと思う。事実、私の所属するチームは課内で一番検挙率が高かった。
行動心理学を活かし、取調室では多くの容疑者を自白させてきた。
暴力団の若手構成員が組の金を使い込み、その穴埋めのため対立する組織の麻薬取引の現場を襲うという事件が起きた。
売人2人を銃撃し、たまたま近くの見回りをしていた警備員も射殺した。
そしてバイクで逃走中に赤信号を無視し、横断歩道を渡っていた夫婦をはねて死に至らしめた。
容疑者は銃と麻薬を逃げる途中で隠したので、逮捕時には所持していなかった。
着ていた服からは硝煙反応が出たし、現場には下足痕とバイクのタイヤ痕があったがそれだけでは立件は難しい。
私が尋問し、隠した場所を聞き出した。
自供通り、銃は犯行現場から1km離れた廃屋から発見された。
銃の線条痕が一致し犯行の裏付けが取れた。
裁判でも私は証言台に立った。
確固たる物的証拠と自白により、検察側の求刑通り死刑判決が出た。
そしてその日、裁判所の出口で待ち伏せていた暴力団員の愛人にナイフで刺されたのだ。
私が生まれ変わるときに女神から与えられたスキルは「観察者」。
人間は心身相関により情動で身体反応が生じる。
簡単にいうと、例えば、人は嫌いなものを見て嫌悪という感情を持つと、体は無意識に顔をしかめる、鼻にしわを寄せるといった反応をする。
そして同時に瞳孔がわずかに縮小するという変化も起きている。
「観察者」スキルを使えば、表情といったわかりやすい反応だけでなく、肉眼では確認しにくい微細な反応をも漏らすことなく捉えることができるのだ。
プロファイラーにはぴったりの能力だ。
女神様は、なかなかわかっていらっしゃる。
「君はその、閨房のことに詳しいのか?」
「はい?」
「実は、国王陛下より側妃暗殺未遂について内々に調べるように命令されたのだが、普段、男だらけの世界で生きているから女性のことがよくわからないのだ。内情を教えてもらえると助かるのだが」
現国王のアーサー2世には、正妻である王妃カミラ、第一側妃のグレース、第二側妃のソフィアと3人の妻がいる。
国の政治や軍事の中心である王宮とは違い、この建物は後宮と呼ばれる、国王陛下とその妻たちのプライベートなスペースだ。当然、外部の人間には事情はわからないだろう。
「申し訳ございませんが、私の一存ではお返事できません。ソフィア様の許可がもらえればお力になりたいと思います」
私は一礼すると、サロンを後にした。
ふーとため息をつく。
尋問など久しぶりだ。
最も私はする側の人間で、されるのは初めての経験だけど。
殺人事件か。確かに前世の記憶が活かせるかな。
私は前世では刑事だった。
大学で心理学を学んだ後、国家公務員試験に合格。警察学校を卒業した後は渡米し2年間FBIでプロファイリングを学んだ。
帰国してからは警視庁刑事部捜査第一課に配属された。
自分で言うのもなんだが、一流のプロファイラーとして高く評価されていたと思う。事実、私の所属するチームは課内で一番検挙率が高かった。
行動心理学を活かし、取調室では多くの容疑者を自白させてきた。
暴力団の若手構成員が組の金を使い込み、その穴埋めのため対立する組織の麻薬取引の現場を襲うという事件が起きた。
売人2人を銃撃し、たまたま近くの見回りをしていた警備員も射殺した。
そしてバイクで逃走中に赤信号を無視し、横断歩道を渡っていた夫婦をはねて死に至らしめた。
容疑者は銃と麻薬を逃げる途中で隠したので、逮捕時には所持していなかった。
着ていた服からは硝煙反応が出たし、現場には下足痕とバイクのタイヤ痕があったがそれだけでは立件は難しい。
私が尋問し、隠した場所を聞き出した。
自供通り、銃は犯行現場から1km離れた廃屋から発見された。
銃の線条痕が一致し犯行の裏付けが取れた。
裁判でも私は証言台に立った。
確固たる物的証拠と自白により、検察側の求刑通り死刑判決が出た。
そしてその日、裁判所の出口で待ち伏せていた暴力団員の愛人にナイフで刺されたのだ。
私が生まれ変わるときに女神から与えられたスキルは「観察者」。
人間は心身相関により情動で身体反応が生じる。
簡単にいうと、例えば、人は嫌いなものを見て嫌悪という感情を持つと、体は無意識に顔をしかめる、鼻にしわを寄せるといった反応をする。
そして同時に瞳孔がわずかに縮小するという変化も起きている。
「観察者」スキルを使えば、表情といったわかりやすい反応だけでなく、肉眼では確認しにくい微細な反応をも漏らすことなく捉えることができるのだ。
プロファイラーにはぴったりの能力だ。
女神様は、なかなかわかっていらっしゃる。
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