42 / 54
ゴブリンキング討伐 パート18
しおりを挟む
「上手くいったな」
「初見では俺らのコンビニーションを見破るのは無理だぜ」
ランチェが幻影魔法をで相手を翻弄して、コンチェがトドメを刺すという。1対1の戦いと見せかけて2人で戦うという卑怯なやり方である。コンチェは『忍び』という称号を持っているので、『忍び』は自身の気配を消す『認識阻害』を得意とし、またスピードにも特化した称号である。
「次はあの炎のゴブリンです」
「幻影でなんとかなるか?」
「このゴブリンの幻を見せてあげましょう」
「わかった。お前がアイツのスキを作ったところで俺がトドメを刺すぜ」
「わかりました」
一方、ガロファーとシュヴァリエの戦いは、ガロファーの力の前にシュヴァリエの防戦一方になっていた。ガロファーの強靭なパワーの前にシュヴァリエは回避するのが精一杯であった。
「逃げてばかりだと俺を倒すことはできないぞ」
「別にこれでいいのよ。それに、私の目的はあなたと話をすることなのよ」
「どういことだ」
「6年前にこの辺りに王女様を連れた馬車は来なかったかしら?もし、見かけたなら教えて欲しいのよ」
ガロファーの動きが一瞬止まる。
「何か知っているのね」
シュヴァリエはガロファーの動きの変化を見逃さない。
「知らない」
「嘘よ。何か知っているはずよ。あなたは少し動揺をしていたわ」
「もし、知っていたとしても何も話すことはない」
「あの馬車には私の妹が乗っていたのよ。それに、馬車の護衛には私の婚約者もいたのよ。あれから6年も経つのになんの手がかりもないの。お願い知っているのなら教えてちょうだい。もし教えてくれたのなら、私たちはゴブリンの村の襲撃を止めるわ」
シュヴァリエは槍を置いて両手を上げた。
「早く俺の腕を治せ!」
「そんなに慌てないでください。すぐに治してあげます」
真っ白な修道服を着た女性がモナークの腕の治療を行う。
「どれくらいかかるのだ!」
「すぐに治すこともできますが、魔力がかなり消費してしまします」
「構わん。この腕さえ治れば後のことなどどうでもいい」
「わかりました。すぐに治します」
キュアはモナークの折れた腕を治療した。
「よし、痛みは無くなった。腕も正常に動くぞ」
「完全に治りましたので問題はありません。しかし、一気に魔力を使いましたので、他の方の手当てはできなくなります」
「俺以外の雑魚を治しても意味はない。お前は俺だけを治療すればいいのだ」
「わかりました」
「俺にブーストをかけてくれ」
「しかし・・・」
「俺の命令が聞けないのか?」
キュアはそっとダイモスの方を見る。ダイモスはキュアの言いたいことを理解してゆっくりと頷いた。
「わかりました。ブーストをかけれるのは一日一度だけです。時間も15分程度です。ゴブリンキングが現れても、もうその時には使えませんが、本当によろしいいのでしょうか?」
「構わん。あの生意気なゴブリン達に俺様の本当の強さを見せつけてやるのだ。そして、俺に刃向かったことを後悔させるためにも地獄のような苦しみを与えてやるのだ」
「では、ブーストをかけます。これで、私も全ての力を使い果たしますので、この場から退かせてもらいます」
「好きにしろ。ブーストを使った俺に勝てるモノなど存在しないわ」
ブーストとは身体の限界を超えた強化することができる特殊スキルである。『治癒師』の称号を持つ者で、長年の修練を積むことで発動する特殊スキルである。一日一度のみ使用でき15分程度の効果しかない。
モナークは自身の魔法での身体強化、『覇王』レベル1での身体強化、そして、ブーストによる身体強化により、全身の血管が浮き出て体は今にも破裂しそうなくらいに筋肉でパンパンに腫れ上がっている。肌の色も紫に変色して明らかに人間とは思えないような体つきになった。
モナークはすぐに戦いの場に戻って行った。
「はぁ~あのダメ王子にも困ったものですわ」
キュアはダイモスに愚痴る。
「そうですね。第3騎士団はモナーク王子様の専属の部隊。誰もがあの王子のお守りをするのは嫌がっていますからね。しかし、私もヘマをしてこの有様です。王子の悪口を言える立場ではありません」
「確か、村の門を守るゴブリン以外にも村の中にはあなたの雷を撃破する強いゴブリンがいるのでは、このままだと怪物王女様が来る前に全滅もあるのでは?」
「それは大丈夫です。もしものためにあの雷の魔法陣にはトラップを仕掛けています」
「反射ですか?」
「はい。6つの魔法陣全てに反射を設定していますので、魔法陣を壊すと同時に、その力は自分自身に返ってきているはずです。恐らく2体の魔法を得意とするゴブリンが魔法陣を壊し、そして反射によってかなりのダメージを負っているはずです。なので、村の門を守る3体のゴブリンを倒せばあとは問題ないでしょう」
「そうなのね。それなら無事に任務を終えることができそうね」
「あとはランチェ兄弟とシュヴァリエ大佐の頑張り次第です。私はここでいつでも逃げれるように準備をしておきます」
「逃げる準備って・・・信用してないのですね」
「あの王子がいるので安心はできません」
「確かにそうですわ。私は魔力が枯渇したので先に帰らせてもらいます。ダメ王子のために死ぬのは嫌ですわ」
キュアは騎馬にのり戦場を後にした。
「初見では俺らのコンビニーションを見破るのは無理だぜ」
ランチェが幻影魔法をで相手を翻弄して、コンチェがトドメを刺すという。1対1の戦いと見せかけて2人で戦うという卑怯なやり方である。コンチェは『忍び』という称号を持っているので、『忍び』は自身の気配を消す『認識阻害』を得意とし、またスピードにも特化した称号である。
「次はあの炎のゴブリンです」
「幻影でなんとかなるか?」
「このゴブリンの幻を見せてあげましょう」
「わかった。お前がアイツのスキを作ったところで俺がトドメを刺すぜ」
「わかりました」
一方、ガロファーとシュヴァリエの戦いは、ガロファーの力の前にシュヴァリエの防戦一方になっていた。ガロファーの強靭なパワーの前にシュヴァリエは回避するのが精一杯であった。
「逃げてばかりだと俺を倒すことはできないぞ」
「別にこれでいいのよ。それに、私の目的はあなたと話をすることなのよ」
「どういことだ」
「6年前にこの辺りに王女様を連れた馬車は来なかったかしら?もし、見かけたなら教えて欲しいのよ」
ガロファーの動きが一瞬止まる。
「何か知っているのね」
シュヴァリエはガロファーの動きの変化を見逃さない。
「知らない」
「嘘よ。何か知っているはずよ。あなたは少し動揺をしていたわ」
「もし、知っていたとしても何も話すことはない」
「あの馬車には私の妹が乗っていたのよ。それに、馬車の護衛には私の婚約者もいたのよ。あれから6年も経つのになんの手がかりもないの。お願い知っているのなら教えてちょうだい。もし教えてくれたのなら、私たちはゴブリンの村の襲撃を止めるわ」
シュヴァリエは槍を置いて両手を上げた。
「早く俺の腕を治せ!」
「そんなに慌てないでください。すぐに治してあげます」
真っ白な修道服を着た女性がモナークの腕の治療を行う。
「どれくらいかかるのだ!」
「すぐに治すこともできますが、魔力がかなり消費してしまします」
「構わん。この腕さえ治れば後のことなどどうでもいい」
「わかりました。すぐに治します」
キュアはモナークの折れた腕を治療した。
「よし、痛みは無くなった。腕も正常に動くぞ」
「完全に治りましたので問題はありません。しかし、一気に魔力を使いましたので、他の方の手当てはできなくなります」
「俺以外の雑魚を治しても意味はない。お前は俺だけを治療すればいいのだ」
「わかりました」
「俺にブーストをかけてくれ」
「しかし・・・」
「俺の命令が聞けないのか?」
キュアはそっとダイモスの方を見る。ダイモスはキュアの言いたいことを理解してゆっくりと頷いた。
「わかりました。ブーストをかけれるのは一日一度だけです。時間も15分程度です。ゴブリンキングが現れても、もうその時には使えませんが、本当によろしいいのでしょうか?」
「構わん。あの生意気なゴブリン達に俺様の本当の強さを見せつけてやるのだ。そして、俺に刃向かったことを後悔させるためにも地獄のような苦しみを与えてやるのだ」
「では、ブーストをかけます。これで、私も全ての力を使い果たしますので、この場から退かせてもらいます」
「好きにしろ。ブーストを使った俺に勝てるモノなど存在しないわ」
ブーストとは身体の限界を超えた強化することができる特殊スキルである。『治癒師』の称号を持つ者で、長年の修練を積むことで発動する特殊スキルである。一日一度のみ使用でき15分程度の効果しかない。
モナークは自身の魔法での身体強化、『覇王』レベル1での身体強化、そして、ブーストによる身体強化により、全身の血管が浮き出て体は今にも破裂しそうなくらいに筋肉でパンパンに腫れ上がっている。肌の色も紫に変色して明らかに人間とは思えないような体つきになった。
モナークはすぐに戦いの場に戻って行った。
「はぁ~あのダメ王子にも困ったものですわ」
キュアはダイモスに愚痴る。
「そうですね。第3騎士団はモナーク王子様の専属の部隊。誰もがあの王子のお守りをするのは嫌がっていますからね。しかし、私もヘマをしてこの有様です。王子の悪口を言える立場ではありません」
「確か、村の門を守るゴブリン以外にも村の中にはあなたの雷を撃破する強いゴブリンがいるのでは、このままだと怪物王女様が来る前に全滅もあるのでは?」
「それは大丈夫です。もしものためにあの雷の魔法陣にはトラップを仕掛けています」
「反射ですか?」
「はい。6つの魔法陣全てに反射を設定していますので、魔法陣を壊すと同時に、その力は自分自身に返ってきているはずです。恐らく2体の魔法を得意とするゴブリンが魔法陣を壊し、そして反射によってかなりのダメージを負っているはずです。なので、村の門を守る3体のゴブリンを倒せばあとは問題ないでしょう」
「そうなのね。それなら無事に任務を終えることができそうね」
「あとはランチェ兄弟とシュヴァリエ大佐の頑張り次第です。私はここでいつでも逃げれるように準備をしておきます」
「逃げる準備って・・・信用してないのですね」
「あの王子がいるので安心はできません」
「確かにそうですわ。私は魔力が枯渇したので先に帰らせてもらいます。ダメ王子のために死ぬのは嫌ですわ」
キュアは騎馬にのり戦場を後にした。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。
素材採取家の異世界旅行記
木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。
可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。
個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。
このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。
この度アルファポリスより書籍化致しました。
書籍化部分はレンタルしております。


冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる