上 下
152 / 453

妖精王パート22

しおりを挟む


 「も・も・もちろん。草薙の剣を奪いにきたぜ」

 「そ・そ・そうよ。私の思った通り、虹蛇の体内にあったのね」

 「ヤミークラブって言ったような気がしたが・・・」

 「ついでにだ。草薙の剣を奪いにくるついでに、ヤミークラブも奪う予定だったのだ」

 「そうよ。その通りよ」

 「草薙の剣も、ヤミークラブもお前達には、渡さないぞ」

 「早く、美味しいコアを渡すのよ」


 レインボースネークの胴体に、埋もれていたサラちゃんが、戻ってきた。


 「美味しいコア?」

 「そうなのよ。あなたの体内には、必ず美味しいコアがあるはずなのよ」


 サラちゃんは、お腹が減ってきて、イライラしている。


 「幻魔のコアのことか・・・外の世界で動いている虹蛇は、私が、巨大な幻魔のコアで作り出された生き物だ。まさか、そのことまで知っているとは、侮れない奴らだな」


 サラちゃんの食欲の直感が、的中したのであった。虹蛇の中には、大きな幻魔のコアがあったのである。


 「幻魔のコアは、私を倒さない限り、手に入れることは、できないぞ。なので、絶対に手に入れることはできないのだ」

 「絶対に手に入れるのよ」


 サラちゃんはサラマンダーに姿と変えて、強大な炎を吐きかけた。

 強大な炎は、レインボースネークを直撃する・・・しかし炎はすぐに消えてしまった。


 「サラの炎が効いていないぞ」

 「本当ですわ。なぜ、なのかしら?」


 サラマンダーは、幾度となく、炎を吐き出すが、レインボースネークの7色に輝く鱗に全て、吸収される。


 「これならどうよ」


 サラマンダーは、無数の溶岩を降り注ぐ、溶岩が、レインボースネークの胴体に落ちるが、光り輝く鱗に弾かれて、溶岩は砕けて消えてしまう。


 「私の7色の鱗は、あらゆる魔法を吸収して、無効化し、そして、あらゆる攻撃を跳ね返すことができるのだ」


 「サラの攻撃が効かないぞ・・」

 「こんなの初めてですわ。サラちゃんが苦戦しているわ。イフリートどうすれば良いのよ」

 「わかりません。ただ、魔法、物理攻撃以外の攻撃ができれば、倒せるのかもしれませんが・・・」


 サラちゃんが、いくら攻撃しても、レインボースネークには全くダメージを与えることはできない。レインボースネークは、大きな体を動かして、サラちゃんを飲み込もとするが、サラちゃんは、必死に避けるのである。

 当初は、レインボースネークの体内に入る予定だった、レインボースネークの口の中は虹色に光っているので、サラちゃんは、危険だと察知して、食べられるのを避けるのであった。


 「すばしっこい奴め」


 サラちゃんが、レインボースネークに苦戦している頃、トールさんと、ロキさんは、こっそりと、ヤミークラブの料理の方へ、移動した。

 レインボースネークは、サラちゃんを食べようと必死である。意識はサラちゃんの方へ向けられているので、今がチャンスなのであった。


 「ポロン、音をたてるなよ。サラが、俺たちのために、レインボースネークを引き止めてくれている。サラの有志を無駄にするなよ」

 「もちろんよ。サラちゃんのためにも、私が、たらふくヤミークラブを食べるのよ」


 こういう時だけは、連携が取れる2人であった。2人は、ゆっくりと、ゆっくりと見つからないように、ヤミークラブの料理に近づくことに成功した。

 ヤミークラブは、レインボースネークがトグロを巻いている尻尾のあたりに、たくさん用意されていた。


 「やっと着いたぜ」

 「そうですわ。サラちゃんが、頑張っている間に、ヤミークラブを食べましょう」

 「そうだな」

 「いただきまーす」


 トールさんが、ヤミークラブに手を伸ばした時・・・


 虹色の光がトールさんを襲う。

 トールさんは、瞬時に交わす。


 「なんだ。この光は・・・」

 「俺のヤミークラブに手を出すな」


 トールさんの目の前に、大きな目玉が現れた。

 それは、レインボースネークの顔であった。レインボースネークは、尻尾に顔が付いている双頭の蛇であった。


 「ポロン逃げるぞ」

 「もちろんよ」


 2人は一目山に逃げ出す。尻尾の頭は、トールさん達を追いかけて、ニョロニョロと追いかけてくる。





 「どうしたらいいのよ!私の炎が全然効かないわ」


 サラちゃんは焦っていた。自慢の炎が全くきかないので、どうしたらいいのか分からないのである。レインボースネークは、しつこく食らい付いてくるが、スピードでは、サラちゃんのが圧倒的に早いので、食われることはないが、攻撃が通用しないので、困り果てていた。


 「そうだわ。あれがあったわ」


 サラちゃんは思い出したのである。


 「これでくらいなさい」


 サラちゃんは、紫色の炎をレインボースネーク吐きかける。


 「色を変えても、お前の攻撃は通用しないぞ」


 紫色の炎は、レインボースネークの鱗に吸収される。


 「だから、無駄だと言ったのだ・・・・ウギャーーーーーー」


 紫色の炎はレインボースネークの体内に吸収れて、体内に毒が入り込む。


 「効いているみたいね」


 サラちゃんは、猛毒のコアを食べたので、猛毒の炎が吐けるようになったのである

 サラちゃんは、猛毒の炎を、レインボースネークに吐きかける。レインボスネークの鱗は、猛毒の炎を吸収する。そして、猛毒は、レインボースネークの体全体に蔓延していくのであった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...