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30.家族会議で坊ちゃんが⋯⋯
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「ご当主様、あの不倫騒動を起こしたのはテレーザですわ」
「は? しかし、公爵夫妻は裁判に⋯⋯えっと、つまり⋯⋯ご両親も騙されていたと言う事か」
「テレーザはシャーロットと名乗って交際していたんです。そして、どのタイミングでかは存じませんが公爵夫妻はそれを知っておられました」
「⋯⋯⋯⋯そうか、だからか⋯⋯違和感があったんだ。3年近く経ったとは言ってもシャーロットはあんな無責任な事をする人には思えなくて。冤罪なら裁判のやり直しをすれば⋯⋯。
それならそうと言ってくれればいくらでも手助けできたのに」
「ご当主様が信用なさるとは思えませんでしたの。間違いなく、元犯罪者の戯言だと言われてしまうだけだと」
法務部に務めるジェロームは裁判で有罪判決を出した側の人間。シャーロットが冤罪だと言ったところで自分の立場をよくしようと嘘偽りを言い立てていると思われるのが関の山だっただろう。
「このお馬鹿さんにも理解できるよう説明してくれるかしら?」
「大講堂で当時の婚約者エドワードに婚約破棄された時、前日不貞で有罪になった事を初めて知りました。
その日の夜両親から裁判所から判決と処分が言い渡されたからもう覆らないと言われて⋯⋯法律とはそう言うものなのかと信じ込んでしまったんです。
当時、エドワードはテレーザと親しくしていて私ではなくテレーザと結婚したがっていたらしく、両親は私を女子収容所に入れてしまえば全てが丸く収まると言いました」
「そう言えば裁判記録には未成年者の犯罪行為なので両親が同席したと書いてあったな⋯⋯」
「女子収容所に入ってから不当な裁判はやり直しもできると知りました。祖父が助けると言ってくれたんですが、『今ここを出られても未成年の私はあの家に戻るしかなくなる。恥をかかされた公爵夫妻と罪がバレたテレーザに何をされるか分からないから』と言って断りました。
出所する時は18歳だから離籍出来ると言ったんです。
出所日の前日にやってきた公爵夫妻が私はとっくに結婚していると言って笑いました。
テレーザの結婚式が近づいたけれどあの娘はフォルスト侯爵家に言えない借金を作っていた。コーネリア伯爵家から貰った多額の支度金や結納金は全部それの支払いに使ったから離婚したければそのお金を自力で返せと。
公爵夫妻はとても贅沢な格好をしていたので、テレーザの借金と公爵夫妻の全員で使い切ったんだと思います」
「それでうちにやって来た」
「私に出来るのは白い結婚を証明して離婚すると同時に離籍届けを出すことだけだと考えています。後はご当主様が公爵に離婚したいと話す前になんとかしなくてはと、公爵家に話を持って行かないようにデュークがご当主様に頼みました」
「待ってくれ! 白い結婚って⋯⋯じゃあ君はその」
「ご当主様からならば後数ヶ月待たずに離婚できますから、公爵一家に知られないうちに離籍届けと一緒に提出させてもらえれば一気に片がつきます」
ジェロームの疑問を完全に無視して説明するシャーロットを全員が見つめていた。
「勿論、支度金や結納金は公爵家に返還請求して下さい。どれくらいの返済能力があるかわかりませんけど⋯⋯不足分はなんとかしますから」
「離婚前提で話を進めるのはやめてくれ! 過去がわかる前から言ってるが俺は離婚はしない!!」
「あと数ヶ月逃げ切ればいいだけですもの。なんとかなりますわ」
顔を赤くして怒鳴るジェロームだがシャーロットから冷ややかな態度で肩をすくめられて終わった。
「シャーロットが神殿に訴え出ても俺は抗議する。あれは訴えの後1ヶ月の猶予があるからな、その時に妻はずっと家出していたと言ってやる」
「馬鹿馬鹿しい。冷静になればすぐにお分かりになりますわ。わたくしなどに拘う時間がどれほど無駄か」
「無駄かどうかは俺が決める!」
「仕事を放棄してフラフラしているより社会的責任を果たされる方が大切だとご提案させて頂きますわ」
「くそっ! そうやって話をすり替えるのはシャーロットの得意技だって知ってるからな。それをやりはじめたって事は君が劣勢に回ったかまだ何か隠してるかのどっちかだ!」
「このままわたくしがウロウロしていたら碌なことにならないと確信を持って言えます。テレーザは前回で味を占めていますし、既に同じ事を繰り返しているそうです⋯⋯新しい醜聞が広まる前に手を切らなければ状況は悪くなる一方ですわ」
「させないから! テレーザが何を画策しても絶対に阻止してみせる。一度くらい信じてくれないか?」
「そんな低レートのギャンブルに私の人生をかける気にはなれませんわ。成人した後再犯して女子収容所に入れられたら二度と出てこられないそうですの。
わたくしはそうなった女性の末路を知っております。あそこがどんなところかも知らないくせに呑気に信じろだなんて⋯⋯お金持ちのお坊っちゃまにしか言えない台詞ですわ」
馬鹿にしたような目でジェロームを見たシャーロットはアーサーに向き直った。
「長々とお時間を頂き申し訳ありませんでした。わたくしはこれで失礼させていただきたいと存じますが⋯⋯。
もしご迷惑でなければ、正義感溢れるご子息に是非とも常識を説いていただいて、この場で離婚届けにサインするのが最善だと説得していただけないでしょうか」
「それで終わりにして帰ってしまうのかね? で、その後はどうするつもりかい?」
「暫くどこかに潜伏致しますわ。多分何とかなると思います」
「公爵達は大人しくしているだろうか?」
「離婚と離籍さえ出来れば全ての問題が片付きますから」
「離婚はしないと言ってるだろう! そんなに俺の事が嫌か!? 確かに態度は悪かったさ。認めるし心から謝る。すまなかった⋯⋯でも、俺は一緒にいたいと思ってるんだ。どうしてもやり直せないほど嫌なのか?」
「アルフォンス公爵家の者はこれから先も醜聞塗れですわ。しかも、今後は今まで以上にお金の無心に来るようにもなるでしょう。
貴族社会で最も縁を結んではいけない人達だと、現時点でその程度の事はお分かりでしょう? エカテリーナ様からも是非常識を説いて下さいませ」
「くそっ! 俺といるより公爵達から逃げ回る人生の方が魅力があるって事か」
「自由を満喫する予定ですのよ」
「掃除婦がそんなに良いのか」
「試してみろとは申しませんが、綺麗になるのが気持ちいいのは確かですわね。法務部にお勤めなんですもの、離婚届の書式くらいはご存知でしょう?
理性的になってさっさと書いて下さいませんこと?」
睨み合うシャーロットとジェロームの横から大きな溜め息が聞こえてきた。
「本当に、ジェロームの言う通り隠し事と誤魔化しがお上手ね。その資質は社交界で役に立ちそうだわ」
「は? エカテリーナ様?」
「お義母様と呼ぶように言ったはずですよ」
「ですがそれは」
立ち聞きした時エカテリーナはシャーロットの事を認めていないようだった。それは当然の事だと思っているしそれで構わないとも思っていた。
「モルガリウス侯爵家としてシャーロットの社交界デビューを全面的に補佐致します。だから、残りの秘密も全部吐いておしまいなさい」
「は? しかし、公爵夫妻は裁判に⋯⋯えっと、つまり⋯⋯ご両親も騙されていたと言う事か」
「テレーザはシャーロットと名乗って交際していたんです。そして、どのタイミングでかは存じませんが公爵夫妻はそれを知っておられました」
「⋯⋯⋯⋯そうか、だからか⋯⋯違和感があったんだ。3年近く経ったとは言ってもシャーロットはあんな無責任な事をする人には思えなくて。冤罪なら裁判のやり直しをすれば⋯⋯。
それならそうと言ってくれればいくらでも手助けできたのに」
「ご当主様が信用なさるとは思えませんでしたの。間違いなく、元犯罪者の戯言だと言われてしまうだけだと」
法務部に務めるジェロームは裁判で有罪判決を出した側の人間。シャーロットが冤罪だと言ったところで自分の立場をよくしようと嘘偽りを言い立てていると思われるのが関の山だっただろう。
「このお馬鹿さんにも理解できるよう説明してくれるかしら?」
「大講堂で当時の婚約者エドワードに婚約破棄された時、前日不貞で有罪になった事を初めて知りました。
その日の夜両親から裁判所から判決と処分が言い渡されたからもう覆らないと言われて⋯⋯法律とはそう言うものなのかと信じ込んでしまったんです。
当時、エドワードはテレーザと親しくしていて私ではなくテレーザと結婚したがっていたらしく、両親は私を女子収容所に入れてしまえば全てが丸く収まると言いました」
「そう言えば裁判記録には未成年者の犯罪行為なので両親が同席したと書いてあったな⋯⋯」
「女子収容所に入ってから不当な裁判はやり直しもできると知りました。祖父が助けると言ってくれたんですが、『今ここを出られても未成年の私はあの家に戻るしかなくなる。恥をかかされた公爵夫妻と罪がバレたテレーザに何をされるか分からないから』と言って断りました。
出所する時は18歳だから離籍出来ると言ったんです。
出所日の前日にやってきた公爵夫妻が私はとっくに結婚していると言って笑いました。
テレーザの結婚式が近づいたけれどあの娘はフォルスト侯爵家に言えない借金を作っていた。コーネリア伯爵家から貰った多額の支度金や結納金は全部それの支払いに使ったから離婚したければそのお金を自力で返せと。
公爵夫妻はとても贅沢な格好をしていたので、テレーザの借金と公爵夫妻の全員で使い切ったんだと思います」
「それでうちにやって来た」
「私に出来るのは白い結婚を証明して離婚すると同時に離籍届けを出すことだけだと考えています。後はご当主様が公爵に離婚したいと話す前になんとかしなくてはと、公爵家に話を持って行かないようにデュークがご当主様に頼みました」
「待ってくれ! 白い結婚って⋯⋯じゃあ君はその」
「ご当主様からならば後数ヶ月待たずに離婚できますから、公爵一家に知られないうちに離籍届けと一緒に提出させてもらえれば一気に片がつきます」
ジェロームの疑問を完全に無視して説明するシャーロットを全員が見つめていた。
「勿論、支度金や結納金は公爵家に返還請求して下さい。どれくらいの返済能力があるかわかりませんけど⋯⋯不足分はなんとかしますから」
「離婚前提で話を進めるのはやめてくれ! 過去がわかる前から言ってるが俺は離婚はしない!!」
「あと数ヶ月逃げ切ればいいだけですもの。なんとかなりますわ」
顔を赤くして怒鳴るジェロームだがシャーロットから冷ややかな態度で肩をすくめられて終わった。
「シャーロットが神殿に訴え出ても俺は抗議する。あれは訴えの後1ヶ月の猶予があるからな、その時に妻はずっと家出していたと言ってやる」
「馬鹿馬鹿しい。冷静になればすぐにお分かりになりますわ。わたくしなどに拘う時間がどれほど無駄か」
「無駄かどうかは俺が決める!」
「仕事を放棄してフラフラしているより社会的責任を果たされる方が大切だとご提案させて頂きますわ」
「くそっ! そうやって話をすり替えるのはシャーロットの得意技だって知ってるからな。それをやりはじめたって事は君が劣勢に回ったかまだ何か隠してるかのどっちかだ!」
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「させないから! テレーザが何を画策しても絶対に阻止してみせる。一度くらい信じてくれないか?」
「そんな低レートのギャンブルに私の人生をかける気にはなれませんわ。成人した後再犯して女子収容所に入れられたら二度と出てこられないそうですの。
わたくしはそうなった女性の末路を知っております。あそこがどんなところかも知らないくせに呑気に信じろだなんて⋯⋯お金持ちのお坊っちゃまにしか言えない台詞ですわ」
馬鹿にしたような目でジェロームを見たシャーロットはアーサーに向き直った。
「長々とお時間を頂き申し訳ありませんでした。わたくしはこれで失礼させていただきたいと存じますが⋯⋯。
もしご迷惑でなければ、正義感溢れるご子息に是非とも常識を説いていただいて、この場で離婚届けにサインするのが最善だと説得していただけないでしょうか」
「それで終わりにして帰ってしまうのかね? で、その後はどうするつもりかい?」
「暫くどこかに潜伏致しますわ。多分何とかなると思います」
「公爵達は大人しくしているだろうか?」
「離婚と離籍さえ出来れば全ての問題が片付きますから」
「離婚はしないと言ってるだろう! そんなに俺の事が嫌か!? 確かに態度は悪かったさ。認めるし心から謝る。すまなかった⋯⋯でも、俺は一緒にいたいと思ってるんだ。どうしてもやり直せないほど嫌なのか?」
「アルフォンス公爵家の者はこれから先も醜聞塗れですわ。しかも、今後は今まで以上にお金の無心に来るようにもなるでしょう。
貴族社会で最も縁を結んではいけない人達だと、現時点でその程度の事はお分かりでしょう? エカテリーナ様からも是非常識を説いて下さいませ」
「くそっ! 俺といるより公爵達から逃げ回る人生の方が魅力があるって事か」
「自由を満喫する予定ですのよ」
「掃除婦がそんなに良いのか」
「試してみろとは申しませんが、綺麗になるのが気持ちいいのは確かですわね。法務部にお勤めなんですもの、離婚届の書式くらいはご存知でしょう?
理性的になってさっさと書いて下さいませんこと?」
睨み合うシャーロットとジェロームの横から大きな溜め息が聞こえてきた。
「本当に、ジェロームの言う通り隠し事と誤魔化しがお上手ね。その資質は社交界で役に立ちそうだわ」
「は? エカテリーナ様?」
「お義母様と呼ぶように言ったはずですよ」
「ですがそれは」
立ち聞きした時エカテリーナはシャーロットの事を認めていないようだった。それは当然の事だと思っているしそれで構わないとも思っていた。
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