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ゴブリンキング討伐 パート16
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「ランチェ中佐、私としたことがゴブリンごときに不覚を取りました。『大魔導士』である私が魔法をつかえなくなった今、ゴブリンキングが来る前にこの村を制圧する必要があります。門を守っている残りの3人のゴブリンを一気に倒しましょう」
「わかりました。私とシュヴァリエ大佐でゴブリンの相手をします。その隙に第3・第4騎士団で村の中のゴブリン達を制圧します」
「お願いします。私はここで援軍が来るのを待っています」
「援軍ってケルト殿下が来るのですね」
シュヴァリエはホッとした様子でダイモスに声をかける。
「いえ、違います。おそらくケルト殿下はこちらへは来れないでしょう。ここに援軍に来てくださるのは、怪物王女です」
「え・・・怪物王女。なぜ?ユスティーツ国の王女様がゴブリンキングの討伐に参加されるのですか」
「詳しい事情は知らされていませんが、怪物王女からゴブリンキング討伐の参加を希望したと聞いています。敵にすると厄介な相手ですが、仲間だと頼りになる存在です。私が動けなくなってしまったので、ゴブリンキングの討伐は怪物王女に委ねるのが正解だと思います」
「モナーク王子では勝てないと言いたいのですか?」
「難しいでしょう」
「わかったわ。ゴブリンキングが来る前にこの村を制圧したらいいのね」
「はい。でも簡単にはいきませんよ。村の門を守っているゴブリンオーガ達も強敵です」
「心配はご無用です。私は6年前の真実を知るまでは死ぬわけにはいきません。それに、村を守護するゴブリン達なら何か知っているかもしれませんわ。私にとって最高の状況ですわ」
「それでは期待しています。私の号令と共に一気に攻め入ってください」
「わかったわ」
「今から第3・第4騎士団でゴブリンの村の入り口を突破します。入り口を守るゴブリンはモナーク王子様とランツェ中佐それにシュヴァリエ大佐が引き受けます。騎士団はゴブリンの村に侵入して、残りのゴブリン達を制圧してください。モナーク王子様の言葉通りにゴブリン達はあなた達の好きにしてください。欲望の赴くままに蹂躙する許可を与えます」
「うぉぉぉ~」
騎士達か歓声をあげて自らを鼓舞する。
ゴブリンの村の入り口では、3人のゴブリンとモナークが対峙している。タプポノ村の村長であるカレンドュラが身を挺してダイモスの魔法を封じる姿を見たアザレア、ガロファーは微動だにせずにその光景を見つめていた。そしてカレンドゥラの妻であるイネスは勇敢な最後を遂げた夫の勇姿を目に焼き付けていた。
「イネス、ここまでは想定内だ。モルカナ様がもう時期来られるはずだ。それまで1人でも多くの仲間を守るぞ」
「そうね。夫の死を無駄にするわけにはいかないわ」
「ガハハハハ、ガハハハハ、ダイモスの魔法を封じたくらいでは何も変わらないぞ。俺様がいる限りお前達に明るい未来など来ないのだ。まだ、今なら間に合うぜ。俺の要求を飲んでおとなしくその2匹の女を差し出せ。そして俺のナニを喰わえさせろ。それがお前達ゴブリンが生き残る最後の手段だ」
「ふざけるな」
ガロファーは大剣をモナークの頭を目掛けて叩きつける。
『ガシャーン』
モナークは大剣を素手で受け止める。
「俺は『覇王』の称号を持つ選ばれし人間だ。鋼鉄の如く強化した俺の体に、お前の腑抜けた剣など通用しなしいぜ」
「ふっ、口だけの男じゃないみたいだな。それならこれはどうかな?」
ガロファーが目が赤く光り、全身の血管が浮き出て筋肉が膨張して、ガロファー体格が一回り大きくなった。そして、大剣を離し大木のような右腕を一旦後ろに引いて力を込め、全身の体重を乗せてモナークの顔面を殴りつける。
モナークはガロファーの大剣を投げ捨てて、腕をクロスしてガロファーのパンチを受け止めようとした。
『グシャー』
酷く鈍い音がしてモナークの腕がくの字に曲がりそのままモナークが膝をついた。
「残念だな。体を強化できるのはお前だけではない」
ガロファーは、ゴブリンオーガの固有スキルである『鋼』を発動して全身を強化したのである。ゴブリンオーガの『鋼』は『覇王』レベル1と同等の強化を発することができる。そして、ガロファーに腕を折られたモナークとの差は、鍛え上げられた体の差であった。
「これで終わりだ」
ガロファーは、さらに大きく右腕を引いて全体重を拳に乗せて、モナークの顔面に拳を叩きつけようとした・・・が、ガロファーの顔に大きな槍が迫ってくるの気付き左手で槍を掴む。
「次は私が相手よ」
モナークの危機をシュヴァリエが救う。
「おい!早く治癒をしろ。俺の腕が折れているだろ」
モナークは大声で叫ぶ。
「モナーク王子様、一旦ご自身の力で後ろに下がってください。今はゴブリンの相手で手一杯です。後方にキュアが待機してますのですぐに治癒して戻ってきたください」
「くそ!なぜ俺がこんな目にあわないといけないんだ。おい。下等なゴブリンこの借りは倍にして返してやるから覚えておけ」
モナークは捨て台詞を吐いて、右腕の痛みで涙を流しながら後方い下がっていった。そして、モナークが後方に下がると同時に、第3・第4騎士団の騎士達が勢いよくゴブリンの村へ侵入しようとする。
「ここは通させないわ」
騎士団たちの前にアザレアとイネアが立ち塞がる。
「おぉぉぉ~女だぁ!やっちまえ」
騎士団達は剣を抜き取りアザレアとイネアに遅いかかった。
「わかりました。私とシュヴァリエ大佐でゴブリンの相手をします。その隙に第3・第4騎士団で村の中のゴブリン達を制圧します」
「お願いします。私はここで援軍が来るのを待っています」
「援軍ってケルト殿下が来るのですね」
シュヴァリエはホッとした様子でダイモスに声をかける。
「いえ、違います。おそらくケルト殿下はこちらへは来れないでしょう。ここに援軍に来てくださるのは、怪物王女です」
「え・・・怪物王女。なぜ?ユスティーツ国の王女様がゴブリンキングの討伐に参加されるのですか」
「詳しい事情は知らされていませんが、怪物王女からゴブリンキング討伐の参加を希望したと聞いています。敵にすると厄介な相手ですが、仲間だと頼りになる存在です。私が動けなくなってしまったので、ゴブリンキングの討伐は怪物王女に委ねるのが正解だと思います」
「モナーク王子では勝てないと言いたいのですか?」
「難しいでしょう」
「わかったわ。ゴブリンキングが来る前にこの村を制圧したらいいのね」
「はい。でも簡単にはいきませんよ。村の門を守っているゴブリンオーガ達も強敵です」
「心配はご無用です。私は6年前の真実を知るまでは死ぬわけにはいきません。それに、村を守護するゴブリン達なら何か知っているかもしれませんわ。私にとって最高の状況ですわ」
「それでは期待しています。私の号令と共に一気に攻め入ってください」
「わかったわ」
「今から第3・第4騎士団でゴブリンの村の入り口を突破します。入り口を守るゴブリンはモナーク王子様とランツェ中佐それにシュヴァリエ大佐が引き受けます。騎士団はゴブリンの村に侵入して、残りのゴブリン達を制圧してください。モナーク王子様の言葉通りにゴブリン達はあなた達の好きにしてください。欲望の赴くままに蹂躙する許可を与えます」
「うぉぉぉ~」
騎士達か歓声をあげて自らを鼓舞する。
ゴブリンの村の入り口では、3人のゴブリンとモナークが対峙している。タプポノ村の村長であるカレンドュラが身を挺してダイモスの魔法を封じる姿を見たアザレア、ガロファーは微動だにせずにその光景を見つめていた。そしてカレンドゥラの妻であるイネスは勇敢な最後を遂げた夫の勇姿を目に焼き付けていた。
「イネス、ここまでは想定内だ。モルカナ様がもう時期来られるはずだ。それまで1人でも多くの仲間を守るぞ」
「そうね。夫の死を無駄にするわけにはいかないわ」
「ガハハハハ、ガハハハハ、ダイモスの魔法を封じたくらいでは何も変わらないぞ。俺様がいる限りお前達に明るい未来など来ないのだ。まだ、今なら間に合うぜ。俺の要求を飲んでおとなしくその2匹の女を差し出せ。そして俺のナニを喰わえさせろ。それがお前達ゴブリンが生き残る最後の手段だ」
「ふざけるな」
ガロファーは大剣をモナークの頭を目掛けて叩きつける。
『ガシャーン』
モナークは大剣を素手で受け止める。
「俺は『覇王』の称号を持つ選ばれし人間だ。鋼鉄の如く強化した俺の体に、お前の腑抜けた剣など通用しなしいぜ」
「ふっ、口だけの男じゃないみたいだな。それならこれはどうかな?」
ガロファーが目が赤く光り、全身の血管が浮き出て筋肉が膨張して、ガロファー体格が一回り大きくなった。そして、大剣を離し大木のような右腕を一旦後ろに引いて力を込め、全身の体重を乗せてモナークの顔面を殴りつける。
モナークはガロファーの大剣を投げ捨てて、腕をクロスしてガロファーのパンチを受け止めようとした。
『グシャー』
酷く鈍い音がしてモナークの腕がくの字に曲がりそのままモナークが膝をついた。
「残念だな。体を強化できるのはお前だけではない」
ガロファーは、ゴブリンオーガの固有スキルである『鋼』を発動して全身を強化したのである。ゴブリンオーガの『鋼』は『覇王』レベル1と同等の強化を発することができる。そして、ガロファーに腕を折られたモナークとの差は、鍛え上げられた体の差であった。
「これで終わりだ」
ガロファーは、さらに大きく右腕を引いて全体重を拳に乗せて、モナークの顔面に拳を叩きつけようとした・・・が、ガロファーの顔に大きな槍が迫ってくるの気付き左手で槍を掴む。
「次は私が相手よ」
モナークの危機をシュヴァリエが救う。
「おい!早く治癒をしろ。俺の腕が折れているだろ」
モナークは大声で叫ぶ。
「モナーク王子様、一旦ご自身の力で後ろに下がってください。今はゴブリンの相手で手一杯です。後方にキュアが待機してますのですぐに治癒して戻ってきたください」
「くそ!なぜ俺がこんな目にあわないといけないんだ。おい。下等なゴブリンこの借りは倍にして返してやるから覚えておけ」
モナークは捨て台詞を吐いて、右腕の痛みで涙を流しながら後方い下がっていった。そして、モナークが後方に下がると同時に、第3・第4騎士団の騎士達が勢いよくゴブリンの村へ侵入しようとする。
「ここは通させないわ」
騎士団たちの前にアザレアとイネアが立ち塞がる。
「おぉぉぉ~女だぁ!やっちまえ」
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