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新しい世界を知る男

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解き放たれた男は仕事を探した。
孤児への偏見はとても強いのだと知った。
主人から握らされたお金や宝石で余裕で凌げた。
世間のことに疎い男だが、ぼったくられたり騙されたりはしなかった。
重要なことは10年間で主人に教えられたからだ。
こんな風に役に立てる日など来るとは思っていなかったが。

そうして2ヶ月ほどが経ったある日、戦争が始まった。

あらかじめ、緊急事態の自給自足の生活や場所なども習っていた男は主人の見通す力を不思議に思った。

しかし、男は森に籠ることはしなかった。

身分が問われない条件のいい仕事を見つけたからだ。

男は戦争に向かった。

自分が活躍すれば主人に恩を返せると思った。
前みたいな生活をさせられると思った。

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