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11.銀の仔馬亭
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週に一度の休日は部屋にこもって刺繍をしているシャーロットを心配したタニアが声をかけた。タニアは再々来月幼馴染の大工と結婚することが決まっていて、楽しそうに準備している。
「うーん、これを作ってしまいたくて。後少しなの」
マーサからは作品ができたら買い取ると連絡が来ている。いつ仕事がなくなるかわからない不安があるシャーロットは少しでも沢山お金を稼ぎたい。
(私が女子収容所帰りだってわかったらここを追い出されるかもしれないし、宿に迷惑をかけそうなら出ていかなくちゃいけないし)
以前は平民になれば女子収容所帰りでも関係ないはずだと思っていたが、伯爵家の使用人の態度を見ていて現実はそんなに甘くないのだと気付かされた。
『お貴族様がここに一度入ったらねぇ、二度と真面にゃ暮らせねえんだよ。お綺麗な顔してようが金を持ってようが⋯⋯アンタはもう娼館でも働けないしねえ。ギャハハ』
(平民としてなら大丈夫なの? それともバレたらやっぱり⋯⋯。
白い結婚が認められればあの裁判結果が覆せる。それまで十分気をつけなくちゃ)
女子収容所に入るまでは不貞というのが何を指すのかさえ知らなかったシャーロットも先輩服役者達に教わって今はとても詳しい⋯⋯と思う。
(あと5ヶ月⋯⋯今の状態をキープ出来れば)
この宿に就職してまだ2ヶ月。泊り客にはほとんど会わないし、一階でも客の前には顔を出さないでいる。
シャーロットにとってこれほど理想的な職場はない。収容所に比べれば仕事は楽すぎるくらいで、宿の亭主のゲイルも妻のミリアも優しい。元気いっぱいのタニアは大の仲良しになっていて、結婚して引っ越してしまうのが今から寂しいくらい。
シャーロットが逃げ出した伯爵邸では⋯⋯。
シャーロットの予想通り、メイドが部屋の掃除に来るまで不在に気付かずいたジョージは使用人たちを総動員してシャーロットを探し回った。
屋根裏部屋から地下室まで探したが見つからない。
「一体どこに⋯⋯くそー! あの女はどこまで世話を焼かせたら気が済むんだ!!」
「ジョージ様、裏木戸の閂が外れておりました!」
怒りに震えるジョージが玄関ホールで叫んだ時、使用人の一人が見慣れた色のドレスを手に駆け込んできた。
「裏木戸の外にこれが」
ここ数日は好天に恵まれていた為それほど大きな汚れはないがそれでも落ち葉や土に塗れている。
「⋯⋯王都へ行って旦那様にお知らせしてくる。あの女がやらかす前に捕まえなければ旦那様とコーネリア伯爵家の評判に傷がついてしまう。お前達は近隣を回ってあの女の行方を探してくれ。見つけたら手荒な真似をしてもかまわんから捕まえて部屋に閉じ込めてしまえ!」
王宮にあるジェロームの執務室でジョージは真っ先に頭を下げた。
「申し訳ありません。シャーロット⋯⋯様が屋敷からいなくなりました」
「いなくなったとはどう言う意味だ?」
「アマンダにお部屋を確認させたところ、どうやら屋敷を抜け出されたようです。裏木戸の閂が外れており、外に脱いだドレスが畳んで置いてありました。恐らくドレスの下にチュニックか何かを着て⋯⋯」
「全く、たった3ヶ月間で我慢できなくなったのか!? 最後に見たのはいつだ?」
管理不足を叱られる覚悟をしていたが今頃になってとんでもない事に気がついたジョージは冷や汗を流しながら必死に言い訳を考えはじめた。
「⋯⋯」
「ジョージ、最後に見かけたのといなくなった事に気付いたのはいつだ?」
「⋯⋯み、三日前の朝にはお見かけしたのですが、今朝もお見かけしなかったもので。その」
「三日前? 最後に見たのが三日前で気付いたのが今朝だと?」
「⋯⋯」
「その間の食事は? 世話をした者はなんと言っている?」
ジョージが青褪めて震えている理由に気付いたジェロームは『バン!』と机を叩いて立ち上がった。
「⋯⋯も、申し訳ありません。食事はいつも召し上がっておられませんでしたので、気づきませんでした。お、お世話はその⋯⋯なんでもお一人で」
「いつも食べていないとはどう言う意味だ? しかも誰も世話をせずにいたのか!?」
「⋯⋯」
「どうやらお前の報告には問題があったようだな。領地に戻る。全員揃っている所で詳しく聞かせてもらおう」
仕事を早退したジェロームは騎馬で屋敷へ戻った。玄関を入って直ぐ使用人全員を集めたジェロームはシャーロットがコーネリア伯爵邸に来てから3ヶ月間の間の状況について問いただすことにした。
「アマンダ、シャーロットがいなくなったそうだな」
「旦那様、あの」
ジェロームの後ろでオロオロしていたジョージが慌てて声をかけた。
「ジョージ、お前には聞いていない。今はメイド長のアマンダに聞いているんだ」
「裏木戸から抜け出されたようで、木戸の外に普段着ておられたドレスが脱ぎ捨てられておりました」
アマンダ達も王都へ行く前のジョージと同様で、シャーロットの勝手な行動に腹を立てたまま返事を返した。
「らしいな。最後に会った時はどんな様子だった?」
「特に変わった様子はございません」
ジョージは必死でアマンダに合図を送ろうとしていたが、自分達は悪くないと思っているアマンダは堂々としている。
(全く、少しばかり旦那様に叱られたくらいでビクビクするなんて! 執事ならシャキッとなさい)
「それはいつだ?」
「は?」
「アマンダがシャーロットに最後に会ったのはいつかと聞いている」
アマンダはジョージが真っ青になっている理由に気付いた。
「前回旦那様がお帰りになられた日だったと思いますが⋯⋯」
「そうか、ではシャーロットの世話を担当していたのは誰だ? シャーロットはいつから食事をしなくなったのか、時期と理由を教えてもらおうか」
敬愛する主人の為に行動していたつもりの使用人達が青褪めた。
「シャーロットが屋敷に来た後使用人は挨拶も屋敷の案内もせず放置、ここへきたばかりの頃の食事も本人の希望ではなく確認もなく勝手に部屋に運んでいた。
俺はそれに対して何の文句があって引きこもっているのかと非難し、食事を運ばせるのは我儘だと言い切った」
「⋯⋯」
「メイドを呼んでも来ないばかりかたった一度だけ頼んだ買い物は真面なものは届かず、メイドに仕事を頼んだと言って非難された」
「⋯⋯」
「シャーロット用に準備してあった生活費はその時のガラクタの代金以外一切手付かずで、食事はゴミが浮いたスープと焦げたパンと生焼けの肉が出た日から食べなくなった。
その状況の中で、俺はシャーロットに向かって何の問題も起きてないと豪語した上に我儘を言わず使用人に歩み寄れと言ったわけだ」
「⋯⋯」
「祖父に宛てた手紙を何通も握りつぶし何食わぬ顔をしていたんだったな。手紙を送った途端祖父の執事が飛んできたがどんな話をしたのかは不明。その翌日から毎朝門まで食料その他の物を運んでくる女性がいたと。
部屋の掃除は三日に一度でそれ以外は完全無視。今朝部屋の掃除に行かなければ不在には気付かなかった筈。
他にも何かあれば聞くが?」
「うーん、これを作ってしまいたくて。後少しなの」
マーサからは作品ができたら買い取ると連絡が来ている。いつ仕事がなくなるかわからない不安があるシャーロットは少しでも沢山お金を稼ぎたい。
(私が女子収容所帰りだってわかったらここを追い出されるかもしれないし、宿に迷惑をかけそうなら出ていかなくちゃいけないし)
以前は平民になれば女子収容所帰りでも関係ないはずだと思っていたが、伯爵家の使用人の態度を見ていて現実はそんなに甘くないのだと気付かされた。
『お貴族様がここに一度入ったらねぇ、二度と真面にゃ暮らせねえんだよ。お綺麗な顔してようが金を持ってようが⋯⋯アンタはもう娼館でも働けないしねえ。ギャハハ』
(平民としてなら大丈夫なの? それともバレたらやっぱり⋯⋯。
白い結婚が認められればあの裁判結果が覆せる。それまで十分気をつけなくちゃ)
女子収容所に入るまでは不貞というのが何を指すのかさえ知らなかったシャーロットも先輩服役者達に教わって今はとても詳しい⋯⋯と思う。
(あと5ヶ月⋯⋯今の状態をキープ出来れば)
この宿に就職してまだ2ヶ月。泊り客にはほとんど会わないし、一階でも客の前には顔を出さないでいる。
シャーロットにとってこれほど理想的な職場はない。収容所に比べれば仕事は楽すぎるくらいで、宿の亭主のゲイルも妻のミリアも優しい。元気いっぱいのタニアは大の仲良しになっていて、結婚して引っ越してしまうのが今から寂しいくらい。
シャーロットが逃げ出した伯爵邸では⋯⋯。
シャーロットの予想通り、メイドが部屋の掃除に来るまで不在に気付かずいたジョージは使用人たちを総動員してシャーロットを探し回った。
屋根裏部屋から地下室まで探したが見つからない。
「一体どこに⋯⋯くそー! あの女はどこまで世話を焼かせたら気が済むんだ!!」
「ジョージ様、裏木戸の閂が外れておりました!」
怒りに震えるジョージが玄関ホールで叫んだ時、使用人の一人が見慣れた色のドレスを手に駆け込んできた。
「裏木戸の外にこれが」
ここ数日は好天に恵まれていた為それほど大きな汚れはないがそれでも落ち葉や土に塗れている。
「⋯⋯王都へ行って旦那様にお知らせしてくる。あの女がやらかす前に捕まえなければ旦那様とコーネリア伯爵家の評判に傷がついてしまう。お前達は近隣を回ってあの女の行方を探してくれ。見つけたら手荒な真似をしてもかまわんから捕まえて部屋に閉じ込めてしまえ!」
王宮にあるジェロームの執務室でジョージは真っ先に頭を下げた。
「申し訳ありません。シャーロット⋯⋯様が屋敷からいなくなりました」
「いなくなったとはどう言う意味だ?」
「アマンダにお部屋を確認させたところ、どうやら屋敷を抜け出されたようです。裏木戸の閂が外れており、外に脱いだドレスが畳んで置いてありました。恐らくドレスの下にチュニックか何かを着て⋯⋯」
「全く、たった3ヶ月間で我慢できなくなったのか!? 最後に見たのはいつだ?」
管理不足を叱られる覚悟をしていたが今頃になってとんでもない事に気がついたジョージは冷や汗を流しながら必死に言い訳を考えはじめた。
「⋯⋯」
「ジョージ、最後に見かけたのといなくなった事に気付いたのはいつだ?」
「⋯⋯み、三日前の朝にはお見かけしたのですが、今朝もお見かけしなかったもので。その」
「三日前? 最後に見たのが三日前で気付いたのが今朝だと?」
「⋯⋯」
「その間の食事は? 世話をした者はなんと言っている?」
ジョージが青褪めて震えている理由に気付いたジェロームは『バン!』と机を叩いて立ち上がった。
「⋯⋯も、申し訳ありません。食事はいつも召し上がっておられませんでしたので、気づきませんでした。お、お世話はその⋯⋯なんでもお一人で」
「いつも食べていないとはどう言う意味だ? しかも誰も世話をせずにいたのか!?」
「⋯⋯」
「どうやらお前の報告には問題があったようだな。領地に戻る。全員揃っている所で詳しく聞かせてもらおう」
仕事を早退したジェロームは騎馬で屋敷へ戻った。玄関を入って直ぐ使用人全員を集めたジェロームはシャーロットがコーネリア伯爵邸に来てから3ヶ月間の間の状況について問いただすことにした。
「アマンダ、シャーロットがいなくなったそうだな」
「旦那様、あの」
ジェロームの後ろでオロオロしていたジョージが慌てて声をかけた。
「ジョージ、お前には聞いていない。今はメイド長のアマンダに聞いているんだ」
「裏木戸から抜け出されたようで、木戸の外に普段着ておられたドレスが脱ぎ捨てられておりました」
アマンダ達も王都へ行く前のジョージと同様で、シャーロットの勝手な行動に腹を立てたまま返事を返した。
「らしいな。最後に会った時はどんな様子だった?」
「特に変わった様子はございません」
ジョージは必死でアマンダに合図を送ろうとしていたが、自分達は悪くないと思っているアマンダは堂々としている。
(全く、少しばかり旦那様に叱られたくらいでビクビクするなんて! 執事ならシャキッとなさい)
「それはいつだ?」
「は?」
「アマンダがシャーロットに最後に会ったのはいつかと聞いている」
アマンダはジョージが真っ青になっている理由に気付いた。
「前回旦那様がお帰りになられた日だったと思いますが⋯⋯」
「そうか、ではシャーロットの世話を担当していたのは誰だ? シャーロットはいつから食事をしなくなったのか、時期と理由を教えてもらおうか」
敬愛する主人の為に行動していたつもりの使用人達が青褪めた。
「シャーロットが屋敷に来た後使用人は挨拶も屋敷の案内もせず放置、ここへきたばかりの頃の食事も本人の希望ではなく確認もなく勝手に部屋に運んでいた。
俺はそれに対して何の文句があって引きこもっているのかと非難し、食事を運ばせるのは我儘だと言い切った」
「⋯⋯」
「メイドを呼んでも来ないばかりかたった一度だけ頼んだ買い物は真面なものは届かず、メイドに仕事を頼んだと言って非難された」
「⋯⋯」
「シャーロット用に準備してあった生活費はその時のガラクタの代金以外一切手付かずで、食事はゴミが浮いたスープと焦げたパンと生焼けの肉が出た日から食べなくなった。
その状況の中で、俺はシャーロットに向かって何の問題も起きてないと豪語した上に我儘を言わず使用人に歩み寄れと言ったわけだ」
「⋯⋯」
「祖父に宛てた手紙を何通も握りつぶし何食わぬ顔をしていたんだったな。手紙を送った途端祖父の執事が飛んできたがどんな話をしたのかは不明。その翌日から毎朝門まで食料その他の物を運んでくる女性がいたと。
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