【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ

との

文字の大きさ
上 下
6 / 135
第一章 お花畑の作り方

05.爽やかにゲスな考えに浸る蛙の子

しおりを挟む
「お、王妃の言う通りじゃ! 婚約後は其方の為に、いくらでも支援金を吐き出させれば良い。昔の一臣下の癖に偉そうにしておる彼奴の金庫など、空にして(僕とジュリエッタの幸せと、ついでに)其方の王座を救うのじゃ!」

(出会ってから今までジュリエッタの望みは、全部ぜーんぶ叶えてきたのにさ、ジュリエッタを泣かしたままなんてあり得ないもんね。
元々ビルワーツ侯爵家は気に食わない奴ばっかだったし、女侯爵なんて最低女だったし。僕の家臣だったんだぞって、知らしめる良い機会じゃん)

 ランドルフの頭に浮かんでいるのは、既に亡くなったビルワーツ女侯爵でエレーナの母。

 謁見の際に口元に薄笑いを浮かべ、横柄な態度を崩さなかったビルワーツ女侯爵に対して、憤懣やる方ない思いを抱えてきた国王の浅はかな計略⋯⋯。

(あの女に一泡吹かせられないのは悔しいけど⋯⋯アイツの娘を利用し尽くせば少しは気が済むよな)

 傾いた国の財政を潤し、自身と王妃の遊興費を出させる為の縁組はまさに一石二鳥。女侯爵の代わりに、娘を虐げてやれば一石三鳥になる。

「母上に相談してみなさい。母上も間違いなく我等と同じことを申されるはず。ビルワーツ侯爵家など我等の下僕として、金を献上し続ければ良いと仰るに違いない」

「ビルワーツ侯爵家って、そんなにタチが悪い家なんですか?」

 純粋培養と言えば聞こえはいいが、深く物事を考えないエドワードは、少しずつ洗脳されているのに気付いていない。

(父上が悪い奴だって言うなら婚約するフリだけして、資産を全部貰うのはアリかも。悪い奴へお仕置きして、大金持ちになれるのはラッキーだしさ。
真実の愛の相手が近くに住んでなかったら、遠くまで行かなきゃいけないから、何回でも他国に行けるお金があれば便利だよね。それに何人も見つけたら絶対お金がかかるし。⋯⋯うーん、ちょっと魅力的かも)

 エドワードの誤解⋯⋯悪い奴を懲らしめるのは司法のお仕事で、真実の愛はおひとり様につき一人限定のはず。



「そうとも! あの家は昔、母上に対しても不敬を働いたことがあってな⋯⋯その挙句に独立などしおって、我等に大恥をかかせたのじゃ! その仇をエドワードがとれば、喜んでくださるに違いない」

「エロイーズ様が喜ぶのも大金持ちになるのも嬉しいけどぉ⋯⋯うーん、でもなあ⋯⋯やっぱり僕だって自分で相手を選びたい気もするしなぁ。
国とか父上達の使う金とかは、父上がなんとかするべきだし、僕の将来のお金も父上が準備してくれれば良いんだし。
資産なんて『王命だ!』って言って取り上げてしまえばいいのに。政略結婚なんてめんどくさいじゃん」

「そうはいかん! 自分勝手な先代のビルワーツ女侯爵は、アルムヘイル王国から独立して公国を作り⋯⋯我が国の窮状を無視するだけでは飽き足らず、他国へ執拗な根回しを行い国力を衰えさせたのじゃ!
今の侯爵は先代の非道な行いを悔い、其方と長女の婚姻で名誉を挽回したいと言うておる。
婚約成立後、ビルワーツは我が国の財を持ち逃げした不届者だと国中に知らしめるのじゃ。その上で、寛容な王家が慈愛の心でビルワーツに赦しを与えたと伝えれば、民は今まで以上に王家を尊敬するであろう。
嫌われ者に成り下がっておる元臣下を救うてやるのじゃからな」

 議会で渡された台本メモをチラ見しながら、ランドルフは一気にセリフを吐き切った。

(王家を尊敬ってか、僕を尊敬だよね⋯⋯それはちょっとかっこいいかもなぁ)



 気が強く我儘放題の祖母エロイーズを筆頭に、ランドルフ夫妻やエドワードと妹のアデルの王家5人組は、都合の悪いことから目を逸らし、妄想を作り上げるテクニックだけは最強の、似たもの親子⋯⋯同じ穴の狢。

 亡くなったビルワーツ女侯爵が、なぜ独立したのか思い出しもしない両親と、疑問に思わないエドワード。エロイーズが幽閉された理由さえ、雲の彼方に消え失せているのだから当然と言えば当然かも。

 家臣からは『ほんと、蛙の子は蛙だよなぁ』と思われている事に気付いていない。でもね、そう思ってるお前らも同罪だって知ってるのかな?

(毎日顔を見なきゃなのに可愛くないとかだったら、気分が盛り下がって絶対ダメダメじゃん。
あちこちの国に出かけたり船旅もしてみたいし、砂漠を駱駝で旅するというのもやってみたいって思ってるしね。砂漠の王ってハーレムとかって言うのを作ってるっていうのに、可愛い女の子を連れてないと恥をかいてしまうもんね。
とりあえずどんな子か調べて、我慢できるくらいの顔とスタイルをしてたら許してあげても⋯⋯大金持ちになれて、バンバン公妾とか愛妾を作れるんだもん)



「じゃあ、少し考えてみる。すぐには決められないって言うか⋯⋯(顔とかスタイルとかを)調べてみたいって言うか」

 8歳の女の子のスタイルチェック、それにどんな意味がある?

 夜会にはまだ出たことがないが、お茶会や昼食会は何度も出席している。エドワードの周りに群がってくるのは、いつも綺麗に着飾った令嬢達ばかり。

 キラキラと輝くブロンドとやや切れ長の濃いブルーの瞳⋯⋯眉目秀麗お世辞頭脳明晰との誉高い勘違い王太子だと言われているエドワードは、己の見た目にも内面にも絶大なる自信がある。いや、自信しかない。

 実際は、そこそこ整っているくらいの見た目と、愚鈍とまでは言わないがそれに近い、下駄を履かせても下の上程度の頭脳。

 え? 下の上なのに頭脳に自信がある? 比較相手がいなかったり、相手に忖度されたりすると『俺すげえ』と思えるのは当然の流れで。

 周りからはイタい子って見られてるけど⋯⋯。

 盛大に盛りすぎた評価は鏡に幻想を映し出し、教科書を学者や研究者用の高度な書物に見せてくれるものらしい。

 王太子と言う肩書きで、絶大なるフィルターをかけてもらっているエドワードは、そばに近寄る令嬢だけでなく使用人の美醜にまで拘っている。

(見た目も頭脳も、僕に相応しい者でないと側にはおけない。だってさぁ、見た目や頭が悪いのに僕の隣にいたら恥ずかしくて、居心地が悪いって思うはずだもんね。そんなの可哀想すぎじゃん)



「エロイーズ様にも相談したいし、それくらい構わないよね?」

 母上と呼ばれるのは許せるが、お婆様と呼ばれるのは許せないエロイーズは、処刑されると決まっていたが色々あって⋯⋯今でも北の塔にある王族専用の牢に収監されている。

 人の死を願うのは許されないが、エロイーズだけは⋯⋯ほら、あれだし。願っちゃうのも仕方ないよねと国民全てに思われている、王国史上最恐の毒婦。

 エロイーズの処刑をうやむやにした奴と、エロイーズ本人に呪いをかけようとした人が多すぎて、魔道具やお札が売り切れ続出になるのは何年も昔から続いている。

 今でも追加で『最強のやつが欲しいんだけど、残ってる? ええ~、売り切れかあ、なら入荷待ちするよ』と切れ間なく買いにくるリピーターがいるほどの逆人気ぶり。




 部屋に戻ったエドワードは、机の上に広げたままの宿題を見つけて溜め息を吐いた。

「あぁ、事務官に声をかけるのを忘れてた。もうすぐ夕食の時間だよな~⋯⋯思ったより遅くなったから食事の後にやるのも面倒だし⋯⋯⋯⋯そうだ! 家庭教師には父上の指示で仕事をしなくちゃいけなくなったって言えば良いんだ。
ビルワーツ侯爵家のなんとかって子の事を調べないといけないし、エロイーズ様にも会いに行かなきゃだし。
さて、少し早いけどまずは腹ごしらえだね」

 大嫌いな語学の宿題を無視できる口実ができたエドワードは、食堂に向かうためにご機嫌で部屋を出て行った。





 その数日後⋯⋯。

 将来の側近候補と一緒に遊んでいたエドワードが、何気ないフリを装いながら木剣を放り出して背を伸ばした。

「そう言えばさ、ビルワーツ侯爵家の令嬢って知ってる?」

「ビルワーツの? えー、見たことあったっけかなあ?」

「使用人に聞いたら、一回だけお茶会に来たらしいんだけど」

「ん?⋯⋯あっ、あれか! うん、見たことある。すごい可愛い子とお化け令嬢だ」

 エドワードの質問に折れた木剣を握りしめたまま返事をしたのは、アルバートソン伯爵家嫡男のケニス。父親は第二騎士団団長で、父子共に極めつけの脳筋。

「覚えてないの? 一回だけ来たお茶会でさ、古臭いドレス着てて陰気臭かったのがエレーナ。んで、一緒にいたターニャはめちゃめちゃ可愛くて目立ってたけど養女」

 詳しい話を知っていたのは、オルドリッジ公爵家嫡男のユージーンで父親は法務大臣。本の読み過ぎで、10歳になる前から眼鏡をかけているが『頭が良さそうに見える』とは本人談。

「姉妹なの!?」

(ヤバい! どっちなのか分かんないじゃん。ユージーンが言うなら間違いないから、美人のターニャならアリかも)

「そうそう、すっげえ可愛い子だったよな~。なんかこう⋯⋯守ってやらなきゃ~みたいな感じでさあ。あの子が大人になったらすっごい美人確定だよな」

「でもターニャは相続権がないから、将来的に考えると役立たずなんだよね」

 ユージーンによると、エレーナはビルワーツ侯爵家の正式な後継だが、ターニャは現在のビルワーツ侯爵代理の娘だと言う。

「えーっと、よく分かんないけど⋯⋯義妹なら相続権があるんじゃないの?」

 大きな身体で首を傾げたケニスは、大きな犬みたいで意外に可愛い。

「父上が仰ってたんだけど、成人になるまで限定の特別な養子縁組なんだって。つまり、学園を卒業する頃にはビルワーツじゃなくなるってこと」

 実はターニャの見た目に惹かれたユージーンは、父にターニャ・ビルワーツと婚約したいと強請って却下された時に、詳しく教えてもらっていた。

しおりを挟む
感想 104

あなたにおすすめの小説

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜

ゆうき
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。 エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。 地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。 しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。 突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。 社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。 そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。 喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。 それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……? ⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎

【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと

淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。 第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品) ※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。 原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。 よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。 王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。 どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。 家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。 1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。 2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる) 3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。 4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。 5.お父様と弟の問題を解決する。 それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc. リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。 ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう? たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。 これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。 【注意点】 恋愛要素は弱め。 設定はかなりゆるめに作っています。 1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。 2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。

居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。 父親は怒り、修道院に入れようとする。 そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。 学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。 ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。 聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。 暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!? 一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語 母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・? ※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています

【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話

彩伊 
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。 しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。 彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。 ............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。 招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。 送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。 そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。 『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』 一日一話 14話完結

森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。

玖保ひかる
恋愛
[完結] 北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。 ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。 アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。 森に捨てられてしまったのだ。 南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。 苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。 ※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。 ※完結しました。

処理中です...