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第一章
57.あの番組をパクるとは!
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(ゲームをやる? 内容からすると発案者は絶対樹里だと思うけど、何が狙いなんだろう)
「フノーラ、すごく面白そうなゲームね」
「でしょう? お姉様には思いつかないと思うけど」
「うん、そんなすごい事私には無理」
(ただのリアル鬼ごっこだけどね。テレビで見るのはすっごく楽しかったけど、リアルでやるって何がいいのか分かんない。だってどこにも中継カメラないのに⋯⋯魔導具にあるのかなぁ。それならちょっと面白そう)
「同い年なのになさけないわよねー。だからこの間の先生なんてやめればよかったのに」
(もしかして教授のアレかな?)
「うーん、この間ってどの先生だろ? 最近増えたから⋯⋯」
「算術の先生。あの人って大学の先生なんだって。だから、お姉様の頭ではりかいできないはずだっておっしゃってたわ。もっとかんたんな事だけを教えてくれる先生の名前もおしえてもらってたのに」
「そうなんだ。なんて名前?」
「女の子で、うーん、女の子みたいな?⋯⋯忘れたわ、もうどうでもいいもん。別の先生になっちゃったし」
(この世界の女性で算術を教えられる人なんて珍しい。女の子みたいってどう意味だろう)
気疲れする夕食を終えたグロリアは寝支度を整えて、グリモワールをポーチから出した。
(まだ戻んない、それもそうか⋯⋯一週間って長いなあ)
寝支度をはじめるにはまだ早すぎるので、グロリアは以前作った護符やノートを取り出して机に向かった。
蝋燭の火が時折ジュッと音を立て、時計のカチカチいう音が部屋に響く。集中してトリプルバインドの護符作成に取り組んでいると全ての音が消え、部屋の温度が下がっていった。
「さむ! 天候を変えるのって難しい」
背を伸ばしたグロリアが部屋を見回すと、護符から漏れた力が窓ガラスにびっしりと霜をつけ床が白く凍っていた。
「ヤバい⋯⋯これどうしよう⋯⋯か、書いてただけなのに⋯⋯あ、あ、護符が机にくっついてはげない!」
カチカチに凍りついて白くなった窓ガラス、歩けば確実に滑って転びそうな床。本棚の本の背表紙に氷が張って読めなくなっている。ランプがジュッという音とともに消え、部屋の中は真っ暗闇になった。
(てか、椅子が動かないから立てないじゃん。スカートが椅子に張り付いてるし)
部屋の空気が冷えすぎて吐く息が白いはず。髪に霜が降りる頃には机の上も厚みのある氷が張りはじめたらしく手に当たる感触が変わっていく。
指先が痛いほど痺れ唇が乾いているのが感じられた。
(マ、マズイよね。どどど、どうしよう。護符片付けれなかったらこのまま氷が⋯⋯こんな状態じゃピアスも出せない?)
グロリアが意を決して試してみた。
(おね、お願い。ピアス)
手の中に小さな金属の感触がした時、涙が出そうになった。『間違いなく怒られる』と思いながら、小さくため息をついてジェニに呼びかけた。
「こんな時間に、ご、ごめん。今何してる?」
「大したことはしてねえ。どした?」
「あー、退屈だな~とか暇だな~って思ってたら。ちょびっとその⋯⋯ゴニョゴニョ」
「本がねえから寂しくなって子守唄でも歌って欲しくなったか?」
「う、いや、ちょっと教えて欲しいなあとか。試したいことが⋯⋯ほんと、大したことじゃないん⋯⋯だけど」
チラチラと窓を見上げたグロリアが『ひっ!』と声を上げた。
(氷、分厚くなってない? 外が見えないどころの騒ぎじゃないよ! 室内履の中にも氷だし床にくっついてるし)
「ふっふっふ、お困りでしたら『夜這いサービス』承りますけどお?」
「よ、よば⋯⋯部屋でちょ、ちょびっと火を焚く方法とか、あったかい風をふ⋯⋯」
「やめろ!! バカなことは考えるな!! なんだ?自殺願望でも生まれたか? 間抜けだって生きてていいんだからな。お前にもちびっとくらいいいとこもあるはずだからな! きっとある、いつか見つかるから。だから諦めるな!!
一人が寂しいならヴァンのぬいぐるみとか準備してやる。もふもふのふかふかのやつ、抱っこしてりゃそのうちに得意なこととかも見つかる可能性がなくはないんだからな。例えばその⋯⋯」
「そ、そこまで言わなくても⋯⋯へっ、へへ、部屋が凍っただけなのにぃ」
「⋯⋯⋯⋯すぐ行く。そのまま動くな」
プチンと通信が切れた気配がして、すぐ横にジェニが現れ部屋が明るくなった。
「プププッ、すまん。動くなって言わなくても、動けねえな」
机に張り付いた護符を温めて引っ剥がしたジェニがグロリアに手渡そうとしたが、グロリアはドレスが凍りついて動けない。
「ほんと、手のかかる奴だなあ」
「ご、ご、ご、ごめっ、ごめん」
「いいから黙ってな」
ジェニが右手から熱風を出し部屋を急速解凍した後、巨大な盥に温かいお湯を入れてグロリアをドレスごと湯の中に座らせた。
「ここまで凍りついたらあんまり熱い湯は使えねえ」
「う、うん。ち、ちってる。や、や、やけろになっなる」
ジェニが小さな桶で肩からお湯をかけながら出してくれたホットミルクを受け取ろうとしたグロリアの手がカタカタと震えた。
「ほら、一緒に持ってやるからゆっくり飲め」
時間をかけて少しずつお湯の温度を上げ、グロリアの顔に赤みが戻ってきた頃にジェニの拳骨が落ちた。
「ぐふっ! ごめんなさい」
「お前には危機管理能力っちゅうもんはねえのかよ! 別の世界にはな、年中氷点下のとこもある、氷付けになりたいんなら今度そこに放り込んでやる」
「⋯⋯ごめんなさいってば!」
「あの護符は天候操作の中でも雪を降らすやつだよな、なにがしたかったんだ?」
「⋯⋯もうしない」
俯いたまま話をはぐらかすグロリアの顎に指をかけ、クイっと持ち上げたジェニが顔を覗き込んだ。
「だから、何がしたかったのかおじちゃんに言ってみ」
「⋯⋯」
「吐け! 吐かねえならお仕置き⋯⋯不足分のちゅう一回」
「やだ! 不足なんてないもん」
「んじゃ、貸し一回分の取り立て?」
「貸しもないから」
「ほう、なら前払いってやつでどうだ? リアちゃんは今後もやらかすだろうしなぁ」
「⋯⋯⋯⋯ゆ、雪の彫刻⋯⋯見たかったなって、ちょっと思っただけ」
ジェニが家族を取り戻せたのは純粋に嬉しかったし、良かったねと言ったのもグロリアの本心だった。
ジェニの屋敷からの帰り道ふと⋯⋯。
(前世に戻れないならこっちに来てくれないかな。そしたら私も家族が取り戻せる)
そう思った瞬間体が硬直した。グロリアが考えたソレは『家族の死』を望んだのと同じ事で、自分が全てを失ったように家族にも全てを失わせようと考えたのと同じ事。
(私ってなんて自分勝手なんだろう。家族がいつか別の場所に生まれ変わる時期が来た時だって、自分の人生とは二度と交わらないって知ってるのに⋯⋯それを捻じ曲げたいなんて)
輪廻の輪から外れたというのはそういう事なのだろうと思っている。生まれ変わったら記憶がなくなるのだから関係ない⋯⋯と思いながらも未だに心がついていかない。
最後に覚えている大学の友達からきたメッセージ。
『今度の休み、みんなで雪まつりに行くんだから早く元気になってね~。インフルなんて吹っ飛ばしちゃえ!』
「フノーラ、すごく面白そうなゲームね」
「でしょう? お姉様には思いつかないと思うけど」
「うん、そんなすごい事私には無理」
(ただのリアル鬼ごっこだけどね。テレビで見るのはすっごく楽しかったけど、リアルでやるって何がいいのか分かんない。だってどこにも中継カメラないのに⋯⋯魔導具にあるのかなぁ。それならちょっと面白そう)
「同い年なのになさけないわよねー。だからこの間の先生なんてやめればよかったのに」
(もしかして教授のアレかな?)
「うーん、この間ってどの先生だろ? 最近増えたから⋯⋯」
「算術の先生。あの人って大学の先生なんだって。だから、お姉様の頭ではりかいできないはずだっておっしゃってたわ。もっとかんたんな事だけを教えてくれる先生の名前もおしえてもらってたのに」
「そうなんだ。なんて名前?」
「女の子で、うーん、女の子みたいな?⋯⋯忘れたわ、もうどうでもいいもん。別の先生になっちゃったし」
(この世界の女性で算術を教えられる人なんて珍しい。女の子みたいってどう意味だろう)
気疲れする夕食を終えたグロリアは寝支度を整えて、グリモワールをポーチから出した。
(まだ戻んない、それもそうか⋯⋯一週間って長いなあ)
寝支度をはじめるにはまだ早すぎるので、グロリアは以前作った護符やノートを取り出して机に向かった。
蝋燭の火が時折ジュッと音を立て、時計のカチカチいう音が部屋に響く。集中してトリプルバインドの護符作成に取り組んでいると全ての音が消え、部屋の温度が下がっていった。
「さむ! 天候を変えるのって難しい」
背を伸ばしたグロリアが部屋を見回すと、護符から漏れた力が窓ガラスにびっしりと霜をつけ床が白く凍っていた。
「ヤバい⋯⋯これどうしよう⋯⋯か、書いてただけなのに⋯⋯あ、あ、護符が机にくっついてはげない!」
カチカチに凍りついて白くなった窓ガラス、歩けば確実に滑って転びそうな床。本棚の本の背表紙に氷が張って読めなくなっている。ランプがジュッという音とともに消え、部屋の中は真っ暗闇になった。
(てか、椅子が動かないから立てないじゃん。スカートが椅子に張り付いてるし)
部屋の空気が冷えすぎて吐く息が白いはず。髪に霜が降りる頃には机の上も厚みのある氷が張りはじめたらしく手に当たる感触が変わっていく。
指先が痛いほど痺れ唇が乾いているのが感じられた。
(マ、マズイよね。どどど、どうしよう。護符片付けれなかったらこのまま氷が⋯⋯こんな状態じゃピアスも出せない?)
グロリアが意を決して試してみた。
(おね、お願い。ピアス)
手の中に小さな金属の感触がした時、涙が出そうになった。『間違いなく怒られる』と思いながら、小さくため息をついてジェニに呼びかけた。
「こんな時間に、ご、ごめん。今何してる?」
「大したことはしてねえ。どした?」
「あー、退屈だな~とか暇だな~って思ってたら。ちょびっとその⋯⋯ゴニョゴニョ」
「本がねえから寂しくなって子守唄でも歌って欲しくなったか?」
「う、いや、ちょっと教えて欲しいなあとか。試したいことが⋯⋯ほんと、大したことじゃないん⋯⋯だけど」
チラチラと窓を見上げたグロリアが『ひっ!』と声を上げた。
(氷、分厚くなってない? 外が見えないどころの騒ぎじゃないよ! 室内履の中にも氷だし床にくっついてるし)
「ふっふっふ、お困りでしたら『夜這いサービス』承りますけどお?」
「よ、よば⋯⋯部屋でちょ、ちょびっと火を焚く方法とか、あったかい風をふ⋯⋯」
「やめろ!! バカなことは考えるな!! なんだ?自殺願望でも生まれたか? 間抜けだって生きてていいんだからな。お前にもちびっとくらいいいとこもあるはずだからな! きっとある、いつか見つかるから。だから諦めるな!!
一人が寂しいならヴァンのぬいぐるみとか準備してやる。もふもふのふかふかのやつ、抱っこしてりゃそのうちに得意なこととかも見つかる可能性がなくはないんだからな。例えばその⋯⋯」
「そ、そこまで言わなくても⋯⋯へっ、へへ、部屋が凍っただけなのにぃ」
「⋯⋯⋯⋯すぐ行く。そのまま動くな」
プチンと通信が切れた気配がして、すぐ横にジェニが現れ部屋が明るくなった。
「プププッ、すまん。動くなって言わなくても、動けねえな」
机に張り付いた護符を温めて引っ剥がしたジェニがグロリアに手渡そうとしたが、グロリアはドレスが凍りついて動けない。
「ほんと、手のかかる奴だなあ」
「ご、ご、ご、ごめっ、ごめん」
「いいから黙ってな」
ジェニが右手から熱風を出し部屋を急速解凍した後、巨大な盥に温かいお湯を入れてグロリアをドレスごと湯の中に座らせた。
「ここまで凍りついたらあんまり熱い湯は使えねえ」
「う、うん。ち、ちってる。や、や、やけろになっなる」
ジェニが小さな桶で肩からお湯をかけながら出してくれたホットミルクを受け取ろうとしたグロリアの手がカタカタと震えた。
「ほら、一緒に持ってやるからゆっくり飲め」
時間をかけて少しずつお湯の温度を上げ、グロリアの顔に赤みが戻ってきた頃にジェニの拳骨が落ちた。
「ぐふっ! ごめんなさい」
「お前には危機管理能力っちゅうもんはねえのかよ! 別の世界にはな、年中氷点下のとこもある、氷付けになりたいんなら今度そこに放り込んでやる」
「⋯⋯ごめんなさいってば!」
「あの護符は天候操作の中でも雪を降らすやつだよな、なにがしたかったんだ?」
「⋯⋯もうしない」
俯いたまま話をはぐらかすグロリアの顎に指をかけ、クイっと持ち上げたジェニが顔を覗き込んだ。
「だから、何がしたかったのかおじちゃんに言ってみ」
「⋯⋯」
「吐け! 吐かねえならお仕置き⋯⋯不足分のちゅう一回」
「やだ! 不足なんてないもん」
「んじゃ、貸し一回分の取り立て?」
「貸しもないから」
「ほう、なら前払いってやつでどうだ? リアちゃんは今後もやらかすだろうしなぁ」
「⋯⋯⋯⋯ゆ、雪の彫刻⋯⋯見たかったなって、ちょっと思っただけ」
ジェニが家族を取り戻せたのは純粋に嬉しかったし、良かったねと言ったのもグロリアの本心だった。
ジェニの屋敷からの帰り道ふと⋯⋯。
(前世に戻れないならこっちに来てくれないかな。そしたら私も家族が取り戻せる)
そう思った瞬間体が硬直した。グロリアが考えたソレは『家族の死』を望んだのと同じ事で、自分が全てを失ったように家族にも全てを失わせようと考えたのと同じ事。
(私ってなんて自分勝手なんだろう。家族がいつか別の場所に生まれ変わる時期が来た時だって、自分の人生とは二度と交わらないって知ってるのに⋯⋯それを捻じ曲げたいなんて)
輪廻の輪から外れたというのはそういう事なのだろうと思っている。生まれ変わったら記憶がなくなるのだから関係ない⋯⋯と思いながらも未だに心がついていかない。
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