396 / 453
ボルの人界征服編 パート8
しおりを挟む黒い龍は光球を噛み砕いて破壊した。そして、あたり一面に光の破片が飛び散った。光球が破壊されて中からムーンが姿を見せた。
「フルムーンを壊すとは・・・」
ムーンの顔は先程の余裕たっぷりの表情から、一気に危機を感じて顔色が悪くなっていく。
「トール任せたわよ」
トールさんはムーンから奪った魔力を全てミョルニルに注ぎ込む。ミョルニルは黄金に輝き出してみるみる大きくなっていく。
『メガトンハンマー』
トールさんはミョルニルを大きく振り上げて、ムーンに向けて叩き落とす。
「やめろーー。助けてくれ!」
ムーンは多量の魔力を奪われて、魔力障壁を失い裸同然の防御力である。いくら神人でもトールさんの『メガトンハンマー』を叩きつけられると助かる見込みはない。
「今更命乞いをしても遅いぜ。これでお前は終わりだ」
トールさんは激しくミョルニルをムーンに叩きつける。抗う術のないムーンは怯えるように体を丸くして震えていた。しかしその時、空から鋭いは刃物のような雨が滝のように降ってきた。
『ライトシールド』
小ルシスがロキさんとトールさんを守るために『ライトシールド』を張った。
「ロキお姉ちゃん、トールお姉ちゃん、敵の援軍が来たみたいです」
ロキさん達が上空を見上げると黒髪の小柄な男と水色の長い髪の男が、ニタニタを笑いながら上空を漂っていた。
「人間ごときにやられるとはムーンも落ちぶれたものだ」
ムーンはオーシャンの放った『ナイアガラフォール』によって、トールさんの攻撃からは難を逃れたが、『ナイアガラフォール』によって、全身を鋭い刃物の雨によって、全身を串刺しにされて死んでしまった。
「そうだな。ゴミムシに殺されるくらいなら、俺の手で名誉ある死を与えてやったぜ」
オーシャンは、ムーンの無惨な姿を見て、嬉しそうにニヤついていた。
「あいつらはどうする」
「俺の『ナイアガラフォール』を防ぐ魔法など人界に存在などしないはずだ。もう少し魔力を上げて、あのシールドを破壊してやる」
オーシャンは、魔力を上げて『ナイアガラフォール』の威力を上げた。上空からは滝のような轟音を上げて、鋭い刃物の雨が降り注ぐ。
「絶対にこのシールドから出ないでくだいね」
小ルシスは、『ライトシールド』でロキさん達を守るが、刃物の雨は『ライトシールド』を今にも破壊しそうな勢いて降り注ぐ。
「子ルシスちゃん大丈夫?」
「もうすぐルシスお姉ちゃんが来るはずです。それまで、耐え凌いでみせます」
小ルシスは、私の魔力によって人間のように動くことができるのである。しかし、魔力を失ってしまうと電池の切れたオモチャのように動かなくなり最後は消滅してしまう。
「ムーンを追い詰めたのはマグレではないようだな」
「そうみたいだな。俺の『ナイアガラファール』を防いでいるぜ」
「俺が力を貸してやろうか」
「問題ない。俺の『ビッグウエーブ』であのシールドごと押しつぶしてやるぜ」
『ビッグウェーブ』
オーシャンは、手のひらから膨大な水を噴出した。それはすぐに大きな津波のような特大の波になり、小ルシスが作った『ライトシールド』を押しつぶすように襲いかかる。
空を覆い尽くすような大きな波が、太陽に光を遮ってあたり一面を真っ暗にする。そして、爆音を上げて『ライトシールド』の上にのしかかる。
「小ルシスちゃん。無理をしないでね。私がルーヴァティンを使って隙を作るからその間に逃げるのよ」
「ロキお姉ちゃん。相手は2人いてます。なので、あの大きな波から逃げたところをすぐに襲われると思います。私が必ず耐え凌ぎます。だから、ルシスお姉ちゃんが来るまで待って下さい」
「小ルシス・・・本当に大丈夫なのか?心なしかお前の姿が霞んで見えるぜ」
トールさんには子ルシスの姿がうっすらとぼんやり見えるのである。しかし、それはトールさんの目が疲れているのではなく、小ルシスの魔力の消耗が激しすぎて、魔力切れで存在を保つことができなくなったいるのである。
「気にしないでください。私の全ての魔力を使ってお二人を守ります」
小ルシスは私が到着するまで、『ビッグウェーブ』耐え凌ぐ為に、全ての魔力を『ライトシールド』に注ぎ込んだ。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる