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「婚約破...」まで言いかけた婚約者の様子がおかしいのですがこれは何事でしょうか?
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リレリアス王国には、国内外の王侯貴族が通う学園がある。
その卒業パーティーは親たちも集まり盛大に行われる。
皆が楽しみにしている中、この国の王太子・ハーバルトの婚約者アナスタシアは不安でいっぱいだった。
最近のハーバルトの言動から、エスコートされず1人で入場する予感がしたからだ。
そして、なにやら婚約破棄を企んでいるらしいとの情報もある。
確かに、最近のハーバルトは聖女ヘレネを愛し、アナスタシアを疎かにしている。
いつも贈られる王家の紋章が入った独占欲強めだと囁かれているドレスや甘い手紙もいつまで待っても届かない。
家族や親戚に頼むことも考えたが、アナスタシアはハーバルトが直前になって自分の元へ戻ってくることを期待した。事前にエスコートしないと通告された訳ではなかったから。
ハーバルトとアナスタシアはそれぞれ王太子と公爵令嬢。当然、政略的な意味で出会い婚約をした。
だから冷めた関係...なんてことはなく、二人の仲はよかった。
アナスタシアはハーバルトが好きで「お慕いしております」と常々伝えていたし、ハーバルトも「僕もだよ、アナスタシアと早く結婚したいな」と応えていた。
少し前までそのまま結婚するものだとアナスタシアは疑わなかった。
アナスタシアが自分で選んだドレスは、ハーバルトがいつも贈ってくれた青緑色に金の刺繍が入ったもの。アナスタシアが王家の刺繍を入れることはできないがそれ以外はそっくりにした。
銀髪ストレートの髪には過去に贈られた金の髪飾り。
アナスタシアなりの武装だ。
同伴者を連れず一人で入場したアナスタシアは、慌てた顔で駆け寄ってきた友人達に《ハーバルトがヘレネをエスコートしたこと》を告げられる。
友人達の悲しそうな心配したような複雑な顔を見るとなんだか泣いてしまいたくなった。
大丈夫だと言いながらも涙を堪えるのに必死だった。
友人達は怒りを込めた瞳でハーバルトたちを見て、つられてアナスタシアもそちらを見る。
やはり、ハーバルトのそばにはかわいらしい聖女・ヘレネ様の姿があった。
平民だから家名はないが、ひとまず男爵程度の地位を与えられ学園に通っていた。
アナスタシアはヘレネが転入してきてから、ハーバルトと休み時間を共にすることが大幅に減った。
学園でもベタベタしているハーバルトとヘレネを見て嫌な予感がしていたが、エスコートされる特権まで取られた。
(長年独占していたけれど...ハーバルト様の横にはもう立てないのね。私じゃ不十分だったんだわ...)とアナスタシアは悲しむ。
アナスタシアは淑女として、また美貌の令嬢として名高いことは自負しているがそれでも不安に駆られた。ヘレネはアナスタシアにないものをたくさん持っていた。
聖女の力はもちろんのこと、コロコロと変わる表情はかわいらしく淑女として育てられたアナスタシアには真似できないものだったし、庇護欲をそそられるようなあどけない顔立ちをしながらも白金の髪と琥珀色の瞳は聖女の象徴で神秘的だった。アナスタシアの銀の髪と緑の瞳は夜の月のようだとよく言われるが、それならばヘレネは昼の太陽のような包み込んでくれるような温かさがあった。
考えを巡らせながら無意識に凝視してしまっていたアナスタシアに気付いたハーバルトはツカツカと近づいた。その険しい表情は二人の関係の終わりを告げるようだった。
「アナスタシア・リクレンテン!そなたと婚約を破...婚約破...こ・ん・や・く・は・kぅっ...くっっっはぁあっああっ」
ハーバルトの大声に人々の視線が集まる。
しかし、ハーバルトは言葉を途中で終えてしまい、そのうちにうめき声をあげた。
アナスタシアはハーバルトの様子がおかしいことに気付く。何かに操られているような。
いや、そもそも、今の様子だけじゃない。婚約者を蔑ろにすることも、穏便に婚約解消ではなくこんな場所で破棄することも、何もかもおかしい。
最近のハーバルトの態度に心を痛め、二つ返事で婚約破棄を了承する予定であったがアナスタシアだが、それはやめることにした。
何が起こってるかなんてわからない。
でも、幼い頃聞いた【神の教え】
《相手の本当の気持ちは聞いてみないとわからない、見ただけで決めるなでない》
はこのためにあったのかもしれないと直感した。
アナスタシアは直感を信じ行動した。
「ハーバルト様っ、私はあなたと政治的パートナーとしてだけではなく、夫婦として歩みたいです。」
「ーーっ」
ハーバルトの瞳の奥が揺れる。
心なしか生気が戻ってきたような気がした。
死んでいた目の奥に光が入ってきたような。
アナスタシアは続ける。お慕いしています、なんて爽やかな言葉では伝わらないかもしれないから熱を込めて。
「初恋で、ずっと、ずっと、好きで、、ハーバルト様のことだけを見てきました。ずっと信じてきましたが....私と、結婚したいと言ってくださったのは、、本気でしたか...っ」
「待て待て!【魅了】使うな!スキルだろう!やめろ!」
アナスタシアが涙を堪え目を見て語りかけると、ハーバルトは肩で息をしながらそう発言した。
突然飛び出してきた【魅了】という言葉にアナスタシアが目を見開くと、ハーバルトは隣にいるヘレネを突き放し、アナスタシアの元に駆けつけた。そうして、守るかのようにハーバルトの腕に包み込まれたアナスタシアは驚く暇もなかった。
「あの令嬢は、【魅了】魔法を使っている!早く捕えろっ!」
ハーバルトが大声で命令する。
「??!!!」アナスタシアや周囲がいきなりの出来事に(なんだ?どうした?)となり、(そういうことか!)となった頃には、ハーバルトの言葉を受けた騎士たちが【無効】の魔法具で【魅了】を封じた。
それに続き警備隊が【封印】の魔法具で手足を縛ると叫ぶヘレネを担いで出て行った。
ヘレネの終わりはあっけなかった。
◇
ヘレネは治療魔法は使えるものの、聖女に相当するほどじゃなかった。
聖女とは死んでいない限りはどうにでもできるとんでもない存在だ。腕が飛んでもなんでも。
軽い傷を治す程度でも貴重な人材には変わりないが、各貴族家が医者と同じく邸宅に滞在させている場合が多い。
結局は周りを魅了しその地位に登っただけであった。
うまいこといってたのは、魅了なんて力が確認されたのは初めてで対策がされていなかったからだろう。
魅了という名前はハーバルトが咄嗟に使ったに過ぎないがそのまま通り名となった。
この事件を受け、【魅了】対策として【無効】の魔法具が大流行し、今は早期発見・対処・活用できるよう話し合いや研究が進んでいる。ハーバルトが力を入れており実現間近だという。
幼い頃、アナスタシアが大好きなハーバルトは神殿におやつを我慢して貯めたお金を寄付した。そうして、神像の部屋に入れてもらうと、「どうかアナスタシアと結婚できますように!」と祈った。すでに婚約はしていたが、2つ上のアナスタシアに弟のように見られている気がして不安になったハーバルトは強い気持ちでお願いした。
神は、どのように助言するかしばしば悩んでいた。神とて未来が見えるわけでもない。
しばらく経って、ひとつ、自身の経験を教えてみようと思った。しかし、ハーバルトのスケジュールはみっちり埋まっており中々神殿に来ない。神殿にお告げを出すことや王城に手紙を出すこともできるが騒ぎになりそうだ。
そんな時、ハーバルトの婚約者、アナスタシアがやってきた。
アナスタシアは少々自信のない少女で、巷で流行の《婚約破棄小説》を読んで不安になったという。
神は、ハーバルトに伝える予定だった言葉をアナスタシアに伝えることにした。
《相手の本当の気持ちは聞いてみないとわからない、見ただけで決めるでない》
アナスタシアは突然の声に驚いたようだが大変感謝した。神は「誰にも言うでない」と付け加え、アタスタシアはそれを守った。
その後。
神は愛を伝え合う二人をみて満足げに微笑んだ。
(予言してよかったー!神、有能!)なんてほくほくしながら。
それからしばらくして、魅了のかかったハーバルトをみていざとなったら助けようと思っていた。
しかし、あまり介入しすぎては己で解決する力が育たないのでは?と悩み見守っていた。
もう我慢ならん!となった瞬間、アナスタシアが己の気持ちを伝え、相手の気持ちを確かめる言葉を口にした。そしてハーバルトの洗脳は解けた。
神はまたしても満足気に笑った。
再び愛を伝え合うようになった二人に神はひそかに祝福を授けた。
【《健康》寿命を延ばせる】ささやかそうにみえて大きな贈り物だ。
「二人のしけた顔などみたくないからな!」と神はニカッと笑った。
そんな神の心など知る由もない二人が、のちに、神にとって大きな働きをすることになるのはまた別のお話
神の一人称は「神」です(笑)
一応調べてみたのですが、なんとなくかわいい感じにしたかったので全部却下しました。
【ハーバルト・フリク・リレリアス】
リレリアス王国の王太子。
王族の証である金髪碧眼。やや癖っ毛なのを気にしている。
婚約者候補として出会った美しく聡明なアナスタシアに惚れ、その他の候補とは合わずに婚約をした。
(国王と王妃は表向き「筆頭候補を選ぶとはさすがだ。早く決まってよかったな」という態度だったが、ひそかに恋を応援している。)
【アナスタシア・リクレンテン】
リレリアス王国の公爵令嬢。
真っ直ぐ流れるような銀髪にエメラルド色の瞳を持つ。一見冷たそうな美人。中身は穏やか。
ハーバルトの婚約者になった頃は11歳。2つ下のハーバルトは実の弟と同い年なため、恋をするのはもっと後の話。それまではただかわいいと思っていた。
両親や兄、弟に溺愛され心優しく育った。
その卒業パーティーは親たちも集まり盛大に行われる。
皆が楽しみにしている中、この国の王太子・ハーバルトの婚約者アナスタシアは不安でいっぱいだった。
最近のハーバルトの言動から、エスコートされず1人で入場する予感がしたからだ。
そして、なにやら婚約破棄を企んでいるらしいとの情報もある。
確かに、最近のハーバルトは聖女ヘレネを愛し、アナスタシアを疎かにしている。
いつも贈られる王家の紋章が入った独占欲強めだと囁かれているドレスや甘い手紙もいつまで待っても届かない。
家族や親戚に頼むことも考えたが、アナスタシアはハーバルトが直前になって自分の元へ戻ってくることを期待した。事前にエスコートしないと通告された訳ではなかったから。
ハーバルトとアナスタシアはそれぞれ王太子と公爵令嬢。当然、政略的な意味で出会い婚約をした。
だから冷めた関係...なんてことはなく、二人の仲はよかった。
アナスタシアはハーバルトが好きで「お慕いしております」と常々伝えていたし、ハーバルトも「僕もだよ、アナスタシアと早く結婚したいな」と応えていた。
少し前までそのまま結婚するものだとアナスタシアは疑わなかった。
アナスタシアが自分で選んだドレスは、ハーバルトがいつも贈ってくれた青緑色に金の刺繍が入ったもの。アナスタシアが王家の刺繍を入れることはできないがそれ以外はそっくりにした。
銀髪ストレートの髪には過去に贈られた金の髪飾り。
アナスタシアなりの武装だ。
同伴者を連れず一人で入場したアナスタシアは、慌てた顔で駆け寄ってきた友人達に《ハーバルトがヘレネをエスコートしたこと》を告げられる。
友人達の悲しそうな心配したような複雑な顔を見るとなんだか泣いてしまいたくなった。
大丈夫だと言いながらも涙を堪えるのに必死だった。
友人達は怒りを込めた瞳でハーバルトたちを見て、つられてアナスタシアもそちらを見る。
やはり、ハーバルトのそばにはかわいらしい聖女・ヘレネ様の姿があった。
平民だから家名はないが、ひとまず男爵程度の地位を与えられ学園に通っていた。
アナスタシアはヘレネが転入してきてから、ハーバルトと休み時間を共にすることが大幅に減った。
学園でもベタベタしているハーバルトとヘレネを見て嫌な予感がしていたが、エスコートされる特権まで取られた。
(長年独占していたけれど...ハーバルト様の横にはもう立てないのね。私じゃ不十分だったんだわ...)とアナスタシアは悲しむ。
アナスタシアは淑女として、また美貌の令嬢として名高いことは自負しているがそれでも不安に駆られた。ヘレネはアナスタシアにないものをたくさん持っていた。
聖女の力はもちろんのこと、コロコロと変わる表情はかわいらしく淑女として育てられたアナスタシアには真似できないものだったし、庇護欲をそそられるようなあどけない顔立ちをしながらも白金の髪と琥珀色の瞳は聖女の象徴で神秘的だった。アナスタシアの銀の髪と緑の瞳は夜の月のようだとよく言われるが、それならばヘレネは昼の太陽のような包み込んでくれるような温かさがあった。
考えを巡らせながら無意識に凝視してしまっていたアナスタシアに気付いたハーバルトはツカツカと近づいた。その険しい表情は二人の関係の終わりを告げるようだった。
「アナスタシア・リクレンテン!そなたと婚約を破...婚約破...こ・ん・や・く・は・kぅっ...くっっっはぁあっああっ」
ハーバルトの大声に人々の視線が集まる。
しかし、ハーバルトは言葉を途中で終えてしまい、そのうちにうめき声をあげた。
アナスタシアはハーバルトの様子がおかしいことに気付く。何かに操られているような。
いや、そもそも、今の様子だけじゃない。婚約者を蔑ろにすることも、穏便に婚約解消ではなくこんな場所で破棄することも、何もかもおかしい。
最近のハーバルトの態度に心を痛め、二つ返事で婚約破棄を了承する予定であったがアナスタシアだが、それはやめることにした。
何が起こってるかなんてわからない。
でも、幼い頃聞いた【神の教え】
《相手の本当の気持ちは聞いてみないとわからない、見ただけで決めるなでない》
はこのためにあったのかもしれないと直感した。
アナスタシアは直感を信じ行動した。
「ハーバルト様っ、私はあなたと政治的パートナーとしてだけではなく、夫婦として歩みたいです。」
「ーーっ」
ハーバルトの瞳の奥が揺れる。
心なしか生気が戻ってきたような気がした。
死んでいた目の奥に光が入ってきたような。
アナスタシアは続ける。お慕いしています、なんて爽やかな言葉では伝わらないかもしれないから熱を込めて。
「初恋で、ずっと、ずっと、好きで、、ハーバルト様のことだけを見てきました。ずっと信じてきましたが....私と、結婚したいと言ってくださったのは、、本気でしたか...っ」
「待て待て!【魅了】使うな!スキルだろう!やめろ!」
アナスタシアが涙を堪え目を見て語りかけると、ハーバルトは肩で息をしながらそう発言した。
突然飛び出してきた【魅了】という言葉にアナスタシアが目を見開くと、ハーバルトは隣にいるヘレネを突き放し、アナスタシアの元に駆けつけた。そうして、守るかのようにハーバルトの腕に包み込まれたアナスタシアは驚く暇もなかった。
「あの令嬢は、【魅了】魔法を使っている!早く捕えろっ!」
ハーバルトが大声で命令する。
「??!!!」アナスタシアや周囲がいきなりの出来事に(なんだ?どうした?)となり、(そういうことか!)となった頃には、ハーバルトの言葉を受けた騎士たちが【無効】の魔法具で【魅了】を封じた。
それに続き警備隊が【封印】の魔法具で手足を縛ると叫ぶヘレネを担いで出て行った。
ヘレネの終わりはあっけなかった。
◇
ヘレネは治療魔法は使えるものの、聖女に相当するほどじゃなかった。
聖女とは死んでいない限りはどうにでもできるとんでもない存在だ。腕が飛んでもなんでも。
軽い傷を治す程度でも貴重な人材には変わりないが、各貴族家が医者と同じく邸宅に滞在させている場合が多い。
結局は周りを魅了しその地位に登っただけであった。
うまいこといってたのは、魅了なんて力が確認されたのは初めてで対策がされていなかったからだろう。
魅了という名前はハーバルトが咄嗟に使ったに過ぎないがそのまま通り名となった。
この事件を受け、【魅了】対策として【無効】の魔法具が大流行し、今は早期発見・対処・活用できるよう話し合いや研究が進んでいる。ハーバルトが力を入れており実現間近だという。
幼い頃、アナスタシアが大好きなハーバルトは神殿におやつを我慢して貯めたお金を寄付した。そうして、神像の部屋に入れてもらうと、「どうかアナスタシアと結婚できますように!」と祈った。すでに婚約はしていたが、2つ上のアナスタシアに弟のように見られている気がして不安になったハーバルトは強い気持ちでお願いした。
神は、どのように助言するかしばしば悩んでいた。神とて未来が見えるわけでもない。
しばらく経って、ひとつ、自身の経験を教えてみようと思った。しかし、ハーバルトのスケジュールはみっちり埋まっており中々神殿に来ない。神殿にお告げを出すことや王城に手紙を出すこともできるが騒ぎになりそうだ。
そんな時、ハーバルトの婚約者、アナスタシアがやってきた。
アナスタシアは少々自信のない少女で、巷で流行の《婚約破棄小説》を読んで不安になったという。
神は、ハーバルトに伝える予定だった言葉をアナスタシアに伝えることにした。
《相手の本当の気持ちは聞いてみないとわからない、見ただけで決めるでない》
アナスタシアは突然の声に驚いたようだが大変感謝した。神は「誰にも言うでない」と付け加え、アタスタシアはそれを守った。
その後。
神は愛を伝え合う二人をみて満足げに微笑んだ。
(予言してよかったー!神、有能!)なんてほくほくしながら。
それからしばらくして、魅了のかかったハーバルトをみていざとなったら助けようと思っていた。
しかし、あまり介入しすぎては己で解決する力が育たないのでは?と悩み見守っていた。
もう我慢ならん!となった瞬間、アナスタシアが己の気持ちを伝え、相手の気持ちを確かめる言葉を口にした。そしてハーバルトの洗脳は解けた。
神はまたしても満足気に笑った。
再び愛を伝え合うようになった二人に神はひそかに祝福を授けた。
【《健康》寿命を延ばせる】ささやかそうにみえて大きな贈り物だ。
「二人のしけた顔などみたくないからな!」と神はニカッと笑った。
そんな神の心など知る由もない二人が、のちに、神にとって大きな働きをすることになるのはまた別のお話
神の一人称は「神」です(笑)
一応調べてみたのですが、なんとなくかわいい感じにしたかったので全部却下しました。
【ハーバルト・フリク・リレリアス】
リレリアス王国の王太子。
王族の証である金髪碧眼。やや癖っ毛なのを気にしている。
婚約者候補として出会った美しく聡明なアナスタシアに惚れ、その他の候補とは合わずに婚約をした。
(国王と王妃は表向き「筆頭候補を選ぶとはさすがだ。早く決まってよかったな」という態度だったが、ひそかに恋を応援している。)
【アナスタシア・リクレンテン】
リレリアス王国の公爵令嬢。
真っ直ぐ流れるような銀髪にエメラルド色の瞳を持つ。一見冷たそうな美人。中身は穏やか。
ハーバルトの婚約者になった頃は11歳。2つ下のハーバルトは実の弟と同い年なため、恋をするのはもっと後の話。それまではただかわいいと思っていた。
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