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第四章
41.煽りまくるエレーナ⋯⋯昔の恨みも晴らすつもり?
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「この方はニール殿の娘のエレーナ・ビルワーツ様です」
「エレーナ? って事は、私を騙したのか!? こんなちっこい子供のくせに大人を騙すなんて、随分と甘やかされて育ってるんだなあ。
ああ、オーレリア国王陛下の前で、大変失礼致しました。まさかこ~んな子供が親を騙すとは思わなかったもので、ちょっと調子が狂ったって言うか」
挨拶を抜かした事など気にしていないようで、平然とエリオットに話しかけたニールは、他国の王の前で『失礼』と言いながらクラバットを緩めはじめた。
「ふう~! このクラバットってやつはどうも苦手でして」
「もう帰っていいぞ」
しっしっと手を振ったエリオットは、慌てて腰を浮かしたニールを無視してジョーンズに話しかけた。
「これではっきりしたな。もう問題はないだろ?」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい! 意味が⋯⋯おいジョーンズ、説明しろ。何がどうなってるんだ!?」
「エレーナ様とニール殿は同じ敷地内に住んでおられるので、面識があるのかと思いましたのでお越しいただきました。ですが、そうではなかったようで⋯⋯お聞きしたいこともなくなりましたし、お帰りくださって結構です。侯爵家の離れなのか愛人宅なのか、お好きな方にお送りしますので、御者に申しつけて下さい」
「いや、だから何故俺⋯⋯私を呼んだのか、説明してくれないか。何が何だかさっぱり分からないままで帰るのは寝覚めが悪すぎるよ」
「ニール殿は親なのに娘の顔さえ分からない。つまり、会った事がないという事ですね?」
「え? あー、いや、どうかなぁ。あった気もするしー、多分会ってる気がする。庭でお茶会をしたような。うんそうだ、私は屋敷に入れないから、お茶会にしたんだった⋯⋯気がする。うろ覚えだからはっきりとは覚えてないけど、多分そうなんじゃないかなあ」
「これだけ近くでお顔を合わせても分からなかったのにですか? それこそあり得ませんね。流石の私でも、それが嘘だと分かります」
いい加減な答えをするニールの方に目を向けることもなく、ジョーンズはテーブルの上に残された書類に手を伸ばした。
諦めたのかヤケクソなのか⋯⋯ジョーンズの行動は腹を括ったからだと思いたい。この後、間違いなく忙しくなるジョーンズに少しでも多くの味方と、より多くの幸運が集まるようにと思わず祈りそうになったエレーナはスッと目を逸らした。
(わたくしには手に負えない。わたくしには関係ない。わたくしには⋯⋯)
エレーナの記憶通りでもそうでなくても、ジョーンズの前には色々な仕事が追加されて寝る暇もなくなるはずだから。
(アメリア様の意識がお戻りになられるのが一番だわ。心配事がなくなれば仕事に集中するのは容易いはず。元々は優秀なのだから⋯⋯)
「前に会った時と雰囲気が変わっていたんで、ちょっと勘違いしたと言うか、なんと言うか⋯⋯もー、ホントタチの悪い冗談だよ。まったく」
「ヘレンは、エレーナのあだ名のひとつです。へいみんになれたら、ヘレンにしようかと、おもったりしているので」
「お前が平民!? はあ? ビルワーツの後継が平民になるって⋯⋯頭がおかしくなったのか?」
(目の前のニール様は、ループ前のニール様の様子とは別人のようだわ)
エリオット達の前で不躾な態度をとり不快な言葉を平然と口にしているのを、妙に嘘くさく感じるのは自分だけだろうか。
エレーナの予想ではケールとセロリを植えた陰湿な策略家で、セルビアスを唆して戦争の準備をはじめさせた凶悪な権謀家だったが、目の前にいるニールは礼儀知らずの享楽主義者にしか見えない。考えるのは苦手だから頭を使いたくない、計略や策略は『何それ、美味しいの?』と言い出しそうなタイプに見える。
ループ前の記憶にあるニールは、何を考えているのか分からない陰湿な性格をしていた。酒を飲みながら最大限に痛めつける策を練り、ほんの僅かな隙を狙い罠を仕掛けるのが楽しいと言いながらベルトを打ち下ろしていた。暴言を吐いている時の方が被害が小さいと思えるほど、悪質な非道を働く男だった。
エレーナを打つ専用のベルトのバックルにはヤスリのような棘をつけ、傷の上から打ちつける時は塩やカラシを染み込ませた物を使う。数日間汚水を溜めた水に浸からせた後は、王宮のお茶会に連れて行かれ、珍しく真面な食事がもらえたと思ったら猿轡をされて腹を殴られ続けた。
(その記憶があったから、思い込みでニール様を横領などの真犯人だと勘違いしたのかしら。目にしているご様子からは、陰謀も計画も『面倒だ』と思うタイプにしか見え⋯⋯あ、やっぱり変だわ)
エレーナがおかしいと思ったのは、ジョーンズが読み終わった書類をテーブルに置いたのをチラ見したニールの表情。
細かい文字までは読めなかったはずだが表題は読めたのか、目を眇めたニールが親指の爪を噛みはじめたから。
(物凄く機嫌が悪くなった時の癖だわ、この後⋯⋯全く関係のない話をして時間稼ぎをはじめたら、ループ前と同じ性質だと思って良いんじゃないかしら)
「そう言えば⋯⋯オーレリア国王陛下は何故こちらに? エレーナと並んで座っているのはどなたですか?」
「わたくしはルーナ・オルシーニ。オーレリア国王の娘ですわ」
「王女殿下が国王夫妻とご一緒に公国へお越しになられているとは! 我が娘とどこで知り合われたのか⋯⋯ますます疑問が湧いてきますなあ。
それにそれに⋯⋯私が呼ばれたのは、エレーナの親権者だからかと思ったりもしましたが、アメリアは参加していない。怪我で動けないままなんじゃなければ、国外にでも行ってるのか⋯⋯公国はあちこちの国と揉めてばかりいるから、それはないか。何しろ唯一の友好国の国王夫妻がここにおられるんだから、席を外しているのは実に不可思議だよな。
ジョーンズ、この集まりの意味は? で、アメリアはどこにいるんだ?」
膝に肘を置こうとしたようだが大きな腹が邪魔をしたニールは、腕を組むことに変えたらしい。
「ジョーンズ、答えろ」
「アメリア様は、い「おかあさまは、おはなしがおわられたので、おしごとをされています。おかあさまは、とってもおいそがしいのです」」
5歳児の会話レベルがわからないので、かなり幼稚な話し方になっているが、ニールはエレーナと会ったこともないので気にしないだろう。
「⋯⋯大人の話に口を挟むのは良くないと教えてやるべきだな。私はジョーンズに聞いてるんだ、子供は大人しく人形遊びでもしていればいい。ジョーンズ、夫である私のいないところで、コソコソと⋯⋯アメリアとどんな話をしたんだ?」
じろりとエレーナを睨んだニールの目は、ループ前の陰湿で加虐的な光を放っていた。
この場にいる者達の中で、ニールが強気に出られるのはエレーナとジョーンズだけだが、エレーナの横にはルーナがピッタリと並んで座り、エリオットとレイチェルも近くにいる。
エリオットとレイチェルは明らかにニールを無視しているし、ルーナに至っては警戒心マックスでエレーナの腰に手を回している。ニールが情報収集や時間稼ぎしたいならジョーンズに話しかけるしか手はない。
「ジョーンズ、私の質問に答えられないような、疚しい事でもあるのか!?」
「そん「まあ! おとうさまは、まるでヤキモチをやいておられるみたい。ジョーンズは、おかあさまのおとうさまみたいなものですのに。ふふっ、おかしなおとうさまねえ。
それに⋯⋯どうしておとうさまは、ジョーンズに『めいれい』をしているの? ジョーンズはこのくにの『さいしょう』だから、おとうさまよりえらいのでしょう?
それなら、ていねいなことばで、はなさなくては、だめだとおもうの。
ジョーンズが、こうしゃくけの『しつじ』でも、おとうさまには、めいれいするけんりはないのだったわ。ふふっ、まちがっちゃいました」
(ジョーンズに話させてはダメだわ。ニール様に情報を与えたら策を練られてしまう。普段からあのように気さくな態度をとって周りを油断させているのなら、化けの皮を剥がしておきましょう。
今後はジョーンズ達がニール様の言動に注意するようになるかもしれないし、離籍しやすくもなりますしね)
ミセス・ブラッツにやったようにニールを煽ると、短気なニールは酒焼けした顔をますます赤くして目を吊り上げた。
「子供のくせに口を挟むな! 俺様よりジョーンズが上だと!! 親をバカにしてタダで済むと思うなよ、きっちり躾して誰が一番偉いのか教え込んでやるからな。
子供は子供らしく親の言うことを聞いてりゃいいんだ!」
「ターニャさんみたいに? えー、でもお。エレーナは『しょし』のターニャさんとはちがうって、せんせいがいってました。エレーナはこうしゃくけのあととりだけど、おとうさまやターニャさんには、なんの『けんり』もないんだって。
いまは、こうこくの『おうじょ』だから、おかあさまのつぎにえらいって。
えーっと、おとうさまはぁ『こうこく』にも『こうしゃくけ』にもけんりをもってないって、ならいました。『けんり』のないおとうさまはただの『いそうろう』なんでしょ? しようにんのだれかがいってました。『かねくいむしのいそうろう』のくせにって。だれだったかなあ⋯⋯たしかぁ⋯⋯」
「エレーナ? って事は、私を騙したのか!? こんなちっこい子供のくせに大人を騙すなんて、随分と甘やかされて育ってるんだなあ。
ああ、オーレリア国王陛下の前で、大変失礼致しました。まさかこ~んな子供が親を騙すとは思わなかったもので、ちょっと調子が狂ったって言うか」
挨拶を抜かした事など気にしていないようで、平然とエリオットに話しかけたニールは、他国の王の前で『失礼』と言いながらクラバットを緩めはじめた。
「ふう~! このクラバットってやつはどうも苦手でして」
「もう帰っていいぞ」
しっしっと手を振ったエリオットは、慌てて腰を浮かしたニールを無視してジョーンズに話しかけた。
「これではっきりしたな。もう問題はないだろ?」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい! 意味が⋯⋯おいジョーンズ、説明しろ。何がどうなってるんだ!?」
「エレーナ様とニール殿は同じ敷地内に住んでおられるので、面識があるのかと思いましたのでお越しいただきました。ですが、そうではなかったようで⋯⋯お聞きしたいこともなくなりましたし、お帰りくださって結構です。侯爵家の離れなのか愛人宅なのか、お好きな方にお送りしますので、御者に申しつけて下さい」
「いや、だから何故俺⋯⋯私を呼んだのか、説明してくれないか。何が何だかさっぱり分からないままで帰るのは寝覚めが悪すぎるよ」
「ニール殿は親なのに娘の顔さえ分からない。つまり、会った事がないという事ですね?」
「え? あー、いや、どうかなぁ。あった気もするしー、多分会ってる気がする。庭でお茶会をしたような。うんそうだ、私は屋敷に入れないから、お茶会にしたんだった⋯⋯気がする。うろ覚えだからはっきりとは覚えてないけど、多分そうなんじゃないかなあ」
「これだけ近くでお顔を合わせても分からなかったのにですか? それこそあり得ませんね。流石の私でも、それが嘘だと分かります」
いい加減な答えをするニールの方に目を向けることもなく、ジョーンズはテーブルの上に残された書類に手を伸ばした。
諦めたのかヤケクソなのか⋯⋯ジョーンズの行動は腹を括ったからだと思いたい。この後、間違いなく忙しくなるジョーンズに少しでも多くの味方と、より多くの幸運が集まるようにと思わず祈りそうになったエレーナはスッと目を逸らした。
(わたくしには手に負えない。わたくしには関係ない。わたくしには⋯⋯)
エレーナの記憶通りでもそうでなくても、ジョーンズの前には色々な仕事が追加されて寝る暇もなくなるはずだから。
(アメリア様の意識がお戻りになられるのが一番だわ。心配事がなくなれば仕事に集中するのは容易いはず。元々は優秀なのだから⋯⋯)
「前に会った時と雰囲気が変わっていたんで、ちょっと勘違いしたと言うか、なんと言うか⋯⋯もー、ホントタチの悪い冗談だよ。まったく」
「ヘレンは、エレーナのあだ名のひとつです。へいみんになれたら、ヘレンにしようかと、おもったりしているので」
「お前が平民!? はあ? ビルワーツの後継が平民になるって⋯⋯頭がおかしくなったのか?」
(目の前のニール様は、ループ前のニール様の様子とは別人のようだわ)
エリオット達の前で不躾な態度をとり不快な言葉を平然と口にしているのを、妙に嘘くさく感じるのは自分だけだろうか。
エレーナの予想ではケールとセロリを植えた陰湿な策略家で、セルビアスを唆して戦争の準備をはじめさせた凶悪な権謀家だったが、目の前にいるニールは礼儀知らずの享楽主義者にしか見えない。考えるのは苦手だから頭を使いたくない、計略や策略は『何それ、美味しいの?』と言い出しそうなタイプに見える。
ループ前の記憶にあるニールは、何を考えているのか分からない陰湿な性格をしていた。酒を飲みながら最大限に痛めつける策を練り、ほんの僅かな隙を狙い罠を仕掛けるのが楽しいと言いながらベルトを打ち下ろしていた。暴言を吐いている時の方が被害が小さいと思えるほど、悪質な非道を働く男だった。
エレーナを打つ専用のベルトのバックルにはヤスリのような棘をつけ、傷の上から打ちつける時は塩やカラシを染み込ませた物を使う。数日間汚水を溜めた水に浸からせた後は、王宮のお茶会に連れて行かれ、珍しく真面な食事がもらえたと思ったら猿轡をされて腹を殴られ続けた。
(その記憶があったから、思い込みでニール様を横領などの真犯人だと勘違いしたのかしら。目にしているご様子からは、陰謀も計画も『面倒だ』と思うタイプにしか見え⋯⋯あ、やっぱり変だわ)
エレーナがおかしいと思ったのは、ジョーンズが読み終わった書類をテーブルに置いたのをチラ見したニールの表情。
細かい文字までは読めなかったはずだが表題は読めたのか、目を眇めたニールが親指の爪を噛みはじめたから。
(物凄く機嫌が悪くなった時の癖だわ、この後⋯⋯全く関係のない話をして時間稼ぎをはじめたら、ループ前と同じ性質だと思って良いんじゃないかしら)
「そう言えば⋯⋯オーレリア国王陛下は何故こちらに? エレーナと並んで座っているのはどなたですか?」
「わたくしはルーナ・オルシーニ。オーレリア国王の娘ですわ」
「王女殿下が国王夫妻とご一緒に公国へお越しになられているとは! 我が娘とどこで知り合われたのか⋯⋯ますます疑問が湧いてきますなあ。
それにそれに⋯⋯私が呼ばれたのは、エレーナの親権者だからかと思ったりもしましたが、アメリアは参加していない。怪我で動けないままなんじゃなければ、国外にでも行ってるのか⋯⋯公国はあちこちの国と揉めてばかりいるから、それはないか。何しろ唯一の友好国の国王夫妻がここにおられるんだから、席を外しているのは実に不可思議だよな。
ジョーンズ、この集まりの意味は? で、アメリアはどこにいるんだ?」
膝に肘を置こうとしたようだが大きな腹が邪魔をしたニールは、腕を組むことに変えたらしい。
「ジョーンズ、答えろ」
「アメリア様は、い「おかあさまは、おはなしがおわられたので、おしごとをされています。おかあさまは、とってもおいそがしいのです」」
5歳児の会話レベルがわからないので、かなり幼稚な話し方になっているが、ニールはエレーナと会ったこともないので気にしないだろう。
「⋯⋯大人の話に口を挟むのは良くないと教えてやるべきだな。私はジョーンズに聞いてるんだ、子供は大人しく人形遊びでもしていればいい。ジョーンズ、夫である私のいないところで、コソコソと⋯⋯アメリアとどんな話をしたんだ?」
じろりとエレーナを睨んだニールの目は、ループ前の陰湿で加虐的な光を放っていた。
この場にいる者達の中で、ニールが強気に出られるのはエレーナとジョーンズだけだが、エレーナの横にはルーナがピッタリと並んで座り、エリオットとレイチェルも近くにいる。
エリオットとレイチェルは明らかにニールを無視しているし、ルーナに至っては警戒心マックスでエレーナの腰に手を回している。ニールが情報収集や時間稼ぎしたいならジョーンズに話しかけるしか手はない。
「ジョーンズ、私の質問に答えられないような、疚しい事でもあるのか!?」
「そん「まあ! おとうさまは、まるでヤキモチをやいておられるみたい。ジョーンズは、おかあさまのおとうさまみたいなものですのに。ふふっ、おかしなおとうさまねえ。
それに⋯⋯どうしておとうさまは、ジョーンズに『めいれい』をしているの? ジョーンズはこのくにの『さいしょう』だから、おとうさまよりえらいのでしょう?
それなら、ていねいなことばで、はなさなくては、だめだとおもうの。
ジョーンズが、こうしゃくけの『しつじ』でも、おとうさまには、めいれいするけんりはないのだったわ。ふふっ、まちがっちゃいました」
(ジョーンズに話させてはダメだわ。ニール様に情報を与えたら策を練られてしまう。普段からあのように気さくな態度をとって周りを油断させているのなら、化けの皮を剥がしておきましょう。
今後はジョーンズ達がニール様の言動に注意するようになるかもしれないし、離籍しやすくもなりますしね)
ミセス・ブラッツにやったようにニールを煽ると、短気なニールは酒焼けした顔をますます赤くして目を吊り上げた。
「子供のくせに口を挟むな! 俺様よりジョーンズが上だと!! 親をバカにしてタダで済むと思うなよ、きっちり躾して誰が一番偉いのか教え込んでやるからな。
子供は子供らしく親の言うことを聞いてりゃいいんだ!」
「ターニャさんみたいに? えー、でもお。エレーナは『しょし』のターニャさんとはちがうって、せんせいがいってました。エレーナはこうしゃくけのあととりだけど、おとうさまやターニャさんには、なんの『けんり』もないんだって。
いまは、こうこくの『おうじょ』だから、おかあさまのつぎにえらいって。
えーっと、おとうさまはぁ『こうこく』にも『こうしゃくけ』にもけんりをもってないって、ならいました。『けんり』のないおとうさまはただの『いそうろう』なんでしょ? しようにんのだれかがいってました。『かねくいむしのいそうろう』のくせにって。だれだったかなあ⋯⋯たしかぁ⋯⋯」
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