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ハーミット王国、ガンツの本領発揮
39.ミリアの計画
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「国家反逆罪だとよ、お前やる事大胆だなぁ」
ミリアは大きく息を吸い込んだ。
「そう思ってるのなら何で捕まえないでそこに座ってるんですか? ギルマスなら簡単に捕まえられるはずでしょう?」
「そう怒んなよ。思ってねえし。
訳ありなのは知ってるがお前はそんな馬鹿なことやる奴じゃねえ。これでも色んな奴を見てきてんだ。
話してみろ、何か方法あるかもだぜ」
「第ニ王子殿下の暗殺未遂と脱獄でも?」
「そうだ、ってマジかよ。凄えな」
ミリアは大きく溜息をついて、
「彼らには捕まらない。絶対に悪事を公にしてみせる」
ソファに座り直そうとしたギルマスがフェンリルを見て、執務机の所から椅子を持ってきて座った。
「お前も座れって、棘々が一杯出てるぜ」
ミリアがソファに座るとその横にディーもちょこんと座った。
ミリアはコンフェッティを出してディーに手渡した。
「さて、告白タイムだ。全部吐け」
ミリアが話すかどうか悩んでいるとフェンリルが可愛い口を開けて欠伸をした。
『話せば良い、此奴は中々に面白い奴じゃ』
「一年と少し前、ローデリア国王の下知で叙爵して女伯爵になったの。王宮お抱えの薬師にもなって第二王子殿下と婚約。
でも殿下と彼の恋人はそれが気に入らなくて。
陛下が帝国での会議と併せて外遊に出かけた隙に、私を毒薬による暗殺未遂で断罪して牢に入れた。
それを聞いた陛下は全てを無かった事にするから、元通り薬を作れって。
だから牢から逃げ出したの」
「何か凄え内容をサラッと纏めて言ったな。まず一個目の質問だ。
普通叙爵するにしても男爵だろ? 伯爵はあり得んだろ?」
「伯爵以上になれば行動を監視・制限できるから。
旅行とかするなら計画書を提出しなきゃいけないし、国外へ出るのは許可がいるし」
「お抱え薬師だの第二王子と婚約だのっつう事は、余程王家で抱え込みたかったって事だよな」
「ちょっと珍しい薬が作れるだけ。
ローデリアは帝国の支配から抜け出したくて、それを利用しようとしてたの」
「毒薬って?」
「いつも殿下に処方してた薬。他の薬師も作ってるし、偶々私の当番だっただけだし他の薬師が一緒にいたし。
まあ、確かにその薬にはちょっぴり毒が使われてはいたけどね」
「それって何の薬なんだ?」
「よくある塗り薬。もしかしたらギルマスだって使ってるかも。
謁見の間に集まった大勢の重鎮の前で『飲んだら死んでた!』って大騒ぎ」
ミリアはあの時の殿下の馬鹿げた態度を思い出して苦笑いを浮かべた。
「ん?」
「ちょっと思い出して笑っちゃった。
だって、塗り薬って明記されてる容器を高らかに見せびらかして、『もしこれを飲んでたら!』って」
「周りの奴らは何も言わなかったのかよ」
「平民の癖にって思ってる人が多かったし。殿下の恋人は貴族だし私と同じ薬を作れるしって思ってたみたい」
「作れねえのか?」
「絶対にね。彼女の腕は民間の薬師見習いってとこ。
殿下は牢の中で薬を作れって大騒ぎして、私の友人を捕まえて拷問するとか騒いでた。
私が捕まった時点でみんな国を離れたから問題ないけど、これが一番頭にきたわね。
だから、絶対に許さないの」
「そんな簡単に国を逃げ出せるもんか?」
「ディエチミーラがやる事に不足はないわ。リーダーのウォーカーは私の兄だもの」
「ディエチミーラかよ、お前が凄腕な理由が理解できた」
「私はただの薬師だし、彼等にはほんの僅かも追いつけてないわ」
「まあ、言うだけ言ってりゃいいさ。んで、すっげえ気になってるのは何の薬かって事だな。俺も使ってるって?」
「・・サルファーが入ってる塗り薬」
「勿体ぶんなよ、何の薬作って国家反逆罪になったか聞きたくてたまんねえ」
「み・・・よ」
「聞こえねえ、もうちっとでかい声で言ってくれよ」
ミリアがバンと立ち上がって叫んだ。
傍目にはちょこんと立ち上がったようにしか見えないが・・。
「み・ず・む・し! 水虫の薬! しかも殿下はそれをイン○ンの治療にも使ってたのは薬師みんなが知ってたわ!
私は水虫の薬を作って犯罪者になったの!」
嬉しそうにコンフェッティをもぐもぐしていたディーが吹き出した。
フェンリルは一瞬首を上げかけたが、聞こえないふりをする事に決めたようで寝たふりを続けた。
「おっおう、そいつはかなり酷いと言うか。待て待て! 俺は必要ねえからな、水虫とかイ○キンとかねえからな。マジで必要ないからな!
大事な事だから二回言っとくぞ」
ギルマスは話している途中にガタンと音を立てて立ち上がり、テーブルを叩いて力説した。
「ギルマスの下の悩みは関係ないから」
「だーかーらー、悩んでないって言ってんの!」
「はいはい」
「やだ、その投げやりな態度。これは男の沽券に関わる問題だからな。股間じゃないぞ、沽券!」
はあはあと息を切らしながら言い募るギルマスを無視してミリアは話を続けた。
「兎に角、そう言うわけで逃げてるし捕まるわけにはいかないの」
「この後どうするつもりだ?」
「なんとかしてアスカリオル帝国に行くつもり」
「皇帝に謁見する気か? 勝算は?」
「ある。だからローデリアは必死なのよ」
「よっぽど凄い薬って事だよな」
「まあね、でも皇帝にその薬の事は言わないつもり。じゃないと今度は帝国に捕まるから」
「ならどうするんだ?」
「単独Sランクに挑戦する。実力Cランクだって分かってるけど、それしか方法はないって思うから」
それまで大人しく眠っていたフェンリルの耳がピクリと動き、隣に座っていたディーはよしっ! とガッツポーズを決めた。
「狙いは?」
ミリアは大きく息を吸い込んだ。
「そう思ってるのなら何で捕まえないでそこに座ってるんですか? ギルマスなら簡単に捕まえられるはずでしょう?」
「そう怒んなよ。思ってねえし。
訳ありなのは知ってるがお前はそんな馬鹿なことやる奴じゃねえ。これでも色んな奴を見てきてんだ。
話してみろ、何か方法あるかもだぜ」
「第ニ王子殿下の暗殺未遂と脱獄でも?」
「そうだ、ってマジかよ。凄えな」
ミリアは大きく溜息をついて、
「彼らには捕まらない。絶対に悪事を公にしてみせる」
ソファに座り直そうとしたギルマスがフェンリルを見て、執務机の所から椅子を持ってきて座った。
「お前も座れって、棘々が一杯出てるぜ」
ミリアがソファに座るとその横にディーもちょこんと座った。
ミリアはコンフェッティを出してディーに手渡した。
「さて、告白タイムだ。全部吐け」
ミリアが話すかどうか悩んでいるとフェンリルが可愛い口を開けて欠伸をした。
『話せば良い、此奴は中々に面白い奴じゃ』
「一年と少し前、ローデリア国王の下知で叙爵して女伯爵になったの。王宮お抱えの薬師にもなって第二王子殿下と婚約。
でも殿下と彼の恋人はそれが気に入らなくて。
陛下が帝国での会議と併せて外遊に出かけた隙に、私を毒薬による暗殺未遂で断罪して牢に入れた。
それを聞いた陛下は全てを無かった事にするから、元通り薬を作れって。
だから牢から逃げ出したの」
「何か凄え内容をサラッと纏めて言ったな。まず一個目の質問だ。
普通叙爵するにしても男爵だろ? 伯爵はあり得んだろ?」
「伯爵以上になれば行動を監視・制限できるから。
旅行とかするなら計画書を提出しなきゃいけないし、国外へ出るのは許可がいるし」
「お抱え薬師だの第二王子と婚約だのっつう事は、余程王家で抱え込みたかったって事だよな」
「ちょっと珍しい薬が作れるだけ。
ローデリアは帝国の支配から抜け出したくて、それを利用しようとしてたの」
「毒薬って?」
「いつも殿下に処方してた薬。他の薬師も作ってるし、偶々私の当番だっただけだし他の薬師が一緒にいたし。
まあ、確かにその薬にはちょっぴり毒が使われてはいたけどね」
「それって何の薬なんだ?」
「よくある塗り薬。もしかしたらギルマスだって使ってるかも。
謁見の間に集まった大勢の重鎮の前で『飲んだら死んでた!』って大騒ぎ」
ミリアはあの時の殿下の馬鹿げた態度を思い出して苦笑いを浮かべた。
「ん?」
「ちょっと思い出して笑っちゃった。
だって、塗り薬って明記されてる容器を高らかに見せびらかして、『もしこれを飲んでたら!』って」
「周りの奴らは何も言わなかったのかよ」
「平民の癖にって思ってる人が多かったし。殿下の恋人は貴族だし私と同じ薬を作れるしって思ってたみたい」
「作れねえのか?」
「絶対にね。彼女の腕は民間の薬師見習いってとこ。
殿下は牢の中で薬を作れって大騒ぎして、私の友人を捕まえて拷問するとか騒いでた。
私が捕まった時点でみんな国を離れたから問題ないけど、これが一番頭にきたわね。
だから、絶対に許さないの」
「そんな簡単に国を逃げ出せるもんか?」
「ディエチミーラがやる事に不足はないわ。リーダーのウォーカーは私の兄だもの」
「ディエチミーラかよ、お前が凄腕な理由が理解できた」
「私はただの薬師だし、彼等にはほんの僅かも追いつけてないわ」
「まあ、言うだけ言ってりゃいいさ。んで、すっげえ気になってるのは何の薬かって事だな。俺も使ってるって?」
「・・サルファーが入ってる塗り薬」
「勿体ぶんなよ、何の薬作って国家反逆罪になったか聞きたくてたまんねえ」
「み・・・よ」
「聞こえねえ、もうちっとでかい声で言ってくれよ」
ミリアがバンと立ち上がって叫んだ。
傍目にはちょこんと立ち上がったようにしか見えないが・・。
「み・ず・む・し! 水虫の薬! しかも殿下はそれをイン○ンの治療にも使ってたのは薬師みんなが知ってたわ!
私は水虫の薬を作って犯罪者になったの!」
嬉しそうにコンフェッティをもぐもぐしていたディーが吹き出した。
フェンリルは一瞬首を上げかけたが、聞こえないふりをする事に決めたようで寝たふりを続けた。
「おっおう、そいつはかなり酷いと言うか。待て待て! 俺は必要ねえからな、水虫とかイ○キンとかねえからな。マジで必要ないからな!
大事な事だから二回言っとくぞ」
ギルマスは話している途中にガタンと音を立てて立ち上がり、テーブルを叩いて力説した。
「ギルマスの下の悩みは関係ないから」
「だーかーらー、悩んでないって言ってんの!」
「はいはい」
「やだ、その投げやりな態度。これは男の沽券に関わる問題だからな。股間じゃないぞ、沽券!」
はあはあと息を切らしながら言い募るギルマスを無視してミリアは話を続けた。
「兎に角、そう言うわけで逃げてるし捕まるわけにはいかないの」
「この後どうするつもりだ?」
「なんとかしてアスカリオル帝国に行くつもり」
「皇帝に謁見する気か? 勝算は?」
「ある。だからローデリアは必死なのよ」
「よっぽど凄い薬って事だよな」
「まあね、でも皇帝にその薬の事は言わないつもり。じゃないと今度は帝国に捕まるから」
「ならどうするんだ?」
「単独Sランクに挑戦する。実力Cランクだって分かってるけど、それしか方法はないって思うから」
それまで大人しく眠っていたフェンリルの耳がピクリと動き、隣に座っていたディーはよしっ! とガッツポーズを決めた。
「狙いは?」
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