51 / 248
第一章
50.はいはいはい!私の出番ね、やるやらせて!
しおりを挟む
「魔導塔監視用のメンバーはスルトって言う元巨人族を使うつもりなんだけど、呼び出したら逃げ出しやがったんでヴァンに行かせた」
再びグロリアの心の声に気付いたジェニが教えてくれたが⋯⋯。
「その人が嫌がってるなら」
セティと初めて会った時を思い出したグロリアは俯いてしまった。
(ジェニ達に全部押し付けてる私が言うのはダメだけど、無理強いになったら申し訳ないよね)
「いや、奴が逃げ出したのは王都に来るのが嫌なだけで、それ以上の餌をぶら下げたからあっという間に巣穴から飛び出してくる」
「それがヴァンってこと?」
「そ、因みにめんどくせぇ奴だからヴァンの機嫌が超ヤバい」
「もしかして⋯⋯マールにとってのヘルだったり?」
「おー、珍しくいい線いってんじゃん。ヴァンが不貞腐れるから、当分の間ここには出入り禁止にする予定だがな」
(ヴァンにも春が来てたのかぁ。スルトちゃんって可愛いのかなぁ、友達になれたりする? そう言えば、今世の私って女の子の友達っていないじゃん。ヘルに友達だって言ったら嫌がるかなぁ)
「ねえ、スルトちゃんってどんな子? 女子トークできたりする感じかな?」
「ぶふっ!」
(癇癪持ちの大男で怒ると所かまわず火魔法を打ちまくる癖があるし、なんなら炎を纏わせた剣で屋敷ごとぶった斬りそうな奴なんだが。スルトの女子トーク⋯⋯聞いてみてえ~)
「ゴホン! あーそんなわけで、人手が足りんのだわ」
ひとしきり大笑いしたジェニが気を取り直して真面目な顔でグロリアをチラ見した。
「はいはい! 私、私手伝いまーす!」
3匹があちこち走り回ってセティがモジモジしながら情報収集に勤しんでいる今、是非手伝いたいと手を上げたグロリアだった。
「おう、こいつはグロリアにしかできん。普段の間抜けっぷりを片付けてだな、こわ~い顔でバシッと決めて欲しい!」
うんうんと首を縦に振ったグロリアはキラキラと目を輝かせた。
(漸くお手伝いできる時がきたー!!)
「で、どうすればいいの?」
「裏切り者の炙り出し、はじめっか」
「裏切り者?」
予想外の言葉にグロリアの顔がこわばった。
「おう、そいつはな、しれっとした顔で大事な情報を隠し込んでいやがる。最低の裏切り行為だと思わねえか?」
「う、うん。確かにいけない事だと思う。思うけど、一体誰がそんな」
「情報を一言でも漏らしてたらタダじゃおかねえ。グロリア、『ゲニウスの本』を出してくれ」
(⋯⋯この流れって。ほ、本が裏切り者って事?)
少し震えながらポーチから本を取り出したグロリアは古びた表紙の文字をそっと撫でた。
(嘘だよね、だって毎日一緒にいていっぱい教えてくれて⋯⋯合ってたら柔らかく光って、間違ってたらブルブル震えて)
「おい、なんか言う事あんじゃねえのか!?」
【⋯⋯ワシは契約者のグロリアを裏切れん。じゃから、裏切り者なんかではない!!】
「しゃ、喋ったあ!! うそお!」
「契約者にとって重要な事を黙っとくのは裏切りだろ?」
【重要かどうかなんぞワシは知らん! ワシはただの古ーい本じゃ】
「嘘をこくなら、この場で燃やしてやろうか? てめえはよーく燃えるって知ってるんだぜ?」
【ワ、ワシの知識が消えてなくなってもええんかい!】
「なきゃないで、他の方法を探す。てめえのせいでクソ野郎に力の一部が戻ったんだよな。ああ? なんとか言ってみろよ!!」
【それは⋯⋯ワシの、その】
「新しい契約者が不利になる可能性もわからんのなら、もういらねー」
ジェニの手から炎が立ち上がった。鮮やかな赤い色の炎はオレンジ色に変わり、その後一気に黄色に変わっていった。
無言を貫いている『本』は色が変わるたびにグロリアの手の中で少しずつ重さを増している。
「まだまだ行くぜ。てめえが最後に見る炎だからなぁ、大盤振る舞いしてやるよ。グロリア、本を下に置いてここから離れろ」
冷ややかな目つきで突き放すように言ったジェニの言葉が終わると同時に小さく白く輝きはじめた炎の推定温度は6500度。
指輪の防御がフル稼働していても耐えられないほどの熱さにグロリアが本を下に置いて後退りすると、白い炎は少しずつ大きくなりながら青みを増していった。
「青の炎は1万度以上って知ってっか? クソ野郎の魔術がかかってても元はペラペラの羊皮紙、どっちが勝つか勝負じゃあ!!」
ジェニが手を振り上げた途端、『ゲニウスの本』がぴょんと飛び上がった。
【待て! ワシが悪かった!! その火はマズイ⋯⋯ロキ、貴様はなんちゅう奴じゃ。青の炎じゃと? あっすまん、許してくれ、許して下さい。ひぃ、ごめんなさい!! グロリア、助けてくれぇ】
「え~、秘密作られてたのに~? 流石にそれはちょっとショックが大きすぎるかな~。これじゃあもう、関わりたくないって思っても仕方ないよね~。
うん、今までありがとう。すっごく勉強になった」
【ル、ルーン魔術!! ワシがおらんかったらルーン魔術の勉強ができんように⋯⋯】
「私は元々魔法だの魔術だののない世界にいたからぁ、なければないで生きてけるかなーって思ったりもするのぉ。
ルーン魔術ってかなり危険でしょ~。永遠に消滅した方が安全とか?」
【ワシはすんごい優秀なんじゃ! 危険どころかなんでも望みを叶える方法を教えちゃる、ほれ言ってみ?】
「だったら、前世に生き返らせて」
【へ?】
「前世の両親とお姉ちゃんのとこに帰りたい。大学行って勉強して、帰りに友達やジェニや3匹やヘルと、セティも一緒にサー○ィ△ンのアイス食べに行きたい。
休みの日にお母さんの作ったご飯食べて、お姉ちゃんと巫女舞の練習したい。んで、お父さんと剣道の試合し⋯⋯あっ、私剣が使えるかも。ジェニ、今度剣の試合してみようよ」
「⋯⋯リアちゃん、いいとこいってたけど話ズレてる」
【⋯⋯ワシもそう思う】
「さーて、どうする? バルドルでさえ花梨を生き返らせるのは無理っつったんだが?」
【ごめん、ワシも無理⋯⋯ 魔剣・ダーインスレイヴの傷の癒やし方は知らんのよ。てか、多分治し方はないけん】
「では、気を取り直して燃やされますかね」
ゴオゴオと音を立てる青い炎がジェニの手の上でジワリジワリと大きくなっていった。
【わあー、すまん! それだけは許してくれ。ほんと、シャレにならんって。なに、何が聞きたい? なんでも教えちゃる、教えさせていただきます、ロキ様! グロリア様、助けて~】
その後洗いざらい吐いた『ゲニウスの本』の情報によると⋯⋯。
本の一頁目に書かれていたオーディンのメッセージをグロリアが読んだ時、本が覚醒し位置情報がオーディンに知らされたと言う。その繋がりを利用したオーディンが手下のワタリガラスと狼をニブルヘイムに呼び寄せようとして失敗したものの、彼等には過去の知識と知恵が戻ってしまった。
思考を司るフギンと記憶を担当するムニンという2羽のワタリガラスは、あちこちを自由気ままに飛び回っては時々『本』の元に帰ってくる。
貪欲な者と呼ばれるゲリとフレキの兄弟もこの世界を走り回り自由を満喫していた。
【フギン達は色々知っとるようじゃが、ワシには何にも教えようとはせん。ゲリとフレキ兄弟は一度だけやって来たが、大した話もせず帰って行ったんじゃ。フェンリルの気配に怯えてそれ以来顔を出さんしなあ。
ほらな、ワシ、大した情報持っとらんで?】
「奴等はまだオーディンと繋がってないんだな?」
再びグロリアの心の声に気付いたジェニが教えてくれたが⋯⋯。
「その人が嫌がってるなら」
セティと初めて会った時を思い出したグロリアは俯いてしまった。
(ジェニ達に全部押し付けてる私が言うのはダメだけど、無理強いになったら申し訳ないよね)
「いや、奴が逃げ出したのは王都に来るのが嫌なだけで、それ以上の餌をぶら下げたからあっという間に巣穴から飛び出してくる」
「それがヴァンってこと?」
「そ、因みにめんどくせぇ奴だからヴァンの機嫌が超ヤバい」
「もしかして⋯⋯マールにとってのヘルだったり?」
「おー、珍しくいい線いってんじゃん。ヴァンが不貞腐れるから、当分の間ここには出入り禁止にする予定だがな」
(ヴァンにも春が来てたのかぁ。スルトちゃんって可愛いのかなぁ、友達になれたりする? そう言えば、今世の私って女の子の友達っていないじゃん。ヘルに友達だって言ったら嫌がるかなぁ)
「ねえ、スルトちゃんってどんな子? 女子トークできたりする感じかな?」
「ぶふっ!」
(癇癪持ちの大男で怒ると所かまわず火魔法を打ちまくる癖があるし、なんなら炎を纏わせた剣で屋敷ごとぶった斬りそうな奴なんだが。スルトの女子トーク⋯⋯聞いてみてえ~)
「ゴホン! あーそんなわけで、人手が足りんのだわ」
ひとしきり大笑いしたジェニが気を取り直して真面目な顔でグロリアをチラ見した。
「はいはい! 私、私手伝いまーす!」
3匹があちこち走り回ってセティがモジモジしながら情報収集に勤しんでいる今、是非手伝いたいと手を上げたグロリアだった。
「おう、こいつはグロリアにしかできん。普段の間抜けっぷりを片付けてだな、こわ~い顔でバシッと決めて欲しい!」
うんうんと首を縦に振ったグロリアはキラキラと目を輝かせた。
(漸くお手伝いできる時がきたー!!)
「で、どうすればいいの?」
「裏切り者の炙り出し、はじめっか」
「裏切り者?」
予想外の言葉にグロリアの顔がこわばった。
「おう、そいつはな、しれっとした顔で大事な情報を隠し込んでいやがる。最低の裏切り行為だと思わねえか?」
「う、うん。確かにいけない事だと思う。思うけど、一体誰がそんな」
「情報を一言でも漏らしてたらタダじゃおかねえ。グロリア、『ゲニウスの本』を出してくれ」
(⋯⋯この流れって。ほ、本が裏切り者って事?)
少し震えながらポーチから本を取り出したグロリアは古びた表紙の文字をそっと撫でた。
(嘘だよね、だって毎日一緒にいていっぱい教えてくれて⋯⋯合ってたら柔らかく光って、間違ってたらブルブル震えて)
「おい、なんか言う事あんじゃねえのか!?」
【⋯⋯ワシは契約者のグロリアを裏切れん。じゃから、裏切り者なんかではない!!】
「しゃ、喋ったあ!! うそお!」
「契約者にとって重要な事を黙っとくのは裏切りだろ?」
【重要かどうかなんぞワシは知らん! ワシはただの古ーい本じゃ】
「嘘をこくなら、この場で燃やしてやろうか? てめえはよーく燃えるって知ってるんだぜ?」
【ワ、ワシの知識が消えてなくなってもええんかい!】
「なきゃないで、他の方法を探す。てめえのせいでクソ野郎に力の一部が戻ったんだよな。ああ? なんとか言ってみろよ!!」
【それは⋯⋯ワシの、その】
「新しい契約者が不利になる可能性もわからんのなら、もういらねー」
ジェニの手から炎が立ち上がった。鮮やかな赤い色の炎はオレンジ色に変わり、その後一気に黄色に変わっていった。
無言を貫いている『本』は色が変わるたびにグロリアの手の中で少しずつ重さを増している。
「まだまだ行くぜ。てめえが最後に見る炎だからなぁ、大盤振る舞いしてやるよ。グロリア、本を下に置いてここから離れろ」
冷ややかな目つきで突き放すように言ったジェニの言葉が終わると同時に小さく白く輝きはじめた炎の推定温度は6500度。
指輪の防御がフル稼働していても耐えられないほどの熱さにグロリアが本を下に置いて後退りすると、白い炎は少しずつ大きくなりながら青みを増していった。
「青の炎は1万度以上って知ってっか? クソ野郎の魔術がかかってても元はペラペラの羊皮紙、どっちが勝つか勝負じゃあ!!」
ジェニが手を振り上げた途端、『ゲニウスの本』がぴょんと飛び上がった。
【待て! ワシが悪かった!! その火はマズイ⋯⋯ロキ、貴様はなんちゅう奴じゃ。青の炎じゃと? あっすまん、許してくれ、許して下さい。ひぃ、ごめんなさい!! グロリア、助けてくれぇ】
「え~、秘密作られてたのに~? 流石にそれはちょっとショックが大きすぎるかな~。これじゃあもう、関わりたくないって思っても仕方ないよね~。
うん、今までありがとう。すっごく勉強になった」
【ル、ルーン魔術!! ワシがおらんかったらルーン魔術の勉強ができんように⋯⋯】
「私は元々魔法だの魔術だののない世界にいたからぁ、なければないで生きてけるかなーって思ったりもするのぉ。
ルーン魔術ってかなり危険でしょ~。永遠に消滅した方が安全とか?」
【ワシはすんごい優秀なんじゃ! 危険どころかなんでも望みを叶える方法を教えちゃる、ほれ言ってみ?】
「だったら、前世に生き返らせて」
【へ?】
「前世の両親とお姉ちゃんのとこに帰りたい。大学行って勉強して、帰りに友達やジェニや3匹やヘルと、セティも一緒にサー○ィ△ンのアイス食べに行きたい。
休みの日にお母さんの作ったご飯食べて、お姉ちゃんと巫女舞の練習したい。んで、お父さんと剣道の試合し⋯⋯あっ、私剣が使えるかも。ジェニ、今度剣の試合してみようよ」
「⋯⋯リアちゃん、いいとこいってたけど話ズレてる」
【⋯⋯ワシもそう思う】
「さーて、どうする? バルドルでさえ花梨を生き返らせるのは無理っつったんだが?」
【ごめん、ワシも無理⋯⋯ 魔剣・ダーインスレイヴの傷の癒やし方は知らんのよ。てか、多分治し方はないけん】
「では、気を取り直して燃やされますかね」
ゴオゴオと音を立てる青い炎がジェニの手の上でジワリジワリと大きくなっていった。
【わあー、すまん! それだけは許してくれ。ほんと、シャレにならんって。なに、何が聞きたい? なんでも教えちゃる、教えさせていただきます、ロキ様! グロリア様、助けて~】
その後洗いざらい吐いた『ゲニウスの本』の情報によると⋯⋯。
本の一頁目に書かれていたオーディンのメッセージをグロリアが読んだ時、本が覚醒し位置情報がオーディンに知らされたと言う。その繋がりを利用したオーディンが手下のワタリガラスと狼をニブルヘイムに呼び寄せようとして失敗したものの、彼等には過去の知識と知恵が戻ってしまった。
思考を司るフギンと記憶を担当するムニンという2羽のワタリガラスは、あちこちを自由気ままに飛び回っては時々『本』の元に帰ってくる。
貪欲な者と呼ばれるゲリとフレキの兄弟もこの世界を走り回り自由を満喫していた。
【フギン達は色々知っとるようじゃが、ワシには何にも教えようとはせん。ゲリとフレキ兄弟は一度だけやって来たが、大した話もせず帰って行ったんじゃ。フェンリルの気配に怯えてそれ以来顔を出さんしなあ。
ほらな、ワシ、大した情報持っとらんで?】
「奴等はまだオーディンと繋がってないんだな?」
0
お気に入りに追加
209
あなたにおすすめの小説
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
黙示録戦争後に残された世界でたった一人冷凍睡眠から蘇ったオレが超科学のチート人工知能の超美女とともに文芸復興を目指す物語。
あっちゅまん
ファンタジー
黙示録の最終戦争は実際に起きてしまった……そして、人類は一度滅亡した。
だが、もう一度世界は創生され、新しい魔法文明が栄えた世界となっていた。
ところが、そんな中、冷凍睡眠されていたオレはなんと蘇生されてしまったのだ。
オレを目覚めさせた超絶ボディの超科学の人工頭脳の超美女と、オレの飼っていた粘菌が超進化したメイドと、同じく飼っていたペットの超進化したフクロウの紳士と、コレクションのフィギュアが生命を宿した双子の女子高生アンドロイドとともに、魔力がないのに元の世界の科学力を使って、マンガ・アニメを蘇らせ、この世界でも流行させるために頑張る話。
そして、そのついでに、街をどんどん発展させて建国して、いつのまにか世界にめちゃくちゃ影響力のある存在になっていく物語です。
【黙示録戦争後に残された世界観及び設定集】も別にアップしています。
よければ参考にしてください。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる