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巨
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「うぅ~~~ん、うぅ~~ん」
メーヴェが狭い隙間を通り抜けようとした。メーヴェは小柄な体なので簡単に隙間を通れるはずだと俺は思っていた。しかし、大きな二つの物体が隙間を圧迫させるように張り付いてしまい身動きとれなくなってしまった。
「うぅ~~~ん、うぅ~~~~ん」
メーヴェは強引に隙間を抜けようとするが大きな二つの物体が邪魔をする。あの二つの物体はとても柔らかくて弾力のあるスライムだと勘違いをしている時期もあった。もし、あれがスライムだったならば形を変えて隙間を通ることは容易いはず。だが、今俺が目にしている現実は違う。大きな二つの物体が石壁にめり込むように吸い付いているが、スライムのように自在に形が変わることはない。改めてあれはスライムではないと確信した。
メーヴェは大きな二つの物体が隙間に挟まって、なまめかしい声を上げながら顔を膨らませ一生懸命に奮闘している。俺はその姿を見て、体が熱くなり心が沸騰している。この気持ちの正体は何なのだ。俺が今しなければいけないことは、メーヴェに手を差し伸べて、隙間から抜け出す手助けすることのはず。しかし、今の俺は体がゾクゾクするような奇妙な感覚に陥り、見てはいけないモノを見ているような罪悪感に陥っていた。
「アル、ミーラン、メーヴェの手助けは私が致しますので、こちらを見ないでください」
クレーエの静かな声に俺とミーランはすぐに背を向けた。
「メーヴェ、はしたない声を上げないで下さい」
「上げてないわよ。それよりも早くここから出して!お胸がつぶれてクレーエみたいになっちゃうわ」
メーヴェはクレーエの言葉に少し苛立ちを感じてクレーエをディする。
「その言葉は私に届きません。大きなお胸は動きを鈍くするので、戦闘に非常に不向きです。そのため、私はあなたのような大きな胸が欲しいとは一度も思ったことはありません。私はこの小さなお胸が丁度良いと思っています」
クレーエの顔には一切の動揺は見られず、本心で言っていることは一目瞭然だ。俺は・・・いや、ミーランも後ろを向いたのだが、メーヴェの状況が心配で・・・いや、メーヴェが大きなお胸をつかえて苦しんでいる様子を見たくて、こっそりと振り返って覗きを見していた。これだけは言っておく。これは俺が見たいのではなく、アルバトロスの心の浸透による弊害であることを説明しておきたい。見たいのは俺ではなくアルバトロスである。
「俺はクレーエに1票投じるぜ」
ミーランが小声で話しかける。
「・・・」
俺はすぐに自分の答えを導き出すことはできなかった。それは効率を重視する俺なら迷うことなくクレーエの意見に賛同するのだが、俺はあの大きな二つの物体には秘密が隠されていることを知っているからである。
「確かに迷う気持ちもわかるぜ。でも、以前お前は言ったよな、中身が大事だと」
ミーランはときおり意味不明なことを言う。俺はミーランと大きな二つの物体のはなしなどしたことはない。おそらくミーランは果実の話しと混乱しているようだ。しかし、効率を重視する俺は、話に横やりを入れるほどバカでない。ここは聞き流して自分の見解を話すことにする。そして、ミーランが知らない大きな二つの物体の真実を教えてあげることにした。
「ミーラン、確かにあの大きな物体は、一見戦闘には不向きに見えるかもしれない。しかし、あの大きな物体には特殊効果が付与されているのだ。俺は以前メーヴェからあの大きな物体を背中に押し付けられたことがある。あの時メーヴェは俺に教えてくれていたのだろう。あの大きな物体には特殊効果があるということを」
「アルバトロス・・・何を言っているのだ?」
ミーランは空いた口がふさがらずに間抜けな顔をしている。
「やっぱり知らないようだな。あの大きな物体には相手を魅惑させる特殊効果が付与されているのだ!俺はあの大きな物体が背中に押し付けられた時、体中の水分が沸騰するように熱くなり、気持ちが高騰して自分を失いそうになった。あれは水浴びを覗き見した時に感じた精神魔法と同じ効果があると言えるだろう。しかもあれは魔法ではない。そのことが一番重要だ。殺意も伝えずに背後をとれる特殊効果が付与されているあの大きな物体は、魔王を倒せる一撃だと言っても過言ではない」
あの時魔王の俺が背後を取られた原因は、殺気を感じることができなかったからである。無意識で相手を傷つけることは不可能だ。必ず相手を攻撃する時には殺気が発生する。それは人間も魔族も魔獣も同じだ。すべての種族にある意識といえるだろう。しかし、あの時メーヴェからは殺意を感じることはなかった。
「お前・・・巨乳が好きだと宣言しているのか?」
ミーランはまたキテレツな発言をする。そもそも巨乳とはなんのことだ。いや、もしかして、あの大きな物体の特殊効果のことを巨乳と呼ぶのか?俺は大きな過ちをしていた。俺だけがメーヴェの持つ特殊効果を理解していると思っていたが、そうではないようだ。そもそも、魔族の俺よりも人間であるミーランの方が人間のことに詳しくて当然だ。メーヴェの巨乳という特殊効果が、魔王討伐の本当の切り札だったのかもしれない。早々にメーヴェが戦意を失ったために、最後の切り札としてアルバトロスは『逆転の宝玉』を使用したのだろう。もしメーヴェが戦意を失わずに巨乳を使用していれば俺は敗北していたのかもしれない。
メーヴェが狭い隙間を通り抜けようとした。メーヴェは小柄な体なので簡単に隙間を通れるはずだと俺は思っていた。しかし、大きな二つの物体が隙間を圧迫させるように張り付いてしまい身動きとれなくなってしまった。
「うぅ~~~ん、うぅ~~~~ん」
メーヴェは強引に隙間を抜けようとするが大きな二つの物体が邪魔をする。あの二つの物体はとても柔らかくて弾力のあるスライムだと勘違いをしている時期もあった。もし、あれがスライムだったならば形を変えて隙間を通ることは容易いはず。だが、今俺が目にしている現実は違う。大きな二つの物体が石壁にめり込むように吸い付いているが、スライムのように自在に形が変わることはない。改めてあれはスライムではないと確信した。
メーヴェは大きな二つの物体が隙間に挟まって、なまめかしい声を上げながら顔を膨らませ一生懸命に奮闘している。俺はその姿を見て、体が熱くなり心が沸騰している。この気持ちの正体は何なのだ。俺が今しなければいけないことは、メーヴェに手を差し伸べて、隙間から抜け出す手助けすることのはず。しかし、今の俺は体がゾクゾクするような奇妙な感覚に陥り、見てはいけないモノを見ているような罪悪感に陥っていた。
「アル、ミーラン、メーヴェの手助けは私が致しますので、こちらを見ないでください」
クレーエの静かな声に俺とミーランはすぐに背を向けた。
「メーヴェ、はしたない声を上げないで下さい」
「上げてないわよ。それよりも早くここから出して!お胸がつぶれてクレーエみたいになっちゃうわ」
メーヴェはクレーエの言葉に少し苛立ちを感じてクレーエをディする。
「その言葉は私に届きません。大きなお胸は動きを鈍くするので、戦闘に非常に不向きです。そのため、私はあなたのような大きな胸が欲しいとは一度も思ったことはありません。私はこの小さなお胸が丁度良いと思っています」
クレーエの顔には一切の動揺は見られず、本心で言っていることは一目瞭然だ。俺は・・・いや、ミーランも後ろを向いたのだが、メーヴェの状況が心配で・・・いや、メーヴェが大きなお胸をつかえて苦しんでいる様子を見たくて、こっそりと振り返って覗きを見していた。これだけは言っておく。これは俺が見たいのではなく、アルバトロスの心の浸透による弊害であることを説明しておきたい。見たいのは俺ではなくアルバトロスである。
「俺はクレーエに1票投じるぜ」
ミーランが小声で話しかける。
「・・・」
俺はすぐに自分の答えを導き出すことはできなかった。それは効率を重視する俺なら迷うことなくクレーエの意見に賛同するのだが、俺はあの大きな二つの物体には秘密が隠されていることを知っているからである。
「確かに迷う気持ちもわかるぜ。でも、以前お前は言ったよな、中身が大事だと」
ミーランはときおり意味不明なことを言う。俺はミーランと大きな二つの物体のはなしなどしたことはない。おそらくミーランは果実の話しと混乱しているようだ。しかし、効率を重視する俺は、話に横やりを入れるほどバカでない。ここは聞き流して自分の見解を話すことにする。そして、ミーランが知らない大きな二つの物体の真実を教えてあげることにした。
「ミーラン、確かにあの大きな物体は、一見戦闘には不向きに見えるかもしれない。しかし、あの大きな物体には特殊効果が付与されているのだ。俺は以前メーヴェからあの大きな物体を背中に押し付けられたことがある。あの時メーヴェは俺に教えてくれていたのだろう。あの大きな物体には特殊効果があるということを」
「アルバトロス・・・何を言っているのだ?」
ミーランは空いた口がふさがらずに間抜けな顔をしている。
「やっぱり知らないようだな。あの大きな物体には相手を魅惑させる特殊効果が付与されているのだ!俺はあの大きな物体が背中に押し付けられた時、体中の水分が沸騰するように熱くなり、気持ちが高騰して自分を失いそうになった。あれは水浴びを覗き見した時に感じた精神魔法と同じ効果があると言えるだろう。しかもあれは魔法ではない。そのことが一番重要だ。殺意も伝えずに背後をとれる特殊効果が付与されているあの大きな物体は、魔王を倒せる一撃だと言っても過言ではない」
あの時魔王の俺が背後を取られた原因は、殺気を感じることができなかったからである。無意識で相手を傷つけることは不可能だ。必ず相手を攻撃する時には殺気が発生する。それは人間も魔族も魔獣も同じだ。すべての種族にある意識といえるだろう。しかし、あの時メーヴェからは殺意を感じることはなかった。
「お前・・・巨乳が好きだと宣言しているのか?」
ミーランはまたキテレツな発言をする。そもそも巨乳とはなんのことだ。いや、もしかして、あの大きな物体の特殊効果のことを巨乳と呼ぶのか?俺は大きな過ちをしていた。俺だけがメーヴェの持つ特殊効果を理解していると思っていたが、そうではないようだ。そもそも、魔族の俺よりも人間であるミーランの方が人間のことに詳しくて当然だ。メーヴェの巨乳という特殊効果が、魔王討伐の本当の切り札だったのかもしれない。早々にメーヴェが戦意を失ったために、最後の切り札としてアルバトロスは『逆転の宝玉』を使用したのだろう。もしメーヴェが戦意を失わずに巨乳を使用していれば俺は敗北していたのかもしれない。
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