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お花畑Part 1

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( )内、妹の心の声です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

「お帰りなさいませ。お父様お母様」
「ただいま、ミリアム。大切な話があると手紙が届いたが?」

 ドキドキです。ここは上手に話さないと、リディアにツッコミを入れられてしまいます。あの子はとても口が達者なので、何気に話していると論破されてしまうのですもの。
 お父様とお母様だけなら話しやすかったのに、やっぱり王宮に押しかけるべきでした。

 緊張して中々話し出せません。手の中にあるハンカチが、何だか湿ってきたようで恥ずかしくなります。

「お姉様、学園で何かあったのですか?」

 うっリディ、ジト目は辞めて。怖いです。勇気が粉々になっていく音が聞こえます。

「えーっと、あのね・・リ、リオンに結婚を申し込まれましたの」
「リオンと言うと、最近ミリアムが仲良くしていた方だったかしら。真剣なお付き合いをしていたなんて、気が付かなかったわ」

 にこにこして居られるお母様、やっぱりお優しいです。話しやすくて嬉しいですわ。ありがとうございます。

「はい。とても優しい方ですの。成績も常にトップクラスですし、生徒会でも書記をされていて」
「確か、お姉様と同じクラスの方ですよね」
「ええ、クラスでも人気者なの。私にも他の方々にもとても親切で」

(それって誰にでもいい顔する、所謂八方美人ってやつ? リオン? リオン・ウォルター?)

「リディ・・何か怖いです」
 妹の目つきがドンドン怪しくなってきます。

「で、そのリオン君に結婚を申し込まれたと?ミリアムは、なんて返事をしたんだい?」
「勿論、お受けいたしました」

「お姉様、まず最初にお父様に話して頂くよう言うべきでは?順番が違いますよ」
「で、でもねリオンは平民の方だから、そういう貴族の決まり事の流れと言うか、そう言うのはあまりお詳しくないの」

「だったら、益々お姉様が教えて差し上げるべきでしたね」

「うっ・・そうね」

「まぁ、話は分かった。ただリオン君とは面識もないし、なんとも言えないが」
「では、今度お茶会に来て頂いて、お話をして頂けますか? とっても素敵な方なんです」
「そうね、お会いしてみないと、なんとも言えないものねぇ」

 妹が、右手の人差し指をこめかみに当てて、何か考えています。かなり危険な兆候ですわ。

「で、では早速そのように・・」
 慌てて席を立とうとしました。妹が何か言い始める前に、とっととお部屋に逃げてしまいましょう。

「待って? リオン、リオン・ウォルターね。思い出しました」
立ち上がった私の腕を掴んで、妹が叫びます。痛いです、リディ・・力強すぎです。ちょっぴり涙目です。
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