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Sideデイビッド
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登場人物全員胸糞です。ご注意下さい。
ーーーーーー
ー 七月 ー
「屋敷に忍び込んだだと? 一体どうやって? 警備が厳しいって言ってたのはお前だろ?」
「ああ、言ったなぁ。でも忍び込めた、ひっひっひ。楽しかったぜ、聞きたいか?」
「何の為に潜り込んだんだ? 俺にはなんの連絡もなかったじゃないか」
「へっ、別に理由なんかないな。強いていやあ、暇潰し? 屋敷を見張ってばかりじゃつまんねえからよ、ちょっと遊んでやったってとこだな」
「そんな事して、もし捕まったらこの後どうなると思ってるんだ。計画はまだ途中なんだぞ」
「知ってるさ、俺が計画して俺が実行してるんだ。それにしてもあんたの奥方はいい女じゃねえか。真っ白で絹の様な手触り、手首や足首は折れそうな細さ。いつもあんたが寝てる女達よりよっぽど極上品だったぜ」
「あいつに会ったのか?」
「会ったどころか抱き上げて、ひっひ。すげぇいい匂いだったなぁ」
「お前まさか」
「あぁ? 手は出しちゃいねぇよ。でもよう、何であんたは手ぇ出さないんだ? 女なんて一発やりゃこっちの言いなりだろうによ。そしたら今頃伯爵様になれてたかもなぁ、ひーっひっひ」
「うるさい、気が強くて自分勝手であんな見た目だけの女なんか冗談じゃない」
「まぁ今更どうでもいいって。それに今頃はベッドでうんうん唸ってるかもな」
「どう言う意味だ?」
「教えてやろうかぁ? 俺が隠れてるとこに偶々奥方がやってきたんで、一発殴って寝かしつけてやったのさ」
「へぇ、いい気味だな」
「今頃めそめそ泣いてるかもよ。ひーっひっひ」
「所で女は準備できたんだろうな?」
「ああ、何時でもいける」
「どんな女だ?」
「義妹だ、美人で我儘で頭も尻も軽い」
「そりゃまた都合の良い女がいたもんだ」
「で? 何をすればいい?」
「その女を使って、思いっきり今迄の鬱憤晴らしてこいよ。溜まってんだろ? 文句やらなんかが。奥方を思いっきり困らせてくればいい。スッキリするぜ」
「それだけか? そんな事して何になるんだ?」
「いーんだよ、お前は何にも考えないで。作戦立てんのは俺様よ、あんたは今まで通り言うこと聞いてりゃ上手く行くんだ。文句があるのか?」
「いや、別に。その間俺は?」
「あんたんとこは、新しく染織の工房を作るんだろ? その情報を何でもいいから引っ張ってこい。なるべく内緒でな」
「分かった」
「女連れの時は行きも帰りも、何時もの宿は使うな。その手前にある銀龍亭にしろ」
「なんでだ? あの辺りじゃいつもの紫煙亭が一番マシなんだぞ。銀龍亭は飯もクソまずいし、ベッドだってシラミだらけで」
「いつもお前が泊まってる部屋は表通りに面してる。俺が忍び込むのはやば過ぎんだよ」
「だったら前みたいに酒場で待ってりゃいいだろうが」
「ったく、これだから馬鹿は」
「なんだと! 誰が金を払うのか分かってるのか? お前を雇ってるのは俺だぞ!」
「だったら先に貰うもん貰おうか? あぁ? からっけつの文無しのくせに、偉そうにすんじゃねえ」
「それはお前が、さっさと仕事をしないからだろうが。あいつを捕まえて判子を押させりゃあ済むのに」
「物事にはな、順番ってものがあんだよ。今奥方を引っ捕まえても、無理矢理ハンコ押させられたって言われたらお終いだろうが」
「お前が連れてくる女に、俺と会うとこ見られてもいいのか? あ?」
「それは・・分かった」
「帰り道、夜こいつを女に飲ませろ。心配はねぇ、ぐっすり朝まで寝るだけだ。シラミが来ても起きねぇから、女も喜ぶだろうよ。ひっひっひ」
「部屋で待ってりゃいいんだな」
「おう、お前が見つけたもんを貰いに行ってやる。いい子で待ってろよ」
「くそ」
Side ??
さて、これで準備は整った。しっかしまぁめんどくせえ事だぜ、貴族様の考える事はよぉ。
暇潰しにウォルターを揶揄ってやろうと思ったら、牢屋は空っぽだったし。まぁ奥方様が来てくれたお陰で、少しは楽しめたけどな。
お次はデイビッドとアバズレが、奥方を屋敷から引っ張り出してくれるのを待つとするか。
あいつの話からすると、一番邪魔なのは執事みたいだから、そっちをなんとかしないとな。今の所こっちが一歩も二歩もリードしてる。知恵比べといこうぜ。
どっちにしろさっさと先に進みたいもんだ。
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ー 七月 ー
「屋敷に忍び込んだだと? 一体どうやって? 警備が厳しいって言ってたのはお前だろ?」
「ああ、言ったなぁ。でも忍び込めた、ひっひっひ。楽しかったぜ、聞きたいか?」
「何の為に潜り込んだんだ? 俺にはなんの連絡もなかったじゃないか」
「へっ、別に理由なんかないな。強いていやあ、暇潰し? 屋敷を見張ってばかりじゃつまんねえからよ、ちょっと遊んでやったってとこだな」
「そんな事して、もし捕まったらこの後どうなると思ってるんだ。計画はまだ途中なんだぞ」
「知ってるさ、俺が計画して俺が実行してるんだ。それにしてもあんたの奥方はいい女じゃねえか。真っ白で絹の様な手触り、手首や足首は折れそうな細さ。いつもあんたが寝てる女達よりよっぽど極上品だったぜ」
「あいつに会ったのか?」
「会ったどころか抱き上げて、ひっひ。すげぇいい匂いだったなぁ」
「お前まさか」
「あぁ? 手は出しちゃいねぇよ。でもよう、何であんたは手ぇ出さないんだ? 女なんて一発やりゃこっちの言いなりだろうによ。そしたら今頃伯爵様になれてたかもなぁ、ひーっひっひ」
「うるさい、気が強くて自分勝手であんな見た目だけの女なんか冗談じゃない」
「まぁ今更どうでもいいって。それに今頃はベッドでうんうん唸ってるかもな」
「どう言う意味だ?」
「教えてやろうかぁ? 俺が隠れてるとこに偶々奥方がやってきたんで、一発殴って寝かしつけてやったのさ」
「へぇ、いい気味だな」
「今頃めそめそ泣いてるかもよ。ひーっひっひ」
「所で女は準備できたんだろうな?」
「ああ、何時でもいける」
「どんな女だ?」
「義妹だ、美人で我儘で頭も尻も軽い」
「そりゃまた都合の良い女がいたもんだ」
「で? 何をすればいい?」
「その女を使って、思いっきり今迄の鬱憤晴らしてこいよ。溜まってんだろ? 文句やらなんかが。奥方を思いっきり困らせてくればいい。スッキリするぜ」
「それだけか? そんな事して何になるんだ?」
「いーんだよ、お前は何にも考えないで。作戦立てんのは俺様よ、あんたは今まで通り言うこと聞いてりゃ上手く行くんだ。文句があるのか?」
「いや、別に。その間俺は?」
「あんたんとこは、新しく染織の工房を作るんだろ? その情報を何でもいいから引っ張ってこい。なるべく内緒でな」
「分かった」
「女連れの時は行きも帰りも、何時もの宿は使うな。その手前にある銀龍亭にしろ」
「なんでだ? あの辺りじゃいつもの紫煙亭が一番マシなんだぞ。銀龍亭は飯もクソまずいし、ベッドだってシラミだらけで」
「いつもお前が泊まってる部屋は表通りに面してる。俺が忍び込むのはやば過ぎんだよ」
「だったら前みたいに酒場で待ってりゃいいだろうが」
「ったく、これだから馬鹿は」
「なんだと! 誰が金を払うのか分かってるのか? お前を雇ってるのは俺だぞ!」
「だったら先に貰うもん貰おうか? あぁ? からっけつの文無しのくせに、偉そうにすんじゃねえ」
「それはお前が、さっさと仕事をしないからだろうが。あいつを捕まえて判子を押させりゃあ済むのに」
「物事にはな、順番ってものがあんだよ。今奥方を引っ捕まえても、無理矢理ハンコ押させられたって言われたらお終いだろうが」
「お前が連れてくる女に、俺と会うとこ見られてもいいのか? あ?」
「それは・・分かった」
「帰り道、夜こいつを女に飲ませろ。心配はねぇ、ぐっすり朝まで寝るだけだ。シラミが来ても起きねぇから、女も喜ぶだろうよ。ひっひっひ」
「部屋で待ってりゃいいんだな」
「おう、お前が見つけたもんを貰いに行ってやる。いい子で待ってろよ」
「くそ」
Side ??
さて、これで準備は整った。しっかしまぁめんどくせえ事だぜ、貴族様の考える事はよぉ。
暇潰しにウォルターを揶揄ってやろうと思ったら、牢屋は空っぽだったし。まぁ奥方様が来てくれたお陰で、少しは楽しめたけどな。
お次はデイビッドとアバズレが、奥方を屋敷から引っ張り出してくれるのを待つとするか。
あいつの話からすると、一番邪魔なのは執事みたいだから、そっちをなんとかしないとな。今の所こっちが一歩も二歩もリードしてる。知恵比べといこうぜ。
どっちにしろさっさと先に進みたいもんだ。
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