82 / 116
いざ!雪の大地へ
しおりを挟む
「もちろん、ハツキちゃんの実技試験についてよ。魔力量が0のハツキちゃんに魔法の実技なんて公平性に欠けると私たちは思っているの!魔力量の大小に関わらずに、公平かつ平等な実技試験を今年は取り入れてもらおうと思っているの」
「いいですよ。皆さんと一緒の実技試験で」
「本当にハツキちゃんは謙虚なのね。毎年実技試験では3つの課題を出されて、総合的に審査するのよ。15歳までは自分の魔法適性がわからないので、初歩的な実技試験になるけど、15歳までにどれだけ基礎を身につけたかその成果を見せる場所なの。ハツキちゃんは魔力が0だから魔法は使えないよね」
「そうね。魔法を使えるか試したことはあるけど全然ダメでした」
私は何度かプリンツに魔法のことを教えてもらって、魔法が使えるか試してみたが、全く魔法が使えなかった。
「そうよね。魔力奴隷になったハツキちゃんは魔法が使えるわけがない。だから、今年は魔法ではなく体力測定にすべきだと思ったのよ」
「体力測定?」
「そうよ。魔法を使うには実は魔力と同じくらいに体力も必要だと私は古文書から知ることができたのよ。魔法を使いすぎると魔力が減り体力も消耗するわ。それは、魔力と一緒に体力も消耗しているからなのよ。この学説はカメロパルダリス学院長も推奨していて、最近は授業にも筋トレなどが採用されているのよ」
『肉の壁』が目指す筋肉と魔力の融合は間違ってはいないのである。
「そうなんですね。どのような体力測定を提案するつもりなのですか」
「そうね・・・腹筋とかマラソンとかもいいかもしれないわ」
「腹筋ですか!!!」
私はマラソンなら問題ないが腹筋はヤバいと思った。
「そうよ。古文書には魔法を効果的に発動するには腹筋と背筋を鍛えると良いと書いてあったのよ。そして、魔力を消耗しても持久力をつけていれば疲労感は少なく魔力の回復速度も早くなるらしいのよ」
「マラソンは好きだけど腹筋は苦手だなぁ~」
「ハツキちゃん好き嫌いはダメよ!シュテーネン専門魔法学院に合格するためには頑張らないと」
「そうね。腹筋頑張ってみようかな」
「さすが、ハツキちゃんね。何事も諦めずに立ち向かっていく精神は見習わないとね。私もシェーネちゃん達と一緒に署名活動を頑張るわ」
その後、ブランシュ達の署名活動の甲斐あって実技試験は腹筋と背筋とマラソンになるのであった。
ブランシュの部屋で私はお腹がはち切れるほどケーキを食べ王都の宿屋に戻ってきた。
「今日は宿屋で休んで、明日はプリンツちゃんと雪でも見に行こうかな」
私はせっかく王都まで来たので、すぐにカノープスの町に戻るつもりはなかった。以前ブランシュに聞いた氷と雪に覆われた国オランジェザフト帝国に行ってみたいと思っていたのである。ブランシュの母親の仇を打つ・・・ためではなく、雪を触ってみたかったのである。
私はこの異世界に来るまでは、ずっと病院のベットの上で生活をしていた。冬場に窓から見える綺麗な雪を見て、病院から抜け出して雪を自分の手に乗せて雪の感触を感じ取ってみたいと思っていた。それに、私が聞いたことがある動揺の『雪やこんこん』では、雪を見たら犬は喜んで走り回ると歌っていた。なので、プリンツちゃんも雪を見たら喜んで走り回ってくれると思ったのであった。
「プリンツちゃん、明日はオランジェザフト帝国に行くわよ」
「次の修行の場所だね」
「違うわよ!雪を見に行くのよ。プリンツちゃんも雪を見たいよね」
「そ・・そうだね」
プリンツは、私に話を合わせるように返事をした。しかし、プリンツは心の中で違うことを考えていた。
ハツキお姉ちゃんは、雪を見にあの白の厄災の女王のいるオランジェザフト帝国に行くと言っている。ハツキお姉ちゃんは僕に油断させるために、あえて、白の厄災の女王の名を出さないでいるのだろう。今回オランジェザフト帝国に行くのは、絶対に白の厄災の女王『白銀狐』と僕を戦わせるためだろう。『白銀狐』がいる大雪山は、柔らかい深雪に覆われた足場が悪い場所だ。『白銀狐』は深雪の上を沈むことなく移動できるが、僕は深雪に沈んでしまい、まともに歩くこともできない場所のはず。身動きも取れない大雪山で、僕よりも遥かに格上の『白銀狐』と戦うことで、僕を強くしようと考えているのだろう。
プリンツはこのように考えているが、私はただ単に雪を見に行くつもりであった。
「プリンツちゃん、雪を見るのは楽しみだね。雪合戦や雪だるまを作って遊ぼうね」
私はプリンツに声をかけるがプリンツは、どのようにして『白銀狐』を倒せばいいのか考えていて、私の言葉は届いていないのであった。
「いいですよ。皆さんと一緒の実技試験で」
「本当にハツキちゃんは謙虚なのね。毎年実技試験では3つの課題を出されて、総合的に審査するのよ。15歳までは自分の魔法適性がわからないので、初歩的な実技試験になるけど、15歳までにどれだけ基礎を身につけたかその成果を見せる場所なの。ハツキちゃんは魔力が0だから魔法は使えないよね」
「そうね。魔法を使えるか試したことはあるけど全然ダメでした」
私は何度かプリンツに魔法のことを教えてもらって、魔法が使えるか試してみたが、全く魔法が使えなかった。
「そうよね。魔力奴隷になったハツキちゃんは魔法が使えるわけがない。だから、今年は魔法ではなく体力測定にすべきだと思ったのよ」
「体力測定?」
「そうよ。魔法を使うには実は魔力と同じくらいに体力も必要だと私は古文書から知ることができたのよ。魔法を使いすぎると魔力が減り体力も消耗するわ。それは、魔力と一緒に体力も消耗しているからなのよ。この学説はカメロパルダリス学院長も推奨していて、最近は授業にも筋トレなどが採用されているのよ」
『肉の壁』が目指す筋肉と魔力の融合は間違ってはいないのである。
「そうなんですね。どのような体力測定を提案するつもりなのですか」
「そうね・・・腹筋とかマラソンとかもいいかもしれないわ」
「腹筋ですか!!!」
私はマラソンなら問題ないが腹筋はヤバいと思った。
「そうよ。古文書には魔法を効果的に発動するには腹筋と背筋を鍛えると良いと書いてあったのよ。そして、魔力を消耗しても持久力をつけていれば疲労感は少なく魔力の回復速度も早くなるらしいのよ」
「マラソンは好きだけど腹筋は苦手だなぁ~」
「ハツキちゃん好き嫌いはダメよ!シュテーネン専門魔法学院に合格するためには頑張らないと」
「そうね。腹筋頑張ってみようかな」
「さすが、ハツキちゃんね。何事も諦めずに立ち向かっていく精神は見習わないとね。私もシェーネちゃん達と一緒に署名活動を頑張るわ」
その後、ブランシュ達の署名活動の甲斐あって実技試験は腹筋と背筋とマラソンになるのであった。
ブランシュの部屋で私はお腹がはち切れるほどケーキを食べ王都の宿屋に戻ってきた。
「今日は宿屋で休んで、明日はプリンツちゃんと雪でも見に行こうかな」
私はせっかく王都まで来たので、すぐにカノープスの町に戻るつもりはなかった。以前ブランシュに聞いた氷と雪に覆われた国オランジェザフト帝国に行ってみたいと思っていたのである。ブランシュの母親の仇を打つ・・・ためではなく、雪を触ってみたかったのである。
私はこの異世界に来るまでは、ずっと病院のベットの上で生活をしていた。冬場に窓から見える綺麗な雪を見て、病院から抜け出して雪を自分の手に乗せて雪の感触を感じ取ってみたいと思っていた。それに、私が聞いたことがある動揺の『雪やこんこん』では、雪を見たら犬は喜んで走り回ると歌っていた。なので、プリンツちゃんも雪を見たら喜んで走り回ってくれると思ったのであった。
「プリンツちゃん、明日はオランジェザフト帝国に行くわよ」
「次の修行の場所だね」
「違うわよ!雪を見に行くのよ。プリンツちゃんも雪を見たいよね」
「そ・・そうだね」
プリンツは、私に話を合わせるように返事をした。しかし、プリンツは心の中で違うことを考えていた。
ハツキお姉ちゃんは、雪を見にあの白の厄災の女王のいるオランジェザフト帝国に行くと言っている。ハツキお姉ちゃんは僕に油断させるために、あえて、白の厄災の女王の名を出さないでいるのだろう。今回オランジェザフト帝国に行くのは、絶対に白の厄災の女王『白銀狐』と僕を戦わせるためだろう。『白銀狐』がいる大雪山は、柔らかい深雪に覆われた足場が悪い場所だ。『白銀狐』は深雪の上を沈むことなく移動できるが、僕は深雪に沈んでしまい、まともに歩くこともできない場所のはず。身動きも取れない大雪山で、僕よりも遥かに格上の『白銀狐』と戦うことで、僕を強くしようと考えているのだろう。
プリンツはこのように考えているが、私はただ単に雪を見に行くつもりであった。
「プリンツちゃん、雪を見るのは楽しみだね。雪合戦や雪だるまを作って遊ぼうね」
私はプリンツに声をかけるがプリンツは、どのようにして『白銀狐』を倒せばいいのか考えていて、私の言葉は届いていないのであった。
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
白花の咲く頃に
夕立
ファンタジー
命を狙われ、七歳で国を出奔した《シレジア》の王子ゼフィール。通りすがりの商隊に拾われ、平民の子として育てられた彼だが、成長するにしたがって一つの願いに駆られるようになった。
《シレジア》に帰りたい、と。
一七になった彼は帰郷を決意し商隊に別れを告げた。そして、《シレジア》へ入国しようと関所を訪れたのだが、入国を断られてしまう。
これは、そんな彼の旅と成長の物語。
※小説になろうでも公開しています(完結済)。
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
拝啓、無人島でスローライフはじめました
うみ
ファンタジー
病弱な青年ビャクヤは点滴を受けに病院にいたはず……だった。
突然、砂浜に転移した彼は混乱するものの、自分が健康体になっていることが分かる。
ここは絶海の孤島で、小屋と井戸があったが他には三冊の本と竹竿、寝そべるカピバラしかいなかった。
喰うに困らぬ採集と釣りの特性、ささやかな道具が手に入るデイリーガチャ、ちょっとしたものが自作できるクラフトの力を使い島で生活をしていくビャクヤ。
強烈なチートもなく、たった一人であるが、ビャクヤは無人島生活を満喫していた。
そんな折、釣りをしていると貝殻に紐を通した人工物を発見する。
自分だけじゃなく、他にも人間がいるかもしれない!
と喜んだ彼だったが、貝殻は人魚のブラジャーだった。
地味ながらも着々と島での生活を整えていくのんびりとした物語。実は島に秘密があり――。
※ざまあ展開、ストレス展開はありません。
※全部で31話と短めで完結いたします。完結まで書けておりますので完結保障です。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
異世界転移は分解で作成チート
キセル
ファンタジー
黒金 陽太は高校の帰り道の途中で通り魔に刺され死んでしまう。だが、神様に手違いで死んだことを伝えられ、元の世界に帰れない代わりに異世界に転生することになった。
そこで、スキルを使って分解して作成(創造?)チートになってなんやかんやする物語。
※処女作です。作者は初心者です。ガラスよりも、豆腐よりも、濡れたティッシュよりも、凄い弱いメンタルです。下手でも微笑ましく見ていてください。あと、いいねとかコメントとかください(′・ω・`)。
1~2週間に2~3回くらいの投稿ペースで上げていますが、一応、不定期更新としておきます。
よろしければお気に入り登録お願いします。
あ、小説用のTwitter垢作りました。
@W_Cherry_RAITOというやつです。よろしければフォローお願いします。
………それと、表紙を書いてくれる人を募集しています。
ノベルバ、小説家になろうに続き、こちらにも投稿し始めました!
元社畜が異世界でスローライフを行うことになったが、意外とそれが難しすぎて頭を抱えている
尾形モモ
ファンタジー
ブラック企業勤めの社畜としてこき使われ、その果てに過労死してしまった斉木英二。そんな時、運命の女神の粋な計らいによって「異世界転生しスローライフを送ることのできる権利」をプレゼントさせる。
これで楽しいスローライフの始まり! と思ったが意外にもスローライフは大変なようで……?
※第4回次世代ファンタジーカップ参加作品です! 皆さま応援よろしくお願いします!
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる