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ゴブリンキング討伐 パート3
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ロード国王はヴァルキリーを連れて地下の2階の牢屋へ向かった。まだ体調のそぐわないヴァルキーの手を引くロード国王の姿は紳士であり良き国王に見えるが、ロード王は笑いを堪えるのに必死であった。
そんなロード国王のどす黒い内面の姿を想像することもできずヴァルキリーはゾルダートと一緒に自由に暮らせる喜びで気持ちが高まっている。ディスピアのこと今後のアルカナのこと・・・いろいろ考えると悩みは尽きる事はないが、今はゾルダートと一緒に過ごせることだけを考えようとしているのである。
地下二階へ行くには通常の方法では行くことはできない。2階にある特殊な通路を通らないと地下二階へ行くことはできないである。
「国王様、こちらになります」
2人を地下二階へ案内するのは『五芒星』の1人ルクバーである。ルクバーは国王専属メイドでありトイレ以外は如何なる時もそばを離れる事はない。もちろん秘事の時も常に側にいて護衛を怠る事はない。
そして、ヴァルキリーの背後を常に警護する者がいる。それは『五芒星』の1人シェダルである。シェダルはヴァルキリーの専属メイドである。この4人で地下2階の牢獄にいるゾルダートの元へ向かう。
地下2階に着くとそこは明かりがほとんどなく薄暗く異様な匂いがするとても劣悪な環境の場所である。地下2階の入り口は分厚い鉄の扉で守られていて、許可のない者は通り事はできない。そして、その許可を出すのはロード国王である。
「国王陛下!どうぞお入りください」
「うむ」
分厚い鉄の扉がジリジリと音を立てながらゆっくりと開いていく。扉が開くとそこには、背丈が140cmくらいの小太りの歪な顔をした男が立っていた。男が140cmなのは膝から下は切断されて小さな義足をつけているからである。男の頭髪はほとんど抜け落ちてなく落武者のような髪型をしている。顔の皮膚は炎で焼かれたかのか、ひどい火傷を負っており右目はなく代わりに石ころが詰められていた。鼻も切り落とされていて鼻があった場所に二つの穴が空いている。
「こ・・こく・・おう様・・準備は・・で・できており・・ます。ゾ・・ゾルダートは・・あの・・・奥の牢屋に・・は・・入って・・います」
男は歯がほとんどなく、舌も半分切断されているので、流暢に喋ることができない。
「ヒディアスご苦労であった。いつもの仕事に戻って良いぞ!」
「は・・は・・いぃ・・」
男の名はヒディアス。とある上流貴族に家庭に生まれ『覇王』の『称号』を授かって生まれたのである。ロード国王に国王の座をかけて決闘を申し込み敗れてしまい、2度と逆らうことができないように、あらゆる拷問を受けた後ここで刑務官及び拷問官として働いているのである。
ヴァルキリーは、目を背けたくなるようなヒディアスの姿を見て、全身がガクガクと震え出した。そして、瞳からは涙ではなく血のような赤い液体が流れ落ちてきた。
「ヒディアスお兄様・・・」
男の正式名称はヒディアス・アルブレヒトそう・・・ヴァルキリーの兄であった。アルブレヒト伯爵家はヒディアスを国王に担ぎ上げよとしたが失敗したが『覇王』の『称号』を持つものが国王を目指すのは当然の権利なので、本人以外を罰することは神の誓約に反することなので許されない。
しかし、当然伯爵家としての立場は弱くなるのは致し方ない。そこで、ヴァルキリーがロード国王の元へ嫁ぐことで、アルブレヒト伯爵家は以前の要職へ戻ることができたのである。これが二つ目の契約であった。ヴァルキリーはゾルダートのため、そして、アルブレヒト家の為にロード国王に嫁いだのである。
そして、ヴァルキリーはヒディアスはロード国王に敗れた後処刑されたと聞かされていた。
「よく気づいたな、ヴァルキリーよ。あいつはいい男になったとは思わないか?俺が美男子になるように整形してやったのだよ。ガハハハ!ガハハハ!」
「処刑されたのではなかったのね。もしかして・・・ゾルダートも同じ目に・・・」
ヴァルキリーの美しい金色の瞳は赤く充血して燃え上がるように真っ赤になっていた。
「ゾルダートは、お前の兄貴と違って利用価値がある。だからあいつは殺さずに利用してやったわ。しかし、あいつも使い者にならなくなったからお前に返してやるわ。奥の牢屋に言って見てくるがいい!」
ヴァルキリーは怒りを抑えて奥の牢屋へ向かった。そして、そこでヴァルキリーが見た光景は・・・
「ヴァルキリー様・・・」
ヴァルキリーはゾルダートの姿を見て意識を失ってしまった。倒れたヴァルキリーを抱き抱えるシェダル。
「もう、そいつに用はない。城から追い出しておけ!」
ロード王は吐き捨てるように言った。
シェダルは優しく包み込むようにヴァルキリーを抱き抱えて地下2階を後にした。
ヴァルキリーは、ディスピアの失踪、ヒディアスの凄惨な姿、そしてゾルダートの廃人となった姿を見て精神的に病んでしまい、アルブレヒト伯爵家に戻りその後姿を消してしまった。
ロード国王はディスピアの呪いに恐れ、恐怖した腹いせにヴァルキリーにこのような凄惨な光景を見せたのである。ヴァルキリーの苦しむ姿を見てロード王は少し心が落ち着いてのであった。
そんなロード国王のどす黒い内面の姿を想像することもできずヴァルキリーはゾルダートと一緒に自由に暮らせる喜びで気持ちが高まっている。ディスピアのこと今後のアルカナのこと・・・いろいろ考えると悩みは尽きる事はないが、今はゾルダートと一緒に過ごせることだけを考えようとしているのである。
地下二階へ行くには通常の方法では行くことはできない。2階にある特殊な通路を通らないと地下二階へ行くことはできないである。
「国王様、こちらになります」
2人を地下二階へ案内するのは『五芒星』の1人ルクバーである。ルクバーは国王専属メイドでありトイレ以外は如何なる時もそばを離れる事はない。もちろん秘事の時も常に側にいて護衛を怠る事はない。
そして、ヴァルキリーの背後を常に警護する者がいる。それは『五芒星』の1人シェダルである。シェダルはヴァルキリーの専属メイドである。この4人で地下2階の牢獄にいるゾルダートの元へ向かう。
地下2階に着くとそこは明かりがほとんどなく薄暗く異様な匂いがするとても劣悪な環境の場所である。地下2階の入り口は分厚い鉄の扉で守られていて、許可のない者は通り事はできない。そして、その許可を出すのはロード国王である。
「国王陛下!どうぞお入りください」
「うむ」
分厚い鉄の扉がジリジリと音を立てながらゆっくりと開いていく。扉が開くとそこには、背丈が140cmくらいの小太りの歪な顔をした男が立っていた。男が140cmなのは膝から下は切断されて小さな義足をつけているからである。男の頭髪はほとんど抜け落ちてなく落武者のような髪型をしている。顔の皮膚は炎で焼かれたかのか、ひどい火傷を負っており右目はなく代わりに石ころが詰められていた。鼻も切り落とされていて鼻があった場所に二つの穴が空いている。
「こ・・こく・・おう様・・準備は・・で・できており・・ます。ゾ・・ゾルダートは・・あの・・・奥の牢屋に・・は・・入って・・います」
男は歯がほとんどなく、舌も半分切断されているので、流暢に喋ることができない。
「ヒディアスご苦労であった。いつもの仕事に戻って良いぞ!」
「は・・は・・いぃ・・」
男の名はヒディアス。とある上流貴族に家庭に生まれ『覇王』の『称号』を授かって生まれたのである。ロード国王に国王の座をかけて決闘を申し込み敗れてしまい、2度と逆らうことができないように、あらゆる拷問を受けた後ここで刑務官及び拷問官として働いているのである。
ヴァルキリーは、目を背けたくなるようなヒディアスの姿を見て、全身がガクガクと震え出した。そして、瞳からは涙ではなく血のような赤い液体が流れ落ちてきた。
「ヒディアスお兄様・・・」
男の正式名称はヒディアス・アルブレヒトそう・・・ヴァルキリーの兄であった。アルブレヒト伯爵家はヒディアスを国王に担ぎ上げよとしたが失敗したが『覇王』の『称号』を持つものが国王を目指すのは当然の権利なので、本人以外を罰することは神の誓約に反することなので許されない。
しかし、当然伯爵家としての立場は弱くなるのは致し方ない。そこで、ヴァルキリーがロード国王の元へ嫁ぐことで、アルブレヒト伯爵家は以前の要職へ戻ることができたのである。これが二つ目の契約であった。ヴァルキリーはゾルダートのため、そして、アルブレヒト家の為にロード国王に嫁いだのである。
そして、ヴァルキリーはヒディアスはロード国王に敗れた後処刑されたと聞かされていた。
「よく気づいたな、ヴァルキリーよ。あいつはいい男になったとは思わないか?俺が美男子になるように整形してやったのだよ。ガハハハ!ガハハハ!」
「処刑されたのではなかったのね。もしかして・・・ゾルダートも同じ目に・・・」
ヴァルキリーの美しい金色の瞳は赤く充血して燃え上がるように真っ赤になっていた。
「ゾルダートは、お前の兄貴と違って利用価値がある。だからあいつは殺さずに利用してやったわ。しかし、あいつも使い者にならなくなったからお前に返してやるわ。奥の牢屋に言って見てくるがいい!」
ヴァルキリーは怒りを抑えて奥の牢屋へ向かった。そして、そこでヴァルキリーが見た光景は・・・
「ヴァルキリー様・・・」
ヴァルキリーはゾルダートの姿を見て意識を失ってしまった。倒れたヴァルキリーを抱き抱えるシェダル。
「もう、そいつに用はない。城から追い出しておけ!」
ロード王は吐き捨てるように言った。
シェダルは優しく包み込むようにヴァルキリーを抱き抱えて地下2階を後にした。
ヴァルキリーは、ディスピアの失踪、ヒディアスの凄惨な姿、そしてゾルダートの廃人となった姿を見て精神的に病んでしまい、アルブレヒト伯爵家に戻りその後姿を消してしまった。
ロード国王はディスピアの呪いに恐れ、恐怖した腹いせにヴァルキリーにこのような凄惨な光景を見せたのである。ヴァルキリーの苦しむ姿を見てロード王は少し心が落ち着いてのであった。
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