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64.ジェローム、特殊性癖持ちと断定される
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「赤ちゃんプレイ?」
「そう、令嬢に聞かせる話題じゃないなぁと思ってやめたんだけど」
「それって⋯⋯なに?」
「名前の通り、エドワードが赤ちゃんになって相手の女性がははお⋯⋯」
シャーロットが慌ててジェロームの口を両手で塞いだ。
「いい、それ以上話さなくていいわ。気持ち悪い話は苦手なの」
口を押さえられたままのジェロームがこくこくと頷いた。
(シャーロットの手、柔らかくていい匂いだ)
ジェロームが思わず大きく息を吸い込んで掌にキスをすると赤かったシャーロットの顔が益々赤くなり両手でジェロームの胸を叩いた。
「ぐほっ!」
「ふ、巫山戯ないで!」
「ゴホッ、巫山戯てはないけど驚かせてごめんっ。ゴホッゴホッ、掌底打ちか。掌の手首に近い部分で相手を叩く技で護身にはピッタリだけど指先を痛めないように気をつけ⋯⋯ぐはっ!」
シャーロットの二発目の蹴りが入った。一発目と同じ場所に蹴りが入り真っ赤な顔で痛みを堪えるジェロームを見て溜飲を下げたシャーロットが右手の人差し指と中指を立てて宣言した。
「次は容赦しないわよ!」
(まさか、目潰しか!?)
シャーロット達の攻防に気付かないまま馬車が玄関前に静かに停まり従僕がドアを開けた。真っ赤な顔で少し足を引き摺っているジェロームのエスコートで降りてきたシャーロットの顔も赤い。
「義姉上に頼まれていたお菓子が積んであるんだ。使用人達の分もあるから人を呼んで手伝ってもらってくれないか?」
ジェロームが従僕に指示している間にシャーロットはサッサと玄関を入って行った。普段と違う二人の様子に首を傾げた従僕が恐る恐る尋ねた。
「畏まりました。あの、御御足にお怪我でもなさいましたか?」
「あー、いや。問題ない、ほんのかすり傷だ。貰った対価を考えれば大したことはない」
ジェロームの返事が聞こえたシャーロットがくるっと振り返って手の甲を向けて中指を立てた。
「シャーロット!!」
叫び声が聞こえて振り向くと一番見られたくない相手、エカテリーナが階段下に立っていた。
(マズい!! 最悪だわ)
「申し訳ありません」
素直に頭を下げたシャーロットの後ろからジェロームが少し足を引き摺りながら駆けつけて隣に並んだ。
「母上、俺がシャーロットを揶揄いすぎたんです。お叱りなら俺が受けます」
「ええ、当然ですよ! レディをこれほど怒らせるなんて、ジェロームは礼儀作法の勉強をやり直すべきね」
(えーっと、怒られてる方向が違うような気が)
「どうせシャーロットとのデートに浮かれすぎて調子に乗ったんでしょう!? 恥を知りなさい!」
「漸く初デートに漕ぎつけたんですから、少しくらい多めに見てもらっても」
「全く⋯⋯血は争えないと言うか。アンドリューもジェロームもアーサーの子だわ」
「母上、多分ですが⋯⋯俺は母上が想像しておられるほどの成果はあげておりませ⋯⋯ぐはっ!」
シャーロットが尖ったつま先でジェロームの脛を思い切り蹴りつけた。踵で蹴られた時の比ではない痛みにジェロームが崩れ落ちた。
「玄関先でお騒がせし、大変申し訳ありません」
座り込んで痛みを堪えるジェロームを放置したままエカテリーナの横を通り過ぎ、階段を駆け上がるシャーロットの後ろからエカテリーナの楽しそうな笑い声が響いてきた。
部屋に着いてソファに座り込んだシャーロットが頭を抱えているとマリアンヌがやって来た。
「お帰りなさい。なんだか楽しそうな余興を見逃したみたいね」
コーヒーテーブルの上に積み上げられた書類の束をチラ見しながらマリアンヌがクスクスと笑った。
「エカテリーナ様のお話では、昔マリアンヌ様とアンドリュー様が披露した余興ほどではなかったみたいですけど⋯⋯腹を立てて中指を立てたところを見られてしまいました」
「まあ、それは⋯⋯見逃したなんて残念すぎるわ。余程酷いことをされたのね」
冷静になって考えるとあそこまでやらなくても良かった気がしていたシャーロットは返事に困って俯いてしまった。
「少し、ほんの少しやり過ぎだったかも」
「ふふっ、シャーロットがそう思うならジェロームは喜んでいると思うわよ」
「おかしな性癖でもない限り喜んでないと思います」
「だって、シャーロットってジェロームから逃げてばっかりでしょう? 反応を返して欲しくてしょうがないからやりすぎたんだと思うの。あら、離婚届だわ」
マリアンヌが指差した先には昨夜サインした離婚届があった。騒ぎに紛れて置きっぱなしになっていたらしい。
「まだここにあるって事は⋯⋯離婚してないって事? さっき離婚したって言ってたから⋯⋯とっくに出したんだと」
昨夜の自分の様子を思い出して肩を落とした。
(私も忘れてたんだもの、ご当主様も同じように忘れてても文句は言えないわ)
ガッカリした気持ちの中にほんの少し『まだここにいてもいいんだ』という安心感があったのは蓋をして気付かないふりをした。
(まだ、ご当主様の妻なんだ⋯⋯)
ドアがノックされて困った顔のメイドがやって来た。
「あの、ジェローム様の買ってこられたお土産をお持ちしたのですが⋯⋯全部中に運んでも宜しいでしょうか?」
「ええ、お願い」
楽しみにしてたと言うマリアンヌは大の甘党。今度の狐狩りに向けて体型を維持しなくてはいけないからと我慢していたようだが、今日は特別解禁日らしい。
メイドがケーキスタンドやお菓子の乗った大皿を載せたワゴンを運び込み⋯⋯運び込み⋯⋯運び込み。
「一体どれだけ買ってきたの?」
「さあ、お店を買い占める予定だったのかもしれません。マリアンヌ様へのお土産と一緒にお店のおすすめ商品と使用人全員分のおやつが欲しいと仰っておられましたから」
「そ、それは確かにこの量になるわよね。お義母様のは? ああ、それなら⋯⋯えーっと、これとこれだけ残してあとはみんなで分けてちょうだい」
大量のケーキやお菓子が運ばれて行くのを名残惜しげに見ていたマリアンヌだったが、ハッと気付いたように振り返った。
「もしかして、アレが原因とか?」
「イエスでありノーでもあるって感じです」
モゴモゴと話を誤魔化したがマリアンヌの知識欲が前のめりになってどんどん押し寄せてくる。
「私の時も大変だったのよ~、聞きたい?」
マリアンヌの顔に『ギブアンドテイクだからね』と書いてあるが、女子トークに縁のなかったシャーロットは凄く興味がある。
人見知りで友達のいなかったシャーロットは学園に通っていた時、楽しそうに女の子同士がお喋りしているのを遠目に見ては羨ましく思っていた。
収容所では貴族は嫌われて当たり前のように仲間外れにされるが、上手くコミュニケーションを取れないシャーロットは特に嫌われてしまった。その上、どんな行為が不貞と呼ばれるのかさえ知らなかった為『お高くとまっている』とか『バカにしている』と出所するまでターゲットになり続けた。
そんなシャーロットには先ほどの馬車の中の出来事でさえハードルが高すぎたが、それ以上の事は何があるのかもよく分かっていない。
(マリアンヌ様もあんな事を? やっぱり恥ずかしいわよね)
「⋯⋯お、お聞きしたいです」
「そう、令嬢に聞かせる話題じゃないなぁと思ってやめたんだけど」
「それって⋯⋯なに?」
「名前の通り、エドワードが赤ちゃんになって相手の女性がははお⋯⋯」
シャーロットが慌ててジェロームの口を両手で塞いだ。
「いい、それ以上話さなくていいわ。気持ち悪い話は苦手なの」
口を押さえられたままのジェロームがこくこくと頷いた。
(シャーロットの手、柔らかくていい匂いだ)
ジェロームが思わず大きく息を吸い込んで掌にキスをすると赤かったシャーロットの顔が益々赤くなり両手でジェロームの胸を叩いた。
「ぐほっ!」
「ふ、巫山戯ないで!」
「ゴホッ、巫山戯てはないけど驚かせてごめんっ。ゴホッゴホッ、掌底打ちか。掌の手首に近い部分で相手を叩く技で護身にはピッタリだけど指先を痛めないように気をつけ⋯⋯ぐはっ!」
シャーロットの二発目の蹴りが入った。一発目と同じ場所に蹴りが入り真っ赤な顔で痛みを堪えるジェロームを見て溜飲を下げたシャーロットが右手の人差し指と中指を立てて宣言した。
「次は容赦しないわよ!」
(まさか、目潰しか!?)
シャーロット達の攻防に気付かないまま馬車が玄関前に静かに停まり従僕がドアを開けた。真っ赤な顔で少し足を引き摺っているジェロームのエスコートで降りてきたシャーロットの顔も赤い。
「義姉上に頼まれていたお菓子が積んであるんだ。使用人達の分もあるから人を呼んで手伝ってもらってくれないか?」
ジェロームが従僕に指示している間にシャーロットはサッサと玄関を入って行った。普段と違う二人の様子に首を傾げた従僕が恐る恐る尋ねた。
「畏まりました。あの、御御足にお怪我でもなさいましたか?」
「あー、いや。問題ない、ほんのかすり傷だ。貰った対価を考えれば大したことはない」
ジェロームの返事が聞こえたシャーロットがくるっと振り返って手の甲を向けて中指を立てた。
「シャーロット!!」
叫び声が聞こえて振り向くと一番見られたくない相手、エカテリーナが階段下に立っていた。
(マズい!! 最悪だわ)
「申し訳ありません」
素直に頭を下げたシャーロットの後ろからジェロームが少し足を引き摺りながら駆けつけて隣に並んだ。
「母上、俺がシャーロットを揶揄いすぎたんです。お叱りなら俺が受けます」
「ええ、当然ですよ! レディをこれほど怒らせるなんて、ジェロームは礼儀作法の勉強をやり直すべきね」
(えーっと、怒られてる方向が違うような気が)
「どうせシャーロットとのデートに浮かれすぎて調子に乗ったんでしょう!? 恥を知りなさい!」
「漸く初デートに漕ぎつけたんですから、少しくらい多めに見てもらっても」
「全く⋯⋯血は争えないと言うか。アンドリューもジェロームもアーサーの子だわ」
「母上、多分ですが⋯⋯俺は母上が想像しておられるほどの成果はあげておりませ⋯⋯ぐはっ!」
シャーロットが尖ったつま先でジェロームの脛を思い切り蹴りつけた。踵で蹴られた時の比ではない痛みにジェロームが崩れ落ちた。
「玄関先でお騒がせし、大変申し訳ありません」
座り込んで痛みを堪えるジェロームを放置したままエカテリーナの横を通り過ぎ、階段を駆け上がるシャーロットの後ろからエカテリーナの楽しそうな笑い声が響いてきた。
部屋に着いてソファに座り込んだシャーロットが頭を抱えているとマリアンヌがやって来た。
「お帰りなさい。なんだか楽しそうな余興を見逃したみたいね」
コーヒーテーブルの上に積み上げられた書類の束をチラ見しながらマリアンヌがクスクスと笑った。
「エカテリーナ様のお話では、昔マリアンヌ様とアンドリュー様が披露した余興ほどではなかったみたいですけど⋯⋯腹を立てて中指を立てたところを見られてしまいました」
「まあ、それは⋯⋯見逃したなんて残念すぎるわ。余程酷いことをされたのね」
冷静になって考えるとあそこまでやらなくても良かった気がしていたシャーロットは返事に困って俯いてしまった。
「少し、ほんの少しやり過ぎだったかも」
「ふふっ、シャーロットがそう思うならジェロームは喜んでいると思うわよ」
「おかしな性癖でもない限り喜んでないと思います」
「だって、シャーロットってジェロームから逃げてばっかりでしょう? 反応を返して欲しくてしょうがないからやりすぎたんだと思うの。あら、離婚届だわ」
マリアンヌが指差した先には昨夜サインした離婚届があった。騒ぎに紛れて置きっぱなしになっていたらしい。
「まだここにあるって事は⋯⋯離婚してないって事? さっき離婚したって言ってたから⋯⋯とっくに出したんだと」
昨夜の自分の様子を思い出して肩を落とした。
(私も忘れてたんだもの、ご当主様も同じように忘れてても文句は言えないわ)
ガッカリした気持ちの中にほんの少し『まだここにいてもいいんだ』という安心感があったのは蓋をして気付かないふりをした。
(まだ、ご当主様の妻なんだ⋯⋯)
ドアがノックされて困った顔のメイドがやって来た。
「あの、ジェローム様の買ってこられたお土産をお持ちしたのですが⋯⋯全部中に運んでも宜しいでしょうか?」
「ええ、お願い」
楽しみにしてたと言うマリアンヌは大の甘党。今度の狐狩りに向けて体型を維持しなくてはいけないからと我慢していたようだが、今日は特別解禁日らしい。
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大量のケーキやお菓子が運ばれて行くのを名残惜しげに見ていたマリアンヌだったが、ハッと気付いたように振り返った。
「もしかして、アレが原因とか?」
「イエスでありノーでもあるって感じです」
モゴモゴと話を誤魔化したがマリアンヌの知識欲が前のめりになってどんどん押し寄せてくる。
「私の時も大変だったのよ~、聞きたい?」
マリアンヌの顔に『ギブアンドテイクだからね』と書いてあるが、女子トークに縁のなかったシャーロットは凄く興味がある。
人見知りで友達のいなかったシャーロットは学園に通っていた時、楽しそうに女の子同士がお喋りしているのを遠目に見ては羨ましく思っていた。
収容所では貴族は嫌われて当たり前のように仲間外れにされるが、上手くコミュニケーションを取れないシャーロットは特に嫌われてしまった。その上、どんな行為が不貞と呼ばれるのかさえ知らなかった為『お高くとまっている』とか『バカにしている』と出所するまでターゲットになり続けた。
そんなシャーロットには先ほどの馬車の中の出来事でさえハードルが高すぎたが、それ以上の事は何があるのかもよく分かっていない。
(マリアンヌ様もあんな事を? やっぱり恥ずかしいわよね)
「⋯⋯お、お聞きしたいです」
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