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28.獲物を見つけたロージー
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「確かに貴女の言う通り、厄介な子だわねえ。わたくしからドレスやアクセサリーをあげると言われて断る令嬢など見たことも聞いたこともないわ」
「大変申し訳ございません」
価値観の違いや生活環境の違いだと抗議しても話はまとまらないだろう。シャーロットは素直に頭を下げて話を終わらせることにした。
「あら、素直に謝ったわね。では、わたくしのやりたいようにさせて頂きましょう。先ほどシャーロットが選んだグレーのドレスを持ってきて⋯⋯ええ、そっちを。ガウンを二枚重ねにしてペチコートとガウンの間に翠のラインが入るようにしましょう。ええ、少し濃い⋯⋯その色で。後は金糸を織り込んだレースでペチコートとストマッカーを派手に飾れば良いかしら」
呆れ返るシャーロットを放置したままエカテリーナとマリアンヌの間で話が進んでいく。
「派手な装飾よりその方がシャーロットには似合うはず⋯⋯ウエストにワンポイント欲しいわ」
ドレスのイメージが出来上がる頃、仕立て屋とお針子がやって来てエカテリーナの指示が加速していく。シャーロットは隅から隅まで採寸されて口を開く暇もない着せ替え人形になっていた。
「これを一番に仕上げて、出来次第ここに持って来てちょうだい。ああ、そちらのドレスは共布で扇子も作りましょう。開いた時にこの模様が⋯⋯」
「あの」
「その柄はダメね。シャーロットには派手すぎるわ。そっちの小花模様の方が⋯⋯」
「エカテリーナ様⋯⋯」
(本気でさっき言った枚数注文する気かしら⋯⋯)
何度もエカテリーナに声をかけようとしては上手にはぐらかされて声をかけられずにいるシャーロットの肩をマリアンヌが優しく叩いた。
「あんなに楽しそうなお義母様は久しぶりだわ。楽しませてあげてね」
「でも、あんなに沢山いただいても使い道がありません」
「ないなら作れば良いの。わたくしで良ければお茶会でもパーティーでもご一緒させていただきますわ」
「シャーロット、レディのこれは戦闘服なのですよ」
マリアンヌ達二人の話など聞いてないと思っていたエカテリーナが急に顔を上げてシャーロットを見据えた。
「殿方達が武器を集めるのと同じこと。彼等は何種類も武器を集めておきながら、戦う時はいつも同じ物を使うの。とても無駄に思えるでしょう?
手元のそれが折れたとしても自分の背後にはたくさんの武器がある⋯⋯その安心感を買うのよ」
「ドレスも同じだと言うことですか? それであれば予備が1枚か2枚あれば十分ではないでしょうか?」
「様々な種類を集めてあればどんな状況にも対応できるとは思わない?
戦う相手や場所によって戦況は刻一刻と変わっていくの。どんな状況でも対応できる準備が出来ていればいつでも堂々としていられるわ。
社交界なんて貴族達の戦場ですからね。足の引っ張りあいや粗探しをするために集まっている人がほとんどなの。
その中で自分の立ち位置を確立しつつ有益な情報を仕入れたり契約を結ばせたり⋯⋯。
武器はいくらあっても多すぎると言う事はないわ」
貴族社会とはなんて面倒で恐ろしいところなのだろうと、シャーロットは怖気を震った。
「わたくし達が着なくなったドレスの行き先は知っているかしら?」
「いえ、存じません」
(そう言えば⋯⋯こんなに沢山のドレスの行方って考えたこともなかったわ。貴族女性って一度着たものは二度と着ない人もいるって言うし)
「お気に入りの侍女達にあげるの。彼女達はそれを仕立て直しして着たり売ったりするの。何かのお祝いとかご褒美とかでプレゼントするのだけど、殆どの侍女達は下位貴族の娘達だからとても喜んでくれるのよ」
高位貴族の作ったドレスならば着ていれば雇い主に気に入られている証として箔がつくし、最上級の生地や仕立てなので良い値で売れる。
「わたくし達がドレスやアクセサリーを作るのを見て使用人達は『頑張ろう』って思うの。だって、目の前のドレスが自分のものになるかも知れないんですもの。鼻の先に人参をぶら下げられたら張り切るでしょう?」
近くで片付けをしていた侍女達が苦笑いしている。『それだけではないですからね』とエカテリーナに釘を刺した侍女もいた。
「経済の循環?」
裕福な貴族が高価な買い物をし、それが下位貴族に回ったり商品となる。ドレスをそのまま売り買いする場合もあるだろうし、パーツを利用したりシャーロットがやったように別のものに作り替えることもできる。
「貴族の散財にも意味があると理解できたかしら?」
「はい。とても勉強になりました」
「さあ、少し疲れてしまったから残りは午後にしましょう」
エカテリーナの声かけに侍女がすかさずテーブル周りを片付けてお茶の準備をはじめた。
(午後⋯⋯まだ続くんだ。はぁ、経済を回すのは他の方達にお任せでいいわ)
お茶で一休憩した後、エカテリーナが突然微かに口角を上げ楽しそうな顔をした途端シャーロットの背中に震えが走った。
「シャーロットは昼食の準備していらっしゃいな。マリアンヌ、頼みましたよ」
立ち上がったマリアンヌに大人しくドナドナされていくシャーロットは既に諦めかけていた。
(エカテリーナ様は一度言い出したら絶対に思い通りにする方ね。それにしても、お茶の直後に昼食の準備なんておかしくないかしら?)
危険予測が的中したらしく2階にある客室に案内されたシャーロットを数人の侍女とメイドが取り囲んだ。
「1時間くらいで出来るかしら?」
「はい、久々に腕が鳴ります」
本当に指をパキパキ鳴らした侍女の目が輝いている。思わず後退りしたシャーロットの肩を捕まえたマリアンヌがクスッと笑った。
「ロージーを本気にさせたなら諦めた方がいいわよ。わたくしも慣れるまで何度も洗礼を受けたから」
ロージーはエカテリーナの専属侍女の一人でエカテリーナを美しく装わせる事に並々ならぬ熱意を持っている。
モルガリウス侯爵家嫡男のアンドリューと婚約したばかりの頃から、マリアンヌもロージーの餌食になり鍛えられた。
「お、お手柔らかにお願いします」
シャーロットが座らされたドレッサーには僅かな隙もないほど化粧品が並べられ、ロージーの背後に立つメイドの手には見慣れない豪奢なドレスがかけられていた。
「今日はお時間がありませんので、残念ですがお風呂やマッサージは省かせていただきます」
三つ編みを頭に巻きつけただけの髪を解きながらとても残念そうに溜め息をついたロージーがにんまりと笑った。
「ですが、髪質は素晴らしいですわ。もっとコシのない柔らかい髪を想像しておりました。これならどんな髪型でも思うままですわ!!」
ロージーのお楽しみ⋯⋯努力の結果、シャーロットはまさに高位貴族の夫人に相応しい装いになった。目はいつもの倍もあるのではないかと思うほど大きく見え、肌は透き通り思わず触りたくなるほど。落ち着いたピンク色の唇に目が釘付けになり、優雅なドレスは細い首と華奢な肩を強調していた。
「凄いわ! たった1時間でこの仕上がりなんて、流石ロージーね」
「お褒めに預かり光栄です。次回は半日ほどお時間をいただいてマッサージからネイルまで終わらせたいと存じます」
(本当に凄い、どこから見ても⋯⋯テレーザだわ)
(この顔を見たご当主様がどんな顔をするか考えただけで胃が痛くなりそうだわ)
「大変申し訳ございません」
価値観の違いや生活環境の違いだと抗議しても話はまとまらないだろう。シャーロットは素直に頭を下げて話を終わらせることにした。
「あら、素直に謝ったわね。では、わたくしのやりたいようにさせて頂きましょう。先ほどシャーロットが選んだグレーのドレスを持ってきて⋯⋯ええ、そっちを。ガウンを二枚重ねにしてペチコートとガウンの間に翠のラインが入るようにしましょう。ええ、少し濃い⋯⋯その色で。後は金糸を織り込んだレースでペチコートとストマッカーを派手に飾れば良いかしら」
呆れ返るシャーロットを放置したままエカテリーナとマリアンヌの間で話が進んでいく。
「派手な装飾よりその方がシャーロットには似合うはず⋯⋯ウエストにワンポイント欲しいわ」
ドレスのイメージが出来上がる頃、仕立て屋とお針子がやって来てエカテリーナの指示が加速していく。シャーロットは隅から隅まで採寸されて口を開く暇もない着せ替え人形になっていた。
「これを一番に仕上げて、出来次第ここに持って来てちょうだい。ああ、そちらのドレスは共布で扇子も作りましょう。開いた時にこの模様が⋯⋯」
「あの」
「その柄はダメね。シャーロットには派手すぎるわ。そっちの小花模様の方が⋯⋯」
「エカテリーナ様⋯⋯」
(本気でさっき言った枚数注文する気かしら⋯⋯)
何度もエカテリーナに声をかけようとしては上手にはぐらかされて声をかけられずにいるシャーロットの肩をマリアンヌが優しく叩いた。
「あんなに楽しそうなお義母様は久しぶりだわ。楽しませてあげてね」
「でも、あんなに沢山いただいても使い道がありません」
「ないなら作れば良いの。わたくしで良ければお茶会でもパーティーでもご一緒させていただきますわ」
「シャーロット、レディのこれは戦闘服なのですよ」
マリアンヌ達二人の話など聞いてないと思っていたエカテリーナが急に顔を上げてシャーロットを見据えた。
「殿方達が武器を集めるのと同じこと。彼等は何種類も武器を集めておきながら、戦う時はいつも同じ物を使うの。とても無駄に思えるでしょう?
手元のそれが折れたとしても自分の背後にはたくさんの武器がある⋯⋯その安心感を買うのよ」
「ドレスも同じだと言うことですか? それであれば予備が1枚か2枚あれば十分ではないでしょうか?」
「様々な種類を集めてあればどんな状況にも対応できるとは思わない?
戦う相手や場所によって戦況は刻一刻と変わっていくの。どんな状況でも対応できる準備が出来ていればいつでも堂々としていられるわ。
社交界なんて貴族達の戦場ですからね。足の引っ張りあいや粗探しをするために集まっている人がほとんどなの。
その中で自分の立ち位置を確立しつつ有益な情報を仕入れたり契約を結ばせたり⋯⋯。
武器はいくらあっても多すぎると言う事はないわ」
貴族社会とはなんて面倒で恐ろしいところなのだろうと、シャーロットは怖気を震った。
「わたくし達が着なくなったドレスの行き先は知っているかしら?」
「いえ、存じません」
(そう言えば⋯⋯こんなに沢山のドレスの行方って考えたこともなかったわ。貴族女性って一度着たものは二度と着ない人もいるって言うし)
「お気に入りの侍女達にあげるの。彼女達はそれを仕立て直しして着たり売ったりするの。何かのお祝いとかご褒美とかでプレゼントするのだけど、殆どの侍女達は下位貴族の娘達だからとても喜んでくれるのよ」
高位貴族の作ったドレスならば着ていれば雇い主に気に入られている証として箔がつくし、最上級の生地や仕立てなので良い値で売れる。
「わたくし達がドレスやアクセサリーを作るのを見て使用人達は『頑張ろう』って思うの。だって、目の前のドレスが自分のものになるかも知れないんですもの。鼻の先に人参をぶら下げられたら張り切るでしょう?」
近くで片付けをしていた侍女達が苦笑いしている。『それだけではないですからね』とエカテリーナに釘を刺した侍女もいた。
「経済の循環?」
裕福な貴族が高価な買い物をし、それが下位貴族に回ったり商品となる。ドレスをそのまま売り買いする場合もあるだろうし、パーツを利用したりシャーロットがやったように別のものに作り替えることもできる。
「貴族の散財にも意味があると理解できたかしら?」
「はい。とても勉強になりました」
「さあ、少し疲れてしまったから残りは午後にしましょう」
エカテリーナの声かけに侍女がすかさずテーブル周りを片付けてお茶の準備をはじめた。
(午後⋯⋯まだ続くんだ。はぁ、経済を回すのは他の方達にお任せでいいわ)
お茶で一休憩した後、エカテリーナが突然微かに口角を上げ楽しそうな顔をした途端シャーロットの背中に震えが走った。
「シャーロットは昼食の準備していらっしゃいな。マリアンヌ、頼みましたよ」
立ち上がったマリアンヌに大人しくドナドナされていくシャーロットは既に諦めかけていた。
(エカテリーナ様は一度言い出したら絶対に思い通りにする方ね。それにしても、お茶の直後に昼食の準備なんておかしくないかしら?)
危険予測が的中したらしく2階にある客室に案内されたシャーロットを数人の侍女とメイドが取り囲んだ。
「1時間くらいで出来るかしら?」
「はい、久々に腕が鳴ります」
本当に指をパキパキ鳴らした侍女の目が輝いている。思わず後退りしたシャーロットの肩を捕まえたマリアンヌがクスッと笑った。
「ロージーを本気にさせたなら諦めた方がいいわよ。わたくしも慣れるまで何度も洗礼を受けたから」
ロージーはエカテリーナの専属侍女の一人でエカテリーナを美しく装わせる事に並々ならぬ熱意を持っている。
モルガリウス侯爵家嫡男のアンドリューと婚約したばかりの頃から、マリアンヌもロージーの餌食になり鍛えられた。
「お、お手柔らかにお願いします」
シャーロットが座らされたドレッサーには僅かな隙もないほど化粧品が並べられ、ロージーの背後に立つメイドの手には見慣れない豪奢なドレスがかけられていた。
「今日はお時間がありませんので、残念ですがお風呂やマッサージは省かせていただきます」
三つ編みを頭に巻きつけただけの髪を解きながらとても残念そうに溜め息をついたロージーがにんまりと笑った。
「ですが、髪質は素晴らしいですわ。もっとコシのない柔らかい髪を想像しておりました。これならどんな髪型でも思うままですわ!!」
ロージーのお楽しみ⋯⋯努力の結果、シャーロットはまさに高位貴族の夫人に相応しい装いになった。目はいつもの倍もあるのではないかと思うほど大きく見え、肌は透き通り思わず触りたくなるほど。落ち着いたピンク色の唇に目が釘付けになり、優雅なドレスは細い首と華奢な肩を強調していた。
「凄いわ! たった1時間でこの仕上がりなんて、流石ロージーね」
「お褒めに預かり光栄です。次回は半日ほどお時間をいただいてマッサージからネイルまで終わらせたいと存じます」
(本当に凄い、どこから見ても⋯⋯テレーザだわ)
(この顔を見たご当主様がどんな顔をするか考えただけで胃が痛くなりそうだわ)
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