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神守聖王国オリュンポス パート17
しおりを挟む『ロックバード』
ケレスも神の子の力を発動した。ケレスの神の子の力は大地を操る能力である。地面から岩が飛び出してきて、ケレスの周りを囲い込む。岩の壁によって、アポロ公爵の炎を耐え凌いだ。
「小癪な真似をしおって」
「簡単にここを通すわけにはいきません」
「神技『剛腕』『倍倍』」
アポロ公爵は、力を強化して、大きく剣を振りかざす。ちなみにアポロ公爵が同時に使える神技は2つである。
『カキーーーン』
アポロ公爵の剣が折れる。
『ドッカンボルケーノ』
ケレスは、大地に両手をあてて叫んだ。アポロ公爵の立ってる大地が裂けて、その隙間から、マグマが勢いよく飛び出してきた。
アポロ公爵がマグマに焼かれて、体がヘドロのように溶け出した。
「ケレス、忘れたのか・・・俺には炎は効かないぞ」
アポロ公爵の体は、赤いヘドロの状態になったが、死んではいないようである。
ヘドロは、しばらくすると、人間の形に戻っていき、元のアポロ公爵の姿に戻ったのであった。
「俺の神の子の力は太陽の能力だ。俺は太陽の能力を使って、全身を炎に変えている、だから、俺を燃やすことは不可能なのだ」
「本当に効かないのですね。全身を焼き尽くせば倒せるのだと思っていました」
「浅はかだったようだな。俺の体の炎は5505度だ!俺を殺せる者など存在しないのだ」
アポロ公爵が、ケレスを守る岩の壁に手に触れる。
『太陽光』
アポロ公爵の体が太陽にように燃え上がる。アポロ公爵が触れるものは、全てがゼリーのように溶けていく。ケレスを守る岩の壁も簡単に溶けてしまう。
「ケレス、お前が俺に勝てるわけがないだろう。お前や、アレスが強くなれたのは、俺の指導のおかげだろ?それを忘れてしまったようだな」
「それは、わかっています。しかし、どうしても戦わないといけない時があるのです」
「そんなにバルカンが大事なのか!」
「そうです。それに、兄上に神剣を渡してしまうと、この国は大混乱になることは、目に見えてわかっています。私は争いを起こさない為にも、兄上に神剣を渡すことはできないのです」
「お前は、何も理解していないようだな。今ネプチューンに協力すれば、兵を動かさなくても、莫大な利益と地位が手に入るのだぞ。こんなチャンスを棒に振るわけにはいかないのだ!」
アポロ公爵はケレスの胸ぐらを掴んで威嚇する。ケレスは神技を発動して、アポロ公爵の炎を耐え凌ぐ。
「いつまで我慢できるかな。俺が少しでも、『太陽光』の量を増やせば、一瞬でお前は灰になってしまうだろうよ」
アポロ公爵は、不敵な笑みを浮かべて言った。
ケレスの体はどんどん燃え上がる。
「ケレス、最後にチャンスをやろう。俺に跪き忠誠を誓うなら、今日のことは見逃してやろう。一度死にかけていたお前を俺は救ってあげた。俺は寛大だから2度目のチャンスを与えてやろうではないか」
アポロ公爵は、ケレスを見下しながら言うのであった。
「一度命を救って頂いたことは感謝しています。俺は、以前の記憶はほとんど残っていませんが、以前の俺は、わがままで傲慢でどうしよもないクズだったと聞いています。しかし、命を救っていただいてからの俺は、みんなが慕ってくれるほどの人物に変わったと、仲間達が嬉しそうに言ってくれるのです。俺は、今の自分が大好きです。ここで兄上に従えば、俺は昔のクズ男に戻ってしまうと思うのです。だから俺は、自分の信念をに曲げません。俺はバルカンを守り、神剣をお前になんか絶対に渡さない」
ケレスは、全身が燃え盛る中、胸を張ってアポロ公爵に言い放ったのであった。
「くだらん。死ね」
アポロ公爵は静かに言った。そして、『太陽光』の量をあげたのであった。
「アチョーーーーー」
アポロ公爵の頭にチョップがお見舞いされた。
アポロ公爵が地面の中にめり込んだ。
『リフレッシュ』
ケレスを燃やしている炎は鎮火して、なおかつ全身の火傷を治癒してもとの状態に戻ったのであった。
「あなたは・・・あの時の魔術師ルシス様」
私達は、倭の国から神守聖王国オリュンポスに戻っていたのである。
★アトランティスの地下遺跡に戻ります。
「まだ生きているか」
ユーピテルがマーニとソールに言い放つ。
2人は息がするのがやっとであるので、声を上がることももうできない。
「私がトドメを刺しましょう」
ハデスに魂を乗っ取られたアレスが言った。
「お前は、まだ体がボロボロであろう。少し休んでおけ。俺が全てを終わらせる」
ユーピテルは、大きく剣を振り上げた。
『氷結ハンマー』
ユーピテルの頭に大きなハンマーが落ちてきて、ユーピテルの頭を潰し、そして全身を一瞬で凍らせた。
『ブラックファイヤーバード』
大きな黒い火の鳥が現れて、凍りついたユーピテルを大炎上させる。
「トドメを刺しますわ。イフリート、あいつを灰になるまで燃やしてちょうだい」
「わかりましたポロンさん」
イフリートは、ポロンさんの精印から姿を現して詠唱を始めた。
「暗黒の大地から現れし暗黒の勇者の始祖よ、今こそ、我に暗黒の炎の礎を示したまえ。この暗闇が覆い尽くす、汚れた世界を光り輝く栄光ある世界への再興させ、未来永劫に光を与える希望の大地にしたまえ、そのためならば、全ての命を我と共に、暗黒の間に陥れ・・・」
「詠唱長すぎですわ」
『気炎万丈』
凄まじい黒炎が現れて、大炎上していたユーピテルをさらに大炎上させて灰にした。
ロキさんが、イフリートの詠唱が長すぎたので、『気炎万丈』を使ってユーピテルを葬った。
「黒き大地の申し子が現れて、黄色の姫の手を握り、共にダンスを踊りながら・・・・」
まだ詠唱を続けるイフリートであった。
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