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ホロスコープ星国 パート35
しおりを挟む私は、追加報酬がいくら貰えるか気になって、すぐにでもカペラの町へ戻りたい。しかし、王都にベガちゃんを残してきたことを思い出したのであった。私は頭の中で、追加報酬とベガちゃんを天秤にかけたら、わずかの差でベガちゃんが勝利したので、私は王都に戻ることにしたのであった。
「ポルさんにすぐに報告したいのですが、私は王都に戻らないいけないのです」
私は切実な顔して言った。
「王都に何か用事があるのですね。それなら、ポルックス様への連絡はレオとキャンサーに任せるといいと思います」
スコーピオが笑顔で言った。
「フェニちゃん、俺たちに任せてくれ」
レオは、少しでも私の役に立ちたいので、嬉しそうに言った。
「ライちゃんお願いします。私も王都で用事を済ませたら、すぐに向かいます」
私は、素敵な笑顔で言った。
「先に行って待ってます」
レオは、私の素敵な笑顔を見て、とても満足しているのであった。
「しかしフェニさん、王都の門は、アリエルが警護していると思います。アリエルは、用心深い人物です。フェニさんを、簡単に通してくれるとは思えません」
スコーピオは深刻な顔をして言う。
「俺がアリエルを倒してやろうか」
キャンサーの目つきが真剣になった。
「それなら、俺も加勢してやるぜ」
レオが力強く言った。
「待ってください。いきなりそんなことをしたら、王都が大混乱してしまいます。もっと慎重に行動してください」
スコーピオはアタフタしている。
「私は1人でも大丈夫です。だって私は空を自由に飛べるのですぅ~」
私は炎の翼を出して、上空に飛び上がった。
「素晴らしい・・・空を自由に飛べる人間は、アリエルくらいだと思っていました」
レオが私が空を飛んでいることに感動していた。
「アリエル?私のがすごいです」
私はアリエルという人物が、空を飛べると聞いて、嫉妬してしまったのであった。私はリプロ様の弟子である。弟子である私が、アリエルというわけのわからない人物に、負けるわけにはいかないのである。
私は、まだ不慣れながらも、空を自在に飛んで見せて、私の飛行技術を見せつけたのであった。
「これは、アリエルの飛行技術とは比べ物にならないほど精度が高いですね」
スコーピオは、驚きを隠せない。
「本当だぜ。アリエルはただ宙に浮いて、ゆっくりと飛行するだけだ。しかしフェニちゃんは自在に空を飛んでいるし、飛行速度が断然に違うぜ」
「さすが、フェニちゃん。俺たちのリーダーです」
レオとキャンサが私を褒めちぎる。
「そうでしょう。すごいでしょう」
私は満面の笑みで言った。
「すごいです。それなら王都に簡単に侵入できると思います」
スコーピは手を叩いて、私の飛行技術を褒めてくれた。
「今から、王都へ行ってきます」
私は、みんなに大きく手を振って、王都へ目指すのであった。
「俺たちも行くぜ」
「そうだな」
レオとキャンサーはカペラの町へ向かった。
「私は、村長に事情を説明してきます」
スコーピオは、アダラの村の村長に、現状の説明をするのであった。
私は、快適な空の旅を終えて、ヴァンピーの家に戻ってきた。そして、大好きなベガちゃんに会うために急いで厩舎へ向かった。
「フェニちゃん!!!どこへ行ってたのよ」
ベガちゃんのいる厩舎の前で、鬼のような形相のヴァンピーが、仁王立ちしていたのであった。
「翼が生えたので、アダラの村に行ってきました」
私は、空気が読めない女の子である。なぜヴァンピーが怒っているのか理解できないので、にこやかに答えるのであった。
「フェニちゃん、翼が生えておめでとう!でも、なんで黙って1人で行ったのよ!全然フェニちゃんが帰ってこないから、どれだけ私が心配したかわかっているの!」
ヴァンピーは、私が散歩してくると言って、全然帰ってこないので、心配していたのであった。もしかして、アリエルに捕まって、城に拘束されているのではないかと思って、仲間の魔法士に頼んで、状況を確認してもらっていたのであった。
しかし、いくらシリウス城内を調べてもらっても、私の情報が出てこないので、心配で寝ることもできないのであった。
「ごめんなさい」
私はやっと状況を把握して、ヴァンピーに、心配をかけたことを真摯に受け止めて、きちんと謝罪したのであった。
「無事ならよかったわ。それで、レジスタンス状況はどうだったの?」
ヴァンピーは、いつもの優しい顔に戻った。
私はアダラの村の出来事を説明した。
「レオとキャンサーが仲間になるんて、想像できないわ」
ヴァンピーは驚きを隠せない。
「ライちゃんも横走りちゃんもいい人ですよ」
私は嬉しそうに言った。
「横走りちゃん・・・キャンサーも落ちたものね」
ヴァンピーは、悲しげな目をしていた。
「私も今から、ベガちゃんを連れて、ポルさんに会いに行きます」
「ベガちゃんを乗せて、空から飛んで行くの?」
ヴァンピーは呆れた顔をして言った。
「はーーい」
私はにこやかに答える。
「フェニちゃん、ベガちゃんの様子を見てみなさい」
ヴァンピーはベガちゃんを指差した。私はヴァンピーが指差した方向を見る・・・
そこにはマルマルと太ったベガちゃんの姿があった。
ベガちゃんは、厩舎に用意されていた美味しい果物を、これでもか!と言わんばかりの量を食べていたのであった。
ベガちゃんは、お腹がタプンタプンになって全く動ける気配はない。しかも、かなり増量されたベガちゃんを乗せて、カペラの町なで運んで行くのは、大変だと感じたのであった。
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