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第二章
36.ハンバーグの悪足掻き
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高等部の生徒達からも状況を確認した後、ヘニルは学園長を呼ぶように指示を出した。
「次は私の番だね。ふっふっふ、楽しみだよ。あのクソ狸をフルボッコにできるなんてね。あ、君達はこのねぼすけ達の監視を頼むよ」
不穏な笑みを浮かべたヘニルの指示でコリントス自治区の衛兵達がティウ達が並べられている周りを囲んだ。
「さあ、パーティーのはじまりだ。害獣でもある狸の駆除と言った方がいいかもね」
「馬鹿な事を! マーウォルス達がその生徒を殺そうとしたなどあり得ん!」
オリー教授の連絡で駆けつけたヘンリー・バーグ学園長がグロリアに指を突きつけた。
医務室から呼び出された医師ジニー・アボットは薬草学教師のエイル・リュヴィヤと共にティウ達を診察していたが《バインド》が解けた後も目を覚まさない彼等に困惑していた。
「彼等は疲れて眠ってるだけのようなので特に問題はないと思うんですが、これだけの騒ぎの中で一人も起きないなんてあるんでしょうか。エイル先生どう思われますか?」
「それだけ無茶な戦い方をしたのかもしれませんね」
エイルの言葉でホッと胸を撫で下ろしたアボット医師は、話し合いが終わるまで寝かせておくのか医務室に運ぶのか聞こうとして顔を上げた。
「あのぉ⋯⋯」
(《結界》は消したけど《ねんねんね》はどうしよう⋯⋯起こしても平気なら)
グロリアがチラリとアボット医師達の様子を伺うと、小さく笑ったエイルがウインクした気がした。
(ええっ! バレてる?)
「この生徒は入学してから騒ぎを起こし続けておりまして、このままでは退学措置を取らざるを得んと思っていたところです。マーウォルス君達はシビュレーの蛮行を止めようとしたのでしょう。オリー教授と高等部の皆はそれを勘違いした⋯⋯そうとしか思えませんな」
問題解決と言わんばかりに顎を上げ悦にいる学園長がニヘラっと馬鹿にしたように笑うと、気の短そうなロズウェルが杖を向けかけてヘニルに殴られた。
「学園長、バナディス君が殺害を指示しユピテール君が剣を抜いて切り掛かってきたのは私と部員全員が目撃しています。しかも、マーウォルス君は犯行を隠蔽する為に禁忌魔法である記憶操作を行うと明言した。
全員が同じものを見たと証言しているのですから、勘違いなどあり得ません」
「げ、幻惑とか⋯⋯それこそ記憶操作されたのでは?」
「シビュレー君は魔法が使えない。では誰がそのような事をしたと仰るのかな?」
「魔導具を⋯⋯シビュレーに頼まれた誰かが魔導具でも使ったのでしょう。そして、ここにいたオリー教授や生徒達に自分が襲われたように見せかけたに違いない。
オリー教授はシビュレーに随分と肩入れしていると噂されておりますから、そのような方の意見など信用するわけにはまいりませんな」
「ほう、私を疑うと?」
「疑われても仕方ないのではありませんかな。何しろ我々を呼ぶ前に仲間を呼び寄せておられるのだから」
ふんっと鼻を鳴らした学園長がオリーの言葉で青ざめた。
「そうですか⋯⋯スプラウト先生は自白魔法の研究をしておられましたね。使えるようになっているなら、ぜひ私にかけて下さい」
「え、自白魔法⋯⋯な、な、なんの話ですかな?」
「研究室に自白剤もお持ちでしたな、そちらでも構いませんが?」
この世界では自白魔法の独自研究は記憶操作と同様に禁忌とされ、使用不使用に関わらず厳罰となり終生投獄されるか断首。
自白剤は王宮で厳しく管理され、重大な犯罪を犯した者や国家機密に関わる諜報活動を行なった者だけに使用されると決められている。
学園内で研究していたのなら学園長は管理責任を問われ良くて退職、自白剤が研究室で見つかれば同罪とされてしまう可能性が高い。
「馬鹿な事を⋯⋯どこにそんな証拠が!」
「そ、そうです。今はそのような話をしている場合ではありません。彼等の父親が黙っておりませんぞ!」
「ええ、マーウォルス達中等部一年の生徒のしでかした事ですから親の責任は免れないでしょうね」
「はあ? 彼等に逆らってこの国で真面に生活できると思っているとは信じられん愚か者ですな」
ティウ・T・マーウォルス公爵家長男は王位継承順第三位で父は最高裁判所長。
アルゲス・T・ユピテール公爵家長男の父は騎士団団長。
リーグ・H・ウイルド伯爵家長男の父は宰相。
フロディ・F・ガムラ侯爵家三男の父は近々大司教に任命されると噂されている司教。
マルデル・J・バナディス伯爵家長女の父は魔法師団団長。
「確かに錚々たるメンバーだけど、彼等が全員子供の教育に失敗したのは事実だよね。もしかして、学園長を含めてトップを総入れ替えする事になるんじゃないかな?」
ヘニルの言葉に学園長が首を傾げた。
「⋯⋯は?」
「子供が平気で法律違反をする裁判長、当たり前のように剣を人に向けてなぶり殺しを宣言する子供を育てた騎士団団長、人の研究資料を盗んだ子供をもつ宰相、魔法が発動しないと馬鹿力で本棚を投げつける子供に育てた司教、自分の欲望の為に人殺しを指示した子供を溺愛している魔法師団団長⋯⋯。
並べたらすごくないかい? こんなトップの管理する国で暮らすなんて怖気が走るよ。
あ、そんな子供達の行動を知ってもなお別の生徒に罪をなすりつけようとする学園長を忘れていたよ」
(診察をしたアボット医師がリーグのポケットから数枚の研究資料を見つけた時は超驚いた。知識のためなら盗みもするなんて怖すぎだよ)
「そ、それは全部勘違いで⋯⋯そんな証拠がどこにあると言うんだ!? 第一誰も怪我一つしていないのは何故だ!」
「あ、忘れてた。魔法が使えないだけで追い詰めて無理やり退学させようとしたくせに、所属する教師の管理もできていない愚鈍なって言うのも学園長に追加する」
「貴様、私が愚鈍だと! 我等を敵に回してタダで済むと思うなよ。学園内は治外法権だからな、私の言うことが全てなんだ。誰がなんと言おうとそれは覆らん!
もしあれこれ言う奴が出たとしても公爵閣下達が後ろに控えているんだからな」
「うん、言ったねえ。事実だろ? 権力を笠に着て脅すのは悪手だって気付いてもいないし。
まあ、学園長はそこの魔法教師と一緒にギルティだから、治外法権なんて言ってられないね。禁忌魔法関連は除外されないよ」
ヘニルの後ろでは全ての会話を記録している音が聞こえる。
「全部書き取れてるかな?」
「はい、問題なく。念の為魔導具で記録してますし、裁判で証言として使えますよ」
「だ、だったらマーウォルス達の攻撃をどうやって逃れたのか証明してみせろ!」
「部屋の魔導具は不調で動いていないそうだが、入り口横の魔導具は起動している。映像はなくても話は録音されているから、消えてなくなる前に回収しなくてはね」
「次は私の番だね。ふっふっふ、楽しみだよ。あのクソ狸をフルボッコにできるなんてね。あ、君達はこのねぼすけ達の監視を頼むよ」
不穏な笑みを浮かべたヘニルの指示でコリントス自治区の衛兵達がティウ達が並べられている周りを囲んだ。
「さあ、パーティーのはじまりだ。害獣でもある狸の駆除と言った方がいいかもね」
「馬鹿な事を! マーウォルス達がその生徒を殺そうとしたなどあり得ん!」
オリー教授の連絡で駆けつけたヘンリー・バーグ学園長がグロリアに指を突きつけた。
医務室から呼び出された医師ジニー・アボットは薬草学教師のエイル・リュヴィヤと共にティウ達を診察していたが《バインド》が解けた後も目を覚まさない彼等に困惑していた。
「彼等は疲れて眠ってるだけのようなので特に問題はないと思うんですが、これだけの騒ぎの中で一人も起きないなんてあるんでしょうか。エイル先生どう思われますか?」
「それだけ無茶な戦い方をしたのかもしれませんね」
エイルの言葉でホッと胸を撫で下ろしたアボット医師は、話し合いが終わるまで寝かせておくのか医務室に運ぶのか聞こうとして顔を上げた。
「あのぉ⋯⋯」
(《結界》は消したけど《ねんねんね》はどうしよう⋯⋯起こしても平気なら)
グロリアがチラリとアボット医師達の様子を伺うと、小さく笑ったエイルがウインクした気がした。
(ええっ! バレてる?)
「この生徒は入学してから騒ぎを起こし続けておりまして、このままでは退学措置を取らざるを得んと思っていたところです。マーウォルス君達はシビュレーの蛮行を止めようとしたのでしょう。オリー教授と高等部の皆はそれを勘違いした⋯⋯そうとしか思えませんな」
問題解決と言わんばかりに顎を上げ悦にいる学園長がニヘラっと馬鹿にしたように笑うと、気の短そうなロズウェルが杖を向けかけてヘニルに殴られた。
「学園長、バナディス君が殺害を指示しユピテール君が剣を抜いて切り掛かってきたのは私と部員全員が目撃しています。しかも、マーウォルス君は犯行を隠蔽する為に禁忌魔法である記憶操作を行うと明言した。
全員が同じものを見たと証言しているのですから、勘違いなどあり得ません」
「げ、幻惑とか⋯⋯それこそ記憶操作されたのでは?」
「シビュレー君は魔法が使えない。では誰がそのような事をしたと仰るのかな?」
「魔導具を⋯⋯シビュレーに頼まれた誰かが魔導具でも使ったのでしょう。そして、ここにいたオリー教授や生徒達に自分が襲われたように見せかけたに違いない。
オリー教授はシビュレーに随分と肩入れしていると噂されておりますから、そのような方の意見など信用するわけにはまいりませんな」
「ほう、私を疑うと?」
「疑われても仕方ないのではありませんかな。何しろ我々を呼ぶ前に仲間を呼び寄せておられるのだから」
ふんっと鼻を鳴らした学園長がオリーの言葉で青ざめた。
「そうですか⋯⋯スプラウト先生は自白魔法の研究をしておられましたね。使えるようになっているなら、ぜひ私にかけて下さい」
「え、自白魔法⋯⋯な、な、なんの話ですかな?」
「研究室に自白剤もお持ちでしたな、そちらでも構いませんが?」
この世界では自白魔法の独自研究は記憶操作と同様に禁忌とされ、使用不使用に関わらず厳罰となり終生投獄されるか断首。
自白剤は王宮で厳しく管理され、重大な犯罪を犯した者や国家機密に関わる諜報活動を行なった者だけに使用されると決められている。
学園内で研究していたのなら学園長は管理責任を問われ良くて退職、自白剤が研究室で見つかれば同罪とされてしまう可能性が高い。
「馬鹿な事を⋯⋯どこにそんな証拠が!」
「そ、そうです。今はそのような話をしている場合ではありません。彼等の父親が黙っておりませんぞ!」
「ええ、マーウォルス達中等部一年の生徒のしでかした事ですから親の責任は免れないでしょうね」
「はあ? 彼等に逆らってこの国で真面に生活できると思っているとは信じられん愚か者ですな」
ティウ・T・マーウォルス公爵家長男は王位継承順第三位で父は最高裁判所長。
アルゲス・T・ユピテール公爵家長男の父は騎士団団長。
リーグ・H・ウイルド伯爵家長男の父は宰相。
フロディ・F・ガムラ侯爵家三男の父は近々大司教に任命されると噂されている司教。
マルデル・J・バナディス伯爵家長女の父は魔法師団団長。
「確かに錚々たるメンバーだけど、彼等が全員子供の教育に失敗したのは事実だよね。もしかして、学園長を含めてトップを総入れ替えする事になるんじゃないかな?」
ヘニルの言葉に学園長が首を傾げた。
「⋯⋯は?」
「子供が平気で法律違反をする裁判長、当たり前のように剣を人に向けてなぶり殺しを宣言する子供を育てた騎士団団長、人の研究資料を盗んだ子供をもつ宰相、魔法が発動しないと馬鹿力で本棚を投げつける子供に育てた司教、自分の欲望の為に人殺しを指示した子供を溺愛している魔法師団団長⋯⋯。
並べたらすごくないかい? こんなトップの管理する国で暮らすなんて怖気が走るよ。
あ、そんな子供達の行動を知ってもなお別の生徒に罪をなすりつけようとする学園長を忘れていたよ」
(診察をしたアボット医師がリーグのポケットから数枚の研究資料を見つけた時は超驚いた。知識のためなら盗みもするなんて怖すぎだよ)
「そ、それは全部勘違いで⋯⋯そんな証拠がどこにあると言うんだ!? 第一誰も怪我一つしていないのは何故だ!」
「あ、忘れてた。魔法が使えないだけで追い詰めて無理やり退学させようとしたくせに、所属する教師の管理もできていない愚鈍なって言うのも学園長に追加する」
「貴様、私が愚鈍だと! 我等を敵に回してタダで済むと思うなよ。学園内は治外法権だからな、私の言うことが全てなんだ。誰がなんと言おうとそれは覆らん!
もしあれこれ言う奴が出たとしても公爵閣下達が後ろに控えているんだからな」
「うん、言ったねえ。事実だろ? 権力を笠に着て脅すのは悪手だって気付いてもいないし。
まあ、学園長はそこの魔法教師と一緒にギルティだから、治外法権なんて言ってられないね。禁忌魔法関連は除外されないよ」
ヘニルの後ろでは全ての会話を記録している音が聞こえる。
「全部書き取れてるかな?」
「はい、問題なく。念の為魔導具で記録してますし、裁判で証言として使えますよ」
「だ、だったらマーウォルス達の攻撃をどうやって逃れたのか証明してみせろ!」
「部屋の魔導具は不調で動いていないそうだが、入り口横の魔導具は起動している。映像はなくても話は録音されているから、消えてなくなる前に回収しなくてはね」
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