263 / 453
ホロスコープ星国 パート39
しおりを挟む私は、動きの鈍いベガちゃんを連れて、カペラの町へ向かった。牛のようにまるまると太ったベガちゃんのダイエットを兼ねて、私はベガちゃんの背に乗って、ベガちゃんにウォーキングダイエットをさせていたのであった。
「ベガちゃん、私は楽をしたいのではないのよ。ベガちゃんのダイエットの為に心を鬼にして、背中に乗って、重りの替わりをしてるのよ」
私はベガちゃんにきちんと説明して、ベガちゃんの背でのんびりとパンを食べながら、カペラの町へ進んでいく。
ベガちゃんは、私の説明に納得してくれたのか、額に汗を流しながら、ノソノソとカペラの町へ歩いて行く。
ベガちゃんのペースはかなり遅い。王都シリウスからカペラの町へは1日あれば着くことはできるのだが、ベガちゃんの牛のように遅いスピードでは、5日間はかかりそうなペースであった。
しかし、私はそんなのんびりペースのベガちゃんを怒りはしない。私はベガちゃんに無理をしないでダイエットをしてほしいので、私はベガちゃんの背中でお昼寝をしながら、のんびりとカペラの町へ向かったのであった。
私はカペラの町で、レオ、キャンサーを待たせていることも忘れて、ベガちゃんとのスローな旅を楽しむことにしたのであった。
ベガちゃんは、地道なウォーキングによって、4日後には、元のベガちゃんのスタイルの戻ることができたのであった。
「ベガちゃん、頑張ったね!」
私はベガちゃんを抱きしめて褒めてあげた。
「ブヒヒーーーン」
『すごいやろ!』と言いたげにベガちゃんは声をあげる。
「ベガちゃん、ご褒美よ」
私は、ベガちゃんに多量の人参を出してあげた。私はこの4日間は、ベガちゃんのダイエットの為に、人参を少なめに与えていたので、今日は頑張ったご褒美に、たくさんの人参を出してあげたのであった。
「ヒヒヒーーーン」
ベガちゃんは嬉しそうに声をあげた。
私とベガちゃんはいつもよりも多めの朝食を終えて、カペラの町へ再び向かい出したのであった。
「フェニちゃんはまだ戻ってこないのか」
レオは不安そうに言った。
「もしかしたら、関所で捕まってしまったかもしれないぞ!」
キャンサーも心配で、落ち着かないのであった。
「フェニちゃんは、空を自在に飛べるはずだ。関所など通る必要はないはずだ」
レオは冷静に分析する。
「フェニちゃんはとても律儀なお人だ。きちんと関所を通過しているかもしれないぞ」
キャンサーは、私のことを全く理解できていない。
「確かにそうかもしれない」
レオは納得した。レオも私のことを、とても律儀で真面目な性格だと思っていた。
「関所は、タラウスが守っていたな」
キャンサーが、思い出したかのように言った。
「そうだな。タラウスがフェニちゃんを拘束していないか確かめに行くぞ」
「わかったぜ」
私のことが心配になって、レオとキャンサーは関所に向かったのであった。
数時間後・・・
「王都へ戻るのか?」
レオとキャンサーの姿を見たタラウスが言った。
「今日は王都へ戻る予定はない。それよりも、10歳くらいの可愛い女の子を見なかったか?」
レオがタラウスに問う。
タラウスは一瞬ドキッとした。タラウスは、この前の私との戦闘がトラウマになっているのである。
「し・し・知らないな・・・」
明らかに動揺しているタラウス。
「何か隠しているな」
レオは、瞬時にタラウスの変化に気づいたのであった。
「な・な・何も隠していな・・いぞ」
タジタジのタラウスである。
「タラウス様、この前のガキがこちらへ向かっています」
兵士が慌てて、タラウスに言った。
「なんですって!」
タラウスは動揺しすぎて、裏声で驚いていた。
「この前のガキとはどう言うことだ」
レオはタラウスを激しく追及する。
「お前が言っているのは、あのガキのことか」
タラウスは、関所の高台にレオを連れて行き、王都方面からベガちゃんの乗って関所に向かっている私を指をさした。
「フェニちゃん!!」
レオは安堵の表情を浮かべて、私の名をつぶやいた。
「おーー!フェニちゃんじゃないか。無事でよかったぜ」
キャンサーが、飛び跳ねて嬉しそうにしている。
「お前達は、あのガキを知っているのか」
タラウスが、驚きながら言った。
「ガキとはなんだ!!フェニちゃんに失礼ではないか!」
レオは激しく怒り狂う。
『ライオンモード』
レオはライオンに変身して、タラウスを両手で持ち上げる。
「フェニちゃんに、失礼な態度をお前を、俺は許しはしないぞ」
レオの鋭い目がタラウスを完全にビビらせる。
「ごめんなさい。もう2度とガキとは言いません」
レオは、タラウスを殺すのはやめて、地面に投げ下ろす。
『ズダン』
タラウスは投げつけられて、激しい音がした。
「レオ、遠くを見てみろよ。フェニちゃんを尾行するようにサジタリウスとピスケスがいるぞ」
キャンサーは、私を見守るサジタリウスとピスケスの姿を発見した。
「フェニちゃんは、ジェミニに監視されているみたいだな・・・」
レオは、大きな勘違いをした。
「どうする」
キャンサーが、静かに言った。
「フェニちゃんの邪魔をする者は、俺が許さない」
レオは、四足歩行になって、素早くサジタリウス達の元へ走って行った。
『高速横走り」
キャンサーも得意の横走りで後を追った。
「どうなっているのだ」
地面に叩きつけられて、倒れているタラウスは、何がどうなっているのか、頭の整理がつかないのであった。
0
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
あれ?なんでこうなった?
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、正妃教育をしていたルミアナは、婚約者であった王子の堂々とした浮気の現場を見て、ここが前世でやった乙女ゲームの中であり、そして自分は悪役令嬢という立場にあることを思い出した。
…‥って、最終的に国外追放になるのはまぁいいとして、あの超屑王子が国王になったら、この国終わるよね?ならば、絶対に国外追放されないと!!
そう意気込み、彼女は国外追放後も生きていけるように色々とやって、ついに婚約破棄を迎える・・・・はずだった。
‥‥‥あれ?なんでこうなった?
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
可愛いあの子は溺愛されるのがお約束
猫屋ネコ吉
ファンタジー
酷い虐待を受けてクリスマスの夜死んだ主人公が異世界の神様によって転生した。
転生した先は色々な種族と魔物がいる剣と魔法と呪いがある世界。
そこで転生チートとして大きな魔力と最強の治癒魔法と魔法道具を貰った主人公がいく先々で最強の魔物や勇者に各種王族、民達に美味しい料理や治癒しては溺愛されていくお話し。
主人公は男の子です!女子に間違えられるのがテンプレですけど結構男前な性格かな?
結構テンプレです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる