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第一章
79.どこにでも腐ったみかんは存在する
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ここ最近色々なことがありすぎて、溜まりに溜まっていたものがグリモワールの目覚めと共に噴き出したグロリア。
セティのいなくなった屋敷でペラペラのグリモワールを見つめ⋯⋯自分のミスでメイドに迷惑をかけ、ジェイソンから不気味な誘いをかけられた。
早く護符を完成させたくても知識が足らず空回りばかり。そのせいで今も魔力を奪われている人がいるけれど、本当なら自分の仕事なのかもしれないと思うと罪悪感が半端ない。
セティが今日グロリアと話した事をかいつまんで話している間、右手にグリモワールを握りしめ左手でジェニの上着の裾を無意識に握っていた。
「グロリア、寂しかったか?」
「は? まさか、忙し過ぎて寂しがる暇なんて⋯⋯毎日家庭教師づくしだし、図書館にいく暇もないくらいだもん」
言っている意味がわからず首を傾げたグロリアの頭をジェニがガシガシと撫でた。
「そうか、そんなに寂しいならおじちゃんが添い寝し⋯⋯おわっ!」
グロリアが決めたレッグスウィープでバランスを崩したジェニがタタラを踏んだ。
「寂しいわけないじゃん! 見た目は子供でも私はもう成人してるんだからね、寂しいなんてそんな⋯⋯ありえないじゃん」
(あれと一緒だよ。『見た目は子供、頭脳は大人、その名は名探偵コ◯ン』ってやつ。フンだ!)
物心つく前からジェニと3匹がずっとそばにいて、前世の記憶を取り戻した時も彼等はグロリアのそばにいてくれた。彼等が不在になってもセティやグリモワールがいてグロリアはひとりぼっちだと思ったことがなかった。
知らない世界にあり得ない理由で飛ばされて家族に無視されても笑っていられたのは⋯⋯。
ジェニはポロポロと涙が溢れるグロリアの頭を撫で続けた。
「ジェニ、この世界に前世持ちを監禁する国ってあるの?」
魔導具を一日も早く認可させたいフレイズマル侯爵は今年の闘技大会からはじめたいとマルデルを説得したが、ゲームを完全再演したいマルデルは首を縦に振らなかった。
『今年は闘技場で良いにしてはどうかな? 街となるとなかりの日数がかかってしまうから来年以降の企画にすればいい』
『それでは意味がなくて。どうしてもと仰るなら⋯⋯今後先見で何が分かってもみなさんには教えられなくなったり何も見えなくなったりするかも』
(街が完璧じゃなくちゃリアルな戦いっぽくなくなって、見てもつまんないじゃん。作れないなら今あるどこかの街を使えばいいのよ。王都の近くには町や村は一杯あるんだもの、一つくらいなくなったって構わないじゃない。
ったくケチ臭いオッサンって、ヤダヤダ)
『教えられないのも見えなくなるのも困るよ。いったい何故そんな』
『先見の力はとてもデリケートだから、それを疑ったり先送りしたら次が見えなくなるんです』
『そんな! マルデル嬢にはこれからも期待しているんだからね』
『だって、完璧な街でなくてはダメなの。お店には商品が並んでいて屋敷には家具も設置しておかなくては。公園や倉庫、勿論街路樹や花壇もね。
全て先見に出ている通りでなくては』
(はじめはテレビの『逃◯中』がやりたかったけど魔法と剣の世界なら⋯⋯戦うのがガキばかりでも、本物の街で魔法をぶっ放して建物が崩壊して⋯⋯映画の戦闘シーンみたいなのが面白そうじゃん。馬がヒヒーンって鳴いて馬車がバーンって横倒しになるの。
血だらけ傷だらけになってドブネズミみたいに逃げ回る犯人を追いかけるのがハンターだから黒服で揃えなくちゃ。でもこの世界にはサングラスがないんだよねー。
ならハンターの代わりに騎士服着せようかな。その中央にティアラを被ってドレスを着た私が立って『姫様を守れ!』とか言われちゃうの。
メンバーの振り分けには気をつけなくちゃ。こっちはイケメンで揃えて、女とブサイクは犯人ね)
脳内の妄想をかけらも感じさせない超絶美少女が目を潤ませて侯爵達を見上げた。
『先見の力は強大で』
『街の外観や詳細までか⋯⋯』
『どこか既存の街を使ったらすぐに開催できるでしょう?』
『それは住民の反対が⋯⋯ビジョン通りの街が見つかるかどうかも分からんし』
『探せばきっとあるはずです。お手伝いします、ビジョンが教えてくれるから』
『住民の住居の確保以外に、魔法の使用を許可するとなると修復だの補償だのの問題まで出てくるしな』
(面倒くさ! なんでこんなしょぼい奴しかいないんだろ? もっとじっくり探したほうが良かったかなあ。
手っ取り早くオッタルと繋がりを作る為にコイツに話を持ってったけど、たかが街一つで狼狽えるなんて、ガッカリ)
マルデルの説明がいつも漠然としすぎて、聞き出すまでに時間がかかるのは適当に話を誤魔化しているから。
可愛らしい態度でビジョンが⋯⋯と言っておけば、足りない部分は周りの者が勝手に想像してくれる。
本当はマルデルの理想に合えばどこでも構わない。
(恐らく、上下水道の利権での儲けと『Movere』の儲けを全て合わせても足りない。出資者を募る方法を考えるか⋯⋯)
『私の頭の中には次の予知が見えはじめてるのだけど、街のビジョンがそれを見せるのを邪魔するんです。街が作れないなら新しい予知は当分諦めて下さい』
『次のビジョン?』
『はい、フレイズマル卿やヴァ○△ルー□☆ル様に満足して貰えるくらいのビジョンが見えかけていて』
『現状わかっていることだけでも教えてくれないか? 大まかな⋯⋯上下水道のように国を挙げてのものか魔導具のような特殊な物かだけでも』
『もしかして、私を疑っているのですか?』
『まさか! マルデル嬢を疑うわけがないだろう?』
『街の大まかな構想ができたら次のビジョンは必ず明確になります』
(オッタルはもう捕まえたから、コイツはもう少ししたら味見して⋯⋯別の男を探そうかな。もっと美味しそうな奴は何人か見つけてるし)
予想より大掛かりになりはじめ今年の開催を断念した侯爵達は、来年の大会で『フリー』部門を新設する為にあちこちに手を回しながら、開催場所になる街の土地の誘致や建設費用の捻出に頭を悩ませることになった。
その合間に魔導塔の研究者を訪ね⋯⋯。
『今回は諦めるしかあるまい。マルデル嬢はまだ8歳だと言うのに既に上下水道と『Movere』と『Cessiōne』と言う3種類の実績があるんだ。これから先、この娘の先見の力で稼げる金額と名誉を考えたら⋯⋯。それを別の者に奪われるのはマズい』
(小賢しいジジイだがコイツがいなければ魔導具の開発が進まん。上下水道にしても肝心な仕組みはジジイ頼りだし⋯⋯小娘とジジイは俺様の金のなる木だからな)
『ああ、今回限りの我儘だと思ってなんとかするしかあるまい。
次の先見がもう目の前まで来ておるのならば、それを一刻も早く知らねばならんしな。小娘に振り回されるのは癪に障るが、先見の力を真に理解し正しく扱えるのはワシしかおらんからな』
(今の所自分では気づいておらんようじゃが、ふわふわと掴みどころのない小娘はあの女の生まれ変わりで間違いなかろう、いやらしい女神臭がプンプンしておる。
先見の力と勘違いしておるようじゃが、恐らくセイズの一部⋯⋯今度はワシの天下じゃて)
セティのいなくなった屋敷でペラペラのグリモワールを見つめ⋯⋯自分のミスでメイドに迷惑をかけ、ジェイソンから不気味な誘いをかけられた。
早く護符を完成させたくても知識が足らず空回りばかり。そのせいで今も魔力を奪われている人がいるけれど、本当なら自分の仕事なのかもしれないと思うと罪悪感が半端ない。
セティが今日グロリアと話した事をかいつまんで話している間、右手にグリモワールを握りしめ左手でジェニの上着の裾を無意識に握っていた。
「グロリア、寂しかったか?」
「は? まさか、忙し過ぎて寂しがる暇なんて⋯⋯毎日家庭教師づくしだし、図書館にいく暇もないくらいだもん」
言っている意味がわからず首を傾げたグロリアの頭をジェニがガシガシと撫でた。
「そうか、そんなに寂しいならおじちゃんが添い寝し⋯⋯おわっ!」
グロリアが決めたレッグスウィープでバランスを崩したジェニがタタラを踏んだ。
「寂しいわけないじゃん! 見た目は子供でも私はもう成人してるんだからね、寂しいなんてそんな⋯⋯ありえないじゃん」
(あれと一緒だよ。『見た目は子供、頭脳は大人、その名は名探偵コ◯ン』ってやつ。フンだ!)
物心つく前からジェニと3匹がずっとそばにいて、前世の記憶を取り戻した時も彼等はグロリアのそばにいてくれた。彼等が不在になってもセティやグリモワールがいてグロリアはひとりぼっちだと思ったことがなかった。
知らない世界にあり得ない理由で飛ばされて家族に無視されても笑っていられたのは⋯⋯。
ジェニはポロポロと涙が溢れるグロリアの頭を撫で続けた。
「ジェニ、この世界に前世持ちを監禁する国ってあるの?」
魔導具を一日も早く認可させたいフレイズマル侯爵は今年の闘技大会からはじめたいとマルデルを説得したが、ゲームを完全再演したいマルデルは首を縦に振らなかった。
『今年は闘技場で良いにしてはどうかな? 街となるとなかりの日数がかかってしまうから来年以降の企画にすればいい』
『それでは意味がなくて。どうしてもと仰るなら⋯⋯今後先見で何が分かってもみなさんには教えられなくなったり何も見えなくなったりするかも』
(街が完璧じゃなくちゃリアルな戦いっぽくなくなって、見てもつまんないじゃん。作れないなら今あるどこかの街を使えばいいのよ。王都の近くには町や村は一杯あるんだもの、一つくらいなくなったって構わないじゃない。
ったくケチ臭いオッサンって、ヤダヤダ)
『教えられないのも見えなくなるのも困るよ。いったい何故そんな』
『先見の力はとてもデリケートだから、それを疑ったり先送りしたら次が見えなくなるんです』
『そんな! マルデル嬢にはこれからも期待しているんだからね』
『だって、完璧な街でなくてはダメなの。お店には商品が並んでいて屋敷には家具も設置しておかなくては。公園や倉庫、勿論街路樹や花壇もね。
全て先見に出ている通りでなくては』
(はじめはテレビの『逃◯中』がやりたかったけど魔法と剣の世界なら⋯⋯戦うのがガキばかりでも、本物の街で魔法をぶっ放して建物が崩壊して⋯⋯映画の戦闘シーンみたいなのが面白そうじゃん。馬がヒヒーンって鳴いて馬車がバーンって横倒しになるの。
血だらけ傷だらけになってドブネズミみたいに逃げ回る犯人を追いかけるのがハンターだから黒服で揃えなくちゃ。でもこの世界にはサングラスがないんだよねー。
ならハンターの代わりに騎士服着せようかな。その中央にティアラを被ってドレスを着た私が立って『姫様を守れ!』とか言われちゃうの。
メンバーの振り分けには気をつけなくちゃ。こっちはイケメンで揃えて、女とブサイクは犯人ね)
脳内の妄想をかけらも感じさせない超絶美少女が目を潤ませて侯爵達を見上げた。
『先見の力は強大で』
『街の外観や詳細までか⋯⋯』
『どこか既存の街を使ったらすぐに開催できるでしょう?』
『それは住民の反対が⋯⋯ビジョン通りの街が見つかるかどうかも分からんし』
『探せばきっとあるはずです。お手伝いします、ビジョンが教えてくれるから』
『住民の住居の確保以外に、魔法の使用を許可するとなると修復だの補償だのの問題まで出てくるしな』
(面倒くさ! なんでこんなしょぼい奴しかいないんだろ? もっとじっくり探したほうが良かったかなあ。
手っ取り早くオッタルと繋がりを作る為にコイツに話を持ってったけど、たかが街一つで狼狽えるなんて、ガッカリ)
マルデルの説明がいつも漠然としすぎて、聞き出すまでに時間がかかるのは適当に話を誤魔化しているから。
可愛らしい態度でビジョンが⋯⋯と言っておけば、足りない部分は周りの者が勝手に想像してくれる。
本当はマルデルの理想に合えばどこでも構わない。
(恐らく、上下水道の利権での儲けと『Movere』の儲けを全て合わせても足りない。出資者を募る方法を考えるか⋯⋯)
『私の頭の中には次の予知が見えはじめてるのだけど、街のビジョンがそれを見せるのを邪魔するんです。街が作れないなら新しい予知は当分諦めて下さい』
『次のビジョン?』
『はい、フレイズマル卿やヴァ○△ルー□☆ル様に満足して貰えるくらいのビジョンが見えかけていて』
『現状わかっていることだけでも教えてくれないか? 大まかな⋯⋯上下水道のように国を挙げてのものか魔導具のような特殊な物かだけでも』
『もしかして、私を疑っているのですか?』
『まさか! マルデル嬢を疑うわけがないだろう?』
『街の大まかな構想ができたら次のビジョンは必ず明確になります』
(オッタルはもう捕まえたから、コイツはもう少ししたら味見して⋯⋯別の男を探そうかな。もっと美味しそうな奴は何人か見つけてるし)
予想より大掛かりになりはじめ今年の開催を断念した侯爵達は、来年の大会で『フリー』部門を新設する為にあちこちに手を回しながら、開催場所になる街の土地の誘致や建設費用の捻出に頭を悩ませることになった。
その合間に魔導塔の研究者を訪ね⋯⋯。
『今回は諦めるしかあるまい。マルデル嬢はまだ8歳だと言うのに既に上下水道と『Movere』と『Cessiōne』と言う3種類の実績があるんだ。これから先、この娘の先見の力で稼げる金額と名誉を考えたら⋯⋯。それを別の者に奪われるのはマズい』
(小賢しいジジイだがコイツがいなければ魔導具の開発が進まん。上下水道にしても肝心な仕組みはジジイ頼りだし⋯⋯小娘とジジイは俺様の金のなる木だからな)
『ああ、今回限りの我儘だと思ってなんとかするしかあるまい。
次の先見がもう目の前まで来ておるのならば、それを一刻も早く知らねばならんしな。小娘に振り回されるのは癪に障るが、先見の力を真に理解し正しく扱えるのはワシしかおらんからな』
(今の所自分では気づいておらんようじゃが、ふわふわと掴みどころのない小娘はあの女の生まれ変わりで間違いなかろう、いやらしい女神臭がプンプンしておる。
先見の力と勘違いしておるようじゃが、恐らくセイズの一部⋯⋯今度はワシの天下じゃて)
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