22 / 102
21.激怒するジェローム
しおりを挟む
スプーンを置いたジェロームが不思議そうに首を傾げたが、デュークとウルグス弁護士は無表情でテーブルの花瓶を見つめている。
「いや、それには及ばないよ。気を使わず食事を楽しんだらいい」
「まあ、感謝の気持ちを伝えたいだけですのに?」
可愛らしく首を傾げていたシャーロットは少ししょんぼりとしてしまった。
「⋯⋯ジョージ、料理長を呼んできてくれ」
(料理人には迷惑をかけるが折角シャーロットが皆と交流をしようと頑張っているのだから。今後のことを考えれば少しずつ関係を修復していかなくてはいけないんだし)
「ですが、今は手が離せないのではないかと思います」
ジョージがチラリとシャーロットを睨みつけた。料理長が何をしたか知っているジョージはこの場をなんとかやり過ごしたい。
『あんな遅い時間に非常識な声を上げて俺達を叩き起こした挙句、優雅に朝寝! 収容所のメシを食って生きて来れたんだ、分りゃしねえよ』
足元に置かれた桶から料理長が汚水をカップに掬うとメイド達がゲラゲラと笑った。
(たったあれっぽっちの汚水に気付いた? 収容所の食事に慣れてたらあんなの⋯⋯この女は元公爵家の令嬢だった!)
今頃になって思い出した事実に愕然としていたジョージに気付かないまま、ジェロームが死刑判決を下した。
「初日だからね、挨拶くらい何とかなるだろう?」
渋々呼び出された料理長はチラリとシャーロットを睨んだ後、ジェロームだけに頭を下げた。
「お呼びと伺いましたが何かございましたでしょうか?」
「ああ、シャーロッ⋯⋯」
「このスープの出来をお伝えしたくてわたくしがお願いしましたのよ。少し熟成が足りないようですわ。折角のスープですもの、後数回しっかりと使い込んだ物をお使いになられた方がより効果的なお味になると思いますの」
「シャーロット、好みはあるだろうが気に入らないからと言って⋯⋯」
ジェロームは既にスープを口にした後だったが特に問題がなかった。しっかりと裏漉ししたまろやかな舌触りと味に苦情を言うシャーロットのそれを我儘だと決めつけたジェロームは溜息を吐きガックリと肩を落とした。
(使用人達にはきちんと言い聞かせておいたのに⋯⋯前途多難だな。毎回こんな事をしていたら溝が広がるばかりじゃないか)
「料理長、ここで味見してごらんなさいませ。風味がまだまだ薄くて残念だと理解できると思いますわ」
「⋯⋯いや、その」
口篭り目を逸らしたままの料理長の顔色に不審を抱いたジェロームはその隣に立つジョージの引き攣った顔を見て漸く気付いた。
「ジョージ、そのスープは私達のとは違う特別製なのかもしれない。こっちへ持ってきてくれないか。ぜひ試食してみよう」
「え、あの」
動揺するジョージを見て確信をもったジェロームが立ち上がった。
「私がそっちへ行こう。そう言えばジョージは料理長を呼ばれたくなさそうだったな」
スープを処分してしまえばこの場を誤魔化せるかもしれないと思ったジョージが慌ててシャーロットの前に置かれたスープ皿を取り上げようとした。
「触るな!!」
シャーロットが使ったスプーンを取り上げてスープを掬いジェロームが臭いを嗅いだ。
「ああ、確かに。シャーロットが言っていた意味がわかったよ。使い込んだほどではない⋯⋯まあ、俺にはこれでも十分効果的な臭いになっているようにも思えるが。
さて、この後の料理もこのような工夫がされているなら挨拶に来る時間がないほど忙しいと言うのも頷ける。
料理長、今回のこれで確か2回目だったな。明日の朝一番で出て行ってもらうが勿論、紹介状などは期待しないでくれ」
「も、申し訳ございません! 2度とこのようなことは致しません。ほんの出来心で」
「ほんの出来心で2回もやられてはかなわんよ。ジョージ、お前については食事の後にしようか。
シャーロットの席を私の隣に変えたら次の食事を持ってきてくれ。シャーロットの使うカトラリーの確認と料理の毒味は全て私がする。それを踏まえて持ってくるんだな」
慌ただしくテーブルの席が変えられた。ジェロームのすぐ隣にシャーロットの席が設けられたが、並べられたカトラリーの一つ一つをジェロームがしつこいほど吟味している。
「そこまで気にされる必要はございませんわ。多少の事には耐性がついておりますから」
「耐性?」
「ええ、女子収容所帰りですから料理長も他の方もそれに相応しい扱いをしたかっただけだと思いますの。どうか料理長には休暇を差し上げてくださいませ。数日でいなくなるわたくしのせいで伯爵家に変化があるというのは嬉しくありませんわ」
「数日でいなくならなければどうする?」
「あり得ないお話には興味がございませんの。温かいうちにお食事を召し上がられては如何ですかしら?」
魚料理、肉料理と順に出てくるが明らかに量や切り方がおかしい。恐らく4人分の料理のうちシャーロットの分にはすでに手を加えていたので3人分を無理やり4人分にしたのだろう。
「料理人達の苦労が見えて情けなくなるよ。私が大切だと思っていた使用人達がこれ程愚かだとは」
ジェロームが頭を抱えると申し訳なさそうな顔をしていたジョージがこっそりとシャーロットを睨みつけた。
(睨まれてもねぇ、アレを食べるくらいなら食事抜きで構わないわ。2日くらいなら水だけで何とかなるもの)
夕食後、寝る前の湯が使いたいと思い何度もベルを鳴らしたが今回も誰も来ない。
(前回は運良く桶を手に入れられたんだけど、今回はどうしよう⋯⋯困ったわね。そうだ!)
部屋を出たシャーロットは階段下に飾られていた花だけを花台に置き、花瓶を持って井戸へ向かった。
何度も水を汲んで花瓶の中を綺麗に磨き上げてから水を入れて部屋に持って帰った。
(このままお部屋に置いておけば便利かも)
新しい端切れを出して身体を拭き水をベランダから下へ流した後ベッドに潜り込んだ。
(この部屋の下って何の部屋かしら⋯⋯まあ、いっか)
翌朝、朝食の為に部屋を出ようとドアを開けると階段下から使用人達の喚く声が聞こえてきた。
「警ら隊に連絡するべきです」
「だが花瓶だけだぞ? 他は何も取られてない」
「屋敷に侵入されたんですよ! 調べたら貴重品が無くなっているかも」
「音楽室の外が水浸しでした。悪質な嫌がらせじゃないですか?」
(下は音楽室だったのか。まあ、窓はしまってただろうしね)
「どうした、何を騒いでいる?」
使用人達の騒ぎを聞きつけたジェロームが階段を降りてきた。
「昨夜泥棒に入られたようなのです」
「何を取られた?」
「それが今のところわかっているのは花瓶一つだけでして。しかも飾られていた花は丁寧に置いてありました」
「音楽室の外も水浸しですし、侵入しようとして何かしたのかもしれません」
年若いメイド達が怯え、従者達は気色ばんでいる。
「泥棒にしてはおかしな話だな、誰か物音とか聞いていないのか?」
ジェロームの質問に首を横に振る使用人達。
「花瓶一つで警ら隊を呼ぶのは流石に拙いだろう。他になくなったものがないか確認しよう」
「いや、それには及ばないよ。気を使わず食事を楽しんだらいい」
「まあ、感謝の気持ちを伝えたいだけですのに?」
可愛らしく首を傾げていたシャーロットは少ししょんぼりとしてしまった。
「⋯⋯ジョージ、料理長を呼んできてくれ」
(料理人には迷惑をかけるが折角シャーロットが皆と交流をしようと頑張っているのだから。今後のことを考えれば少しずつ関係を修復していかなくてはいけないんだし)
「ですが、今は手が離せないのではないかと思います」
ジョージがチラリとシャーロットを睨みつけた。料理長が何をしたか知っているジョージはこの場をなんとかやり過ごしたい。
『あんな遅い時間に非常識な声を上げて俺達を叩き起こした挙句、優雅に朝寝! 収容所のメシを食って生きて来れたんだ、分りゃしねえよ』
足元に置かれた桶から料理長が汚水をカップに掬うとメイド達がゲラゲラと笑った。
(たったあれっぽっちの汚水に気付いた? 収容所の食事に慣れてたらあんなの⋯⋯この女は元公爵家の令嬢だった!)
今頃になって思い出した事実に愕然としていたジョージに気付かないまま、ジェロームが死刑判決を下した。
「初日だからね、挨拶くらい何とかなるだろう?」
渋々呼び出された料理長はチラリとシャーロットを睨んだ後、ジェロームだけに頭を下げた。
「お呼びと伺いましたが何かございましたでしょうか?」
「ああ、シャーロッ⋯⋯」
「このスープの出来をお伝えしたくてわたくしがお願いしましたのよ。少し熟成が足りないようですわ。折角のスープですもの、後数回しっかりと使い込んだ物をお使いになられた方がより効果的なお味になると思いますの」
「シャーロット、好みはあるだろうが気に入らないからと言って⋯⋯」
ジェロームは既にスープを口にした後だったが特に問題がなかった。しっかりと裏漉ししたまろやかな舌触りと味に苦情を言うシャーロットのそれを我儘だと決めつけたジェロームは溜息を吐きガックリと肩を落とした。
(使用人達にはきちんと言い聞かせておいたのに⋯⋯前途多難だな。毎回こんな事をしていたら溝が広がるばかりじゃないか)
「料理長、ここで味見してごらんなさいませ。風味がまだまだ薄くて残念だと理解できると思いますわ」
「⋯⋯いや、その」
口篭り目を逸らしたままの料理長の顔色に不審を抱いたジェロームはその隣に立つジョージの引き攣った顔を見て漸く気付いた。
「ジョージ、そのスープは私達のとは違う特別製なのかもしれない。こっちへ持ってきてくれないか。ぜひ試食してみよう」
「え、あの」
動揺するジョージを見て確信をもったジェロームが立ち上がった。
「私がそっちへ行こう。そう言えばジョージは料理長を呼ばれたくなさそうだったな」
スープを処分してしまえばこの場を誤魔化せるかもしれないと思ったジョージが慌ててシャーロットの前に置かれたスープ皿を取り上げようとした。
「触るな!!」
シャーロットが使ったスプーンを取り上げてスープを掬いジェロームが臭いを嗅いだ。
「ああ、確かに。シャーロットが言っていた意味がわかったよ。使い込んだほどではない⋯⋯まあ、俺にはこれでも十分効果的な臭いになっているようにも思えるが。
さて、この後の料理もこのような工夫がされているなら挨拶に来る時間がないほど忙しいと言うのも頷ける。
料理長、今回のこれで確か2回目だったな。明日の朝一番で出て行ってもらうが勿論、紹介状などは期待しないでくれ」
「も、申し訳ございません! 2度とこのようなことは致しません。ほんの出来心で」
「ほんの出来心で2回もやられてはかなわんよ。ジョージ、お前については食事の後にしようか。
シャーロットの席を私の隣に変えたら次の食事を持ってきてくれ。シャーロットの使うカトラリーの確認と料理の毒味は全て私がする。それを踏まえて持ってくるんだな」
慌ただしくテーブルの席が変えられた。ジェロームのすぐ隣にシャーロットの席が設けられたが、並べられたカトラリーの一つ一つをジェロームがしつこいほど吟味している。
「そこまで気にされる必要はございませんわ。多少の事には耐性がついておりますから」
「耐性?」
「ええ、女子収容所帰りですから料理長も他の方もそれに相応しい扱いをしたかっただけだと思いますの。どうか料理長には休暇を差し上げてくださいませ。数日でいなくなるわたくしのせいで伯爵家に変化があるというのは嬉しくありませんわ」
「数日でいなくならなければどうする?」
「あり得ないお話には興味がございませんの。温かいうちにお食事を召し上がられては如何ですかしら?」
魚料理、肉料理と順に出てくるが明らかに量や切り方がおかしい。恐らく4人分の料理のうちシャーロットの分にはすでに手を加えていたので3人分を無理やり4人分にしたのだろう。
「料理人達の苦労が見えて情けなくなるよ。私が大切だと思っていた使用人達がこれ程愚かだとは」
ジェロームが頭を抱えると申し訳なさそうな顔をしていたジョージがこっそりとシャーロットを睨みつけた。
(睨まれてもねぇ、アレを食べるくらいなら食事抜きで構わないわ。2日くらいなら水だけで何とかなるもの)
夕食後、寝る前の湯が使いたいと思い何度もベルを鳴らしたが今回も誰も来ない。
(前回は運良く桶を手に入れられたんだけど、今回はどうしよう⋯⋯困ったわね。そうだ!)
部屋を出たシャーロットは階段下に飾られていた花だけを花台に置き、花瓶を持って井戸へ向かった。
何度も水を汲んで花瓶の中を綺麗に磨き上げてから水を入れて部屋に持って帰った。
(このままお部屋に置いておけば便利かも)
新しい端切れを出して身体を拭き水をベランダから下へ流した後ベッドに潜り込んだ。
(この部屋の下って何の部屋かしら⋯⋯まあ、いっか)
翌朝、朝食の為に部屋を出ようとドアを開けると階段下から使用人達の喚く声が聞こえてきた。
「警ら隊に連絡するべきです」
「だが花瓶だけだぞ? 他は何も取られてない」
「屋敷に侵入されたんですよ! 調べたら貴重品が無くなっているかも」
「音楽室の外が水浸しでした。悪質な嫌がらせじゃないですか?」
(下は音楽室だったのか。まあ、窓はしまってただろうしね)
「どうした、何を騒いでいる?」
使用人達の騒ぎを聞きつけたジェロームが階段を降りてきた。
「昨夜泥棒に入られたようなのです」
「何を取られた?」
「それが今のところわかっているのは花瓶一つだけでして。しかも飾られていた花は丁寧に置いてありました」
「音楽室の外も水浸しですし、侵入しようとして何かしたのかもしれません」
年若いメイド達が怯え、従者達は気色ばんでいる。
「泥棒にしてはおかしな話だな、誰か物音とか聞いていないのか?」
ジェロームの質問に首を横に振る使用人達。
「花瓶一つで警ら隊を呼ぶのは流石に拙いだろう。他になくなったものがないか確認しよう」
2
お気に入りに追加
1,779
あなたにおすすめの小説
私はどうしようもない凡才なので、天才の妹に婚約者の王太子を譲ることにしました
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
フレイザー公爵家の長女フローラは、自ら婚約者のウィリアム王太子に婚約解消を申し入れた。幼馴染でもあるウィリアム王太子は自分の事を嫌い、妹のエレノアの方が婚約者に相応しいと社交界で言いふらしていたからだ。寝食を忘れ、血の滲むほどの努力を重ねても、天才の妹に何一つ敵わないフローラは絶望していたのだ。一日でも早く他国に逃げ出したかったのだ。
【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」
まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05
仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。
私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。
王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。
冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。
本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。

家から追い出された後、私は皇帝陛下の隠し子だったということが判明したらしいです。
新野乃花(大舟)
恋愛
13歳の少女レベッカは物心ついた時から、自分の父だと名乗るリーゲルから虐げられていた。その最中、リーゲルはセレスティンという女性と結ばれることとなり、その時のセレスティンの連れ子がマイアであった。それ以降、レベッカは父リーゲル、母セレスティン、義妹マイアの3人からそれまで以上に虐げられる生活を送らなければならなくなった…。
そんなある日の事、些細なきっかけから機嫌を損ねたリーゲルはレベッカに対し、今すぐ家から出ていくよう言い放った。レベッカはその言葉に従い、弱弱しい体を引きずって家を出ていくほかなかった…。
しかしその後、リーゲルたちのもとに信じられない知らせがもたらされることとなる。これまで自分たちが虐げていたレベッカは、時の皇帝であるグローリアの隠し子だったのだと…。その知らせを聞いて顔を青くする3人だったが、もうすべてが手遅れなのだった…。
※カクヨムにも投稿しています!

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。

妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

妹が公爵夫人になりたいようなので、譲ることにします。
夢草 蝶
恋愛
シスターナが帰宅すると、婚約者と妹のキスシーンに遭遇した。
どうやら、妹はシスターナが公爵夫人になることが気に入らないらしい。
すると、シスターナは快く妹に婚約者の座を譲ると言って──
本編とおまけの二話構成の予定です。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる