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93.翻弄されまくる大人達
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「のあたま、またちたの~、こなーちとあとべば?」
「ね~」
「グレッグやチェイスと少しだけ一緒にブランコしたいと思って来たんだ」
「ぶあんこはぁ、なまかとちゅるのぉ、のあたま、なまかないかなねえ、だんねんねえ」
「ね~」
「そうか、じゃあ別の遊びとかはどうかな? ボール遊びは?」
「ぼーうはぁ、おくのたかあものなからぁ、のあたまにはかてないの~」
「ね~」
グレッグはノア様を試しながら距離を模索しているようですから、かなりノア様を許しはじめているのでしょう。
ノア様が『そうか』と仰って帰ってしまわれたらそこで終わりですが、毎回頑張っておられます。
ここ数日はわたくしが少し離れた場所でも姿が見えれば大丈夫のようなので、今日はベンチの木陰で本を読む事に致しました。
泥団子をせっせと作る今日のグレッグはパン屋さんだそうです。
「のあたまは、おぱなやたんちてね」
ノア様は大ピンチのようで固まっています。
「ど、泥団子で花屋は⋯⋯難易度が高すぎないかな」
真面目なノア様らしいリアクションです。面白そうなので手助けするより放置プレイにさせていたいだきますね。さて、どうやって乗り越えられるのか楽しみでなりません。
呆然として泥を見つめるノア様の横でチェイスは泥の山を作っています。
「えーっと、花だよな」
「うん、おぱなとぱっぱもね」
「葉っぱ⋯⋯」
ヒントはノア様の真後ろにあります。セルゲイ爺ちゃんがお砂場を作ってくれた時にお店屋さん用の小さな花壇を作ってくれたのです。
「ぱんでちたよ~、のあたま、おぱなもててないの? ちかたない、おくがおちえてあげゆね」
すっくと立ち上がったグレッグがすぐ後ろの花壇から小さな花をちぎって来ました。
「そうだった! 花壇があったのをすっかり忘れてた」
「ふふっ、のあたま、わつれんぼたんなから」
「ああ、忘れんぼうだな。教えてくれてありがとう」
「おくは、いーろぉらからね~、たちゅけてあげうの。いらったいまて~、ごちゅうもんはなででっか?」
突然切り替わった舞台に慌てるノア様も面白く、コナー氏はすでに涙を拭きながら笑っておられます。
「その大きいパンを一つもらおうかな?」
「おぱなみっつでつ」
「みっつ⋯⋯ちょっと待っててくれるかい? お花が足りないみたいだ」
「ちかたないでつねえ、ちょっとだけでつからね」
楽しくてスリリングなお店屋さんごっこはもう少し続きそうです。
「のあたま、リィはでったいあでないけどぉ、いいのぉ?」
「ブホッ、ゴホッゴホッ」「ブフッ!」
店じまいした後、コナー氏も誘って五人でお茶会をしている時の爆弾発言です。むせておられるのがノア様で、吹き出して慌てて口を押さえられたのがコナー氏です。
「ゴホッ! ううーん、それは困る。グレッグがティアを大好きなのと同じで、俺もティアが大好きだからなあ」
ノア様のストレートな返答にコナー氏がニヤけておられます。帰りにまた冷やかされても知りませんよ?
グレッグは少し首を傾げ悩んでいましたがいい作戦を思いついたらしく『ニパッ』と満面の笑顔になりました。
「⋯⋯リィはぁおくのだも~ん、いっぱいちゅちちゅちちてるもんね~」
「も~ん、ね~」
「ちゅちちゅち⋯⋯めちゃめちゃ羨ましい」
「は? ノ、ノア様⋯⋯ちょっとお待⋯⋯」
「うらまやちいの?」
「うん、羨ましい。俺とも好き好きしてくれないかなぁ」
「ノア様、子供相手に何を仰っておられますの!?」
ノア様のとんでもない発言に思わず大声を出してしまいました。
「わぁ! ティア⋯⋯い、今のは聞かなかったことに。最近ティアが不足気味でつい⋯⋯その」
「のあたま、ちからりた~、リィにちかりれた~!」
「グレッグ、ノア様とは好き好き仲間じゃなかったっけ?」
流石お友達ですね、コナー氏がフォローに入りました。
「もうなまかでないの、のあたまとおくは、こいのらいばゆだってターニャがいってたかやね」
「プハッ、こ、恋のライバル⋯⋯確かに、しかもグレッグの方が断然リードしてるしね」
「いーどちてるの? こなーち、いーどってなぁに?」
ノア様の顔がニヤけはじめました。少しずつはじまったグレッグの『なになに攻撃』に捕まったのはコナー氏でした。
「リ、リードと言うのは前に進んでるという意味で⋯⋯」
「まえ? どこにいくの?」
「ププッ! そうだな、グレッグの言う通りだ。コナー、前とはどこに進んでるんだ?」
「ノア、後で覚えとけよ」
「あとっていちゅ? なにをおもえるの?」
ループする質問攻撃にノア様とコナー氏がやつれはじめました。
未来の言語学者の少年はお二人に任せ、わたくしはテーブルに頭をぶつけそうになっているチェイスをお昼寝に連れて行きますね。
「ね~」
「グレッグやチェイスと少しだけ一緒にブランコしたいと思って来たんだ」
「ぶあんこはぁ、なまかとちゅるのぉ、のあたま、なまかないかなねえ、だんねんねえ」
「ね~」
「そうか、じゃあ別の遊びとかはどうかな? ボール遊びは?」
「ぼーうはぁ、おくのたかあものなからぁ、のあたまにはかてないの~」
「ね~」
グレッグはノア様を試しながら距離を模索しているようですから、かなりノア様を許しはじめているのでしょう。
ノア様が『そうか』と仰って帰ってしまわれたらそこで終わりですが、毎回頑張っておられます。
ここ数日はわたくしが少し離れた場所でも姿が見えれば大丈夫のようなので、今日はベンチの木陰で本を読む事に致しました。
泥団子をせっせと作る今日のグレッグはパン屋さんだそうです。
「のあたまは、おぱなやたんちてね」
ノア様は大ピンチのようで固まっています。
「ど、泥団子で花屋は⋯⋯難易度が高すぎないかな」
真面目なノア様らしいリアクションです。面白そうなので手助けするより放置プレイにさせていたいだきますね。さて、どうやって乗り越えられるのか楽しみでなりません。
呆然として泥を見つめるノア様の横でチェイスは泥の山を作っています。
「えーっと、花だよな」
「うん、おぱなとぱっぱもね」
「葉っぱ⋯⋯」
ヒントはノア様の真後ろにあります。セルゲイ爺ちゃんがお砂場を作ってくれた時にお店屋さん用の小さな花壇を作ってくれたのです。
「ぱんでちたよ~、のあたま、おぱなもててないの? ちかたない、おくがおちえてあげゆね」
すっくと立ち上がったグレッグがすぐ後ろの花壇から小さな花をちぎって来ました。
「そうだった! 花壇があったのをすっかり忘れてた」
「ふふっ、のあたま、わつれんぼたんなから」
「ああ、忘れんぼうだな。教えてくれてありがとう」
「おくは、いーろぉらからね~、たちゅけてあげうの。いらったいまて~、ごちゅうもんはなででっか?」
突然切り替わった舞台に慌てるノア様も面白く、コナー氏はすでに涙を拭きながら笑っておられます。
「その大きいパンを一つもらおうかな?」
「おぱなみっつでつ」
「みっつ⋯⋯ちょっと待っててくれるかい? お花が足りないみたいだ」
「ちかたないでつねえ、ちょっとだけでつからね」
楽しくてスリリングなお店屋さんごっこはもう少し続きそうです。
「のあたま、リィはでったいあでないけどぉ、いいのぉ?」
「ブホッ、ゴホッゴホッ」「ブフッ!」
店じまいした後、コナー氏も誘って五人でお茶会をしている時の爆弾発言です。むせておられるのがノア様で、吹き出して慌てて口を押さえられたのがコナー氏です。
「ゴホッ! ううーん、それは困る。グレッグがティアを大好きなのと同じで、俺もティアが大好きだからなあ」
ノア様のストレートな返答にコナー氏がニヤけておられます。帰りにまた冷やかされても知りませんよ?
グレッグは少し首を傾げ悩んでいましたがいい作戦を思いついたらしく『ニパッ』と満面の笑顔になりました。
「⋯⋯リィはぁおくのだも~ん、いっぱいちゅちちゅちちてるもんね~」
「も~ん、ね~」
「ちゅちちゅち⋯⋯めちゃめちゃ羨ましい」
「は? ノ、ノア様⋯⋯ちょっとお待⋯⋯」
「うらまやちいの?」
「うん、羨ましい。俺とも好き好きしてくれないかなぁ」
「ノア様、子供相手に何を仰っておられますの!?」
ノア様のとんでもない発言に思わず大声を出してしまいました。
「わぁ! ティア⋯⋯い、今のは聞かなかったことに。最近ティアが不足気味でつい⋯⋯その」
「のあたま、ちからりた~、リィにちかりれた~!」
「グレッグ、ノア様とは好き好き仲間じゃなかったっけ?」
流石お友達ですね、コナー氏がフォローに入りました。
「もうなまかでないの、のあたまとおくは、こいのらいばゆだってターニャがいってたかやね」
「プハッ、こ、恋のライバル⋯⋯確かに、しかもグレッグの方が断然リードしてるしね」
「いーどちてるの? こなーち、いーどってなぁに?」
ノア様の顔がニヤけはじめました。少しずつはじまったグレッグの『なになに攻撃』に捕まったのはコナー氏でした。
「リ、リードと言うのは前に進んでるという意味で⋯⋯」
「まえ? どこにいくの?」
「ププッ! そうだな、グレッグの言う通りだ。コナー、前とはどこに進んでるんだ?」
「ノア、後で覚えとけよ」
「あとっていちゅ? なにをおもえるの?」
ループする質問攻撃にノア様とコナー氏がやつれはじめました。
未来の言語学者の少年はお二人に任せ、わたくしはテーブルに頭をぶつけそうになっているチェイスをお昼寝に連れて行きますね。
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