終焉の姫と聖女の姫

ゴブリンキング討伐 パート12

　そこには衣服を着ていない6才から10才くらい幼い少女が5人いた。少女たちの体には無数の青いアザがあり、中には顔にも激しく殴られた痕もある子もいた。少女らは小刻みに震えながら瞳孔が開いたまま口を開けて、大きなベット上でタナトス国王のオモチャにされていた。

　タナトス国王も以前のような筋骨隆々のたくましい姿ではなく、豚のように丸々と太っていて、国王としての気品を全て失っていた。タナトス国王は少女たちをベット上で寝かせつけて、自分の欲望の限りのありとあらゆる行為を強要して愉悦の笑みを浮かべながら涎を垂らしていた。


　「助けてぇ～」


　3人の少女は自分の意思で動くことはなく、タナトス国王の言われるがままに動くロボットのような姿であった。2人の少女はまだこの部屋に連れて来れてまがないのか、涙を流しながら助けを求めて悲鳴をあげているが、自分の意思では動くことができないほどに恐怖で怯えていた。

　シメーレは変わり果てたタナトス国王の姿を見て一瞬誰なのか気付かなかったが、少女たちを蹂躙する姿を見てすぐにタナトス国王だと悟った。


　「・・・」


　あまりにもひどい光景を見てシメーレは声を発することができずに立ち尽くしていた。

　ドアがぶち壊された激しい音を聞いたタナトス国王は、少女たちを蹂躙しながらドアの方を見てシメーレの存在に気付く。


　「シメーレちゃん、帰ってきたのかい。お前も仲間に入れて欲しいのかい？」

　「・・・」

　「見てくれよ、この子達を。シメーレちゃんのような素直な子がいなくて困っているのだよ。この子達は俺の言うことを全く聞かない上に騒ぎ立てるから躾が必要なんだよ」


　タナトス国王は泣き叫ぶ少女の顔面を殴りつけた。少女は顔からは夥しい血が流れ落ち静かになる。


　「やっとおとなしくなったよぉ。こいつもうるさいから黙らさないとね」

　
　タナトス国王はも1人の少女のお腹を激しく殴りつけた。少女は口から茶色い液体を吐き出して、お腹を押さえながらもがき苦しむ。


　「まだ、教育が足りないのかな？」


　タナトス国王が拳を振り上げると、少女はうずくまりながら震えながら吐き出すように声を発する。


　「な・・なん・・でも・・・しますから・・・もう・・やめてく・・だ・・さい」

　「やっとわかってくれたのかい。最初から素直になりなさい」

　「わ・・か・・り・ました」

　「シメーレちゃん。やっとわかってくれたみたいだよ。俺はこの子達にシメーレちゃんのような立派な女性になってほしいのだよ。シメーレちゃんなら理解してくれるよね」


　タナトス国王は丸々太った頬を揺らしながら嬉しそうにシメーレに声をかける。


　「私の・・・せいなの・・・」


　シメーレは押し潰されてた声のように低い小さな声を発した。


　「シメーレちゃん、久しぶりにこれが恋しくなったのかい？今日は特別にシメーレちゃんにも舐めさせてあげてもいいよ」


　タナトスは自分の性器を手で掴みシメーレの側に近寄った。


　「リフィスはどこなの」

　「え？リフィ・・ス？？誰のことを言ってるのだ？」

　「妹のリフィスよ・・・」

　「あぁ～あ、あの使い物にならなかったオモチャか。あいつはシメーレちゃんと違って、俺の言うことを全く聞かないで、泣き叫ぶことしかできない出来損ないだった。なんであのようなガラクタが第2王女だなんて一族の恥晒しもいいところだ。一族の恥晒しにはそれ相応の罰を与えてあげたぞ」

　「リフィスに何をしたの」

　「罰として拷問官を呼び寄せて全身の皮を剥いでやったぞ。あいつは途中であまりの苦痛で死んでしまったが、綺麗に全身皮を剥いで俺のマントの素材にしてやったぞ。あいつも俺のマントになってさぞ喜んでいるだろうよ。ガハハハハ」

　「・・・」

　「あいつのことなんてどうでもいいだろ？お前はこれが欲しくて戻ってきたのだろ？さぁ、シメーレちゃんの好きにしていいのだよ。シメーレちゃんが一番俺のことを理解してくれる可愛い娘だ」

　「私のせいだ・・・私がこいつの望むことを進んでしてしまったから、こいつの欲望が制御できなくなってしまったのだ。私がリフィスに地獄のような苦しみを与えてしまったのだ。リフィスだけじゃない、この部屋に連れて来られた少女たちも・・・私がこいつを性欲の化け物に変えてしまったから、惨たらしい仕打ちを受ける羽目になってしまったのだ。私のせいだ・・・私のせいだ・・・私のせいだ・・・私がこの怪物を退治していたらこんなことにはならなかったのだ・・・」


　シメーレは、自分がしたおこないのせいで、タナトス国王を性欲の化け物に変えてしまったことはひどく後悔した。

　シメーレがタナトス国王の欲望を満たすために、自ら進んで悍ましい行為を繰り返すことにより、タナトス国王は自分の欲望を抑えることができなくなった。そして、その欲望は際限なく大きく膨らみ、自分の娘だけでは収まりきれなくなり、王都に住む可愛い少女を部下を使って誘拐し、自分の寝室に閉じ込めて欲望の限り尽くす化け物を生み出してしまった。


　「私が全て悪いのだ・・・」


　シメーレは、両膝をつき両手を床につけて体を大きく振るわせながら、透き通るような青い瞳から、水晶のような白く輝く涙が溢れ出してきた。しかし、水晶のような綺麗な涙は次第に、不気味なほど真っ赤な赤い涙に変わった。そして、黄金に輝く綺麗な髪は次第に老婆のような薄気味悪い白い髪に変わっていく。そして、赤い涙が枯れ果てた頃には、シメーレの瞳はどす黒い真っ赤な瞳に変わっていた。