【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ

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第四章

01.ネグレクトという言葉を知らない子供

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 ビルワーツ侯爵家の所有する山の中腹に建てられた宮殿は、3階建てのロココ様式で、国の中枢を担う全ての機関が集まっている。一見すると王族の住まいにしか見えない優美な佇まいは、建国王が女性だからだろうか。

 建国後2年で完成し、侯爵邸やタウンハウスで働いていた使用人を連れたアメリアが引っ越すと、侯爵邸は使用人達からの紹介や人材募集でやって来た人ばかりになった。

 多忙を極めるアメリアが侯爵邸に戻ってくるのは多くても月に1度か2度⋯⋯息を引き取った両親を見てから少しずつ歪みはじめたアメリアの心は、両親を殺害した実行犯が恩赦により無罪放免となった時、壊れたのかもしれない。

『信頼できるのは昔からいた使用人だけ。わたくしは、お父様とお母様が愛したこの土地と民を守るわ』





 エレーナ・ビルワーツは、ビルワーツ公国の初代公王アメリアの一人娘として生を受けた。

 離れにいるのは知っているが話したこともない父ニールは、馬車で30分ほどの場所に住む愛人イライザと娘ターニャにしか関心がない。

 使用人達はエレーナとはほとんど口を利かず、乳母のマーサが一人で世話をしていた。

 ごくたまにエレーナの世界に登場する執事のジェイクは、先代執事ジョーンズの甥。ジョーンズがアメリアと共に宮殿に引っ越した時に、見習いから執事に昇進した新米で、時々エレーナに心配そうな顔を向けるが、忙しそうにそのまま通り過ぎる。

 メイドのステラは陸軍大佐ルイ・オルソンの従兄妹。マーサがお休みの日に食事を運んでくれるが『下っ端だから忙しくて』と言ってすぐにいなくなる。


 家政婦長のミセス・ブラッツは、別の貴族家で長年を家政婦長をしていた強者で、いつもキビキビと歩き早口で話す声が少し甲高い。

 尊敬の意味を込めてミセス・ブラッツと敬称付きで呼ばれる家政婦長は、エレーナの前ではいつも怖い顔をしている。

『エレーナ様さえいなければ、ご当主様はここに毎晩帰ってこられるそうですのに⋯⋯はぁ』

『わたくしがご当主様の代理ですから、よくお聞きくださいね!』



 エレーナが産まれた時チラッと顔を見ただけの母は、抱きしめることも初乳をあげることも拒否して横を向いた。

『はぁ、ガッカリだわ。後継が必要だから10ヶ月も我慢したのに⋯⋯産まれたのが男ならともかく、エドワードアルムヘイル王国の王子と年の近い娘なんて冗談じゃない。奴等が婚約なんて言い出したら今度こそアルムヘイル王国を叩き潰して、この子の首を絞めてやる』

 アメリアが本気だったのかどうかは分からないが、侯爵家に雇われて暫くしてその話を聞いたミセス・ブラッツは、エレーナを『当主様にとって不要な存在』だと認識し、アメリアがエレーナに会いに行くことも、気にすることもないと知り『放置して良い無用な存在』だと決めた。

 祖母譲りのプラチナブロンドと、翠眼を持って産まれたエレーナは、アメリアが経験した温かい家庭も、安心できる居場所も知らずに育っていく。



 理不尽な状況しか知らなければ、子供はそれが当たり前だと認識して疑問に思うことさえない。

 家庭内だけで育てられ、他の子供たちと話す事もないエレーナは、今の状況が普通だと思って育った。

『ご当主様はエレーナ様がお嫌いなのよねえ、だって男の子が良かったんだもの』

『使用人の私達や国民の事は大切に愛してくださるのにねえ』

『ニール様は愛人とそのお子様がいればいいのよね~。だって、エレーナ様の事は完全無視だもん』

 知恵がつくと使用人達の口さがない話がエレーナの耳に入り、自分の立場をなんとなく理解していった。

『ほんをよんでいれば おりこうさんでたすかるって マーサにほめられるからね』

『おへやからでると メイドに こまったかおをされるからね』

 少女は本に夢中で、大人しく手のかからない子供に育った。



 月日が経つうちに使用人達は益々図に乗っていき、エレーナの目の前で平気な顔で悪態をつくようになった。

『ったく、邪魔なのよね。産まれてこなけりゃ部屋の掃除が減ったのに』

『いちいち食事を作るのが面倒だって言ってたよ~、食べなきゃいいのにってさ⋯⋯あ、死んじゃうか。でも別にいいよねえ、ギャハハ』

 マーサが近くにいない時のエレーナは、図書室に籠るか石になる。

(いしは なんにもきこえない なんにもかんがえないの)





 日当たりの良いエレーナの部屋のクローゼットには、色もデザインも違う大量のドレスが掛かっている。山のように積まれた箱の中にあるのは、靴・帽子・日傘等々。

 宝石箱には幼い少女には似つかわしくないアクセサリーがぎっしり詰まっているが、エレーナは触るのさえ禁止されている。

 家政婦長が準備したそれらは、使用人達の休み時間のお楽しみになっている。

『今度はこのドレスをお願いしようかなぁ』
『こっちの方が高く売れそうだよ~』

『どれも新品だから、いい値で売れるんだよね~。あ、この帽子も良いじゃん!』

 品定めに余念がない使用人達は、静かに本を読むエレーナの事など気にも留めない。

 アメリアは完璧な公王なだけでなく優しく最高の主人で、頑張ったご褒美やお祝いのプレゼントを頻繁に贈るらしい。

 エレーナのドレスや小物を貰うのは、主に小さい妹や娘がいる使用人で、家政婦長が購入予定を立てはじめると『こんなものが欲しい』と希望を出すメイドもいる。

 それ以外にアメリアの私物を貰うこともあるが、流石にアメリアのクローゼットを漁るのは遠慮していると言っていた。



 古参の使用人達がいた頃は、乳母と共にエレーナの世話をしていたし、乳母の手伝いをするナースメイドもいたらしいが、エレーナは覚えていない。

 古参の使用人達が宮殿に移動になった直後、ナースメイドはクビになり、ハウスメイドは『部屋の掃除なんて、たまにでいいじゃん』と言う。料理長は『準備さえしておけば乳母が取りに来る』と言い、ランドリーメイドは『洗濯室に出せば洗濯するけど?』と言う。

『エレーナ様の世話をしなくてもさ、誰も文句なんて言わないしぃ』

『逆に世話なんてしてたら、忙しいのにってミセス・ブラッツに叱られちゃうよ~』



 そのマーサ乳母も3歳から居なくなり、エレーナは話す相手も世話をしてくれる人も、歌を歌ってくれる人もいなくなった。

『3歳になられたのですから、乳母はもう不要ですわ。いつまでも人に迷惑をかけていないで、これからはひとりで何でもできるようになっていただかないとなりません。
屋敷に住めて食事もあって⋯⋯それだけでもエレーナ様には、十分すぎるのですからね!』

 3歳の誕生日の朝、家政婦長から言われた言葉の意味が分からないまま、エレーナは頷いた。

 いつまで待っても来ない乳母を何日も待ち続けたエレーナは、食事を運んできたメイドに尋ねた。

『マーサは?』

『ええっ、もう来ませんよ。クビになりましたからねえ』

(マーサもエレーナのこと、きらいになったのかなぁ)

 エレーナのところにやってくるのは分厚い本と鞭を持った家庭教師と、ちょくちょく食事を持ってくるのを忘れるメイドだけになった。



 4歳になった今では不器用な手つきながら着替えや、部屋の掃除もできるようになり⋯⋯。

『きょうは⋯⋯ごはんあるかなあ』

 メイドがうっかり忘れないと良いなと思いながら、ベッドの端に座って本を読みはじめた。

(いたいのは、せんせいにたたかれるときだけ⋯⋯メイドたちがおこるだけなのは、やさしいから?)

 家庭教師が来る前と帰った後はフリータイム。エレーナはそのわずかな自由時間に、こっそりと部屋を抜け出して図書室へ行ったり庭を歩いたり⋯⋯。

『おさかなさん、きょうはみつかるかな~』

 庭の奥にある池は庭師の手が入っておらず、落ち葉が散乱して少し腐敗臭がしている。池の周りは雑草だらけで池を囲む柵は朽ちているが、エレーナの一番のお気に入りだった。

『だれもこないし、みつからな~い。ふふっ、ひみつなの~』



 池の縁にしゃがみ込んで、拾った枝で水に浮かんだ落ち葉をそっとかき分けると、水面がキラキラと輝いた。

『いないねえ⋯⋯あ! なんかうごいた?』

 思わず前のめりになったエレーナの足元の土がぐしゃりと崩れ⋯⋯。

 バシャーン!

 池に落ちたエレーナはパニックになり、大量の水を飲み込んだ。

 ゴボッ⋯⋯ゴポッ⋯⋯ゴポゴポ⋯⋯

 気を失ったエレーナは泥と腐った落ち葉でぬめった底に足がつき、そのままゆらゆらと⋯⋯。

 気がついた時には池の縁に身体を横たえていた。

『ゲホッ⋯⋯ゴボッゴホッ⋯⋯』

 大量の水を吐き、四つん這いになったエレーナの前に見えたのは泥に塗れたトラウザーズで、池からエレーナを引き上げてくれた庭師だった。

『何やっとるんじゃ!! こんなとこに来て、ワシらの仕事を増やすんじゃねえ!』

『ご、ごべ⋯⋯ゴホッ⋯⋯ごべっなじゃ⋯⋯ゲホッゴホッ⋯⋯』

 スコップを拾い上げたその男は、エレーナの体調を気遣うことなく背中を向けて歩き去った。

『全く⋯⋯いい迷惑じゃ! 二度とここには来てくれるなよ!!』

(はやくかえらなくちゃ!)

 部屋に戻ったエレーナはベッドに潜り込んで小さく丸まって⋯⋯ガチガチと鳴る歯を噛み締めた。



 エレーナの食事は朝と昼にパンとスープが届けられるのが基本。

 朝は忘れられることが多いが、昼は家庭教師の目があるせいか必ず届く。とは言っても家庭教師は食堂でゆったりと食事を楽しんでいるし、かなり豪華なメニュー。それを知ったのは食事のマナーを習いはじめてからだった。

 池で溺れた夜から熱を出したエレーナは一週間生死の境を彷徨い、ようやく意識が戻った時⋯⋯。









(え? わたくしは死んだはず⋯⋯ここはどこ?)

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