【完結】真実の行方 悠々自適なマイライフを掴むまで

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Sideデイビッド

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登場人物みんな胸糞です。ご注意下さい。

ーーーーーー

ー 六月 ー

「ウォルターが捕まった? あいつが喋ったらどうするんだ」
「奴は何にも喋らねえよ。俺は顔を隠してたから、喋るネタなんか持っちゃいねえ。俺の全財産かけてもいい。お前のメイドと同じだよ。あの夜お前が喋ってたメイドがいただろう? あいつと同じで何にも知っちゃいねえよ」

 勝手な事しやがって。一体誰が主人なのか分かってるのか? まあいい、全部終わったらしっかりと言い聞かせてやる。

 報酬額は決めてないが、伯爵家の資産からしたらどうせ端金だ、とにかく今はあいつをどうにかしないとな。

 あいつにバレたら俺は終わりだ。1人やるのも2人やるのも大した違いはないし、いやもう2人やってるから3人だな。

 だけど今度はただ殺ればいいわけじゃない。

 計画を思いつきさえすればいい、汚れ仕事は全部こいつにやらせるんだから。まあ少しなら俺も手伝ってやるさ。


 前回の計画は完璧だった。まさかあの女が伯爵になるとは思わなかったから、何の役にも立たなかったが。とりあえず邪魔者は減ったし良しとするか。


「で、次はどうするつもりだ?」
「まあ慌てるなって、これから暫く奴らは自警団の周りをうろちょろするはず、こっちは高みの見物と洒落込むって寸法よ」
「それだけか? あの女をなんとかしないと、さっさとかたをつけてしまえ」

「そうはいかねぇよ、今度はただ、殺っておしまいってわけにはいかねぇだろうが。俺はもう暫く領主館の様子を調べる。あそこは結構警備が厳しいし、あんたの奥方様は屋敷から出てこねえ。ホットスパーとは訳が違うんだ。警備の隙ができるか、奥方が出てくるかしねえと今は手が出せねえな」
「一体いつまで時間をかけるつもりだ?」
「さあねえ、随分と急いでるようだが昔から果報は寝て待てって言うだろ? ひっひっひ」

「だったら俺は何をすればいい?」
「領主館に潜り込む手筈を整えろ」
「潜り込む? 俺はあそこの主人だぞ。堂々と玄関から入れば」
「そうじゃねえ、今あんたがあそこに行っても何にもできやしねえ。一緒に行ってあんたの手助けをする奴、女が良いなそれを探せ。娼婦じゃダメだ。あんたが領主館に連れて行っても、追い出せない女が要る」

「・・心当たりがある。その女に何をさせる気だ?」
「大した事じゃねえ。一緒に行って、屋敷中を引っ掻き回してくれりゃそれでいい。その間にあんたには、屋敷の中を調べてもらう。細かい事はまた今度だな。あんたはその女と懇ろになって、領主館へ一緒に行く手筈を整えろ。女に目的を疑われないよう用心してな。女を誑かすのはお手のもんだろ。ひっひ」

 感じの悪い奴だが次の計画も良さそうだ。俺はバイオレットを手懐けて来るか。あいつなら俺の義妹だし、頭も尻も軽くて都合がいい。この間会った時、俺に色目を使ってきたしな。
 派手好きだから、田舎には行きたがらないかもしれない。そこを何とかすれば良いって事だな。

「準備ができたら連絡する」俺は金貨を1枚テーブルに置いて席を立った。


Side ??

 あの馬鹿は何が起きてるのか、気付いてもいねえ。大体あいつがさっさとてめえの仕事してりゃ、こんな面倒なことしなくても済んだのによ。ったく、頭もあっちの方も役立たずってか。

 領主の護衛ったって、呆れるほどしょぼい奴らばっかだったな。俺が見張ってるのに気付きもしねえ。そろそろウォルターに辿り着くのは分かってたから、ホットスパーに行ってみりゃ大人数でお出ましだったしな。

 暫く時間を空けろって言われてるし、その間に少しばかり遊んでみるか。


 こいつがありゃ簡単に忍び込めるしよ。

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