透明少女症候群

塔野とぢる

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透明少女症候群・4

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最後に咲の方を見た。

教室の窓際で、カーテンがたなびいている。
白い布に見え隠れしながら、彼女の髪も揺れている。
咲はピクっと反応して、コチラに振り返った。

その目に、最期の私は映っただろうか。
私は、彼女と居た大好きな空間に殉じ、そよ風に解けて行った。

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