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74.話のネタが尽きたのかしら?
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「すごく素敵なドレスですわ。しかも王妃殿下と同じスタイルだなんて!」
「男性用の衿付の外套『ルダンゴト』をヒントにシャーロットがデザインしましたの。ジャケットと言いますの」
「まあ、シャーロット様がデザインされたのですか?」
「素晴らしいアイデアですわね」
「わたくしもぜひ仕立てたいですわ」
時折森の奥から聞こえてきた声もざわめきもおさまり、女性陣はおしゃべりの合間に軽食を摘んだり飲み物をメイドに運ばせたりしてそれぞれ自由に楽しんでいた。
初めはシャーロットの存在に不快そうな顔を向けていた人達も他の楽しみを見つけ、シャーロットはマリアンヌ達と一緒におしゃべりを楽しめるようになっていった。
もう直競技参加者が帰ってくるはずの午後も遅くなった頃、陰湿な言葉とくすくすと笑う嘲笑が聞こえてきた。
夕方近くなり、王妃とエカテリーナ達が少し休憩しようと席を外した時に『それ』は聞こえてきた。
「どれほど媚びてもあの傷ではねえ」
「ジェローム様がお可哀想ですわ」
「本当に、思い出すと今でも恐ろしくて」
気を許していた時に突然聞こえた言葉に仮面をかぶる余裕もなく固まったシャーロットをマリアンヌが背に庇った。
「ここはとても空気が悪いわ。シャーロット、向こうへ行きましょう」
陰口を叩いている夫人を睨みつけシャーロットの手を引いたマリアンヌに向けて、別の方向から嘲笑うような陰険な声が聞こえてきた。
「あら、平民のマリアンヌ様なら平気でいらっしゃるわよねえ」
「どうりで仲が良さそうでしたわ」
「侯爵令息を誑し込んだ成り上がりの石女と収容所帰り⋯⋯似た者同士ですわね」
顔が青褪め今にも泣き出しそうになったマリアンヌの前に友人達が立ち塞がったが、邪魔だというように扇子で払い除けながら鼻で笑う。
「人の前に立ち塞がるなど⋯⋯本当に礼儀知らずですこと」
「平民上がりと仲良くされる方達ですもの、礼儀知らずでも仕方ないのではありませんかしら」
あからさまな悪意ある言動に眉を顰める夫人や令嬢が多い中、退屈しはじめていた女性達が騒ぎの起きそうな予感に目を輝かせ、少しでも話がよく聞こえるようにか⋯⋯少しずつ近付いてくる者まで出はじめた。
(はあ、気が緩んでるところを狙ってくるなんて、陰険女のやる事はみんな同じだわ)
最初の衝撃から立ち直り敵の様子を確認したシャーロットは、心配ないと言うようにマリアンヌの背に手を置いて背筋を伸ばした。
(この方達は戦闘を開始したいのね。このような大勢の集まる場所で⋯⋯なんて非常識な)
マリアンヌを侮辱したグループの中心にいる派手なドレスの女がリーダーだろう。シャーロット達が言い返さないからかどんどん声が大きくなっていき、周りの女達も参戦しはじめた。
直ぐに反撃するのは得策ではない。シャーロットは言い返そうとしていたマリアンヌの友達に向かって小さく首を振って止めた。
「貴族の真似事をするお二人がこのような場に居座るなど本当に情けないですわ。陛下が楽しみにしておられた狐狩りを穢すなんて」
「本当ですわ、貴族の慎みを知らぬ方ですわねぇ」
「そうそう、先ほど耳にしたのですけれど⋯⋯女子収容所ではそのような仕立て屋の職業訓練もしてもらえるのね」
「離婚された後は雇ってくださる方もおられるかも」
「まあ、収容所帰りを雇う貴族などおりませんわ」
自分達の言葉に酔っているのか、周りの人達に賛同してもらえていると確信しているようで『でしょう?』と言うように周りを見回した。
小さく頷く者と不快そうに眉を顰める者。
(みんな同じ穴の狢だわ)
「どなたか存じませんが、マリアンヌ様と似た者同士だと仰って下さるなんてとても嬉しいですわ。
『愚者は教えたがり、賢者は学びたがる』の例えもございますでしょう?
マリアンヌ様は多くを学び、誰よりも素晴らしい淑女でいらっしゃいますもの。
無知であることを恥じることもなく、平然と悪意を垂れ流す方と似ていると言われず本当に嬉しゅうございますわ」
「な! それはわたくし達が愚者だと仰っておられるのかしら!? 収容所帰りのくせに!」
シャーロットに向かって突きつけられた扇子の先が怒りで揺れている。
言い返されると思っていなかったのか青筋を立ててワナワナと怒りに震える女とシャーロットを睨みつける取り巻き達。
「まさか! 皆様の事はまだお名前さえ存じませんのに、どのようなお考えの方か分かろうはずもございません。
ご挨拶が遅れました。元アルフォンス公爵家令嬢、シャーロット・モルガリウスと申します。こちらからお声をかける前に声をかけてこられたのですから、勿論わたくし達よりも高位の方でいらっしゃるのでしょう?
お名前をお聞きしてもよろしいかしら?」
「モ、モルガリウス? コーネリア伯爵夫人ではなく?」
「夫は爵位をお父様に返したそうですの。この国では爵位とともに家名も変わりますでしょう? ですから、モルガリウスとなりましたの。もう一度申し上げますわね、お名前をお聞きしてもよろしいかしら?」
「もしかして、ジェローム様はこの女のせいで爵位を返されたのかしら? 一体何があったのか話しなさい!」
「お名前も口にできない礼儀知らずな方にアレコレと指示される言われはございません。先に声をかけてこられたと言うことは公爵家若しくは侯爵家の方かしら?
先ほども申し上げたように、わたくしは元公爵家令嬢でしたの。お名前をお聞きすればわかることもあるかもしれませんわね」
相手の反応で恐らく伯爵位だろうと推測したのは当たっていたらしい。
「い、行きましょう! このような方達と話していてはわたくし達の品位まで下がってしまうわ」
慌てて背を向けた女性達一行が早足で逃げ出すと、唇を噛んで俯いたままのマリアンヌが話しはじめた。
「⋯⋯あの方は、メイベル・バーリントン様とそのお仲間よ。アンドリューを狙ってたからずっとあの調子なの」
「やっぱり⋯⋯バーリントンと言えば伯爵家、だから逃げ出したのね。
それにしても、マリアンヌ様が結婚されて3年近いのに⋯⋯しつこい方ね」
「3年近く経つのにまだ子供がいないでしょう? だからなの」
「まだたったの3年ですし、エカテリーナ様が何も仰られないのに赤の他人にとやかく言われる筋合いはありませんわ。
第一、アンドリュー様がマリアンヌ様にベタ惚れですから⋯⋯あのような方など視界の隅にも入ってないと断言できますわ」
「⋯⋯あの方、アンドリューがダメならジェロームと結婚して跡継ぎを産んであげるんだとかって騒いだりもしはじめてて。
だから、義妹になったらどうしようって不安だったの」
「そんな心配はありませんわ。だってジェローム様は法務大臣認定の男色家ですもの」
したり顔で頷きながら宣言したシャーロット。
「⋯⋯⋯⋯ぷっ! ふははっ! あり、ありがとう。ジェロームが聞いたら泣きそうだけど、シャーロットのお陰で元気が出たわ」
「クマ男さんには逃げられたらしいですけどね」
ニヤリと笑って小さくサムズアップしたシャーロットにマリアンヌが抱きついた。
マリアンヌ最大の敵メイベルをあっさりと撃退したシャーロットをマリアンヌの友達は賞賛し、まだ独身の令嬢やその親は蔑むような目で見ていた。
「シャーロット様って凄いですわ」
「あの方にはいつも困っておりましたの」
「あのような攻撃的な」
「人を不快にさせる物言いは流石収容所帰り⋯⋯うちの娘の方が」
「あれではモルガリウス侯爵家には相応しくないわね」
新しい話題をネタに女性陣はまた一頻り会話をはじめた。
(何を言おうが何をしようが人は自分の都合のいいように考えるのよね)
マリアンヌを応援しメイベル達を非難するものと、王家主催の昼食会の最中に不快な話を聞かされたのは出席者の選定に問題があったと高説を垂れる者。
賛否両論入り乱れる中に男達が帰ってきた。
「ただいま、シャーロット」
満面の笑みを浮かべたジェロームは不穏な空気に眉を吊り上げた。
「ん? 何があった?」
「男性用の衿付の外套『ルダンゴト』をヒントにシャーロットがデザインしましたの。ジャケットと言いますの」
「まあ、シャーロット様がデザインされたのですか?」
「素晴らしいアイデアですわね」
「わたくしもぜひ仕立てたいですわ」
時折森の奥から聞こえてきた声もざわめきもおさまり、女性陣はおしゃべりの合間に軽食を摘んだり飲み物をメイドに運ばせたりしてそれぞれ自由に楽しんでいた。
初めはシャーロットの存在に不快そうな顔を向けていた人達も他の楽しみを見つけ、シャーロットはマリアンヌ達と一緒におしゃべりを楽しめるようになっていった。
もう直競技参加者が帰ってくるはずの午後も遅くなった頃、陰湿な言葉とくすくすと笑う嘲笑が聞こえてきた。
夕方近くなり、王妃とエカテリーナ達が少し休憩しようと席を外した時に『それ』は聞こえてきた。
「どれほど媚びてもあの傷ではねえ」
「ジェローム様がお可哀想ですわ」
「本当に、思い出すと今でも恐ろしくて」
気を許していた時に突然聞こえた言葉に仮面をかぶる余裕もなく固まったシャーロットをマリアンヌが背に庇った。
「ここはとても空気が悪いわ。シャーロット、向こうへ行きましょう」
陰口を叩いている夫人を睨みつけシャーロットの手を引いたマリアンヌに向けて、別の方向から嘲笑うような陰険な声が聞こえてきた。
「あら、平民のマリアンヌ様なら平気でいらっしゃるわよねえ」
「どうりで仲が良さそうでしたわ」
「侯爵令息を誑し込んだ成り上がりの石女と収容所帰り⋯⋯似た者同士ですわね」
顔が青褪め今にも泣き出しそうになったマリアンヌの前に友人達が立ち塞がったが、邪魔だというように扇子で払い除けながら鼻で笑う。
「人の前に立ち塞がるなど⋯⋯本当に礼儀知らずですこと」
「平民上がりと仲良くされる方達ですもの、礼儀知らずでも仕方ないのではありませんかしら」
あからさまな悪意ある言動に眉を顰める夫人や令嬢が多い中、退屈しはじめていた女性達が騒ぎの起きそうな予感に目を輝かせ、少しでも話がよく聞こえるようにか⋯⋯少しずつ近付いてくる者まで出はじめた。
(はあ、気が緩んでるところを狙ってくるなんて、陰険女のやる事はみんな同じだわ)
最初の衝撃から立ち直り敵の様子を確認したシャーロットは、心配ないと言うようにマリアンヌの背に手を置いて背筋を伸ばした。
(この方達は戦闘を開始したいのね。このような大勢の集まる場所で⋯⋯なんて非常識な)
マリアンヌを侮辱したグループの中心にいる派手なドレスの女がリーダーだろう。シャーロット達が言い返さないからかどんどん声が大きくなっていき、周りの女達も参戦しはじめた。
直ぐに反撃するのは得策ではない。シャーロットは言い返そうとしていたマリアンヌの友達に向かって小さく首を振って止めた。
「貴族の真似事をするお二人がこのような場に居座るなど本当に情けないですわ。陛下が楽しみにしておられた狐狩りを穢すなんて」
「本当ですわ、貴族の慎みを知らぬ方ですわねぇ」
「そうそう、先ほど耳にしたのですけれど⋯⋯女子収容所ではそのような仕立て屋の職業訓練もしてもらえるのね」
「離婚された後は雇ってくださる方もおられるかも」
「まあ、収容所帰りを雇う貴族などおりませんわ」
自分達の言葉に酔っているのか、周りの人達に賛同してもらえていると確信しているようで『でしょう?』と言うように周りを見回した。
小さく頷く者と不快そうに眉を顰める者。
(みんな同じ穴の狢だわ)
「どなたか存じませんが、マリアンヌ様と似た者同士だと仰って下さるなんてとても嬉しいですわ。
『愚者は教えたがり、賢者は学びたがる』の例えもございますでしょう?
マリアンヌ様は多くを学び、誰よりも素晴らしい淑女でいらっしゃいますもの。
無知であることを恥じることもなく、平然と悪意を垂れ流す方と似ていると言われず本当に嬉しゅうございますわ」
「な! それはわたくし達が愚者だと仰っておられるのかしら!? 収容所帰りのくせに!」
シャーロットに向かって突きつけられた扇子の先が怒りで揺れている。
言い返されると思っていなかったのか青筋を立ててワナワナと怒りに震える女とシャーロットを睨みつける取り巻き達。
「まさか! 皆様の事はまだお名前さえ存じませんのに、どのようなお考えの方か分かろうはずもございません。
ご挨拶が遅れました。元アルフォンス公爵家令嬢、シャーロット・モルガリウスと申します。こちらからお声をかける前に声をかけてこられたのですから、勿論わたくし達よりも高位の方でいらっしゃるのでしょう?
お名前をお聞きしてもよろしいかしら?」
「モ、モルガリウス? コーネリア伯爵夫人ではなく?」
「夫は爵位をお父様に返したそうですの。この国では爵位とともに家名も変わりますでしょう? ですから、モルガリウスとなりましたの。もう一度申し上げますわね、お名前をお聞きしてもよろしいかしら?」
「もしかして、ジェローム様はこの女のせいで爵位を返されたのかしら? 一体何があったのか話しなさい!」
「お名前も口にできない礼儀知らずな方にアレコレと指示される言われはございません。先に声をかけてこられたと言うことは公爵家若しくは侯爵家の方かしら?
先ほども申し上げたように、わたくしは元公爵家令嬢でしたの。お名前をお聞きすればわかることもあるかもしれませんわね」
相手の反応で恐らく伯爵位だろうと推測したのは当たっていたらしい。
「い、行きましょう! このような方達と話していてはわたくし達の品位まで下がってしまうわ」
慌てて背を向けた女性達一行が早足で逃げ出すと、唇を噛んで俯いたままのマリアンヌが話しはじめた。
「⋯⋯あの方は、メイベル・バーリントン様とそのお仲間よ。アンドリューを狙ってたからずっとあの調子なの」
「やっぱり⋯⋯バーリントンと言えば伯爵家、だから逃げ出したのね。
それにしても、マリアンヌ様が結婚されて3年近いのに⋯⋯しつこい方ね」
「3年近く経つのにまだ子供がいないでしょう? だからなの」
「まだたったの3年ですし、エカテリーナ様が何も仰られないのに赤の他人にとやかく言われる筋合いはありませんわ。
第一、アンドリュー様がマリアンヌ様にベタ惚れですから⋯⋯あのような方など視界の隅にも入ってないと断言できますわ」
「⋯⋯あの方、アンドリューがダメならジェロームと結婚して跡継ぎを産んであげるんだとかって騒いだりもしはじめてて。
だから、義妹になったらどうしようって不安だったの」
「そんな心配はありませんわ。だってジェローム様は法務大臣認定の男色家ですもの」
したり顔で頷きながら宣言したシャーロット。
「⋯⋯⋯⋯ぷっ! ふははっ! あり、ありがとう。ジェロームが聞いたら泣きそうだけど、シャーロットのお陰で元気が出たわ」
「クマ男さんには逃げられたらしいですけどね」
ニヤリと笑って小さくサムズアップしたシャーロットにマリアンヌが抱きついた。
マリアンヌ最大の敵メイベルをあっさりと撃退したシャーロットをマリアンヌの友達は賞賛し、まだ独身の令嬢やその親は蔑むような目で見ていた。
「シャーロット様って凄いですわ」
「あの方にはいつも困っておりましたの」
「あのような攻撃的な」
「人を不快にさせる物言いは流石収容所帰り⋯⋯うちの娘の方が」
「あれではモルガリウス侯爵家には相応しくないわね」
新しい話題をネタに女性陣はまた一頻り会話をはじめた。
(何を言おうが何をしようが人は自分の都合のいいように考えるのよね)
マリアンヌを応援しメイベル達を非難するものと、王家主催の昼食会の最中に不快な話を聞かされたのは出席者の選定に問題があったと高説を垂れる者。
賛否両論入り乱れる中に男達が帰ってきた。
「ただいま、シャーロット」
満面の笑みを浮かべたジェロームは不穏な空気に眉を吊り上げた。
「ん? 何があった?」
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