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神守教会との戦いパート7

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  アレスの胸から、血が吹き出している。
 

 「俺の体に傷をつけやがって・・絶対に許さない。俺の本気を見せてやる。狂戦士(バーサーカー)モードだぁ」



 アレスは、神の子の能力を発動した。アレスの体は、みるみる大きくなり、真っ赤な派手な鎧は砕け散り、体長3mの筋骨隆々のゴリラのような化け物に変身した。胸から吹き出ていた血も止まり、傷も瞬時に治っている。


 「この見た目は、嫌いなので、あまり変身したくなかったが、仕方ない。骨の一つも残さないくらいに、お前を、砕け潰してやろう」

 「ついに、本気を出したのね。私も全力でいくわ」

 「俺を本気にさせた事を、後悔させてやる」


 アレスは、ソールさんを目掛けて突進する。ソールさんの剣は、真っ黒に輝きを放つ。


 「爆炎黒陽斬」

 
 ソールさんの剣を振りかざす。大きな黒炎がアレスを襲う。


 アレスは黒炎を叩き落とす・・・が黒炎は爆発する。アレスの体が炎に包まれる。しかし、燃えながら、アレスはソールさんに襲いかかる。

 アレスは、渾身の力でソールを殴りつける。ソールさんは剣で拳を受け止める。しかし、アレスのパワーに圧倒されて、吹き飛ばされる。燃え盛る体のままアレスは、ソールさんに追撃のパンチを繰り出す。ソールさんは転びながらも、アレスの攻撃をかわす。アレスのパンチは大地に大きな穴を空ける。

 アレスは、攻撃の手を緩めない。ソールさんに目掛けて、何度も何度もパンチを繰り出す。ソールさんは、全てのパンチを紙一重でかわす。2人の戦いの場所の地面には無数の穴が作られる。


 「しぶとい奴め。これで終わりにしてやるぜ」


 アレスは、両手を地面に突き、獣のように四足歩行なる。そして勢いよくソールさんに目掛けて、走り出す。アレスのスピードはさらに速くなる。

 アレスはソールさんの首元を噛みちぎろうと、首元に目掛けて、突進する。

 ソールさんは、避けるのは、やめて、剣を構える。勝負を決める気だ。

 アレスはソールさんの首元目掛けて、飛びかかる・・・・が、中に浮いたまま、動きが止まる。


 「なんだこれは、思うように動かないぞ」


 アレスは手足をバタつかせるが、宙に浮いたまま、動かない。


 「これで終わりだ」

 
 ソールさんの黒炎をまとった剣が、アレスの首に突き刺さる。しかし、アレスの強靭な首を切り落とすことができない。その時ものすごい勢いで、空から、マーニさんが飛び降りてきた。


 「ライトニングストライク」


 マーニさんが、イカズチのように、空から、急降下して、電撃の剣で、アレスの首を切り落とす。


 「ぐはっ・・・」


 アレスの頭部が地面に転がり落ちる。


 「ありがとうマーニ。流石に、バーサーカーモードのアレスには1人では、キツかったわ」


 マーニは風魔法が得意である。風魔法の、ゼログラビティで、アレスの体を宙に留めて、動けなくした。そして、マーニ自身は、風魔法で上空に浮いていたので、空から、風魔法でスピード加速して、アレスの首を切り落とした。


 「バーサーカーモードに入って、アレスは油断したね。それまでは、ソールと戦いながらも、私の位置をしっかりと確認していたわ。バーサーカーモードに入ってからは、私のことは、無視して、ソールにだけ目がいったからね。そして、神剣を手放したのも、こちらにとって、好都合だったわね」

 「そうだね。しかし思った以上に強敵だったわ。王都最強の名は本当だったね。これで、アレスの能力も解除されて、残りの兵士たちも、諦めて、撤退するでしょう」





 アレスとソールさん、マーニさんが戦っている時、同時に強戦士対ラスパ、獣人部隊の戦闘も始まっていた。


 「ソールとマーニがアレスを引きつけているから、俺たちは、強戦士たちを止めるぞ」

 「わかったわ」

 「頑張りましょう」


 3人は特訓成果を発揮するため気合が入っている。一方私は・・・・


 「ルシスちゃん、邪魔だから、降りてくれないか」

 「やだ、やだ」


 私は、ティグレさんの頭の上に乗っている。全体を見渡せるし、何よりもフカフカで気持ち良い。


 「大事な防衛なんだ。冗談を言っている場合じゃないぞ」


 ティグレさんは、怒っている。私は、この場所をできるだけ守りたいので、強戦士に向けて氷球を投げつける。強戦士は、氷球にぶつかると凍って、動かなくなる。


 「ルシスちゃんすごいね」

 「はい、攻撃は私がするので、ティグレさんは、私を運んでください」

 「わかったぜ」


 上手くいったみたいだ。これで、もふもふパラダイスから降りることはない。



 「ロキ、きたぜ」

 「そうだね」


  トールさん、ロキさんは、魔力を、全身から解放して、身体強化、スピードアップ、武器の攻撃力アップを無駄なく、魔力を注いだ。2人の動きは、今までよりもかなり早い。

 2人は。強戦士を次々と倒していく。


 そして、後方から、ポロンさんが、魔法の矢で、強戦士を攻撃する。特訓通りに、矢の作成は微精霊に任せて、ポロンさんは、自身の強化に魔法を専念する。

 ポロンさんの、弓の発射速度、正確性、攻撃力は、今まで以上に強化されていた。


 3人は、次々と強戦士を倒していく。


 「物足りないな。アレスの相手をしたかったぜ」

 「そうだな。でも過信はダメよ。今はあの2人のが、実力は上なんだからね」

 「わかっているぜ、しかし、魔力の使い方で、こんなにも変わるもんなんだな」

 「そうね、いい勉強になったわ」


 強戦士となった、兵隊は弱くはない、むしろかなり強敵のはずなのだが、3人が、かなり強くなってしまったのである。


 「ティグレさんあっちへ行きましょう。次はこっちへ」


 ティグレさんは、私にいいように使われている。しかし、私はきちんと、強戦士を倒していく。


 「ティグレさん、だいぶ、強戦士倒しましたよね」

 「そうだな。もうひと頑張りだな」

 「そうですね」



 「ロキ、強戦士達が、動きが変わったぜ、もしかしたら、ソール達がアレスを倒したのかもしれないな」

 「そうみたいだね。一気に叩きましょう」


 強戦士たちはアレスが、倒れたことにより、アレスの能力の効力が切れてしまった。元に戻った兵士たちは、周りの状況を見て、怯えている。


 「アレス様はどこだ」

 「まさか負けたのか」

 「やばいぞ。逃げろ」


 兵士たちは、怯えて逃げ出した。しかし、このまま逃すことしない。アレスを倒した、ソールさん達も合流して、兵士たちを全て捕獲した。


 「これで、終わりか」

 「そうね。特訓の成果も試せたし、ブラカリの町も守れて、これで安心だね」

 「そうですねわ。大勝利ですわ」


 「ラスパの皆さんお疲れ様です。無事にアレスも倒すことが、できました。これで、教皇に対して、ブラカリの襲撃の証拠を確保できました」

 「お前らも、お疲れさん。アレスの相手は大変だっただろう。ゆっくりと休めよ」

 「ありがとう。今後、教皇がどう出るか、気になるところだけど、今日はゆっくりと休むわ」


 私たちは、ブラカリ襲撃を、無事に阻止することができた。長い夜の決戦は、やっと終わりを告げたのであった。

 
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