【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ

との

文字の大きさ
上 下
7 / 135
第一章 お花畑の作り方

06.クズの周りにクズが1匹、クズが2匹⋯⋯

しおりを挟む
「今のビルワーツ侯爵はエレーナが成人するまでの代理でさ、エレーナが成人したらビルワーツ侯爵代理は平民になるんだって。ターニャはビルワーツ侯爵代理の隠し子だから、侯爵夫人って言われてる人とターニャも平民になるんだ」

 ビルワーツ侯爵代理は子爵家の次男だったが、子爵家は既に兄が継いでいるため、特になんの功績も上げていない侯爵代理は平民になるしか道はない。

「いくら美人でも平民じゃあなぁ。あ、でもでも⋯⋯何年も家族だったんだし、平民になる時財産を分けてあげるとか、使ってない爵位をあげるとかする予定かもよ?」

 それなら愛人にする手があるよねと言い出したケニスは、齢9歳にして『ゲスな脳筋』確定。

「それはないって父上が仰ってた。女侯爵が生きてた頃から、婿が愛人を囲って子供まで作ってたんだから、そんな親切をするはずがないってさ」

 ユージーンもケニスと同じ事⋯⋯ターニャを愛人にしたいと考えて父親に聞いた『ゲスフレンド』または『ゲス眼鏡』

 かなり苛烈な性格の女侯爵は、夫の愛人に子が産まれたと知って大激怒。財産問題等で夫につけ込まれないように、準備していた可能性があると言っていた。

「長女が成人した途端、無一文で放り出されるのは間違いないって」

「それは凄いかも」

(となると僕の相手は、辛気臭いお化けのエレーナかあ⋯⋯うん、絶対に無理)

「可愛い平民は断然却下だけど、お化けの女侯爵もやだよなあ⋯⋯でもでもかなり酷かったから、縁談なんてなさそうじゃね?」

 今現在、縁談が進んでいるエドワードは顔を引き攣らせた。

「ビルワーツ侯爵家は公国の貴族だけどさ、この国の貴族だった時からもの凄い資産家だったんだ。だから、釣書はかなり届いてるんじゃない?
爵位しかない貧乏貴族は結構いるって言うし、結婚したら大金持ちだもん。不細工なお化けなんて領地の隅っこにでも押し込んで、普段は美人をそばにおけばいいだけだからね」

 ゲスとゲスは同じ考えになるらしく、ユージーンの意見はエドワードや国王夫妻と全く同じ。

「え? もしかしてユージーンはエレーナを狙ってる?」

「うちはそんなに貧乏じゃないから、父上は考えておられないはず。でもさあ、ビルワーツ侯爵領の鉱山は良いなあって思う人は多いと思う」

 計算高いユージーンはビルワーツ侯爵領の鉱山を狙って、父を説得している最中で『領地の隅っこに押し込む』と言うのはかなり本気の発言。

(だって、お金なんていくらあっても困らないじゃん)

 エドワードの婚約が議題に上がったのを知らされていないユージーンは、ケニスが興味を示していない様子にホッとしていた。

(父上が、王家とビルワーツは絶対関わらないはずだって仰ってたから、エドワードは大丈夫)

 マクベス前国王時代から立て続けに二回起きた『婚約破棄騒動』は大人達の中では有名で、エロイーズのしでかしを口にするのも時間と共に解禁になり、二つの婚約破棄騒動はいい酒の肴になっていたりする。

『ビルワーツの資産を捨てて、悪魔を国に引き入れた王家』

『ビルワーツにせっせと恥をかかされる王家』

『ビルワーツの資産を捨てて、無一文になりたがる王家』




「エ、エレーナってさ⋯⋯そんなに酷かったの?」

「あれだろ? 挨拶以外は隅の方の席に座ったままで、お茶にもお菓子にも手を出さなくて⋯⋯微動だにしないから、死んでるんじゃないかってみんなが笑ってた」

「エレーナは腐るほど金を持ってるくせに、古くてヨレヨレのドレスを着てるのが嫌味ったらしいとか、骸骨令嬢とか幽霊令嬢とか言われてた。
オルドリッジ公爵家は別に困窮してないから、ビルワーツ侯爵家には興味がなくてラッキーだと思うくらい⋯⋯エレーナは気持ち悪かった」

(そこまで酷いの!? うげぇ⋯⋯そんなのと婚約の話が出てるってだけで、僕の価値が下がるじゃん!)



 ユージーンとケニスが帰った後、生まれて初めて落ち込んだエドワード。

 政略だと言うだけでも我慢できないのに、可愛くないどころか『辛気臭い・お化け・幽霊』最後には気持ち悪いとまで言われているなんて。

(絶対無理! そんなのを僕の婚約者にしなきゃいけないほど困ってないはずだし。だって王族だもん。もしかして他に理由があるのかも。父上達は当てにならないし⋯⋯エロイーズ様に聞いてみようかな)

 思い立ったが吉日と部屋を飛び出したエドワードは、エロイーズが幽閉されている北の塔に向けて馬車を走らせた。




 北の塔は、王宮から馬車で30分程の高台に建てられている。

 忍び返しまで設置された高い鉄柵に囲まれた北の塔は、蔦が蔓延り瓦礫があちこちに散乱し不気味な様相を示していた。

 本来は幽閉された祖母に会うことなどできないが、母に甘いランドルフの強引な指示と幼い子供のお強請りで、なし崩し的に面会ができている。

 毎回『今回だけは特別です』と形ばかりの抗議らしい言葉と共に頑丈な扉が開かれる。この状況なら簡単に脱走できそうだが、今のところそれらしき兆候は見られないのが、エロイーズの不気味さを増している。

 そんなゆるゆるの警護を担当しているのは、ケニスの父親が率いている第二騎士団。

(エロイーズ様がこんなところが好きなはずないよ。僕が国王になったら絶対に、一緒に暮らしてあげるね)

 エロイーズは幽閉ですからね、一緒に暮らすってことは⋯⋯ん? もしかして、北の塔でお暮らしに?

 門の外からエロイーズがいる最上階を見上げたエドワードは強く拳を握りしめた。



「久しぶりね、元気にしてたかしら?」

「突然やってきてごめんなさい。お邪魔じゃなかったですか?」

「ふふっ、いつも退屈してるから、エドワードに会えて嬉しいわ」

「あの⋯⋯この間、父上から僕の婚約者候補が決まったって言われたんです」

「エレーナ・ビルワーツでしょう? ビルワーツ侯爵家なら良い選択肢だと思うわよ。ビルワーツの鉱山はまだまだ産出するはずだもの」

「でも、エレーナは骸骨令嬢だって聞きました! 辛気臭くて幽霊みたいで、気持ち悪いって」

「ププッ! 誰に聞いたのか知らないけど気に入ったわ。気持ち悪い⋯⋯確かにあの娘は不気味よねえ」

 北の塔に幽閉されているのに最新情報を持っているエロイーズは、王国内に信者が残っている可能性大。

 陰険そうな笑みを浮かべたエロイーズは、上品な仕草で扇子を取り上げて口元を隠した。

(漸く、あの家を叩きのめすチャンスがきたのかもねぇ。ここでずーっと待ってた甲斐があったわ)

 大量の罪が暴露され北の塔に幽閉されたエロイーズは、今までやりたい放題していたパワーを全て恨みに変えて待っていたのかも⋯⋯。

 妖気が漂う悪鬼エロイーズの微笑みも、エドワードの色眼鏡を通せば悲嘆暮れる貴婦人に見える。

(ここを出る時は、あの女女侯爵を踏みつける時って決めてたのよ! だってほら、わたくしがまだここで生きているってだけで、ハラワタが煮えくり返ってるはず⋯⋯って、そうなるはずだったのに! 何度も何度も、わたくしの予想を裏切って。お陰で最高の登場脱獄を演出するチャンスを逃したじゃないの!
でも、その娘をぐちゃぐちゃにして、墓の前に転がしてやる⋯⋯その為なら、ここを出てあげても良いわね)

 その為に⋯⋯簡単に脱走できそうな塔に、閉じこもっていた? 女の執念、恐るべし。


「そんなのと婚約しなくちゃいけないなんて、絶対に嫌だ! エロイーズ様はビルワーツが嫌いだって父上が言ってたから、きっと反対してくれるって思ったのに」

 唇を尖らせてエロイーズを上目遣いに見るのは、エドワードが拗ねた時にやる幼い頃からの癖。

「⋯⋯亡くなったビルワーツ女侯爵は本当に忌々しい女だったわ。もう昔のことだからわたくしは気にしていないけれど、この塔に幽閉されたのはあの女狐の陰謀だったの。
もしあの女狐に陥れられなければ、毎日エドワードに会えたのにって思ってるわ」

 エドワードはすっかり騙されて眉間に皺を寄せたが、エロイーズの悲しそうな顔は途轍もなく嘘くさい。

「あの時は⋯⋯本当に恥ずかしくて惨めで⋯⋯何度命を断とうと思ったか数えきれないわ。でも、ランドルフ達の事が心配だったから我慢するしかなかったの。それから何年か経って、赤ちゃんだったエドワードに会えた時は心から神に感謝したわ。
エドワードがここまで会いに来てくれて、色々な話を聞かせてくれるから、心を強く持っていられるの」

「僕も! 僕も、エロイーズ様とお話しできてとても嬉しいです!」

「わたくしはね、ビルワーツ侯爵家がこの国を腐らせた元凶だって知っているから、騙されてここに閉じ込められたの。
あの女の娘の顔が問題なのでしょう? 醜い顔は厚化粧で隠せるかもしれないし、それでも誤魔化せない程酷いならいつもベールを被るよう言いつければいいわ。王太子の命令に従わなければ鞭で打って従えなさい。貴方にはその資格があるんだもの。
まずは立場を理解させる⋯⋯ビルワーツの血は穢れていて、生きている資格さえないのだと教え込むの。
大人しく従う時は優しく⋯⋯だけど調子に乗らせないように気をつけて。少しでも反抗的な様子を見せた時は、徹底的に打ち据えるの。
ビルワーツに隙を見せてはダメ。アレは悪魔の申し子だから、ほんの少しの気の緩みでも付け入る術を持っているわ。
何もできないように全てを取り上げてしまいなさい。それができるのは王太子であるエドワードしかいないわ。
エドワードとあの女の娘が結婚した後でなら、わたくしもここを出て躾を手伝ってあげてもいいわ」

「やっぱり、ここが気に入ってるんじななかったんだ!!」

 エドワードの注目ポイントはエロイーズの狙いとは少しズレたようだが⋯⋯。



 長い幽閉生活で恨みを募らせたエロイーズこそ悪魔の申し子のようで、呪いのお札も魔導具も効かなくて当然かも。

しおりを挟む
感想 104

あなたにおすすめの小説

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた

菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…? ※他サイトでも掲載中しております。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと

淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。 第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品) ※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。 原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。 よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。 王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。 どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。 家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。 1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。 2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる) 3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。 4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。 5.お父様と弟の問題を解決する。 それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc. リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。 ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう? たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。 これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。 【注意点】 恋愛要素は弱め。 設定はかなりゆるめに作っています。 1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。 2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。

【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜

ゆうき
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。 エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。 地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。 しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。 突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。 社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。 そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。 喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。 それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……? ⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎

居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。 父親は怒り、修道院に入れようとする。 そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。 学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。 ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。

【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話

彩伊 
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。 しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。 彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。 ............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。 招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。 送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。 そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。 『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』 一日一話 14話完結

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。 聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。 暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!? 一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

処理中です...