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ホロスコープ星国 ルシス編 パート31
しおりを挟む「おもちゃとはどういうことですか」
シューは大声で叫ぶ。
「俺たち神人は暇なのだ。神から大きな力を与えられているが、この大きな力を使うことがないのだ。俺たちは、天界の守護を任せられているが、天界を襲うモノなど存在しない。唯一俺たち神人と対等に戦えるのは魔族のみだ。しかし、腰抜けの魔族が天界に来る事など絶対にないのだ。だから、暇なので人界の民をからかって遊んでいるのだ。お前達には俺が作ったこの『ヘリオポリス島』での監禁生活を楽しんでもらっている。俺の魔法で、お前達の体に制約を与えて、苦しんでいる様を見ているのが面白いのだ。ガハハハハ」
「・・・俺たちは、お前の暇潰しのためにこの島にずっと監禁されているのか?」
「それもあるが、俺がお前達に与えた『支配』の力を使って、人界で暴れてもらっては困るのだよ。あまり派手に暴れると、魔界との協定に触れてしまうからな」
アトラースもわかっている。あまり人界に介入しすぎると厄介になることが。強すぎる力は目立ってしまうのである。
「初めから、俺たちをこの島に監禁するつもりだったのか!」
「そうだ。『支配』の力を与えて、嬉しそうに町を侵略する姿は滑稽だったぞ。やはり、下等な生き物だと再確認できたわ。それに、『ヘリオポリス島』に監禁する制約の話をした時のお前たちの反応は最高に笑えたぞ。だから、150年に一度だけチャンスを与えてあげたのだ。魔獣を使って国を滅ぼせば、『ヘリオポリス島』から解放してやると」
「それが『裁きの力』なのか?」
「そうだ。『裁きの力』で制約を解除できるという俺の考えはまさに天才的な発想だと思わないか?たまたま、辻妻に合う力があったので、そういうことにしたのだ」
「俺たちの制約は『裁きの力』で解放されるというのは嘘なのか?」
「嘘に決まっているだろう。俺がいつでも解除できるわ。ガハハハハ」
「俺たちは・・・こんなやつに騙されて、『オリュンポス国』を滅ぼそうとしていたのか・・・」
シューは崩れ落ちるように倒れ込む。
「もう、竜騎士などどうでも良い。それよりもお前は何者だ!」
アトラースが私を睨みつける。
「通りすがりの冒険者です」
私はペコリと頭を下げる。
「ただの冒険者ではないだろう!俺の制約の魔法を解除できる者など人界にはいないはずだ」
アトラースはイライラしている。
「偶然解除できちゃいました」
私は、棒読みで言った。
「俺を馬鹿にしているのか!」
アトラースは、全身に力を込める。アトラースの体が金色に輝き始めた。
「この島には俺の張った結界がある。此処での出来事は、天界魔界にはバレることはない。俺の本気の力を試させてもらうぞ」
「そうなのですね。それは私も助かります」
私は魔王の子供なので魔石は黒色である。しかし、7大天使様の力を授かるために魔石の浄化を行ったのである。魔石の浄化を行なった私の魔石は一旦白くなったが、10歳の時魔力が戻った時に魔石の色は金色になったのである。金色の魔石は神や神人と同じ色である。なので、私がどんなに魔力を使って暴れても、魔人だと思われないのである。しかし、代わりに神か神人と間違われる可能性がある。なので、アトラースの結界があれば本気を出しても、誰にも疑われないので助かるのである。
「少しくらい強いからといって、調子に乗るなよ。お前の強さは人界レベルだとかなりの実力かもしれないが、神人の強さから計れば、ミジンコ並みの力だと思い知れ!!」
アトラースは悪人らしく私を見下す言葉を並べてから、杖に魔力を込めた。
『ディサピアランス』
杖の先からは、先ほどよりも大きな光の光線が放たれた。
『ライトシールド』
私は光の膜を張った。
光の光線は私の『ライトシールド』に吸収された。
「光魔法だと・・・なぜ、亜人が光魔法を使えるのだ!!」
「秘密です」
7大天使様から授かったとは言えない。
「お前は神人か?・・・いや違うな。神人から力を授かったのだな」
アトラースは動揺している。
「そうかもしれませんね」
神人から力をもらったと嘘をついた方が得策だと私は思った。
「誰からだ!」
「それは言えません」
「プロメーテウスか!」
「それは・・・言えません」
私が誰だが知らないが、プロメなんちゃらに力をもらった感じに持っていくことにした。
「はやり・・・あいつか」
「だったらどうするのですか!」
「あいつとは、どちらが人族を多く殲滅出るか勝負しているのだ。あまり派手にはできないが、俺は150年ぶりに大きなイベントが来る予定だったが、お前の邪魔が入って俺の計画が台無しになってしまった。しかも、プロメーテウスから力をもらったと聞いて、俺はお前を本気で殺すことに決めたぞ。遊びはこれまでだ。神人から力をもらって調子に乗って俺の計画を邪魔したことを後悔させてやる」
「後悔するのあなたの方だと思います」
「神人の強さを思い知るがいい!」
アトラースは先ほどと同じように杖に魔力を込める。しかし、先ほどと違い、杖がみるみる大きくなり、巨大な棍棒に変身した。
「神の鉄槌を喰らうがいい!」
アトラースは大きな棍棒を私に目掛けて投げつた。
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