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武道大会パート7
しおりを挟む武道大会開催までの時間は、まだ余裕があるので、ポロンさんは、ゆっくりと休むことにした。プリンを食べすぎた、お腹の痛みが、まだ残っているのであった。そのため、できるだけ胃を休めて、武闘大会の一回戦に備えて、体を休めないといけないのであった。
武道大会までは、色々とイベントが行われていた。バトルロワイヤルが、予定より早く終わったので、いつもは、あまり人気がなかったイベントは、注目を浴びているのであった。
その中で1番注目を浴びているイベントは、クイズ大会であった。そのクイズ大会のイベントの優勝者の商品は、なんと雷光石であった。
「イベントB会場のメインイベント、クイズ大会の商品は、なんと雷光石です。鬼の島から手に入る貴重な石です。優勝者には、この雷光石を差し上げます。参加希望の方は、こちらへ集まりください」
「イフリート、着いてきなさい。絶対に雷光石を、手に入れるのよ」
「サラマンダー様、残念ながら、共闘は無理です。雷光石は、私がいただきます」
サラちゃんは、今日もたくさん食べ物があると思って、ポロンさんから、呼ばれてもいないのに、勝手に精印から現れたのであった。
ポロンさんは、また大きな騒動になると思い不安になるが、サラちゃんを止めることは、不可能なので諦めることにした。
「雷光石が欲しいかーーー」
「もちろんよーーー」
一際大きい声で、サラちゃんが叫ぶ。周りのエルフはざわめきつく。
「あの、亜人は、昨日の前夜祭の、お食事を食べ尽くした人だわ」
「ほんとだ、なぜ、拘束されていないのだ」
「王族の関係者らしいぜ、だから、お咎めがないらしいぜ」
サラちゃんは、昨日の食べ尽くし事件で、かなり有名になっていた。アールヴ王のはからいで、罪に問われなかったが、国民たちは、納得していないのであった。
サラちゃんに対して、冷ややかな視線が向けられる。中には、直接に、文句を言う者もいた。
「お前のせいで、前夜祭が、潰れるところだったんだぞ。わかっているのか」
命知らずのエルフが、サラちゃんに文句を言う。
「うるさいですわ」
サラちゃんのワンパンチで、エルフは中を舞う・・・・・それを見た、他のエルフが、急に大人しくなる。
「あの亜人は、ポロン王女様の冒険者仲間らしいぞ。あのバトルロワイヤルの広場を、火の海にした実力を持っているポロン王女の仲間だ、かなりの実力者のはずだ」
サラちゃんが、ワンパンで、エルフを吹き飛ばしたので、誰もサラちゃんに文句を言う者は、いなくなった。
「早く、始めるのよ」
サラちゃんの雷光石に対する凄まじいオーラの前に、エルフ達は、恐れおののいて、クイズ大会の参加者は、5人になってしまった。
「他に参加者はいませんか?まだ4名しか参加者はいてません。定員は50名です。どしどし参加してください」
「早く始めるのよ」
「私も参加しています。なので、5名です」
「・・・そちらの、火の玉の方も参加で、よろしいのでしょうか」
「もちろんです」
「早く雷光石を渡すのですわ」
「優勝したらお渡ししますので・・・他に参加者はいませんか」
いくら募集をかけても、参加者は、サラちゃんをビビって参加しないのであった。
「時間になりましたので、5名によるクイズ大会を始めたいと思います。クイズを10門お出しますので、わかった方は、手元の札をあげてください。1番早く札を上げた方に答える権利はあります。何度でも、答えることができるので、間違えを恐れずに答えてください」
「わかりましたわ」
大声でサラちゃんが叫ぶ。イフリートを除く他の3名は、異様な雰囲気に、この場にいることを後悔している。この3名は、武道大会の推薦枠に入れなかった、頭脳明晰なダミアン、オーロラの子供達である。
バトルロワイヤルの参加は、危険なので、出場は断念し、クイズ大会で、知性があるところを、国民にアピールするために、参加しているのである。なので、家族の代表として、クイズ大会に出ているので、逃げることが、できなかったのであった。
「あの子、やばくないか」
「普通じゃないだろ。さっきワンパンチで、吹き飛ばされたのは、あのアイザックだろ。身長2m以上あるエルフの巨人と呼ばれ、王族の護衛隊長候補だぜ」
「だから、みんな怖くて、参加しなかったのよね」
「そうだ。そして、俺も逃げ出したい・・・」
「私もよ」
「俺も」
サラちゃん、イフリートの2人以外は、クイズ大会が始まる前に、もう戦意喪失していた。なので、実質は、2人の対決になるのであった。
「クイズ1問目です。1時になると食べたくなる果物は、何でしょう」
「はーーーーーーーい」
サラちゃんは、大きな返事をしながら、札をあげる。
「サラ選手答えてください」
「ブドウですわ。何時でも食べたくなる美味しい果物ですわ」
「不正解です。それは、あなたが食べたい果物です」
さっと、イフリートが札をあげる。
「火の玉選手、答えてください」
「イチジクです」
「正解です」
「おかしいですわ。ブドウだって食べたくなるはずですわ」
サラちゃんのクレームを無視して、司会者は、次の問題を出す。
「第2問、食事の時に、テーブルにお皿を置かないで、食べる物は何でしょう」
「はーーーーーーーい」
サラちゃんが大きな返事をしながら、札をあげる。
「サラ選手答えてください」
「ブドウですわ。皿に置くまで待つことなんて、できませんわ」
「不正解です。それはあなたが食べたい物です」
イフリートが、札をあげる。
「火の玉選手、答えてください」
「おかずです」
「正解です」
「ブドウは主食であり、おかずにもなりますわ。ブドウで正解ですわ」
司会者は、再度、サラちゃんのクレームを無視する。
「第3問です。果物のなかで、空手を頑張っている子がいます。誰でしょう」
「はーーーーーーーーい」
「サラ選手、答えてください」
「ブドウですわ。ブドウがあんなに美味しいのは、日頃の鍛錬の成果だと思いますわ」
「正解です」
「当然ですわ。私にわからないことなど、ありませんわ」
「第4問です。細い枝に、丸い顔がたくさんぶら下がっている果物は何」
「はーーーーーーーーーーーーーーーーい」
1問正解して、機嫌を良くしたサラちゃんが、大声で返事しながら札をあげる。
「サラ選手、答えてください」
「ブドウですわ。ブドウさん達は、みんな仲良しファミリーだから、あんなに美味しいのですわ」
「正解です」
サラちゃんは、偶然にも2門正解してしまう。しかし他の3名は、下を向いたまま、一度も答えようとはしない。それは、できるだけ、関わらないように、したいのであった。
そして、クイズ大会の会場も、その空気を感じ取ったのか、早くクイズ大会が終わるのを静かに待つのであった。
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