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倭の国パート5

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 私は、すぐにポロンさんに駆け寄り、状態異常の解除の魔法を使った。

 毒が体に入って、青ざめていた顔が、血色の良い顔に戻り、ポロンさんが、意識を取り戻すのであった。


 「私は、何をしていたのかしら・・・そういえば、タコの頭にかじり付いた所から、記憶がありませんわ」

 「ポロンお姉ちゃんは、ヘルオクトパスの毒に侵されて、倒れていのたのです」

 「そうなの。それで、ルシスちゃんが助けてくれたのね。ありがとう、ルシスちゃん」

 「大事に至らなくて良かったです」

 「そうだ、タコさんを食べないと」


 ポロンさんは、話しをきちんと聞いていない。ポロンさんの頭の中は、ヘルオクトパスを食べることに夢中なのであった。


 『パチーーーン』


 「ポロン、何をしているのよ」


 ロキさんが、ポロンさんの頭を叩いて、ヘルオクトパスの頭を食べるのを防いだ。


 「いたわよ。タコさんを食べるのを邪魔しないでよ」


 ポロンさんは、ロキさんに助けてもらったのに、逆ギレをしているのである。


 「ポロン、きちんと聞くのよ。ヘルオクトパスの頭には猛毒が、あるのよ。だから、食べることは、できないのよ」

 「そんな・・・・・」


 ポロンさんは、ショックで倒れてしまった。


 「はぁーーー。困った2人だわ」


 ロキさんは、ため息を付いた。

 ポロンさんだけでなく、トールさんもヘルオクトパスの頭をかぶりついて、猛毒をくらって、ロキさんに助けてもらったところであった。

 私は、ポロンさんのほっぺたを叩いて、意識を取り戻させてから、ヘルオクトパスの安全な食べ方を教えてあげた。

 ヘルオクトパスの頭は、猛毒が詰まっているから、食べれない。なので、手足だけを切り落としてから、手足を細かく切り刻むと、食べやすいと説明した。


 「ロキの魔剣で綺麗に、切り落としてくれ」

 「お願いしますわ」

 「はぁー。私の魔剣は、調理するためにあるのでは、ないのよ」


 そう言いながらも、ロキさんは、2体のヘルオクトパスの手足を綺麗に切り落としたのであった。

 ちなみに、3体目のヘルオクトパスは、ロキさんが、タコツボに入ろうとした、ヘルオクトパスを、一瞬で頭を切り落として、退治していたのである。ロキさんは、完璧に魔剣を使いこなしているのであった。


 「タコさんは、コリコリして、美味しいぜ」

 「ルシスちゃんの用意してくれた、わさび醤油につけて食べると、さらに美味しですわ」

 「本当ね。このツーーンとくる辛味が、タコさんコリコリした食感に、とてもマッチしていますわ」


 私は、倭の国で、お寿司を食べると聞いて、わさび醤油を作って、持ってきたのである。わさび醤油は、3人に好評で嬉しいのであった。

 私たちは、腹ごしらえを終えた後に、タコツボに次々と入っていく、ヘルオクトパスを退治したのであった。


 「これで、10体目だな」

 「そうね。もう、現れないから、ヘルオクトパスは、もうこの海域には、いないと思いますわ」

 「次は、デスシャークを倒さないとね」


 ロキさんのいう通りである。この海域のヘルオクトパスは、全て退治したので、次は、デスシャークを倒さないといけない。


 「ルシス、どうやって、デスシャークを倒すつもりだ?」

 「ルシスちゃんなら、次の作戦も考えているよね」


 もちろん、私は、デスシャークの倒し方も考えている。ヘルオクトパスの同様に、海岸まで、デスシャークを誘き寄せて、退治するのである。


 「はい。デスシャークも海岸まで誘き寄せます」

 「サメツボを使うのか?」

 「いえ違います。ポロンさんに水着を着てもらって、海岸で泳いでもらいます」

 「えっ!!私が泳ぐの?」

 「ポロンを餌にするのだな」

 「嫌よ。私は、餌になりたくないわ」


 ポロンさんが、激しく嫌がる。


 「きちんと聞いてください。デスシャークはサメの魔獣です。私の住んでいた国では、サメは、水着美女を必ず襲います。なので、ラスパで1番の美人のポロンさんが、この水着美女の役に、1番適しています」


 私は、転生前に、映画で見たことがある。水着の美女を襲うサメの映画を。なので、この作戦を思いついたのである。そして、美女と褒めれば、ポロンさんなら、この危ない役を、してくれると信じたいるのである。


 「そういうことなのね。ルシスちゃんのいう通りだわ。水着美女といえば、私しかいないわね」


 ポロンさんは、ノリノリでOKしてくれたのであった。


 「ポロンで大丈夫なのか?俺のが適任だと思うぜ」


 トールさんは、美女の役は自分だと、思っているみたいであった。トールさんは短髪なので、美女というより、美少年系である。


 「ルシスちゃん、本当にそんな作戦で大丈夫なの?」


 ロキさんだけが、冷静に対応した。


 「大丈夫です。必ずデスシャークは現れます。なので、ポロンさんが、襲われないように注意してください」

 「ルシスちゃんがそこまで言うのなら、信じるわ。デスシャークは私に任せてね」


 ポロンさんには、私が用意した可愛いピンクのワンピースの水着を着てもらった。

 
 「ルシス、デスシャークは食べれるのか?」


 トールさんにとって、食べれるか、食べれないかで、やる気スイッチが全然違うのである。


 「もちろん食べれます。でも、生で食べるなら、白身の部分だけにしてください。赤みの部分は私の用意する、照り焼きソースを使って、焼いて食べると美味しいです」

 「ロキ、デスシャークが現れたら、綺麗に赤身と白身分けて、切ってくれ。後の処理は俺に任せろ」


 トールさんは、戦わずに、食べる専門宣言をした。

 ロキさんは、ため息をしながら、渋々了承したのであった。
 




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