17 / 107
ラストパサーとの出会い
第17話 シュティルの森
しおりを挟む
※時は少し遡ります。
「ルーク、あの計画は順調なのか?」
「問題ない。勘の良いお前の母親がラディッシュのギルドに依頼を出したが無駄なことだ。あのいけすかない破壊者諸共全てを喰らいつくしてくれるだろう」
「俺たちも襲われないのか?」
「安心しろ。俺たちは毎週奉納の儀式をして神への感謝を示している。天空神教の信徒は神から守られているので何も心配することはないのだ」
「それを聞いて安心したぜ。破壊者が来て、俺達の計画が台無しにならないかヒヤヒヤしていたが、お前を信じて正解だったぜ」
「明日はギルドから派遣された破壊者が全滅したとの吉報が届く。そして、明後日には計画が実行されて、キャベッジはお前のものになるだろう」
「遂に……俺が町長か。町長の息子である俺を町の門兵にした裁きが下るのだな。ガハハハハハハハ、ガハハハハハハ。とても愉快で気持ちが良いぜ」
3か月前、キャベッジを出て1㎞ほどの場所に小さな小屋が設立された。小屋の玄関には、【天空神教】の看板が掛けられていた。この臨時の天空神教の教会では、週に1度、10名ほどの若い男性の教徒が集まり、会合が開催されていた。
※時は戻ります。
私たちは1階に降りて食堂で食事を済ませると、シュティルの森へ向かうために町の門を出る。
「これはこれは、破壊者の皆様方、やっとシュティルの森への調査に向かわれるのですね」
ローガンはふてぶてしい態度で声をかけてきた。
「今日、全てを解決してきますので、吉報を期待してください」
ロキは厳しい口調で言い返す。ロキは昨日の私の件で、腹立たしい気持ちになっていた。
「お前達が死んだとの吉報を期待して待っているぞ。ガハハハハハハ、ガハハハハハハ」
「あぁぁぁ~。お前……何か知っているやろ」
トールは何か違和感を感じたようだ。
「……何を……言って……いるのかな。俺は何も知らんぞ」
ローガンは明らかに動揺してルークは俯いた。
「皆さん、今日はとても天気が良いのです。こんな日は元気に挨拶をして出発するのが破壊者なのですわ。門兵の皆さん、いってまいります」
「……」
ポロンは胸に手を当てて綺麗にお辞儀をする。能天気なポロンの淑女の挨拶に、ローガンとルークは口をあんぐりと開けて呆然とした。
「あっかんべ~~~だ」
しかし、私は右目を指で下げ、舌を出して意地悪な態度で2人を見送った。
「ロキ、アイツらがルシスに乱暴をしたヤツか」
「そうよ」
「何ですって!ルシスさんに乱暴をはたらくなんて許せませんわ。すぐに引き返して抗議をすべきです」
ポロンは顔を真っ赤にして怒る。
「殲滅のポロンさん、私は気にしてませんのでシュティルの森へ急ぐのです」
「ルシスさんは心の広い方なのですね。まだ子供ですのに立派ですわ」
今思えば、あの門兵が意地悪をしたからラストパサーのメンバーに出会うことができた。今は感謝しているくらいである。
「アイツら、俺たちが死ぬことを確信してたで。何か裏がありそうやな」
「そのようですが、それを裏付ける証拠はないわ。調査を続行するしかないの」
「まぁ、それは心配ですわ。そんな危険な場所へルシスさんをお連れしてもよろしいのでしょうか?」
「私は全然大丈夫なのです」
「ルシスは問題ないやろ」
「私も同感です」
「お2人がそのように言うのであれば問題ありませんわね」
ポロンは納得する。
「ロキ、ここからシュティルの森へどれくらいかかるねん」
「1時間よ」
「まぁ、そんなにも歩かないといけないのですね。それなら途中で休憩が必要ですわ」
シュティルの森は、私が魔界から人界へと追放された場所だった。もしも、森の奥へ進んでいたら私は魔獣のエサになっていた。
「ロキお姉ちゃん、馬車を使わないのですか」
異世界ファンタジーでの移動は馬車が定番である。前世では馬車に乗ったことがないので1度は乗ってみたいと思っていた。
「ルシスちゃん、ごめんね。トールが私の財布からお金を盗んで使い込んだから、馬車を借りることができなかったのよ」
依頼料の前金に馬車の賃料も含まれていたが、トールが使い込んだので馬車を借りることができなかったらしい。
「筋トレや。筋トレ。普段から足腰を鍛えるのが破壊者や」
「ルシスちゃん、トールがお金を使いこむのは毎度のことなのよ。ラストパサーへ加入したことを後悔しないでね」
「大丈夫なのです。私も筋トレを頑張りたいのです」
「ルシスはわかってるやないか!良い新人が入って俺は満足や。キャキャキャキャキャキャ」
「調査に向かう時間までも筋トレに費やすトールさんの行動は尊敬に値します。ぜひとも、その直向きな向上心に私も協力させて頂きます」
ポロンはそのように述べるとトールの背中に抱きついた。
「私はシュティルの森へ着くまでは重りとなって、微力ながらもトールさんのお手伝いをしたいと思います」
「あ!私も手伝うのです」
私はポロンの背中に抱きついた。
「お……お前ら何しとんねん」
「トール、自分の言葉に責任を持ちなさい」
「……」
トールは渋々と私とポロンを背中に担ぎながらシュティルの森へむかうのであった。
楽チン楽チン。
「ルーク、あの計画は順調なのか?」
「問題ない。勘の良いお前の母親がラディッシュのギルドに依頼を出したが無駄なことだ。あのいけすかない破壊者諸共全てを喰らいつくしてくれるだろう」
「俺たちも襲われないのか?」
「安心しろ。俺たちは毎週奉納の儀式をして神への感謝を示している。天空神教の信徒は神から守られているので何も心配することはないのだ」
「それを聞いて安心したぜ。破壊者が来て、俺達の計画が台無しにならないかヒヤヒヤしていたが、お前を信じて正解だったぜ」
「明日はギルドから派遣された破壊者が全滅したとの吉報が届く。そして、明後日には計画が実行されて、キャベッジはお前のものになるだろう」
「遂に……俺が町長か。町長の息子である俺を町の門兵にした裁きが下るのだな。ガハハハハハハハ、ガハハハハハハ。とても愉快で気持ちが良いぜ」
3か月前、キャベッジを出て1㎞ほどの場所に小さな小屋が設立された。小屋の玄関には、【天空神教】の看板が掛けられていた。この臨時の天空神教の教会では、週に1度、10名ほどの若い男性の教徒が集まり、会合が開催されていた。
※時は戻ります。
私たちは1階に降りて食堂で食事を済ませると、シュティルの森へ向かうために町の門を出る。
「これはこれは、破壊者の皆様方、やっとシュティルの森への調査に向かわれるのですね」
ローガンはふてぶてしい態度で声をかけてきた。
「今日、全てを解決してきますので、吉報を期待してください」
ロキは厳しい口調で言い返す。ロキは昨日の私の件で、腹立たしい気持ちになっていた。
「お前達が死んだとの吉報を期待して待っているぞ。ガハハハハハハ、ガハハハハハハ」
「あぁぁぁ~。お前……何か知っているやろ」
トールは何か違和感を感じたようだ。
「……何を……言って……いるのかな。俺は何も知らんぞ」
ローガンは明らかに動揺してルークは俯いた。
「皆さん、今日はとても天気が良いのです。こんな日は元気に挨拶をして出発するのが破壊者なのですわ。門兵の皆さん、いってまいります」
「……」
ポロンは胸に手を当てて綺麗にお辞儀をする。能天気なポロンの淑女の挨拶に、ローガンとルークは口をあんぐりと開けて呆然とした。
「あっかんべ~~~だ」
しかし、私は右目を指で下げ、舌を出して意地悪な態度で2人を見送った。
「ロキ、アイツらがルシスに乱暴をしたヤツか」
「そうよ」
「何ですって!ルシスさんに乱暴をはたらくなんて許せませんわ。すぐに引き返して抗議をすべきです」
ポロンは顔を真っ赤にして怒る。
「殲滅のポロンさん、私は気にしてませんのでシュティルの森へ急ぐのです」
「ルシスさんは心の広い方なのですね。まだ子供ですのに立派ですわ」
今思えば、あの門兵が意地悪をしたからラストパサーのメンバーに出会うことができた。今は感謝しているくらいである。
「アイツら、俺たちが死ぬことを確信してたで。何か裏がありそうやな」
「そのようですが、それを裏付ける証拠はないわ。調査を続行するしかないの」
「まぁ、それは心配ですわ。そんな危険な場所へルシスさんをお連れしてもよろしいのでしょうか?」
「私は全然大丈夫なのです」
「ルシスは問題ないやろ」
「私も同感です」
「お2人がそのように言うのであれば問題ありませんわね」
ポロンは納得する。
「ロキ、ここからシュティルの森へどれくらいかかるねん」
「1時間よ」
「まぁ、そんなにも歩かないといけないのですね。それなら途中で休憩が必要ですわ」
シュティルの森は、私が魔界から人界へと追放された場所だった。もしも、森の奥へ進んでいたら私は魔獣のエサになっていた。
「ロキお姉ちゃん、馬車を使わないのですか」
異世界ファンタジーでの移動は馬車が定番である。前世では馬車に乗ったことがないので1度は乗ってみたいと思っていた。
「ルシスちゃん、ごめんね。トールが私の財布からお金を盗んで使い込んだから、馬車を借りることができなかったのよ」
依頼料の前金に馬車の賃料も含まれていたが、トールが使い込んだので馬車を借りることができなかったらしい。
「筋トレや。筋トレ。普段から足腰を鍛えるのが破壊者や」
「ルシスちゃん、トールがお金を使いこむのは毎度のことなのよ。ラストパサーへ加入したことを後悔しないでね」
「大丈夫なのです。私も筋トレを頑張りたいのです」
「ルシスはわかってるやないか!良い新人が入って俺は満足や。キャキャキャキャキャキャ」
「調査に向かう時間までも筋トレに費やすトールさんの行動は尊敬に値します。ぜひとも、その直向きな向上心に私も協力させて頂きます」
ポロンはそのように述べるとトールの背中に抱きついた。
「私はシュティルの森へ着くまでは重りとなって、微力ながらもトールさんのお手伝いをしたいと思います」
「あ!私も手伝うのです」
私はポロンの背中に抱きついた。
「お……お前ら何しとんねん」
「トール、自分の言葉に責任を持ちなさい」
「……」
トールは渋々と私とポロンを背中に担ぎながらシュティルの森へむかうのであった。
楽チン楽チン。
11
あなたにおすすめの小説
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」
その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ!
「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた!
俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる