終焉の姫と聖女の姫

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ゴブリンキング討伐 パート7

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 「ケルトお兄様もゴブリンキング討伐に参加されるのですね」

 「そうだ。ロード国王から直接命令されてので断るわけにはいかない」

 「ゴブリンキングは人間を襲うことのない平和主義の方です。討伐するなんて酷い話です。どうにかゴブリンキングを殺さずに済む手はないのでしょうか?」

 「それは難しいことだ。ゴブリンキングの討伐はロード国王が決定したのではなくモナーク王子が名誉挽回のために名乗りを上げた形になっている。むしろロード国王はゴブリンの森へ入ることには消極的な立場をとっていたはずだ」

 「そうですわ。ディスピア王女様が行方不明になったのにろくに捜索もせず創作を打ち切りゴブリンの森への侵入禁止令・・・皆不可解だと思っているわ」

 「ゴブリンの森には何かあるに違いない・・・ロード国王が知られたくないことが」

 「なら、なぜ?モナーク王子のゴブリンキング討伐に賛同したのかしら?」

 「それは・・・わからないが、それを確かめるためにもゴブリンキングの討伐に参加する意義はあると思っている」

 「止めることはできないのね」

 「6年前のディスピア王女様の失踪事件を解明するのが父から与えられた司令の一つだからな。やっと真相に近づけるチャンスでもあるのだ」

 「そうね・・・父の推測だとディスピア王女様は生きていると。そして、ゴブリン達がディスピア王女様の行方を知っているはずだと言っていたわね」

 「このゴブリンキング討伐でディスピア王女様の失踪の真相は明らかになるに違いない。しかし、それはロード国王が隠しておきたいことでもあるのだ。一筋縄にいくとはないだろう」

 「そうねお兄様・・・くれぐれも無理をしないようにね。お兄様の存在はモナーク王子、ロード国王にとって邪魔な存在でもあるのよ。何か罠が仕掛けられているかもしれないわ」

 「それはないだろう。『英雄』『覇王』の称号を持つ者を暗殺するのは神の意思に反する行為として硬く禁止されているはずだ。いくらロード国王でもそんなことはできないだろう」

 「だからゴブリンキングにお兄様を殺させようとしているのかもしれないわ。神の誓約に縛られるのは人間だけだわ。亜人種には神の誓約を守る義務はないはずよ」

 「心配するな。俺はゴブリンキングに殺されてたりはしない。無事に戻ってくるさ」


 ケルトはヒーリンの心配をよそにゴブリンキングの討伐へ向かった。

 ケルトはロード国王からモナークの部隊とは別行動をするように言い渡されていた。ケルトの元には第4・第5騎士団から20名の騎士と兵士を与えれていて、二手に分かれてゴブリンの森を探索してゴブリンキングを見つけ次第モナークに連絡するように指示を受けていた。

 ゴブリンキングの討伐に出発して2日後モナーク達はゴブリンの村を発見した。


 「モナーク王子様、この先1kmのところにゴブリンの集落を発見しました。偵察部隊が集落の状況を確認しています」

 「情報通りだな。ここにゴブリンキングがいてくれればいいのだが」


 6年前までは冒険者や王国騎士団がホビットの捕獲のために、ゴブリンの森へは何度も入っている。なので、ゴブリンの村の場所はある程度目星は付いている。しかし、その村にゴブリンキングがいるかどうかはわかっていない。

 1時間後。


 「モナーク王子様、偵察隊より集落の情報が入りました」

 「ゴブリンキングは居たのか?」

 「ゴブリンキングの姿は確認できなかったと報告があります」

 「ハズレかぁ」

 「はい。ゴブリンの集落には50名ほどのゴブリンがいるそうです。ゴブリンオーガの姿も確認されていますが、大半はゴブリンナイト、ゴブリンメイジそしてホビットたちになります」

 「女はいるのか」

 「はい。美しいゴブリンアデージョの姿を確認されています」

 「そうか・・・ヤリに行くかぁ」

 「ヤリにとは???」

 「お前は亜人種とやったことはないのか?」

 「はい。まだ未経験です」

 「それならいい機会ではないか。亜人種の体は最高だぜ。人間では味わえない快感を味わうことができるぞ」

 「そ・・そなのですか!」

 
 騎士の目が煌々と輝く。


 「最高だぞ!よし、騎士達に伝えろ。今からゴブリン狩りをおこなう。ホビットは捕え男のゴブリンは殺し女のゴブリンは犯せ!ゴブリン達に人間様の恐ろしさを見せつけてやれ」

 「はい、わかりました。戦闘の準備に入らせます」

 
 「またあの時のゴブリンのように楽しませてもらうぜ」


 モナークはニヤニヤと笑いながら愉悦の笑みを浮かべていた。



 一方、別働隊として動いていたケルトは、広い草原である人物と対面していた


 「待っていたわ。あなたがハイドランジア国のケルト第1王子かしら」


 広い草原でケルトが来るのを待っていたのは、絹のような真っ白な長い髪を持つ怪しげな赤い瞳の可愛らしい女性であった。見た目はまだ幼く150cmくらいの小柄な女性・・・というよりも少女である。しかし、少女の装備している真っ白なフルプレートアーマは夥しい血が付着しており、どす黒い歪な赤い鎧に見えるのである。そして、フルプレートアーマーよりも歪な光景が少女の前に繰り広げられていた。

 少女の前には2人の男性が犬のように四つんばになっていた。しかも、全裸に近い状態である。1人は丸々と太った大柄の男で、頭髪は全て抜かれていてまるで豚のように姿をしている。もう1人の男は細身の男性で同じように頭髪はない。

 少女はケルトに話しかけると豚のような男に上に座り手に持っていた人参を男の口に突っ込んだ。


 「ご褒美よ。美味しく召し上がれ」


 ケルトはこの異様な光景を目の前にして少女の問いかけに返答ができずに呆然としていた。



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