上 下
14 / 16
2日目

07

しおりを挟む
また気を失ってしまった。

まどろんだ状態で身体を起こすと、激痛で一気に目が覚めた。
流れ出た血液で床に髪の毛がこびり付いている。少女は居ないらしい。部屋の隅に誰かがうずくまっている。さっきの女性だ。

「ひっ!」

僕が気づいたそぶりを見せると、彼女は酷く怯えた反応を見せた。
なにも状況がわかっていないのだろう。怖くて当然だ。
しかも密室に男と2人である。内緒だけどその男は先っちょだけ身体の中にお邪魔していた。

「あの…少女を見ませんでしたか」
「……?」

どうやら彼女は少女が出て行ったあと、目を覚ましたらしい。

「我々は、少女に拉致されてここに居るようです」
「なにを言って……」

そりゃあ言われても信じないよな。
俺も、生きるために受け入れただけであって、正しい意味ではまるっきり理解できていない。

「とりあえず、覚悟してください。覚悟してください。我々は、拷問を受けます」
「ここは何処ですか? 貴方は誰ですか?」

……仕方ない。整理できている情報だけでも伝えておこう。
いつ来るとも知れぬ少女に怯えながら、僕は彼女にすべてを共有した。疲れからか、もう夜なのか。そのうち僕らは言葉少なに俯いたまま、ゆるやかな眠りへと落ちて行った。
しおりを挟む

処理中です...