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パーシモンの町パート1

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  アビスは、ターニプの町で、ホワと共に暮らすことに決まったみたいである。エルフの国へ戻って、150年前の真相を打ち明けに、行きたかったみたいだが、ダークエルフになってしまったので、エルフの国へは、入ることができないのであった。

 代わりにポロンさんが、竜光石の件が、無事に片付いたら、エルフの国へ、説明することになったのであった。


 私たちは、ドワーフの国を離れ、サラちゃんに、ラデッシュの町まで運んでもらった。そして、お決まりのプリンを渡して、帰ってもらった。サラちゃんがいると、またとんでもないことを、してしまったら、大変だからである。


 「この町も久しぶりだな」

 「ああ、リアム元伯爵が、裏切り者だったのは、驚いたな」

 「そうだな」


 ブラカリの町の襲撃事件は、王国騎士団の副団長アレスの単独での叛逆として、処理され、首謀者の神守教会の教皇のドウェインは、罪を問われることはなかった。

 また、アレスに加担したとして、罪に問われた、リアムは、ディーバ伯爵の温情により、極刑は免れたが、身分を剥奪され、平民として、パースリの町で、油の栽培をしているらしい。

 多くの信者を失った、神守教会は、影響力がなくなり、今はおとなしくしているのであった。



 私たちは、冒険者ギルドに行って、ディーバ伯爵様に会いに行った。


 「お久しぶりです。ディーバ伯爵様」

 「ラスパの皆さん、お久しぶりです。今日は、どんな御用で、このラディッシュの町に来たのかしら」

 「実は、バルカンという鍛治職人を、探しています。ディーバ伯爵様ご存知ですか」

 「なぜ、あなた達は、バルカンの存在を知っているの」

 「ドワーフの国で、聞きました」

 「そうでしたか、最近、腕試しにドワーフの国へ訪れていたと聞いていたいましたが、本当だったのね。実は、バルカンの存在は、この国では、機密事項なの」

 「どうしてですか」

 「あなた達なら、話しても問題ないと思うわ。バルカンの一族は、鍛治の能力を持つ神の子であり、その能力を代々引き継いでいるのよ。その鍛治の腕は、ドワーフですら、足元に及ばないくらいの高技術なの。彼ら一族が作り上げる剣は、神剣と言われるのよ。そして、グラムもその一つよ。神剣を作るには、何十年もかかるみたいだけど、魔法の効力を消し去る神の武器になるわ。神剣は、あまりにも、強大な武器になるので、バルカンの一族の存在を、公にすることは、禁止されているのよ」

 「そうだったんですか・・・私たちは、竜光石を手に入れました。それを加工してもらいたくて、バルカンを探しているのです。加工してもらえるのでしょうか」

 「それは、わからないわ。バルカンは、アポロ公爵家の元で、代々お世話になっているはずだわ。一度行ってみると、いいかもしれないわ」

 「私たちが、アポロ公爵のもとへ行っても大丈夫でしょうか。ブラカリの件もあると思います」

 「問題ないと思うわ。アポロ公爵は、王都へいく途中に、ブラカリの町が送り込んだ、巨大な魔獣に遭遇して、撤退した言っているわ。だから、ルシスちゃんのことは、知られていないわ」

 「ルシス、魔獣にも変身できるのか」

 「できません」

 「だったら、なんで、そんなことになっているんだ。ルシスが撃退したんだろ」

 「はい。でも太陽騎士団長を、ボコボコにし過ぎたので、それで誇張されて、そうなったのだと思います」


 ボコボコじゃなく、丸焦げにしてやったんだけど、そこは内緒にしておこう。


 「よほど酷い目に遭わされたんだろうな」

 
 はい。その通りです。とは言えなかった。


 「でも、それなら、気にすることなく行けるので、よかったです」

 「そうだな」

 「ソール達も、アポロ公爵の行動を探るために、パーシモンの町へ行ってるわ。彼女達にも、聞いてみたらいいかもしれないわね」

 「ありがとうございます。明日にでもパーシモンの町へ行きます」

 「そうね、今日はこの町でゆっくりとするといいわ」


 私たちは、その日は、ラディッシュの町でゆっくりと過ごし、次の日にサラちゃんを呼んで、パーシモンの町へいくことにした。



 パーシモンの町は、王都ジンジャーを、ひたすら北に向かったとこにある。



 「疲れたよーーー」

 「サラ、もう少しだぞ」

 「もうダメーー。お腹ペコペコだよー」


 サラちゃんが、お腹をすかしたので、パーシモンに着く前に、少し休憩を取ることにした。


 「チーズインハンバーグをよこすのよ」

 「わかりました」

 
 私は、サラちゃん要望のチーズインハンバーグを、出してあげた。


 「これが欲しかったのよ」


 サラちゃんが、チーズインハンバーグ美味しそうに食べまくる。これは・・・悪い予感しかしない。


 「もっと、もっと出してー」


 もちろんこうなると、サラちゃんの食欲は止まらない。想像通り、たくさん食べて、気持ち良くなって、そのままお昼寝タイムに、入ってしまったのであった。


 「こうなると、もうサラマンダー様は、起き上がることはないでしょう」

 
 イフリートが言わなくても、誰もがもうわかっている。


 「馬車でいくか」

 「そうですね。食事を出したら、こうなるのは、もう、わかっていましたわ」


 私は、収納ボックスから、馬車を出して、パーシモンへ向かうことにした。もちろん、サラちゃんは、イフリートの手によって、イディ山へ戻っていった。


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