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ゴブリンキング討伐 パート6
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ついにゴブリンキングの討伐の日が来た。ゴブリンキングを討伐するのはモナークが率いる王国騎士団の第3騎士団がメインである。第3騎士団はモナーク専属の騎士団であり総勢30名の部隊である。そして第3騎士団とは別に王国騎士団の第4・5騎士団の70名の兵士が参加する。
王国騎士団は王都を守る屈強な騎士団であり全部で5部隊存在している。第1騎士団は国王の直属の騎士団である。第2騎士団は王都内を守る騎士団である。第3騎士団はモナーク専属の騎士団である。第4・第5騎士団はデンメルンク王国の有事の際に駆り出される部隊である。二つの違いは第4騎士団は『称号』ありの騎士であり、第5騎士団は称号なしの兵士である。ディスピアの護衛を任されたのは第4騎士団であり、30名もの有能な『称号』持ちの騎士を失いかなりの痛手を被ったのである。
「モナーク王子様、兵の準備が整いましたわ。いつでも出発ができます」
モナークに声をかけたのは第3騎士団の大佐であるダイモスである。ダイモスは180cmの細身の体型であり女性のような綺麗な茶色の長い髪に黄色の瞳を持つ中性的な男性である。独自のピンクのフルプレートアーマを着てとても目立つ存在である。
「わかった。シュヴァリエの方はどうなっている」
「はい。私の率いる第4・第5部隊も準備は整っています。モナーク王子様の号令一つですぐに出発できる体制に整っています」
シュヴァリエは第4・第5部隊を取り仕切っている大佐である。シュヴァリエは165cmの細身の体型で、赤い髪を肩のあたりまで伸ばしている青い瞳の美しい女性である。そして、今回のゴブリンキング討伐の参加に自ら志願して同行を求めたのである。
「かなり気合が入っている様子だなシュヴァリエ」
「もちろんですわ。6年前の事件の真相はゴブリンの森にあると私は睨んでいるのよ。いつ、ゴブリンキングの討伐をするのかずっと待っていたのよ」
シュヴァリエは手を強く握りしめて秘めて闘志を抑えるの必死である。
「初号なしの無能王女失踪事件のことかぁ?」
モナークはバカにするような口調で言う。
「そうよ。あの事件で私の婚約者と妹がいまだに行方不明のままよ。王女様を輸送したまま行方をくらますなんてありえないわ。ハイドランジア国に行く途中で何か事件にまき込まれたはずよ。あの事件以来ゴブリンの森へ行くのは禁止されているから、必ずゴブリンの森に何か秘密があるはずだわ」
「簡単なことだ。無能王女を殺すために護衛もろとも皆殺しにしたのだろうぜ。あの親父にならやりかねないぜ。そうだろダイモス」
「私の口からは何も言えません」
「言えないってことは認めたことだろ」
「・・・」
「ありえないわ。アンダートは『ソードマスター』と呼ばれた剣の達人よ。それに一緒にはマシュー、グレイソンも居たのよ。30名ほどの『称号』持ちの騎士といずれ大佐なると言われた3人を殺害するなんて不可能よ」
「確かにそうかもな・・・でも、それができる人物を俺は知っているぜ」
「誰なのよ!」
「それは言えないぜ。これ以上は国家機密だからな。お前も中将レベルになれば知ることができるだろう」
「ふん。どうせ嘘なんでしょ。私は私の力で真相を突き詰めてみせえるわ。必ずゴブリンの森に手がかりがあるはずだし、もしかしたらゴブリンキングが関わっている可能性もあるかもしれないわ」
「好きにするがいいぜ。今回の全権限は俺にある。俺の邪魔さえしなければ自由に行動することを許してやる」
「助かるわ。あなたのことは嫌いだけど今回だけは協力させてもらうわ」
「相変わらず口の悪い女だな。王子の俺に対してそんな口の聞き方をできるのはお前くらいだぞ」
「出世するために上に媚びへつらうのが苦手なだけよ。私は私の信念のままに生きることにしたのよ」
シュヴァリエは婚約者のアンダートと妹のルシーを失ってから人生が一変した。アンダートが『ソードマスター』とメキメキと王国騎士団の中で頭角を出していた頃、シュヴァリエも『武人』の称号を駆使して槍使いの名手として名をはしていた。アンダートの方が先に出世して大尉になりディスピアの護送の大役を任されて行方不明になった。
婚約者と妹が行方不明になりロード王に直談判して、ゴブリンの森の捜索許可を得ようとするが却下される。そして、ゴブリンの森への立入禁止令が出て、自身で捜索するのも不可能になったシュヴァリエは人が変わったかのように、自分を追い込むように危険な戦場の最前線に立ち荒れ狂うように槍の腕を磨いたのである。シュヴァリエはその頃から上に媚びることをやめて力をつけることだけに専念した。いずれくるだろうゴブリンキング討伐が来ることを信じて。その結果、実力を伸ばしたシュヴァリエは大佐の地位まで上りつめ、念願のゴブリンキング討伐に参加することができたのであった。
王国騎士団は王都を守る屈強な騎士団であり全部で5部隊存在している。第1騎士団は国王の直属の騎士団である。第2騎士団は王都内を守る騎士団である。第3騎士団はモナーク専属の騎士団である。第4・第5騎士団はデンメルンク王国の有事の際に駆り出される部隊である。二つの違いは第4騎士団は『称号』ありの騎士であり、第5騎士団は称号なしの兵士である。ディスピアの護衛を任されたのは第4騎士団であり、30名もの有能な『称号』持ちの騎士を失いかなりの痛手を被ったのである。
「モナーク王子様、兵の準備が整いましたわ。いつでも出発ができます」
モナークに声をかけたのは第3騎士団の大佐であるダイモスである。ダイモスは180cmの細身の体型であり女性のような綺麗な茶色の長い髪に黄色の瞳を持つ中性的な男性である。独自のピンクのフルプレートアーマを着てとても目立つ存在である。
「わかった。シュヴァリエの方はどうなっている」
「はい。私の率いる第4・第5部隊も準備は整っています。モナーク王子様の号令一つですぐに出発できる体制に整っています」
シュヴァリエは第4・第5部隊を取り仕切っている大佐である。シュヴァリエは165cmの細身の体型で、赤い髪を肩のあたりまで伸ばしている青い瞳の美しい女性である。そして、今回のゴブリンキング討伐の参加に自ら志願して同行を求めたのである。
「かなり気合が入っている様子だなシュヴァリエ」
「もちろんですわ。6年前の事件の真相はゴブリンの森にあると私は睨んでいるのよ。いつ、ゴブリンキングの討伐をするのかずっと待っていたのよ」
シュヴァリエは手を強く握りしめて秘めて闘志を抑えるの必死である。
「初号なしの無能王女失踪事件のことかぁ?」
モナークはバカにするような口調で言う。
「そうよ。あの事件で私の婚約者と妹がいまだに行方不明のままよ。王女様を輸送したまま行方をくらますなんてありえないわ。ハイドランジア国に行く途中で何か事件にまき込まれたはずよ。あの事件以来ゴブリンの森へ行くのは禁止されているから、必ずゴブリンの森に何か秘密があるはずだわ」
「簡単なことだ。無能王女を殺すために護衛もろとも皆殺しにしたのだろうぜ。あの親父にならやりかねないぜ。そうだろダイモス」
「私の口からは何も言えません」
「言えないってことは認めたことだろ」
「・・・」
「ありえないわ。アンダートは『ソードマスター』と呼ばれた剣の達人よ。それに一緒にはマシュー、グレイソンも居たのよ。30名ほどの『称号』持ちの騎士といずれ大佐なると言われた3人を殺害するなんて不可能よ」
「確かにそうかもな・・・でも、それができる人物を俺は知っているぜ」
「誰なのよ!」
「それは言えないぜ。これ以上は国家機密だからな。お前も中将レベルになれば知ることができるだろう」
「ふん。どうせ嘘なんでしょ。私は私の力で真相を突き詰めてみせえるわ。必ずゴブリンの森に手がかりがあるはずだし、もしかしたらゴブリンキングが関わっている可能性もあるかもしれないわ」
「好きにするがいいぜ。今回の全権限は俺にある。俺の邪魔さえしなければ自由に行動することを許してやる」
「助かるわ。あなたのことは嫌いだけど今回だけは協力させてもらうわ」
「相変わらず口の悪い女だな。王子の俺に対してそんな口の聞き方をできるのはお前くらいだぞ」
「出世するために上に媚びへつらうのが苦手なだけよ。私は私の信念のままに生きることにしたのよ」
シュヴァリエは婚約者のアンダートと妹のルシーを失ってから人生が一変した。アンダートが『ソードマスター』とメキメキと王国騎士団の中で頭角を出していた頃、シュヴァリエも『武人』の称号を駆使して槍使いの名手として名をはしていた。アンダートの方が先に出世して大尉になりディスピアの護送の大役を任されて行方不明になった。
婚約者と妹が行方不明になりロード王に直談判して、ゴブリンの森の捜索許可を得ようとするが却下される。そして、ゴブリンの森への立入禁止令が出て、自身で捜索するのも不可能になったシュヴァリエは人が変わったかのように、自分を追い込むように危険な戦場の最前線に立ち荒れ狂うように槍の腕を磨いたのである。シュヴァリエはその頃から上に媚びることをやめて力をつけることだけに専念した。いずれくるだろうゴブリンキング討伐が来ることを信じて。その結果、実力を伸ばしたシュヴァリエは大佐の地位まで上りつめ、念願のゴブリンキング討伐に参加することができたのであった。
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